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一夜一話

      

2月掲載の映画 ~去年の今月今夜は何を観てたか(2018.2)

去年の2月、こんな映画を観てました。

2月みた映画

次の邦画2作は、お勧めです。
「強虫女と弱虫男」 
乙羽信子主演の、タイトル通り、強い女性を描く喜劇です。新藤兼人が監督・脚本。
好きですね、こういう映画は。生きるエネルギーが爆発。

「ふりむいた花嫁」
倍賞千恵子, 淡島千景, 伴淳三郎らが出演の、これも喜劇。監督は番匠義彰。
これも良くできた映画です。舞台は浅草の老舗どじょう屋。
洋画は5本でした。まずは、シブいところから2本。
「ガッジョ・ディーロ」
(フランス、ルーマニア)
パリの青年がロマ音楽に魅せられて、ルーマニアのロマの村に現れます。
そしてロマの女とのラブストーリー。

「鶴は翔んでゆく」
(ソ連)
主演女優タチアナ・サモイロワを観てください。いい。

あとは、喜劇系の映画3本。
「スペースボール」
(アメリカ)
「スター・ウォーズ」のパロディです。おバカです。ジョージ・ルーカスが快諾しました。

「バードマン  あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
(アメリカ)
スーパーマンみたいなスーパーヒーロー役を演じてきた俳優の、その後の話ですが、
喜劇でちょっとファンタジーな所が、なかなか。

「ウェイクアップ!ネッド」
(イギリス)
離れ小島のある住人が買った、一枚の宝くじがなんと、12億円! 
誰が当てたんだってところから話は意外な展開へ。
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映画「ウィ・アンド・アイ」  監督:ミシェル・ゴンドリー

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 この映画は、起承転結をくっきりにして、ドラマ性を盛り上げる類ではないです。
 言い換えれば、絶えず流れる川の流れや人の流れに、何かしらの情感を汲み取ることを求めるタイプ。

 とは言っても、話の舞台はニューヨークのブロンクス、16歳の子たちの話だから、騒がしい。
 シーンのほとんどが路線バスの中、下校の生徒たちが乗っている。
 気の合う幾つかのグループに分かれて、子たちはそれぞれに、ああだこうだとしゃべっている。
 映画は丹念に彼らの話を聞く。
 その内容はパーティを開く話、誰と誰がいい仲らしい噂など戯れながらの話、いつの時代も変わらぬ青春真っただ中。なりたい将来がまだ見えてこない年頃。
 見た目は大人に見えなくもないが、まだ16歳だから幼い、親や大人の言うことを無視できない。
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 さらりと語る映画の語り口がいい。映画のクロッキーといった感じ。
 流れる挿入サウンドがさりげなくも、いいセンス!


オリジナルタイトル:The We and The I
監督:ミシェル・ゴンドリー|アメリカ|2012年|103分|
脚本:ミシェル・ゴンドリー 、 ポール・プロック 、 ジェフ・グリムショー|撮影監督:アレックス・ディセンホフ|
出演:マイケル(マイケル・ブロディー)|テレサ(テレサ・リン)|レイディ・チェン(レイディーチェン・カラスコ)|リトル・レイ(レイモンド・デルガド)|ジョン(ジョナサン・オルティス)|ビッグ・T(ジョナサン・ウォーレル)|アレックス(アレックス・バリオス)|ナオミ(ナオミ・マーフィー)|

一夜一話の歩き方 下記、クリックしてお読みください。

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一夜一話の “今日はロックだよ”  カレン・ダルトン

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 今日の一枚は、女性シンガー、カレン・ダルトン。
 ロック~カントリー系のサウンド。
 当時は再発(輸入盤LP)がなくて、幻なんて言われてたので、ついにレコードを手に入れることはできなかった1枚。
 そしてずっと後になって、忘れた頃に突如、CDで出てきたアルバム。

 ま、そんなことはどうでも良い、初めて聴いたのが、渋谷・百軒店にあったあの店だった。
 驚いたね、その時は。一瞬で、カレン・ダルトンのヴォイスに魅せられた。
 しゃがれていてスモーキーで、一度耳にしたら耳から離れない声質。

 よければ聴いてみて。

 まずは、1曲目「Something On Your Mind」、どうです?彼女の歌声は。いいですね!
 2曲目「When a Man Loves a Woman」、ブルーなバラード、絶品。
 飛んで4曲目「Katie Cruel」や8曲目「Same Old Man」は、トラディショナルの曲。
 カレン・ダルトンはバンジョーも弾きます。
 これ、いわゆるカントリー系のバンジョーじゃない。どこか英国を感じますね。
 この2曲、当時は敬遠してたのですが、今聴くと、いいなと感じます。


KAREN DALTON  In My Own Time (1971)

01. Something On Your Mind (Dino Valenti)
02. When A Man Loves A Woman (Calvin Lewis / Andrew Wright)
03. In My Own Dream (Paul Butterfield)
04. Katie Cruel (Traditional)
05. How Sweet It Is (Dozier/Holland/Holland)
06. In A Station (Richard Manuel)
07. Take Me (George Jones / L. Payne)
08. Same Old Man (Traditional)
09. One Night Of Love (Joe Tate)
10. Are You Leaving For The Country (Richard Tucker)
カッコ内は作曲者

これまでに掲載したポピュラー音楽の記事は、こちらから。
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映画「厳重に監視された列車」  チェコスロバキア映画  監督:イジー・メンツェル

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 舞台は、チェコスロバキアの田舎のとてもローカルな駅。
 ダイヤは一日数本、駅員4名。
 そしてある日、こんな駅に新入りの若者が5人目として加わった。
 彼の名はミロシュ、駅員見習い。
 しかし、先輩駅員はみな暇を持て余している。

 映画は、この駅の人々が駅務以外の時間を、どう過ごしているかを、のんびりしたコメディで見せて行きます。


1-0 駅舎の二階に住む駅長は、ハトの飼育に熱心で、同じく熱心に駅員のひとりで電信係りの若い女駅員ズデニチカを口説いている。
 しかし、もう一人の駅員フビチカは、この女性といい関係だから、駅長は嫉妬。
 ミロシュは、幼なじみの女車掌マーシャと仲がいい、ので、彼女が乗る列車が駅に停車するのが待ち遠しい。
 4人目の駅員は静かな年配で、彼らの行いを遠目に見ている・・。

2-0 ところでミロシュに深い悩みがある。
 彼女とベッドを共にしたが果たせなかったのだ。早漏らしい。
 映画はこの先、ロシュのこの悩みについてのアレコレを可笑しく展開させます。(医者役を監督が演じています)

 さらにこれに乗じて映画は、駅員フビチカと電信係りの女駅員ズデニチカとの、駅のハンコを使ったエロチックな遊びが、鉄道上層部にバレて事は大事になる、というスッタモンダを語ります。

 さて、しかし、この映画を、ゆるいエロチックな話と勘違いしないように。
 時はナチスドイツ下のチェコスロバキアで、この駅をナチス軍の列車も通過するのです。

 世は、チェコ人とスロバキア人とのそもそもの不和が続き、親ドイツ派/反共派・反ドイツ派の分断、そしてナチス・ドイツの圧迫と、まさに荒波の中なのです。

 映画の狙いは、こうした荒波と、ゆるいエロチックな話といった、相容れない2つの話を交錯させて、当時のチェコスロバキアの国情をコメディっぽく言いつつも、庶民のおおらかさと怠惰と、権力に追従する人、そして負けない力を、気負うことなく現したいのだろうと思う。

 で、ある日、駅に1人の女性が現れる。
 彼女ヴィクトリアは、ロシュの悩みを、駅のソファーで解決もしたが、実はパルチザン、それもヒラの戦士じゃない。
 ヴィクトリアは用意した時限爆弾をこの駅に持ってきたのだ。近日中に、爆弾を大量に積んだナチスの軍用列車がこの駅を通過するらしい。
 時限爆弾を受け取ったのは、なんと女たらしのフビチカと年配駅員。この二人も実はパルチザンの一員だったのです。
 ロシュは親しくなったフビチカの言いなりに、通過する軍用列車に時限爆弾を投げ込む役を引き受けるのでしたが‥。

 これが予告編。これだけ観ると、どんな映画か勘違いするでしょう。


3_20190201175918326.jpgオリジナルタイトル:Ostre sledované vlaky|Closely Watched Trains|
監督:イジー・メンツェル|チェコスロバキア|1966年|93分|
原作:ボフミル・フラバル|脚本:イジー・メンツェル 、 ボフミル・フラバル|撮影:ヤロミール・ショフル|
出演:ミロシュ(ヴァーツラフ・ネツカーシュ)|マーシャ(イトカ・ベンドヴァー)|フビチカ (ヨゼフ・ソムル)|ズデニチカ(イトカ・ゼレノホルスカー)|ヴィクトリア(ナジャ・ウルバーンコヴァー)|Dr. Brabec(イジー・メンツェル)|ほか

【 一夜一話の歩き方 】 下記、クリックしてお読みください。

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気になる映画 70  《これから上映の映画》

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「月夜釜合戦」
監督:佐藤零郎
3/9 ユーロ、4/20 横浜シネマリン
予告編は画像クリック

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「金子文子と朴烈」
監督:イ・ジュンイク
2/16 イメージフォーラム・シネマート心斎橋
予告編は画像クリック

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ユーリー・ノルシュテイン
『「外套」をつくる』 監督:才谷遼
3月下旬 イメージフォーラム
予告編は画像クリック

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岸 恵子
昭和銀幕に輝くヒロイン第91弾
2/24 ラピュタ阿佐ヶ谷
上映映画「雪国」の記事へは画像クリック
 

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ソクーロフ特集
2/25 ユーロスペース
孤独な声 セカンド・サークル
日陽はしづかに発酵し・・・
上映映画、上の3作の記事は題名クリック

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ドイツ映画祭2019
3/8 ユーロスペース
画像クリックでユーロのサイトへ


映画「幸せなひとりぼっち」  スウェーデン映画 監督:ハンネス・ホルム


上5

 映画は、オーヴェという男の、これまでの人生、数々の出来事に敬意を表しつつエピソードを語ります。
 そして年老い、やがて人生の店じまいを始めようとするオーヴェの、乾いた悲しみと、突如舞い込んだ新鮮な喜びを語るのです。

3_201901291449504b5.jpg ですから、この映画を、頑固で狭量な独居じいさんの、在りがちな、はた迷惑を笑う話と勘違いしちゃいけません。
 話のコアは、とてもピュアな愛と、亡くした悲しみ。
 もうひとつのコアは、閉ざした心の開放で得た、とても普通の幸せ。
 そして物語の根っこは喜劇です。

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 まずは、オーヴェの乾いた悲しみとは・・。つまり「幸せなひとりぼっち」の「ひとりぼっち」の話。
 実は、オーヴェは自殺しようとしていた。
 最愛の妻が病死してのち(子もいず)この先、生きる希望は無かったのだ。
 自殺までして、あの世の妻ともう一度連れ添いたい願う、その最愛の妻との出会いとは・・・。
 
 その昔、若きオーヴェは、見知らぬ女に寝顔を盗まれた。
 それは列車の中での出来事だった。
 疲労し熟睡していたオーヴェは目覚めたとたん、向かいに座る見知らぬその女と目が合った。
 この一瞬、ふたりに恋が芽生えたのでした。女の名はソーニャ。
 ふたりは生まれも育ちもまったく違うのでしたが、やがてふたりは互いの深い愛に包まれます。
 しかし結婚後、その幸せは一生続かずソーニャは病死してしまうのでした。


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 さて「幸せなひとりぼっち」の「幸せな」の話。現在の話。
 オーヴェの自殺決意を知らずに、それを結果、邪魔するイラン人の女が現れます。
 その女は隣に越してきた一家の奥さんパルヴァネ。
 パルヴァネはオーヴェが心を閉ざし、周囲の人間に怒りをぶちまける厄介じいさんと知ってか知らずか、彼の心の領域に、恐れもせず、明るくズカズカ遠慮なく入ってくるのです。

 さあ、それからは観てのお楽しみ。
 過去/現在の、たくさんのエピソードを巧く見せ、オーヴェの人柄・人生が目の前に浮かび上がって来る脚本は、なかなかの出来です。

 予告編映像はこれ↓です。


オリジナルタイトル:EN MAN SOM HETER OVE
監督:ハンネス・ホルム|スウェーデン|2015年|116分|
原作:フレドリック・バックマン|脚本:ハンネス・ホルム|撮影:ゴラン・ハルベルグ|
出演:オーヴェ(ロルフ・ラスゴード)|ソーニャ(イーダ・エングヴォル)|パルヴァネ(バハー・パール)|青年時代のオーヴェ(フィリップ・ベリ)|オーヴェらが住む団地自治会の副会長の妻アニータ(カタリーナ・ラッソン)|ほか


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特集:美味しい話、「レストラン・食堂」の映画 17本!  

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 美味い料理に、人は集まる。
 食う人も、作る人も。
 人が集まれば、出会いがあり、愛も生まれれば、ケンカも始まる。

 一夜一話で、これまでに取り上げた映画の中から、以下をピックアップしてみました。
 それぞれ、右端の画像をクリックし、記事をご覧ください。


1_20190118030543d14.jpg「ディナーラッシュ」  アメリカ|2001年
 ニューヨークの南、トライベッカにある有名イタリアレストラン「ジジーノ」での、「その日の出来事」を語るサスペンスな映画。 
 「ジジーノ」は予約が無いと入れない超有名店。料理評論家がうなる有名シェフがいる・・。
 予告編https://www.youtube.com/watch?v=_oE-HFYGduU


2_20190115205916e8d.jpg「マーサの幸せレシピ」   ドイツ|2001年
 ドイツにある高級フランス料理店。そしてラブストーリー。
 主人公のマーサは、この店の有名女性シェフ。抜群の才能あって、美しいひと。店のオーナーも常連客誰もが認める、彼女あってのレストラン。
 予告編https://www.youtube.com/watch?v=C0t98cS_2Zw


3_20190115210522a19.jpg「あん」  日本|2015年
 商店街から外れた所にある、どら焼きの店。
 馴染み客は近所の女子中学生達で、店内のカウンターは3人座れば満席。
 桜が満開のある日、徳江は駄目もとで、店で雇ってくれないかと、どら焼き屋の千太郎に申し出ます。あん作りがうまいのです。
 予告編https://www.youtube.com/watch?v=t4OhrkllRsM

キャプチャ4 天地52  4

映画「私が棄てた女」  出演:浅丘ルリ子, 河原崎長一郎, 小林トシ江  監督:浦山桐郎

上1

 この映画の核心は、とてもピュアな愛。
 若さゆえの、純で臆病な出会いだった。

1-1_201901261657089d0.jpg そのふたりとは、貧しい出でバイトに励みつつ、安保闘争に加わる早大学生・吉岡努(河原崎長一郎)と、中卒か高卒かで就職のため東北から上京、小さな工場で働く東北弁の田舎娘・森田ミツ(小林トシ江)

 やがてミツの素朴な心は描き出す。、貧しい今の生活を抜け出したいし、できることなら吉岡と一緒になり、早稲田大学を出る彼の将来にぶら下がり、小さな幸せを得たい。
 しかし吉岡は、もっと上昇志向の強い人生を考えていた、だから、それに不釣り合いなミツという女に重荷を感じ始めていた。
 そしてある日、吉岡はミツを棄てた。(一夜を明かした浜辺の漁師小屋にミツを置き去りにしてしまう)

0-2_20190126165816cfd.png もうひとつの愛。
 それは吉岡と三浦マリ子(浅丘ルリ子)との、少し大人な出会い。
 マリ子は、吉岡と同じ職場の女性で、この会社のオーナー社長の姪。
 マリ子は上流階級の環境で育ったが、心の底でそれに違和感を持っていた。なぜなら実はマリ子の家の経済は、伯父からの借金に支えられていたからだった。

 一方、貧しい家庭に育った吉岡は、マリ子の一族のブルジョアさに大いに負い目を感じていた。だがマリ子はそんな思いを抱く吉岡に同調しようとする。そして吉岡を受け入れがたく思う一族の目を彼女は無視するのであった。
 こんなふたりは、やがて結婚。
 しかし新居は伯父から借りた代官山ハイツだった。(代官山にある当時高級なマンション)
 それでもマリ子も吉岡も、それぞれに思うそれぞれを勝ち取った生活がスタートする。
 だがマリ子は、以前から結婚後も、吉岡の中にある冷たい一点を漠然と感じていた。それはマリ子にとって疎外感を感じる何かであった。

2-0_20190126171444201.jpg ところで、ある日、まったくの偶然であった吉岡とミツとの再会が、この先、マリ子をも巻き込み、三者の心は乱れ荒れていくのであった。
 この悪い流れを作り出したのは、吉岡が顧客接待する場で出会った女であった。この女はミツの居場所を知っていて、ミツから聞き出した吉岡の過去を利用し金に換えようとする算段であった。

3-0_20190126171746e0a.png この女が仕組んだとは露知らずの吉岡は、ミツとの再々会を冷静に喜んだ。その場のふたりの会話は、それぞれの告白の独り言のようでもあった。
 だが、この場の盗撮写真とミツが大事に持っていた吉岡からの昔の手紙をネタに女は、マリ子(の一族の金が目当て)を揺すり始めた。
 この段になってミツは、女とその男ともみ合い、窓からの、あっけない転落死となった。それは自殺のようにも見えた。
 
 マリ子にとって、ミツという存在含め、難は去った。
 ふたりが住み始めた賃貸アパートの、陽だまりのベランダに立つマリ子は安堵な様子なのだが・・。
 マリ子は吉岡との出会いで、平凡な一般庶民の普通のしあわせを夢見、それを手に入れたのではあった。
 さて吉岡は今、何を思っているのだろうか、映画は語らない。


 よく出来た、いい映画です。
 森田ミツ役の小林トシ江が主役と言っても良いかもしれない。いい演技だ。
 吉岡に棄てられたのちのミツの生活など、ここに書かなかっ数々のたエピソードは物語を豊かにしています。
 俳優の背景、例えば背景を通り去る電車などにも気を配る撮影です。
 ラスト近くの吉岡が見る幻想も凝ってます。
下

監督:浦山桐郎|1969年|116分|
原作:遠藤周作|脚色:山内久|撮影:安藤庄平|
出演:吉岡努(河原崎長一郎)|三浦マリ子(浅丘ルリ子)|三浦ユリ子(加藤治子)|森田ミツ(小林トシ江)|森田八郎(加藤武)|森田キネ(岸輝子)|深井しま子(夏海千佳子)|武隈(江角英明)|長島繁男(江守徹)|友人太田(山根久幸)|清水修一(辰巳柳太郎)|清水綱子(織賀邦江)|清水修造(大滝秀治)|清水友枝(北原文枝)|清水修巳(中村孝雄)|清水由起子(阪口美奈子)|大野義雄(小沢昭一)|赤提灯のてる(佐々木すみ江)|医者(遠藤周作)|医者(佐野浅夫)|看護婦(園佳也子)|

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映画「男と女」(1966)  ~映画音楽に魅せられて  監督:クロード・ルルーシュ

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 誰もが知ってるラブストーリー「男と女」。
 でも、この映画をもう一度思い出すよう、予告編を観てみましょうか。
 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Dt40QoTSulg
(注意:予告編ですからシーンは話の前後、関係なく継ぎはぎだらけです)

 まずは、この「男と女」というタイトル、思えば、あまりに単刀直入な題名ですね。
 かつ観終わって感じるのは、アンヌとジャン・ルイの、うまく行ってて、チョットやばくなり、でもやっぱりうまく行きそう、という、すごく単純なストーリー展開なんだよね。
 それと映画冒頭についてだけれど、頭の数分の間に、ふたりの人柄や雰囲気境遇をほぼ映像だけで説明してしまい、これを言い終えるともう、すぐにふたりの出会いシーンとなってしまう。これも単刀直入なんです。

 この速い展開を和らげ、話を詩的にゆったりさせようとするのが、映像美とテーマ音楽。
 で、映画序章の映像に、ぴったりしっとり寄り添うのが、あの詩情あふれるフランシス・レイのテーマ。
 この甘いサウンドで、はじめのうちに観客をノックアウトして、映画の世界に引き込もうという作戦。
 その演奏をよく聴くと、実に感情を込めた演奏で、かつ慎重すぎるくらいに、押さえに押さえてプレイしているのが分かる。
 つまり、客を柔らかく包み込み、感情をそそろうとするサウンドなのだ。

1-0_201901221234574f7.jpg さてここで観る方は考える。
 雰囲気はいい感じだが、じゃあ、この映画、この先、どう展開して観せるんだろう・・
 あのふたりをハッピーエンドで終わらせるつもりか、そうでなくするのか

 と思いきや、結局、尺103分のうち、頭からの70分間ずっと、映画は思わせぶりな態度は示すが、ラブストーリーの展開については語らず、ラストの30分になってやっと話は動き出すのである。(それはアンヌが愛の告白電報を電話で申し込み、モンテカルロにいるジャン・ルイへ送る場面からですね)
 70分間、焦らせてるといえば、その通り。

 じゃこの間、観客は、何を観ているのか、
 ふたりの過去(アンヌの亡夫のこと、ジャン・ルイの亡妻のこと)、そしてアンヌとジャン・ルイのそれぞれの仕事の様子(アンヌは映画製作スタッフでロケ現場、ジャン・ルイは有名なカーレーサーでレース・シーン)。
 これが主で、あとは互いの子供を交えた4人の食事シーンや4人での遊びのシーンもある、が。
 ふたりに芽生えたか?の愛の展開は語らない。

 そして満を持して、アンヌの電報でラブストーリーが始まるのだが。
 しかし、ジャン・ルイがモンテカルロからアンヌのもとへ、雨の中、車を走らすシーンに10分費やす。まだ焦らす。

 さあ、アンヌが二人の子と一緒に砂浜にいて、そこへジャン・ルイが駆け寄るシーン。
 でも二人の抱き合う場面は僅かで、あとは渚を駆ける犬の嬉しそうなシーンを、ずっと映し出す。テーマ音楽を伴って愛の喜びを表そうとしている。(テーマ音楽のテンポが速めです)
 この映画、挿入音楽だけじゃなく、風景でものを語ろうとする間接的な表現が多いです。否、風景ではなく、情景(=心に、ある感じを起こさせる光景や場面)をみせている。
 そう思うと、海、渚(濡れた砂浜)、土砂降りの雨、霧といった「水」のシーンがやたらに多いのです。

 あと、この映画で多く使われるのが、カラー/モノトーンの使い分け。
 浜辺で抱き合ったふたりは、ベッドシーンに移るのですが、このシーンでモノトーンに切り替わる。かつ、ほぼ無音。ここが巧い。
 実は、たぶん、こういった観せ方これがこの映画の魅力であり、作品の力だと思う。(ベッドシーンそのあとの流れは観てのお楽しみ・・) (濃厚シーンを期待していたのに、 肩透かしを食わされたと思っちゃ、ヤボ)


 思えば、この映画、セリフがとても少ない。
 ま、その分、アンヌの表情がものを言う。
 そして映像の仕掛けとモノローグ、並びに挿入音楽の絶妙な入り方で、「男と女」はできていると思う。
 ちなみに、印象的なある1シーンを切り取ったら、「絵になる」と思うものだが、この映画のシーンの静止画は、他の映画に比べ、まったく素っ気ないのに気付いた。
 それで考えるに、この映画は、常時流れ移り行く映像のその微妙なムードの中で、生きているのだと知った次第。

 余談だが、かつて、この映画のテーマ音楽は嫌いだった。FMでよくかかっていた。フランシス・レイなんて、ムードミュージックじゃん。
 でも数年前だったか、DVDを観た時、ジーンと感じました。
 60年代のユーロピアンなオルガンサウンドと、ピアノと鉄琴の音を重ねた音色が素敵です。
 

オリジナルタイトル:Un Homme et Une Femme
監督:クロード・ルルーシュ| フランス|1966年|103分|
脚本:クロード・ルルーシュ 、 ピエール・ユイッテルヘーヴェン|撮影:クロード・ルルーシュ|音楽:フランシス・レイ|作詞:ピエール・バルー|歌:ピエール・バルー 、 ニコール・クロアジール|
出演:アンヌ(アヌーク・エーメ)|ジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)|ピエール(ピエール・バルー)|ヴァレリー(ヴァレリー・ラグランジュ)|寄宿学校の校長(シモーヌ・パリ)|ほか

 1960年代のフランス映画はいいですね。
 下記のページで、60年代の作品をまとめています。クリックしてご覧ください。
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【 一夜一話の歩き方 】 下記、クリックしてお読みください。

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気になる映画 69 《公開未定映画、これから上映の映画、見逃してる映画》

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「HOTEL GAGARIN」
Italy(2018年)
Director: Simone Spada
公式予告編は画像クリック
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「ハッピー・アズ・ラザロ」
Italy(2018年)
監督:アリーチェ・ロルヴァケル
公式予告編は画像クリック
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北欧映画の1週間
トーキョー ノーザンライツ フェスティバル2019
ユーロスペース 2/9 - 15
画像クリックでユーロのサイトへ
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「むかしの歌」(1939年)
監督:石田民三
出演:花井蘭子
 
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「三十六人の乗客」(1957年)
監督:杉江敏男
出演:淡路恵子、千秋実
 
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「羽織の大将」(1960年)
監督:千葉泰樹
出演:フランキー堺、団令子
 
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大番頭小番頭(1955年)
監督:鈴木英夫
出演:池部良、雪村いづみ
 
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「女の暦」(1954年)
監督:久松静児
出演:杉葉子,香川京子,田中絹代


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映画「嫌われ松子の一生」  主演:中谷美紀 監督:中島哲也

上


0_20190113154722bee.png 松子は、不器用なくせに向こう見ず、エイヤー!の思いっきりがよくって惚れっぽくって・・。
 でも、その一瞬一瞬すべてがミスジャッジ、結果はまさかの裏目に出ての、ひたすら不幸な人生、一直線。
 だからこそ、松子は人一倍、一途に幸せ求める。

 この映画、こんな松子をどれだけ、どん底に落とせるか、と同時にその不幸を、どれだけハッピーにコミカルに描けるか、に挑戦した映画にみえる。
 監督・脚本の中島哲也、やりましたね。予算も付いた。豪華キャスト。作りが凝ってます。

 映画は松子(中谷美紀)の少女時代から始まる。
 そして父親(柄本明)の希望で音楽の先生になるが、ある出来事でクビに、そして家出し、同棲した相手(宮藤官九郎)の暴力、次に不倫相手(劇団ひとり)に捨てられ、ソープ嬢になり、ヒモを殺害、自殺未遂、刑務所行き、ヤクザ(伊勢谷友介)の女に、そして・・。
<予告編>
 https://www.youtube.com/watch?v=wzxLFblkDt4

13_20190113155117d23.jpg もちろん、松子にも味方がいた。
 その一番は、松子の親友・沢村めぐみ(黒沢あすか)。
 彼女はAV女優「水沢葵」で元ストリッパーで成り上がって会社社長。言ってみれば松子とは逆ベクトルだが。松子への思いは人一倍。

 つぎに松子の妹・久美(市川実日子)もそう。だが久美は生まれながらの病弱のためか、父親の寵愛を一手に受け、松子は幼い頃から嫉妬。
 つぎに、理容師の男。松子が自殺未遂に終わったのは、たまたまその場を通りかかったこの理容師(荒川良々)のおかげ。松子は散髪屋の店を手伝い同棲へ。ただしヒモ殺害の罪で逮捕され、刑務所行き、この間、理髪師の男は別の女と結婚し・・。
 最後に松子の甥っ子(瑛太)。ただし松子との面識はない。松子が他界したのち、おば(伯母)の松子の生き方に共鳴し始める。
 
 ちなみに、狂言回し役の男・龍洋一(伊勢谷友介)にも注目。
 教師をクビになったそもそもの原因は、中学生だったこの男が松子のクラスの児童で、この子が修学旅行中、旅館の金を盗んだことだった。さらには修学旅行付き添いの松子先生がこの子をかばうがためにの、ミスジャッジ、これが松子の人生のつまづきとなったのだった。
 その後、幾年も過ぎる中、男はヤクザになり、また松子先生への謝罪の気持ちを抱え、忽然と松子の前に現れ、ふたりは結ばれる。
 そしてさらに時は過ぎ、映画ラスト近く、年老い浮浪者になった男は悔いを抱えて松子のゆくえを追うのだが・・・。
 
 個性ある俳優がたくさん登場します、お見逃しなく! これもこの映画を観る楽しみのひとつです。
 しかし、何ですね、ふと我が身を振り返るに、身につまされる映画でもありました・・。


監督・脚本:中島哲也|2006年|130分|
原作:山田宗樹|撮影:阿藤正一|
出演:川尻松子(中谷美紀)|松子幼少時代(奥ノ矢佳奈)|松子の甥っ子・川尻笙(瑛太)|松子の父・川尻恒造(柄本明)|松子の妹・川尻久美(市川実日子)|川尻家崩壊の原因だとして松子に冷たい松子の弟・川尻紀夫(香川照之)|その妻・川尻悦子( 濱田マリ)|松子の母親・川尻多恵(キムラ緑子)|松子の教え子でのちにヤクザの龍洋一 (伊勢谷友介)|松子が唯一心を許す親友・沢村めぐみ(黒沢あすか)|ソープ嬢仲間の綾乃(斉藤スミ子)|松子晩年の隣人でヘビーロッカーの大倉修二(ゴリ)|松子の甥っ子の彼女・渡辺明日香(柴咲コウ)|最初の同棲相手で作家志望の八女川徹也(宮藤官九郎)|愛人となる岡野健夫(劇団ひとり)|その妻・岡野芳江(大久保佳代子)|理容師の島津賢治(荒川良々)|白い歯が光る松子が恋した同僚教師・佐伯俊二(谷原章介)|松子に殺されるヒモ、雄琴の男・小野寺保(武田真治)|後藤刑事(マギー)|汐見刑事(渡辺哲)|杉下教頭(竹山隆範)|田所校長(角野卓造)|トルコ「白夜」のマネージャー・赤木(谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)|金を盗まれた旅館売店の男(甲本雅裕)|TVドラマのヒロイン(片平なぎさ (本人役)|同じく犯人役(本田博太郎(本人役)|同じく刑事役(田中要次(本人役)|女囚A:唄(AI)|女囚B:家族(山下容莉枝)|女囚C:プライド(土屋アンナ)|女囚D:思い出(山田花子)|婦警(木野花)|係官(あき竹城)|牧師(嶋田久作)|超人気シンガー(木村カエラ)|アイドル歌手( 阿井莉沙)|
その他の出演者:江本純子、浅野麻衣子、星ようこ、蒼井そら、江口のりこ、松下萌子、榊英雄、鳴海剛、田村泰二郎、山本浩司、木下ほうか、片岡涼乃
下2

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1月掲載の映画 ~去年の今月今夜は何を観てたか(2018.1)

去年の1月、こんな映画を観てました。

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「心に花の咲く日まで」
監督:佐分利信
淡島千景、芥川比呂志
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「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」
監督:宮藤官九郎
神木隆之介、長瀬智也
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「歌行燈」
監督:成瀬巳喜男
山田五十鈴、花柳章太郎

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「希望のかなた」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド|2017
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「国際市場で逢いましょう」
監督:ユン・ジェギュン
韓国|2014
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「断絶」
監督:モンテ・ヘルマン
アメリカ|1971

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CD紹介
“今日は日本のポップスだよ” 
細野晴臣
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CD紹介
“今日はソウルだよ” 
アレサ・フランクリン



その前の年には、こんな映画を観てました。下のこちらをクリックしてご覧ください。
16 1


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映画「バルバラ セーヌの黒いバラ」  監督:マチュー・アマルリック

上






 映画の撮影が始まった。
 その映画は、歌に生涯を捧げた、往年のシャンソン歌手・バルバラ( 1930 - 1997)の生きざまを描く物語。
 バルバラを演じるは、女優・ブリジット(ジャンヌ・バリバール)、監督はイヴ(マチュー・アマルリック)。ともにバルバラを敬愛するふたりなのです。
 本作は、この二人を中心に据えて、いくつもの撮影現場シーンと、その合間のオフの様子を見せます。


0_20190110145315058.jpg さて主人公ブリジットですが、彼女は役作りに没頭するあまり、撮影現場で、撮影中でないのに、時にバルバラ本人のような自由奔放な横柄な振る舞いをするようになります。
 それはバルバラに成りきるという物まねの域を超え、ブリジットの人格とバルバラのそれとの境目が次第に曖昧になって行く様子なのです。
 また監督イヴも、例えばコンサートシーン撮影中に、バルバラの持ち歌を歌うブリジットの演技に夢中になり、まるでバルバラ本人を目の前にしているような振る舞いをします。
 劇中劇と劇が、まるでメビウスの輪のような、そんな奇妙な様子が、本作「バルバラ セーヌの黒いバラ」で描かれます。
 よって映画を観るほうの我々も、これは劇中劇でのバルバラのコンサートなの?と、なるわけです。
 このように本作は観客を惑わし、戯れます。
 
 ですが本作の見どころは、この奇をてらった作風にあるのではありません。
 まず何より、バルバラの持ち歌の素晴らしさです。
 そして、バルバラを演じる女優ブリジット役のジャンヌ・バリバールが、とても歌心を持っている。これに惚れます。(口パクじゃないと思うのですがね・・)

 もし、シャンソンに余計な固定概念をお持ちなら、この際棄てましょう。
 そうすれば、本作が、歌を、歌うことを、歌心をテーマにしていることがはっきり分るでしょう。
 そのうえで・・、もしこの映画がギミックなしのストレートな物語展開で、バルバラの偉人性を語るなら、どうってことのない平板な映画になっていたでしょう。

 予告編です。(予告編中で、モノクロ映像がバルバラ本人です)
 公式サイト:http://barbara-movie.com/

 バルバラ本人のCD試聴
 https://www.amazon.co.jp/バルバラ全集-シャンソンの女王-バルバラ/ 


オリジナルタイトル:BARBARA
監督:マチュー・アマルリック|フランス|2017年|99分|
脚本:マチュー・アマルリック、 フィリップ・ディ・フォルコ|撮影:クリストフ・ボーカルヌ|
出演:バルバラを演じる女優・ブリジット(ジャンヌ・バリバール)|監督のイヴ・ザンド(マチュー・アマルリック)|Roland Romanelli(ヴァンサン・ペイラニ)|ラ・メール(オーロール・クレマン)|シャーリー・マルアーニ(グレゴワール・コラン)|アシスタントのマリー(ファニー・インバー)|ジャック・トゥルニエ(ピエール・ミション)|

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映画「ポリー・マグーお前は誰だ」  監督:ウィリアム・クライン

上

0-1_20190106205537871.jpg

 時は1960年代、パリ・ファッション界で一躍脚光を浴びるモデル、ポリー・マグー(ドロシー・マクゴヴァン)を描くコメディーです。
 でも、オフのポリーはソバカスだらけの普通の女の子、アメリカ人だ。

 映画は、ファッション業界とテレビ業界の裏表を、皮肉に描写し笑いを誘うと共に、ポリーの素顔を、そしてポリーに一目惚れした東欧のイケメン王子が白馬にまたがり・・のファンタジーをも取り込み、これら4つのシーンをコミカルに描いていきます。
 さらに映画は、(1)映像はモノクロの美しさを追及しています。(2)4つのシーンを100分のあちこちにパッチワーク風に配置していますので、ストーリー性は希薄。
 よって、難解に感じる向きもありましょうが、60年代のパリ発の粋と遊びが楽しめます。

 次の動画からポリーの素顔と、王子のファンタジー・シーンが観れます。
 https://www.youtube.com/watch?v=JWVGE1BJ1eQ
0-2_20190106205723a87.jpg ちなみに、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の2010年の映画「アンジェリカの微笑み」に男女が抱き合いながら空を飛ぶシーンがあります。
 が、これは本作で、ポリーと王子が抱き合い空を飛ぶシーンと酷似ですね。
 元をたどるとすれば、シャガールですかね。

 次のここからはTV局プロデューサーや監督のシーンが観れます。
 TV局はポリーの生い立ちからを描く映像を制作しています。
 https://www.youtube.com/watch?v=u0fohGjYtCY

 これは映画冒頭に出てくる、奇抜なファッションショー。
 https://www.youtube.com/watch?v=dS_aJN7c8ps

 最後に、本作についての詳細な記述を見つけました。(芳野まい氏・著)
 なかなか面白いです。
 『ウィリアム・クライン「ポリー・マグーお前は誰だ?」における王子の役割 ~ファッション、メディア、シンデレラ』
 http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/top/publication/KE_59/KE_59_013.pdf


オリジナルタイトル:Qui etes-vous, Polly Maggoo
監督:ウィリアム・クライン|フランス|1966年|100分|配給:ATG|
脚本:ウィリアム・クライン|撮影:ジャン・ボフティ|音楽:ミシェル・ルグラン|
出演:Polly Maggoo(ドロシー・マクゴヴァン)|Gregoire(ジャン・ロシュフォール)|Prince Igor(サミー・フレー)|Jean Jacques(フィリップ・ノワレ)|ほか

 1960年代のフランス映画はいいですね。
 下記のページで、60年代の作品をまとめています。クリックしてご覧ください。
 img_poster52 3


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画面の装いを一新しました。

スマホやタブレットにも対応できるようにしました。
少しは見やすくなったかな。

また、記事下にあるこの4つのボタンも利用ください。
キャプチャ2
それから、画面右下あたりに現れるこれもお使いください。
一気に記事上や記事下に移動できます。
キャプチャ

◆画面デザイン
トップページのぼんやりな画像(ヘッダー画像)は、既成のテンプレート(画面の装いアプリ)に付随のを、そのまま利用してます。
で、何かなっ~ていう絵柄ですし、ちょっと大きすぎる感じですが、差し当たり差し替え方法がわからん・・。

◆インターネット技術
しかし、テンプレートを支えるIT系テクノロジーは最新です。
今までのテンプレートは10年目のものでした。

よろしくね!

新年おめでとうございます!

 一夜一話、今春でなんと、10年目を迎えます。
 続いちゃいましたね。祝!ポン!ポン!

 ブログに掲載した映画本数は・・1200本くらいかな、もう数える気はない。
 「それはいいけど、この先、どうすんの?」
 今まで通り、その日その日の風まかせ。

 ま、しかし、これからも続けてまいります。
 今年も、御ひいきの程、よろしくお願い申し上げます。

B


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2年前・4年前・6年前の12月、一夜一話。(2016年12月・2014年12月・2012年12月の掲載記事)

2年前の12月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  2年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  <2016年12月 Archive>

写真
「仁光の受難」
監督:庭月野議啓
第17回東京フィルメックス上映
写真
「ぼくらの亡命」
監督:内田伸輝
第17回東京フィルメックス上映
写真
「ハワイアン・ドリーム」
監督:川島透
時任三郎、ジョニー大倉
写真
「あの手この手」
監督:市川崑
久我美子、森雅之
写真
「台北ストーリー」
(旧題名:幼なじみ)
監督:エドワード・ヤン|台湾
写真
「苦い銭」
監督:ワン・ビン
中国
写真
「ザーヤンデルードの夜」
監督:モフセン・マフマルバフ
イラン
写真
「大人は判ってくれない」
監督:F・トリュフォー
フランス
写真
第17回東京フィルメックス
上映作品の「まとめ」です。
  
写真
第17回東京フィルメックス上映
フィリピン映画 普通の家族
  
写真
第17回東京フィルメックス上映
カンボジア映画 エグジール
香港映画 大樹は風を招く
写真
第17回東京フィルメックス上映
イスラエル映画山のかなたに
ティクン ~ 世界の修復
写真
第17回東京フィルメックス上映
イスラエル映画 オリーブの山
中国映画 よみがえりの樹
写真
第17回東京フィルメックス上映
韓国映画 「恋物語」
  

写真
今日はソウルのライブだよ。
ダニー・ハサウェイ
写真
“ ジャズはどこから来たのか”
「上海オーケストラ物語」「日本のジャズ史」
「スウィング・ジャパン 」「昭和のバンスキングたち」


4年前の12月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  4年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2014年12月 Archive)

写真
「さよなら歌舞伎町」
監督:廣木隆一、脚本:荒井晴彦
染谷将太、前田敦子
写真
「やじきた道中 てれすこ」
監督:平山秀幸
中村勘三郎,柄本明,小泉今日子
写真
「弥次喜多道中記」
監督:マキノ正博
片岡千恵蔵,杉狂児,D・ミネ
写真
「ニッポンのみせものやさん」
監督:奥谷洋一郎
ドキュメンタリー映画
写真
「Rain レイン」
監督:マイケル・メレディス
アメリカ
写真
「花嫁と角砂糖」
監督:レザ・ミルキャリミ
イラン
写真
「過去のない男」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド
写真
「不思議惑星キン・ザ・ザ」
監督:ゲオルギー・ダネリア
ソ連

写真
京都のはなし「銭湯」
銀閣寺や東寺や下鴨神社あたり
で3軒の銭湯に出会った。
写真
京都のはなし「亰料理」
京料理店 「陶然亭」料理旅館 「山名」
そして白川と四条大橋。


6年前の12月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  6年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2012年12月 Archive)

写真
「非行少女 」
監督:浦山桐郎
和泉雅子、浜田光夫
写真
「夫婦」
監督:成瀬巳喜男
杉葉子、上原謙
写真
「涙を、獅子のたて髪に」
監督:篠田正浩、脚本:寺山修司他
藤木孝、加賀まりこ
写真
「ココニイルコト」
監督:長澤雅彦
堺雅人、真中瞳
写真
「半分の月がのぼる空」
監督:深川栄洋
忽那汐里、池松壮亮
写真
「きみにしか聞こえない」
監督:荻島達也
成海璃子、小出恵介
写真
「猫と鰹節 ある詐話師の物語」
監督:堀川弘通
森繁久彌,三木のり平,伴淳三郎
写真
「按摩と女」
監督:清水宏
高峰三枝子、徳大寺伸
写真
「ギムリ・ホスピタル」
監督:ガイ・マディン
カナダ
写真
「精霊の島」
監督:F・T・フリドリクソン
アイスランド
写真
「ボーイ・ミーツ・ガール」
監督:レオス・カラックス
フランス
写真
「嘆きのテレーズ」
監督:マルセル・カルネ
フランス
写真
「夜の終りに」
監督:アンジェイ・ワイダ
ポーランド
写真
「この森で天使はバスを降りた」
監督:L・D・ズロートフ
アメリカ
写真
「パラダイスの夕暮れ」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド


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映画「放浪記」(1962)  主演:高峰秀子  監督:成瀬巳喜男

上
女給として働くも、客がすすめる酒で酔っぱらい、「洋風ドジョウすくい」を踊りだした林芙美子(高峰秀子)
こののち、店主から解雇されるが、しゃあしゃあとする林であった。

                 1-0_2018122518395160e.jpg

 「放浪記」とは、小説家・林芙美子(明治36年生まれ)が大正11年の頃から書き留めた日記をもとに、後年、作品としてまとめ上げ、昭和5年にベストセラーとなる小説。
 よって「放浪記」は、いわば若き日の自叙伝であり、映画はこれに沿いながら、底辺から這い上がり著名な作家となるまでのサクセスストーリーに仕上げている。
 林芙美子を演ずる、高峰秀子の素晴らしさを堪能してください。


2-0_201812251844125b8.jpg 林芙美子(高峰秀子)は、その母親が言うに、子供のころから一風変わった娘だった。
 世間が気にするような諸事には、まったく無頓着で、周囲は彼女が何を考えているのか分からず、しかし本人は自立する女性の自我を貫き、我が道を行くのです。

 すなわち、芯が強く、向こう見ずで酒豪で、文学作品をよく読み、いたってロマンチシストで詩人、そしてイケメンに惚れっぽい。(上京の前に尾道市立高等女学校を卒業している)

 そんな林芙美子の人柄を手っ取り早く知るには、「放浪記」を少し読むといいかもしれない。
 ネット上で全文がフリーで読めます(青空文庫です)。
 素朴なテイスト(初出版、雑誌連載)はこちらから
 作品として確立した(新版)はこちらから

 「放浪記」には、子供の頃から今に至る貧乏の苦労や、惚れた男の冷たさや、そんな恨み辛みのつぶやきが赤裸々に描かれています。
 しかし、その赤裸々をネガティブに感じ過ぎると、貧乏不幸をことさら売りにする女の、愚痴や嫉妬にしか聞えないかもしれない。

 さて彼女について、もう少し。
 当時、世は不景気で、まして東京で女ひとりが生きて行くには大変だったろうに、だが、それでも彼女は東京生活を選んだ。
 それは、いくら貧乏してもお構い無し、自己の責任で引き換え得られる自由奔放さが、彼女の身に合っていたからだろう。

 酒場や牛鍋屋の女給などの職を転々とし、今日の食事もままならぬ一方で、林は、多数の女性応募者が殺到した証券会社の面接試験に受かるも、その事務職の仕事の面倒臭さから、一日で職を蹴ったりする。

 さらには惚れた男を追って東京に出た彼女だが上京後すぐにフラれ、次に惚れたイケメンの舞台俳優&詩人の伊達(仲谷昇)、その次に惚れた陰のある詩人の卵(宝田明)にそれぞれ、押しかけ同居するも、うまく行かない様も描かれている。
 一方、上京間もなくの頃から彼女に片思いの、人の好い印刷工の安岡信雄(加東大介)にはすげなく、後年、彼女が著名な小説家になって初めて、林は安岡を人生の友として接したのでした。

 あとは観てのお楽しみということで・・。3-0_20181225190658903.jpg


監督:成瀬巳喜男|1962年|123分|
原作:林芙美子|脚色:井手俊郎 、 田中澄江|撮影:安本淳|
出演:林ふみ子(高峰秀子)|その母きし:田中絹代|貸間の隣室に住む印刷工の安岡信雄(加東大介)|林芙美子の詩人としての輝きを発見する男、そして林の愛人となる伊達春彦(仲谷昇)|売れない詩人、のちに林と同居する男・福池貢(宝田明)|同人会の幹事・白坂五郎(伊藤雄之助)|上野山(加藤武)|林と競う小説家・日夏京子(草笛光子)|同じく小説家の村野やす子(文野朋子)|のちに夫となる画家の藤山武士(小林桂樹)|田村(多々良純)|ほか

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

気に入ってる、最近の映画。(アメリカと、カナダ・アルゼンチン・メキシコの映画編)

映画の画像をクリックしてお読みください。

写真
「黄金のアデーレ 名画の帰還」
クリムトのこの有名な絵画の背景を知
ることができる面白い映画。事実に基
づいた映画ですが、ハラハラワクワク
のエンターテイメントな仕上がり。
アメリカ
監督:サイモン・カーティス
写真
「ドリンキング・バディーズ」
副題の「飲み友以上、恋人未満の甘い
方程式」はあり得ますと映画は物語る。
一組のそんな男女友達を中心にそれぞ
れの恋人、計4人のお話。 Good!
アメリカ
監督ジョー・スワンバーグ
写真
「バードマン」
見ごたえあるビターな喜劇。スーパー
ヒーローの賞味期限が過ぎ、ハリウッ
ドに見放された映画俳優が過去の栄光
に苛まれながらも再起する、チョット
不思議な話。|アメリカ
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
写真
「はじまりのうた」
NYを背景にしたラブロマンス映画だが、
一番の魅力はソングライターを目指す
グレタが自作曲を歌うシーン。そのか
すれ声の歌が朴訥で儚げで、Good!
アメリカ
監督:ジョン・カーニー
写真
「バックコーラスの歌姫たち」
とにかく彼女たちの歌を聴いてほしい。
ミック・ジャガーやブルース・スプリ
ングスティーンやスティービー・ワン
ダーの証言が生々しい。彼らは歌姫を
愛してる。(ドキュメンタリー映画)
アメリカ|監督:モーガン・ネビル
写真
「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」
無名女性が残した写真が発見され突如、
高い評価を得た事実を追う。彼女はN
Yで思いのままにスナップ写真を撮り
歩いた。(ドキュメンタリー映画) 
アメリカ
監督:ジョン・マルーフ、他
写真
「フランシス・ハ」
成功願望の芸術活動と上流企業ビジネ
スの空気が交差するロウアー・マンハッ
タンやブルックリンを背景にしたお話。
27歳の2人は大学からの大親友だったが。
アメリカ
監督:ノア・バームバック
写真
「マイ・ファニー・レディ」
笑えます、脚本の勝利、気分変えたい
時、明るくなりたい時にどうぞ。各人
の秘密が思わぬ所から次々にバレる。
スピーディな話の展開が楽しめます。
アメリカ
監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
写真
「ヴィクとフロ、熊に会う」
一番の魅力は観て感じるそのざらつく
「感触」。粗暴で直截的な感触が光る。
刑務所で知り合った女2人が森で起こ
す事件、ラストは幻想的。
カナダ
監督:ドゥニ・コテ
写真
「人生スイッチ」
ユーモアたっぷり、かつブラックな風
味の小話6つから成る、いい娯楽映画。
どれも監督自身の脚本で、どの話も外
れが無く、シャキッと締まった展開。
アルゼンチン
監督:ダミアン・ジフロン
写真
「グッド・ハーブ」
女性監督の細やかな情感が素晴らしい。
人はいつも後に気づく、母に聞いてお
く事が沢山あった事を。監督の体験を
基にしている。ディティールがしっか
りしている。|メキシコ
監督:マリア・ノバロ



「気に入ってる、最近の映画」シリーズは、下記4つのコーナーに分けて掲載中です。
 映画のジャンルをクリックしてお読みください。

写真
写真
写真
016.jpg





映画「息子」(1991)  監督:山田洋次

写真
息子・哲夫のアパートを訪ねた父は、哲夫の誘いで銭湯へ行った。
(父:三國連太郎、哲夫:永瀬正敏)
0-1_20181215113348d38.jpg


 年老いて妻に先立たれた浅野昭男(三國連太郎)の、心の置きどころをなくした心境を描く。

 岩手県の雪深い村の農家のあるじ、浅野は昭和になる前の生まれだろう、戦争にも行った。
 1960年台の頃か、農業では3人の子を育てられなく、東京へ出稼ぎに出て、それなりに苦労してきた。

 その甲斐あってか、娘は幸せに結婚し家を離れ、長男は大学を出て東京の大企業に就職、結婚して二人の孫ができた。
 次男は、岩手で学校の先生にでもなってくれればと思っていたが、高卒で上京し、職を転々としているらしい。
 そんな子たちが 母親の一周忌に、岩手の実家に集まったところで映画は始まる。

 長男は、父親を古い農家の一軒家に、いつまでも一人にして置くわけにはいかない、と考えるが、かと言って、家族4人が住むマンション(浦安あたりか)に、父親を引き取るのは、夫婦の心にかかる負担が重過ぎると逡巡する、正直な息子だ(と父親は見抜いている)。


0-2_2018121511335083a.jpg もっとも父親の方は、息子に頼る気はまったく無いが、今もって気がかりなのが、次男の哲夫(永瀬正敏)の頼りなさ。
 戦友会の集まりで上京した浅野は、ついでに長男のマンションに一泊し、次に次男哲夫のアパートを訪れた。

 さて、当の哲夫だが、飲み屋の下働きではウダツが上がらぬと、さすがに思いはじめ、心機一転、鋼材卸しの会社に臨時社員として勤め始めた。
 仕事は販売先へ棒状鋼を納品すること。

 その客先で哲夫は、その会社の従業員、川島征子(和久井映見21歳)と電撃的な出会いとなる。
 だが、哲夫の口下手+ディープな東北弁のせいか、彼女は何も答えてくれなかった。
 そして、そのうちに分かったことは、彼女はろう者(生まれつき耳が聞こえない)だった。しかし、哲夫の恋は燃え立つ勢いをなくさなかった。

 そんなある日に、父親が哲夫のアパートを訪れたわけだった。これから先は、観てのお楽しみ。
 父親は、哲夫と川島征子ふたりの仲睦ましさに心は癒され、ホッとし、哲夫をよろしくと征子に頼むのであった。

監督:山田洋次|1991年|121分|
原作:椎名誠「倉庫作業員」|脚本:朝間義隆 、 山田洋次|撮影:高羽哲夫|
出演:浅野昭男(三國連太郎)|その妻のきぬ江(音無美紀子)|次男の浅野哲夫(永瀬正敏)|その彼女の川島征子(和久井映見)|長男の浅野忠司(田中隆三)|その妻の浅野玲子(原田美枝子)|長女の浅野とし子(浅田美代子)|その夫の浅野徹(山口良一)|哲夫の叔母・綾子(浅利香津代)|哲夫の叔父・守(ケーシー高峰)|岩手の実家の隣人(奈良岡朋子)|岩手の実家近隣の老人(浜村純)|哲夫のアパートの隣人(小倉一郎)|戦友・藤田(村田正雄)|戦友・寺尾(松村達雄)|鋼材卸しの先輩おっさん(いかりや長介)|同会社の女事務員(中村メイコ)|同会社の従業員の三沢(梅津栄)|同じくアキ(渡部夏樹)|同じく事務主任(佐藤B作)|鋼材運送会社のトラック運転手のタキさん(田中邦衛)|その会社の社長(レオナルド熊)|哲夫が勤めた飲食店の板長(中本賢)|

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

映画「天使の分け前」  監督:ケン・ローチ

写真
皆、有罪判決で、裁判所の命令により、刑罰として社会奉仕の無償労働を強いられた、ワルな若者たち。
先頭を歩くのが、主人公のロビー。
その左、ロビーと並んで歩く太っちょが、保護観察所の指導員ハリー。
                  

0-1_20181210102032cfc.png ケン・ローチ監督による娯楽映画です。
 イギリスの下層の青年たちの非行を描く、ケン・ローチ風の物語設定ですが、本作「天使の分け前」は、 ハッピーエンドで終わるハートフルなコメディ作品となっています。

 仕事に就かず(就けず)、無為な日々を送るワルな青年7人が、裁判所からそれぞれ有罪判決を言い渡され、刑罰として40時間以上300時間以内の社会奉仕(ペンキ塗り作業などの無償労働)をすることが決まった。
 彼らの犯罪内容はそれぞれだ。繰り返す暴力沙汰や、アルコール/薬物依存による万引き常習、歴史的記念碑(銅像)への悪戯、列車運行の妨げなど、だった。

 そんな彼らの奉仕活動を現場でまとめ監督するのが、保護観察所の指導員ハリー。
 ハリーは彼らに寄り添う気持ちがある優しい男であった。
 特にハリーの心を引いた青年は、ロビーだった。
 なぜならロビーの彼女レオニーが出産間近であったからだ。暴力沙汰を繰り返すロビーが「父親になる」ことは、ロビーが悪から更生する絶好の機会だと、ハリーが考えたからだった。

0-2_20181210102455571.jpg しかし、これを妨げるのは、ロビーとレオニーそれぞれの父親同士の、古くからの憎しみ合いの因縁であった。

 つまり、正式に夫となるロビーを排斥しようとする、レオニーの家族側の暴力にロビーはさらされるが、これにロビーが暴力で応えれば、もう奉仕活動の刑罰では済まされない。
 レオニーとハリーは、いらつき憤るロビーを制した。そして男の赤ちゃんが生まれる。二人はルークと名付けた。

 ここに来てついに、レオニーの父親がロビーに相談を持ち込んだ。
 お前との喧嘩はお前がいればこれからも続く、5000ポンド渡すから、レオニーと別れ、赤ちゃんを置いて、黙ってこの街を去れと。
 そう、この街にいても、しょうがない、そうロビーも思った。(できれば三人でこの街を出たい・・)

 そんなある日、ハリーは自身の休日を利用して、ロビーら社会奉仕のメンバーを、ウィスキー工場見学やテイスティング会へ連れ出した。(その時のシーンが上の画像)
 ハリーはスコッチウィスキー愛好家で、皆も試飲を楽しんだ。

 話はここから急展開しだす!
 ロビーを幸運に導いたのは、結果的には、社会奉仕活動メンバーの中の一人の女の子だった。
 彼女は万引き常習犯で、何を盗んだことがロビーを幸せに導くことになったのか。
 それは、(1)にスコッチウィスキー工場の売店で、ウィスキーのミニボトルを多量に盗んだこと、(2)に世界的に貴重なスコッチウィスキーを貯蔵樽ごと、競りに出された競売会場で、そのウィスキー貯蔵庫を紹介したオークション資料を盗んだこと。
 もちろん万引きの彼女は、ロビーのためにとは、さらさら思ってのことではなかった。

 ロビーは、持ち帰ったミニボトルを皆であれこれ試飲するうちに、それぞれのスコッチウィスキーの味と香りに魅了された。そう、ロビーは、その違いが分かる自分自身に気付いたのだ。
 そして彼は、図書館まで出かけてスコッチウィスキーのテイスティングの本を読みあさった。

 さてさて「天使の分け前」って何? さあ、それは観てのお楽しみですが・・・
 ロビーが思い浮かんだ「ある計画」に乗った3人は、大金を得て、ロビーは職も得た。
 そして、ロビー、レオニーと赤ちゃんの3人は、意気揚々と街を去っていったのでした。
 その時、レオニーはロビーに、にこやかに言った。
 「そんなヤンチャな、あんたが好きよ!」 (終)

オリジナルタイトル:THE ANGELS' SHARE
監督:ケン・ローチ|イギリス= フランス= ベルギー= イタリア|2012年|101分|
脚本:ポール・ラヴァティ|撮影:ロビー・ライアン|音楽:ジョージ・フェントン|
出演:ロビー(ポール・ブラニガン)|ハリー(ジョン・ヘンショウ)|アルバート(ガリー・メイトランド)|ライノ(ウィリアム・ルアン)|モー(ジャスミン・リギンズ)|タデウス(ロジャー・アラム)|レオニー(シボーン・ライリー)|ロリー・マカリスター(チャーリー・マクリーン)|

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

1年前・3年前・5年前の12月、一夜一話。(2017年12月・2015年12月・2013年12月の掲載記事)

1年前の12月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  1年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2017年12月 Archive>

写真
「西陣の姉妹」
監督:吉村公三郎
三浦光子,宮城野由美子,津村悠子
写真
「雁」
監督:豊田四郎
高峰秀子、東野英治郎
写真
「天の茶助」
監督:SABU
松山ケンイチ、大野いと
写真
「川の底からこんにちは」
監督:石井裕也
満島ひかり
写真
「影」
監督:イェジー・カワレロウィッチ
ポーランド
写真
「黄金のアデーレ 名画の帰還」
監督:サイモン・カーティス
アメリカ
写真
荒唐無稽で波乱万丈なコメディ。
これまでに掲載してきた映画
厳選、33本!
写真
年末、京都へ行ってきた日記
祇園白川、下賀茂神社、和菓子屋


3年前の12月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
3年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2015年12月 Archive)

写真
「喜劇 にっぽんの
       お婆あちゃん」

監督:今井正  ミヤコ蝶々
写真
「どついたるねん」
監督:阪本順治
赤井英和、相楽晴子
写真
「しとやかな獣」
監督:川島雄三
若尾文子、伊藤雄之助
写真
「青春神話」
監督:ツァイ・ミンリャン
台湾
写真
「マッチ工場の少女」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド
写真
「ミスター・ロンリー」
監督:ハーモニー・コリン
イギリス
写真
「袋小路」
監督:ロマン・ポランスキー
イギリス
写真
第16回東京フィルメックス、
<まとめ>
    
写真
「コインロッカーの女」
第16回東京フィルメックス上映
韓国
写真
「最愛の子」
第16回東京フィルメックス上映
中国
写真
「人生タクシー」
第16回東京フィルメックス上映
イラン
写真
「酔生夢死」
第16回東京フィルメックス上映
台湾

5年前の12月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
5年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2013年12月 Archive)

写真
「集金旅行」
監督:中村登
佐田啓二、岡田茉莉子
写真
「土砂降り」
監督:中村登
佐田啓二、岡田茉莉子
写真
「裸足のピクニック」
監督:矢口史靖
芹沢砂織
写真
「立候補」
監督:藤岡利充
ドキュメンタリー映画
写真
「セクシー地帯」
監督:石井輝男
三原葉子
写真
「阿修羅城の瞳」
監督:滝田洋二郎
宮沢りえ
写真
「天使の入江」
監督:ジャック・ドゥミ
フランス
写真
「我らの生活」
監督ダニエレ・ルケッティ
イタリア
写真
第14回東京フィルメックス
<まとめ> 計10本
    

写真
写真展「ジョセフ
      ・クーデルカ展」

東京国立近代美術館
写真
絵画展「生誕130年 川瀬巴水展」
~郷愁の日本風景
千葉市美術館
写真
箱根の「にごり湯」めぐり
芦の湯温泉「きのくにや」
仙石原温泉「パウエル」
写真
信州の「湯田中・渋温泉郷」めぐり
渋温泉と湯田中温泉

7年前の12月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
7年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2011年12月 Archive>

写真
「流れる」
監督:成瀬巳喜男
山田五十鈴、高峰秀子
写真
「恋の花咲く 伊豆の踊子」
監督:五所平之助
田中絹代
写真
「てなもんやコネクション」
監督:山本政志
新井令子、ツェ・ワイ・キット
写真
「生きてるうちが花なのよ
 死んだらそれまでよ党宣言」

倍賞美津子、原田芳雄
写真
「サウダーヂ」
監督:富田克也
鷹野毅、伊藤仁、田我流
写真
「われに撃つ用意あり」
監督:若松孝二
原田芳雄、桃井かおり
写真
「イン・ザ・スープ」
監督:A・ロックウェル
アメリカ
写真
「夢の旅路」
監督:マイケル・D・ジャコモ
アメリカ
写真
「サンタクロースの眼は青い」
監督:ジャン・ユスターシュ
フランス
写真
「ミリオンズ」
監督:ダニー・ボイル
イギリス
写真
「ベッドかざりとほうき」
監督:R・スティーヴンソン
アメリカ
写真
「つめたく冷えた月」
監督:パトリック・ブシテー
フランス
写真
「ロスト・チルドレン」
監督:ジャン=P・ジュネ
フランス
写真
「名前のない少年、
      脚のない少女」

ブラジル
写真
「無言歌」
監督:ワン・ビン
香港







美術館に行ってきた。 ~根津美術館「新・桃山の茶陶」

上






 時には、こういう展示を見て、心を洗うのも良い。
 まずは、美術館のホールにある、中国6世紀ごろの菩薩像や如来三尊像をみて気持ちの準備。
 いざ、突入。
 たくさん展示されている黄瀬戸、志野焼、瀬戸黒、絵唐津、織部焼、一点一点丁寧に見た。
(桃山の茶陶は1596年~1624年に降盛を極めたという)
 主な展示作品リストはこちらから。(根津美術館公式サイトより)

 当たり前だが、茶陶などの器は、手に取って見るもの、絵画のように離れて見るものじゃない。だから茶陶をよく見ようと近づいて、ショーケースのガラスに、思わず額をぶつける音が時々聞えたりするのが可笑しい。
 欧米人や和服姿の女性が多かったのも目を引いた。

 私がこの特別展に興味を持ったのは、かつて京都三条通沿いに、「瀬戸物屋町」という瀬戸物商の街があったことや、近年の発掘によって多数の茶陶破片が出土し、「瀬戸物屋町」が「桃山の茶陶」発展に果たした多大な役割が解明されたと知ったからだった。
 京都の町を描いた洛中洛外図屏風に当時の「瀬戸物屋町」の様子が描かれている。
 また、日本最古の絵地図:京都の町地図である「都記」にその名が記されている。


0_201812061011171eb.jpg

詳しくは下記の参考資料ふたつ・・・
 「三条「せと物や町」の成立と変遷」 ~(財)京都市埋蔵文化財研究所・京都市考古資料館  こちらからご覧ください。
 「三条せと物や町出土の茶陶」 ~(財)京都市埋蔵文化財研究所  こちらから

 両資料内に掲載の地図に、5か所の発掘現場の町名が記載されています。そのうちのひとつ弁慶石町には弁慶石※※が名所として建っています。
 また、有来新兵衛屋敷跡とあるのは、たぶん日昇別荘という上等そうな旅館です。

 京都へ行った折には是非、「瀬戸物屋町」を思い浮かべながら三条通を歩いてみてください。
 三条寺町からイノダコーヒ三条店のあたりです。

観光ガイドマップ風なのは、これがお薦め。
 「三条界隈」 ~京都市埋蔵文化財研究所  こちらから
 2ページ目です!(大きく拡大して見れます)

             

 桃山の茶陶が降盛を極めたというは1596年~1624年とのこと。
 本能寺の変は1582年。
 秀吉が市中の寺院を鴨川沿いへ強制移転し寺町通や御土居を作ったのが1591年。
 同じく秀吉は1590年に「天正の地割」で、「瀬戸物屋町」界隈を南北に通る道路、御幸町通と麩屋町通を新設した。
 これで「瀬戸物屋町」街の繁栄の基礎ができたのだろう。
 謎多き、聚楽第(建設期間1586年~1587年、1595年に破却)を見ていた「瀬戸物屋町」の商人たちは、御土居の七口のひとつ粟田口から続く三条通で、物流の玄関口の街で、大きな商いをしていたのだろうが、後世に言う「桃山の茶陶」の発展に尽くしているとは案外思ってもみなかったかもしれない。

※※弁慶石
 「増補 洛中洛外の群像 ~失われた中世京都へ」 瀬田勝哉(著) 平凡社ライブラリー
 これに詳しい。

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」  監督:湯浅政明 原作:森見登美彦

上

0-1_20181203111730e8f.jpg



 アニメ映画の、あの「千年女優」のように猛スピードで目まぐるしく展開します。
 原作の小説とはだいぶ違うそうですが、これはこれで十分楽しめますね。

 京都のお話です。
 大酒飲みの女子学生「黒髪の乙女」が、先斗町、木屋町の飲み屋街や、夜の下賀茂神社境内で開催の古本屋市や、京都の街頭で大暴れの大活躍。

0-2_201812031118498b8.jpg 脇を固めるは、あやかしの3階建て電車(自宅)の老人李白や、学園祭事務局長、パンツ総番長などおかしな大学生たち、飲み屋の常連酔客、古書収集マニア、古本市の神様らの大勢の登場人物たちが、自身の存在をかけて登場します。


 そして、「黒髪の乙女」に思い寄せる大学生(先輩)とは・・。そんで「ナカメ」とは・・。
(下記予告編へ続く)
 
 90秒予告編 公式URL 
 https://www.youtube.com/watch?v=tmeU9GFJW3I


監督:湯浅政明|2017年| 93分|
原作:森見登美彦|脚本:上田誠|キャラクター原案:中村佑介|キャラクターデザイン:伊東伸高|絵コンテ:湯浅政明、夏目真悟、大平晋也、チェ・ウニョン|演出:湯浅政明、許平康|総作画監督:伊東伸高|作画監督:濱田高行、霜山朋久、伊東伸高|フラッシュアニメーション:ホアン・マヌエル・ラグナ、アベル・ゴンゴラ|色彩設計:ルシル・ブリアン|美術監督:上原伸一、大野広司|撮影監督:バティスト・ペロン|


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映画「吹けば飛ぶよな男だが」  監督:山田洋次

上

 喜劇をベースに、阿呆なチンピラの恋と、その行方を語る映画。

1-0_20181128153126c70.jpg 主役「吹けば飛ぶよな男」を演ずる、なべおさみの想定外の熱演です。
 相方は、ど田舎からポッと出て来た、ちょっとポンな女、の役柄がぴったりの緑魔子。
 そして、もうひとりの相方、チンピラの手下役、佐藤蛾次郎が、寅さん出演以上のいい味。

 九州から片道切符で大阪駅に降り立った花子(緑魔子)。いかにも家出娘、の風。
 かたや、駅前雑踏で、ポルノ(ブルーフィルム)出演の女を物色中のやくざ数人。つまり、鉄(芦屋小雁)と、その配下に、主役の三郎(なべおさみ)にガス(佐藤蛾次郎)がいる。

 ま、いろいろあって、三郎は、堕ちてい行きそうな花子を、やくざのおもちゃにされそうな花子を、どうにも見過ごすことができず、大阪の街の片隅で、ガスとともに思案するが、そのうち三郎は花子に情が移り、そして恋・・。


2-0_20181128153413550.jpg 花子の妊娠。
 三郎が紹介した、花子の勤め先トルコ風呂の女将、お清(ミヤコ蝶々)が三郎に花子の妊娠を教えた。

 一方で、三郎とガスと、ソレとは理解していない花子とで始めた、ツツモタセ稼業に引っかかった客、独身の大学の先生(有島一郎)から、花子は隠れキリシタンの里生まれで、その教えから堕胎も、自殺もできないことを、三郎は教えられる。
 実は花子、強姦の末の妊娠であったし家出であったのだ。
 ああ、花子の苦悩!そして三郎はいかに・・。
 う~ん、あとは観てのお楽しみ。

 この映画、いわば、なべおさみ、緑魔子、佐藤蛾次郎が主役と言っていい。
 そして名脇役ミヤコ蝶々に有島一郎が脇を固める。
 ちょい役も、なかなかの布陣。
 大阪万博開催2年前の1968年、昭和43年の大阪の街をお楽しみください。

監督:山田洋次|1968年|89分|
脚本:森崎東、山田洋次|撮影:高羽哲夫|
出演:なべおさみ(三郎)|緑魔子(花子)|佐藤蛾次郎(ガス)有島一郎(先生)|ミヤコ蝶々(お清)|犬塚弘(不動)|芦屋小雁(鉄)|上方柳太(馬やん)|上方柳次(喜やん)|牧よし子(先生の家の老女中)|石井トミコ(不動の妻)|曽我廼家一二三(刑事)|佐山俊二(看守)|石橋エータロー(男)|安田伸(客引きの男)|石井均(トルコ風呂の助平男)|小沢昭一(弁士)|

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美術館に行ってきた。 ~三菱一号館美術館「フィリップス・コレクション展」、出光美術館「江戸絵画の文雅 魅惑の18世紀」

「フィリップス・コレクション展」 三菱一号館美術館

 この展示作品の多くは、下記から見ることができます。
 https://mimt.jp/pc/gallery.html  (三菱一号館美術館の公式サイト)

 そのなかで、気に入った絵画を5点あげてみました。
 どれも持って帰りたい。 
 ほかには、クレーやカンディンスキーの絵が気になりました。
 色がくすんでいるのです。照明の影響なのか、絵の具の劣化か、元々こうなのかな?
(下記5点の色彩は、当然ながら本当ではありません、単なるデジタル画像ですから)

写真
101.0×74.0cm
こんな大きなルオーの絵を見たのは初で大感激。
男のスーツの紺色が奥深い色彩なのでじっと見
つめました。この紺と赤の対比も絶妙。
写真
65.1×50.2cm
ピカソは何点かあったが、これが一番。
絵を見つめるほどに、この女性が知り合いの様
に思えてくるから不思議。写実!
写真
59.4×72.7cm
絵の中のその場所に引き込まれます。
朝日か夕日か、その陽射し光の柔らかな色彩、そして道に長い陰
を引く青。道端の静かな空間が描かれている。
写真
36.2×50.2cm
セザンヌのこういう風景画が好き。
私の近所から見える遠景を、頭の中で、この絵風に置き換えてみることがある。
その時それが心地いい。
写真
46.0×50.2cm
この人、初めて見ました。
味がありますね。嵐のあとにまだ残る荒い風を頬に感じます。
絵が放つオーラ(良さ)は、やはり実物を見ないと分からない。


「江戸絵画の文雅 魅惑の18世紀」 出光美術館

出光2 趣向ががらっと変わりますが、18世紀の江戸絵画の文雅。
 池大雅、与謝蕪村、俵屋宗達、尾形光琳など名立たる画人の作が並んでいました。圧巻です。
 こういった絵画はたいてい、掛軸や屏風に収められています。(右図:池大雅「竹裏館図」116.1×29.2㎝)
 特に掛軸ですが、掛軸に仕立てること(表装)にも私は関心がいきます。
 絵に合った裂(きれ)の、柄や色合いの工夫具合で、作品の見栄えが違ってくる。表装は額縁の存在以上の影響を作品に与えます。
 そんな目で見て、与謝蕪村の「筏師画賛」(下図)がすごく良かった!
 ただこれだけ見ると、なんじゃという風ですが、表装と相まって素晴らしい作。(絵自体のサイズは27.2×66.8㎝)
 笠をかぶり蓑(みの)をまとっているから雨模様らしい。
 川の流れのしぶきや雨が冷たいのでしょうか、実物の作品をよく見ると、筏師の素足に表情がある。冷たそう!

出光

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2年前・4年前・6年前の11月、一夜一話。(2016年11月・2014年11月・2012年11月の掲載記事)

2年前の11月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  2年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  <2016年11月 Archive>

写真
「あん」
監督:河瀬直美
樹木希林
写真
<カ行> の洋画
これまでに記事にした洋画
2016.11.15 現在
写真
「エル・スール」
監督:ビクトル・エリセ
スペイン
写真
「橋の上の娘」
監督:パトリス・ルコント
フランス
写真
第17回東京FILMeX上映作品
3作品:スリランカ、韓国、中国
       
写真
第17回東京FILMeX上映作品
「マンダレーへの道」
台湾/ミャンマー
写真
今日はジャズ・ボーカルだよ。
ダイアナ・クラールと
ナット・キング・コール
写真
最近、読んだ本、3冊。


4年前の11月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  4年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2014年11 Archive)

写真
「鴛鴦歌合戦」
監督:マキノ正博
片岡千恵蔵、市川春代
写真
「箱入り息子の恋」
監督:市井昌秀
星野源、夏帆
写真
「穴」
監督:市川崑
京マチ子,船越英二,山村聡
写真
「顔役」
監督:勝新太郎
勝新太郎,山崎努,藤岡琢也
写真
「タラデガ・ナイト
      オーバルの狼」

アメリカ
写真
「記憶が私を見る」
監督:ソン・ファン
製作:ジャ・ジャンクー|中国
写真
「グロリア」
監督:ジョン・カサヴェテス
アメリカ
写真
「バニシング・ポイント」
監督:R・C・サラフィアン
アメリカ
写真
「呼吸」
監督:K・マルコヴィックス
オーストリア
写真
東京フィルメックス2014
「扉の少女」
韓国
写真
東京フィルメックス2014
「生きる」
韓国
写真
美術展「楽園としての芸術」
障害ある人たちによる作品展
(東京都美術館)
写真
美術展「オープン・スペース
          - 2014」

( 東京オペラシティ内 ICC)
写真
京都のはなし
うどん


6年前の11月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  6年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2012年11月 Archive)

写真
「宇宙大戦争」
監督:本多猪四郎
特撮: 円谷英二
写真
「野良犬」
監督:黒澤明
三船敏郎、志村喬
写真
「暁の追跡 」
監督:市川崑
池部良、杉葉子
写真
「Love Letter」
監督:岩井俊二
中山美穂
写真
「ヒポクラテスたち」
監督:大森一樹
古尾谷雅人、伊藤蘭
写真
「ドント・ルック・バック」
ドキュメンタリー映画
アメリカ、イギリス
写真
「トニ」
監督:ジャン・ルノワール
フランス
写真
「ヘンリー・フール」
監督:ハル・ハートリー
アメリカ
写真
「ウェルカム・トゥ
       ・コリンウッド」

アメリカ
写真
「鬼火」
監督:ルイ・マル
フランス
写真
「恋の邪魔者」
監督:パトリス・ルコント
フランス
写真
「おばあちゃんの家」
監督:イ・ジョンヒャン
韓国
写真
「天使の眼、野獣の街」
監督:ヤウ・ナイホイ
香港
写真
「灯台守の恋」
監督:フィリップ・リオレ
フランス



ロシア映画「アイカ」(原題) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『アイカ 』(公開時邦題未定)  Ayka 【コンペティション作品】 
ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン、中国|2018|100分|監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ (Sergei DVORTSEVOY)|2019年公開予定
アイカ



 季節は冬、大雪のモスクワが話の舞台。
 天山山脈の北、キルギス共和国(旧国名キルギスタン)から出稼ぎに来ている若い女性、その名はアイカ。 
 モスクワ市内の病院で出産しその直後に、子を院内に置き去りにして、アイカは病院を去った。

 アイカが持つ、外国人労働者の労働許可証の期限は、すでに切れている。
 もとより、彼女のような中央アジアからの出稼ぎに、まともな扱いを受けるまともな収入の仕事はない。

 病院を去ったアイカは、その足で、それまで働いていた職場へ急ぐ。
 そこは、人目を避けた薄汚い地下室、鶏肉処理に女たちが働いている。アイカも加わる。
 しかし怪しげな雇い主は、彼女たちにここ数日分の賃金支払いをせず、姿をくらました。

 アイカは苦しそうだ。
 出産直後の医療手当を受けずに病院を出たのだから当然だ、出血が止まらない。
 アイカの住処は、不法滞在の人間たちが集まり住むホテル、と持ち主が呼ぶタコ部屋のような所。窓はすべて塞がれ当局の目を避けている。一人分のスペースは畳一畳分あるかないか、仕切りはカーテン1枚。アイカは家賃を滞らせている。

 スマホに、アイカの姉からたびたび電話がかかる。
 良からぬ者に脅されているらしい。
 アイカは、実はその連中からまとまった金を借りたが、まだ多額の残金を返せずにいる。その脅しが始まった。あと2日で返せ、さもなくば姉の指を切り落とすと脅す。
 アイカが出産すぐに働こうとするのは、この返済にため。時間は無い。
 何故に彼女は多額の借金をしたのだろう、それは彼女の夢、起業だったが・・。

 アイカの乳房が張る。服に乳が染み出る。体調も思うようには戻らない。
 それでも、働き口を探して街をさまよう。雪かきの仕事は無理だった。
 そんななか偶然にも同郷の女性に出会い、代理で臨時の仕事を得た。

 しかしアイカはついに返済は無理だと観念した。
 残す最後の手、それは・・・。(公開を待って、観てください、アイカ役の女優が大熱演です)

              

 ロシアでも、やはり移民差別の問題があります。
 下記は、ロシアの「出稼ぎ労働者ガイド」に侮辱的表記、というグローバル・ボイスの記事。(外部リンク)
 https://jp.globalvoices.org/2013/01/10/19745/ (グローバル・ボイス)
 出稼ぎ労働者向けのガイドブックに、出稼ぎ者を表すイラストの、その顔の部分が道具(塗装用ローラー、ほうき、コテ)に描かれている。
 私のブログでは、出稼ぎ労働を主題に据えた映画を2つ取り上げています。
 スペイン映画「BIUTIFUL ビューティフル」とベルギー映画「イゴールの約束」です。クリックしてご覧になってみてください。
 
 なお、「アイカ(仮題)」の監督、セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督は、2008年に「トルパン」という映画を撮っています。(カンヌ映画祭「ある視点」賞を受賞)
 この映画はすでに私のブログで記事にしています、こちらからお読みください。
 「アイカ」主演女優も出演していました。

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中国映画「轢き殺された羊」(ひきころされたひつじ) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『轢き殺された羊』 Jinpa 【コンペティション作品】
中国|2018|86分|監督:ペマ ツェテン(Pema Tseden)|
1_20181121183430f89.jpg


 まず冒頭から感じるのは、スタンダードサイズの映像構図がとても良いのです。
 観ているだけで気持ち良い。


 話のステージは、高度5000メートル級のチベット高原。
 草木生えぬ広大な大地の、ひたすら続く一本道を、一台のトラックが走る。
 ガタガタ道と、おんぼろトラックの走行音と、虚無的な無人の大地、このシーンが続くうちに、いつしか観客は虚空な気持ちになっていく。
 これがこの映画の重要な前奏曲。

0-0_20181124121839d24.jpg
 その一瞬だった。迷い羊だろうか、トラックは一頭の羊を轢いてしまった。
 ドライバーのジンパという男、顔はいかついが心は優しいのだろう。羊の供養が頭に浮かび、羊を助手席シートに担ぎ上げた。
 そののち、しばらく走ったジンパは、無心に歩く巡礼者のような薄汚い姿の男を情けで乗せてやった。この男も名をジンパと言った。親の仇討ちに向かうと言う。

 話はこの先、ドライバーのジンパの孤独な日常を描きながらも、もう一人のジンパの事が、何故か気にかかるドライバーのジンパは、途中で降ろした彼のあとを追うことになる。
 そしてドライバーのジンパは、幻想の中で、もう一人のジンパの過去の、その一瞬に立ち現れるのであった。

 彼の地の、今の風俗が味わえるのも、この映画の魅力のひとつです。


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気になる映画 68  《これから上映の映画》

写真
「夜明け」
監督:広瀬奈々子
1/18- ピカデリー
写真
「台北暮色」
監督:ホアン・シー
製作指揮:ホウ・シャオシェン
11/24- ユーロスペース他各地
写真
「山中傳奇」
監督:キン・フー
11/24- 新宿K's cinema
 
写真
ペーター・ネストラー監督特集
アテネ・フランセ文化センター
11/29-12/1
 
写真
日本スウェーデン外交関係樹立150周年
スウェーデン映画への招待
国立映画アーカイブ
11/27-12/13、12/15-23



韓国映画「川沿いのホテル」,「草の葉」 ~第19回東京フィルメックス上映作品

『川沿いのホテル』 Hotel By The River 【特別招待作品】
韓国|2018|96分|監督:ホン・サンス (HONG Sang Soo)|
1_2018111911531692a.jpg
 冬、漢江の川岸に建つ、宿泊客の少ないホテルを舞台に、著名な詩人と、彼がホテルに呼び寄せた息子兄弟との話。
 そしてもうひとつは、悲恋に打ちひしがれ、ホテルの一室に籠もる後輩を、慰めるため先輩が訪ねた、という設定の女性2人の話。
 
 この二つの話は並行して語られ、時にちょっと交わります。
 また映画は、作らない静かな演技・撮影と、極々自然な会話シーンだけで成り立っていて、かつロケはホテルの館内外だけの、簡素なつくり。

1-0_20181121141905e46.jpg ですが、そんなシーンの中に、早くに離婚した詩人と息子との疎遠な親子関係の、そして有名人の次男と妻に逃げられたショボい兄といった兄弟関係の、それぞれの微妙な距離感とちぐはぐさ、それを乗り越えようとする歩み寄りを浮き彫りにします。 

 一方、女性2人の会話からは、後輩と相手の男との状況が見え出し、酷い仕打ちなのに、ふと相手を思う気持ちが湧き上がる後輩の話を真摯に優しく聞く先輩、そして先輩も何か悲しみを持っている様が浮かび上がります。

 脚本を書くホン・サンス監督は、ロケ当日の朝に脚本を書き上げ、よって俳優は当日に脚本を渡されたようです。
 即座の反応が求められる俳優は懸命でしょうが、そうした即興性で俳優を刺激して出てくる演技は、監督にとって新鮮採れたてに感じるのでしょう。それを求めるのでしょう。
 もっとも、監督は事前に俳優と十分にコミュニケーションをとり、俳優個人の身の回り情報も得て、脚本や役柄に反映しているとのこと。だから、俳優にとっては無理なく演技に入れるそうです。
 ただし、いささか冗長なシーンはありますね。


『草の葉』 Grass 【特別招待作品】
韓国|2018|66分|監督:ホン・サンス (HONG Sang Soo)|
2_20181119115903d1e.jpg
 こちらは、ソウル(?)の街中の路地裏にある喫茶店。
 冒頭、映画は、時を別にして来店した2人客4組の、それぞれの会話シーンだけを連ねます。

 本作は、このように店内での会話シーンをいくつも反復することで、年齢職業さまざまな立場の人々の生きざまや思いを、同時多発的にあるいは現在を面的に描こうとしています。


3-0_201811211700364cc.jpg 知り合いが自殺したことを共有する男女の言い争いの会話や、演劇界では知れたベテランだが意見をたがえて劇団を抜けたが故に生活困窮する老人と心配する中年女優との会話や、店先外のテーブルではもう一人の男優と友人の若い女性との会話を、観客は聞きます。
 加えて、これらの会話をずっと、店内の隅でいわば盗み聞きして、Macになにやら書き込んでいる、物書き志望の、淑やかな女性(この人が主役か)がいます。
 さらには、この女性が店外にいた男優に厚かましくされたり・・。

66.jpg 続いて、シーンは他の店に移ります。 
 物書き志望の女性が、その弟とその彼女にずけずけ物言いするシーン、厚かましい男優の知り合いの女性は、ある男と深刻な悲しい会話をするシーン。

 そして場面はもとの喫茶店に戻ります、夜です。
 そこでは、劇団を抜けた老人と中年女優、厚かましいい男優とその知り合い女性の計4人が和やかにし、これに物書き志望の女性が座に加わるようでした。(終)
 
 もちろんこの間に、知り合いが自殺したことを共有する男女の関係が、喫茶店内で意外な展開をし、物書き志望の女性の弟カップルには、ちょっとした異変が起きたのかもしれません。
 
 他人の会話は、大概、たわいなく聞こえるかもしれないが、本人にとってはそうではない。
 そこにドラマを作って見せてくれます。かつ人の連鎖もテーマのようです。
 また、要所要所にナレーションが入り、シーンを締めています。
 作品の出来は、上の「川沿いのホテル」の方が良いと感じます。

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映画「にっぽん昆虫記」  監督:今村昌平

上1





 まるでドキュメンタリー映画のようなリアルな映像、ライブ感は、セットを使わずの自然な演出もさることながら、やはり撮影の力が大きいように思う。
 例えば、セリフを言う主役の姿が画面端で、それも縦半身しか映さず、画面中央には端役たちが位置する構図など、映画撮影の御作法を避ける手法をとって、リアル感を出している。
(とは言っても主役のその半身は、三脚に固定したカメラでしっかり構図に入れている技)
 あわせて、口ごもったセリフが方言全開であることもリアル感を誘う。(字幕が欲しい)

 しかしドキュメンタリー映画のようなリアルを感じる一番の要因は、これが決定打だが、50年以上前の俳優たちの放つ「存在感」が、つまり、映画が言うその時代の多くを実際に生きた俳優たちの存在感自体が、当時のリアルな雰囲気を作為なく体現していることだ。
(同じ条件で現代の俳優を起用しては、こうはならないだろう)
 だから観客は、ドラマ映像と、映画に挿入される松川事件や安保闘争の実写との間に違和感を覚えない。

1-0_20181121115516450.jpg


 お話は、大正7年から戦後すぐまでの30年を語り、その間の日本社会の下層を描くを背景にして、東北の小作農家に生まれた松木とめ(左幸子)の、小作出自だからこその不幸と、農村の因習と愛欲と、とめの頑張り、そして単身東京へ出ての、身一つの成り上がりでつかんだ売春稼業と女の幸せ、あとを追う娘信子(吉村実子)の生きざま、そして、とめの挫折と諦観を物語る。
 
 公開当時の売り文句では、「私はカマキリ!男の生血を吸って、たくましく生き抜く背徳の女ひとり」。(ロマンポルノではない)
 左幸子は、本作でベルリン国際映画祭の主演女優賞を受賞(日本人初)。
 


監督:今村昌平|1963年|123分|
脚本:長谷部慶次 、 今村昌平|撮影:姫田真佐久|
出演:松木とめ(左幸子)|松木りん(岸輝子)|松木えん(佐々木すみ江)|松木忠次(北村和夫)|松木沢吉(小池朝雄)|松木るい(相沢ケイ子)|とめの娘・松木信子(吉村実子)|蟹江スマ(北林谷栄)|小野川(桑山正一)|本田俊三(露口茂)|坂下かね(東恵美子)|上林芳次(平田大三郎)|製糸工場の男・松波守男(長門裕之)|米兵の妻(オンリー)の谷みどり(春川ますみ)|班長(殿山泰司)|若い衆A(榎木兵衛)|若い衆B(高緒弘志)|高羽製糸女工A(渡辺節子)|高羽製糸女工B(川口道江)|正心浄土会A(澄川透)|正心浄土会B(阪井幸一朗)|とめのパトロン・唐沢(河津清三郎)|タクシー運転手(柴田新三)|東北本線の客A(青木富夫)|東北本線の客B(高品格)|警察の取調官(久米明)|谷みどりの夫(ヒモ)の韓国人のけんちゃん(小沢昭一)右下写真

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1年前・3年前・5年前の11月、一夜一話。(2017年11月・2015年11月・2013年11月の掲載記事)

1年前の11月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  1年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2017年11月 Archive>

写真
「喜劇 駅前旅館」
監督:豊田四郎
森繁久彌,伴淳三郎,淡島千景
写真
「あらくれ」
監督:成瀬巳喜男
高峰秀子
写真
「スワロウテイル」
監督:岩井俊二
CHARA 

写真
「妻の愛、娘の時」
監督・主演:シルヴィア・チャン
中国
写真
「天使は白をまとう」
監督:ヴィヴィアン・チュウ
中国
写真
「氷の下」
監督:ツァイ・シャンジュン
中国
写真
「ジョニーは行方不明」
監督:ホァン・シー
台湾
写真
「ファンさん」
監督:ワン・ビン
香港、フランス
写真
「見えるもの、見えざるもの」
監督:カミラ・アンディニ
インドネシア、オランダ

写真
CD紹介
中山うり 「夏祭り鮮やかに」


3年前の11月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
2年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2015年11月 Archive)

写真
「下町の太陽」
監督:山田洋次
倍賞千恵子
写真
「誓いの休暇」
監督:グリゴーリ・チュフライ
ソ連
写真
「神々のたそがれ」
監督:アレクセイ・ゲルマン
ロシア
写真
「世紀の光」
監督:アピチャッポン
  ・ウィーラセタクン|タイ
写真
「アッカトーネ」
監督:ピエル・パオロ
  ・パゾリーニ|イタリア
写真
「白い光の闇」|スリランカ、
「消失点」 |タイ
第16回東京フィルメックス上映
7-0.jpg
「タルロ」|中国
「ベヒモス」 |中国
第16回東京フィルメックス上映


5年前の11月に掲載した映画です。
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4年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2013年11月 Archive)

写真
「スチャラカ社員」
監督:前田陽一
ミヤコ蝶々、新藤恵美
写真
「日本列島」
監督:熊井啓
宇野重吉、芦川いづみ
写真
「ビューティフルサンデー」
監督:中島哲也
永瀬正敏、尾藤桃子
写真
「豚と軍艦」
監督:今村昌平
長門裕之、吉村実子
写真
「サーカス五人組」
監督:成瀬巳喜男
大川平八郎、梅園龍子
写真
「八日目の蝉」
監督:成島出
永作博美、井上真央
写真
「M/OTHER」
監督:諏訪敦彦
三浦友和、渡辺真起子
写真
「土」
監督:内田吐夢
小杉勇、風見章子
写真
「僕は天使ぢゃないよ」
監督:あがた森魚
あがた森魚、斉藤沙稚子
写真
「ジェリーフィッシュ」
監督:E・ケレット,S・ゲフェン
イスラエル
写真
「デタッチメント
      優しい無関心」

監督:トニー・ケイ|アメリカ
写真
「わが友イワン・ラプシン」
監督:アレクセイ・ゲルマン
ソ連
写真
「M」
監督:フリッツ・ラング
ドイツ


7年前の11月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
6年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2011年11月 Archive>

写真
「夫婦善哉」
監督:豊田四郎
森繁久彌、淡島千景
写真
「喜劇 夫婦善哉」
監督:土居通芳
藤山寛美、野川由美子
写真
「魚影の群れ」
監督:相米慎二
夏目雅子、緒形拳
写真
「洗濯機は俺にまかせろ」
監督:篠原哲雄
富田靖子、筒井道隆
写真
「春子とヒデヨシ」
パイナップルツアーズより
監督:中江裕司
写真
「新・夫婦善哉」
監督:豊田四郎
森繁久彌、淡島千景
写真
「喜劇 駅前団地」
監督:久松静児
森繁久彌、フランキー堺
写真
「ビリケン」
監督:阪本順治
杉本哲太、山口智子
写真
「君とボクの虹色の世界」
監督:ミランダ・ジュライ
アメリカ
写真
「石炭、金」
監督:ワン・ビン
中国
写真
「常緑樹」
監督:シン・サンオク
韓国
写真
「ブック・オブ・デイズ」 
監督:メレディス・モンク
アメリカ
写真
「南京の基督」
監督:トニー・オウ
日本・香港
写真
「ゼロシティ」
監督:カレン・シャフナザーロフ
ソ連
写真
「ゴールキーパーの不安」
監督:ヴィム・ヴェンダース
西ドイツ
写真
「ミスター・ツリー」
中国
(第12回東京フィルメックス)

写真
「食う。 百姓のエコロジー」
田中 佳宏 著




映画「ジャーマン+雨」  監督:横浜聡子

320.jpg







 公開時の衝撃は、なかなかでした。
 こういう映画もあるんだと。異次元だね。優れた喜劇です。

 人の話を聞かない女、自身の要求を強引に性急に相手に求める、そんな迷惑極まりない「よし子16歳」を演ずる女優、野嵜好美は、ワン&オンリーだ。

 この尖がりな女の行動を緩和するのが、小学生の男の子3人。(この子役たちが、おいしい味を出している)
 彼らは、よし子が開く縦笛教室の生徒たちだ。
 よし子は先生だが、子たちと同レベルで戯れている(と第三者には見える)

 とある地方都市の郊外、田園風景の中に、ぽつんと建つ、くたびれた小さな一軒家に、よし子はひとりで住んでいる。
 小さい頃、親の離婚時に両方の親に捨てられ、その後、祖母の家で育つも、祖母の死後、中学を中退し、植木職見習いでなんとかギリギリの生活をしている。
 そして小遣い稼ぎに、小学生相手に自宅で縦笛教室を開いている。


0-1_201811162017347ab.jpg よし子は、まるで漫画のキャラのような粗暴な女で嫌われ者だが、それでも彼女を良く思ってくれる人間がいる。
 その一人は、よし子が学校に通っている頃に同級だった、美人の上野まき(藤岡涼音)。
 時によし子にぶたれたりするが、とても親身になってくれる。
 もうひとりは、植木職の先輩でイケメン・ドイツ人のカイ(ペーター・ハイマン)。
 実は、イケメンがいるとのうわさをよし子は聞きつけ、それで植木職人見習いに就いた次第。
 
 よし子は、恋をしたい、歌手デビューしたい、金持ちになりたいと無謀な夢に、無鉄砲にしがみ付いている。
 そんな夢に付き合ってくれるのが、上野まき。(それは観てのお楽しみ)

0-2_2018111620194375d.jpg ですが、よし子の夢は破れ、破れかぶれの日々。
 ほんとはね、そんな夢、叶うはずは無いと自身もハナから思っていたのだろうが、抱く夢が寂しさ悲しみ吹き飛ばす原動力・・。

 よし子、自殺か? 家の前にあるマンホールにいきなり飛び込む。(そこは汲み取り式便所の、し尿槽)
 病院に運ばれ意識不明でベッドに横たわるよし子に、男が床を這いながらベッドサイドに来て、よし子の手を握る。
 そう、それはなんと、植物状態で同じ病院に入院していた父親であった。
 昔、よし子が幼い頃、し尿槽に落ちて、父親が助けてくれた、今回もそのようだ。


監督・脚本:横浜聡子|2006年|71分|
撮影:平野晋吾 、 鎌苅洋一|
出演:林よし子(野嵜好美)|上野まき(藤岡涼音)|カイ(ペーター・ハイマン)|ケン(本多龍徳)|みつぐ(徳永優樹)|あつし(田尻大典)|林よし子の父親(飯島秀司)|汲み取りバキュームカーの男・小川(ひさうちみちお)←著名な漫画家です!

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気に入ってる、最近の映画。(アジアの映画編)

写真
「花嫁と角砂糖」
結婚式に集まった一族郎党の群像劇。
人々が各々に人生を背負い、ここに集
う様をうまく描いている。これでイラ
ンの家庭料理の匂いがすれば最高。
イラン
監督:レザ・ミルキャリミ
写真
「スタンリーのお弁当箱」
ムンバイの小学校がお話の舞台。クラ
スの中に貧富の差がある。その度合い
を示すのがお弁当の内容と量。でも待
ちに待ったお昼時になると、みな夢中!
インド
監督:アモール・グプテ
写真
「ハーモニー・レッスン」
やくざの世界に通じる18歳の生徒が全
校を支配する中、低学年が公然と虐め
に会い、さらには13歳の少年が殺人事
件に巻き込まれ自白を迫られるが…。
カザフスタン
監督:エミール・バイガジン
写真
「コインロッカーの女」
バイオレンスな裏の世界と短く儚い初
恋を描くアクション映画。最後まで飽
きさせない娯楽作品。しっかりした構
成よく書き込まれた脚本。パワフル!
韓国
監督:ハン・ジュニ
写真
「恋物語」
女性同士のLove Story。女性監督なら
ではの心細やかな描写。ユンジュとジ
スの揺らぐ心の機微を上手にすくい上
げる。脚本への緻密な配慮も伺える。
韓国
監督:イ・ヒョンジュ
写真
「ブンミおじさんの森」
おじさんが住む一軒家は精霊たちが住
む深い森。日が暮れると闇の中に浮か
ぶ舟の様。森のすべての生死・輪廻転
生を包み込んでいるのはアジア的風土。
タイ
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
写真
「光りの墓」
突然の発作後ひたすら眠り続ける不可
思議な難病。この患者が何人も収容さ
れる病院。光る医療機器の不思議感。
患者や死者と交信する女。古代と現代。
タイ
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
写真
「マンダレーへの道」
ミャンマーからタイへ不法入国した男
女のラブストーリーと別れを描く。不
法滞在者が得るのは長時間労働を強い
られる厳しい職場。芽生える恋、だが。
台湾、ミャンマー
監督:ミディ・ジー
写真
「昔々、アナトリアで」
トルコ東部の果てしなく続く丘陵風景
の中で語られる荒涼としたロードムー
ビー、そして関係者たちの群像劇。映
像の文筆力が飛びぬけて素晴らしい。
トルコ
監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
写真
「記憶が私を見る」
観る者の感性が試される映画かも。何
んでもない日常の奥にひっそり佇む精
神の有り様、感情の細やかさを僅かな
台詞で静かに描いて映画にしている!
中国|製作:ジャ・ジャンクー
監督・主演:ソン・ファン
写真
「最愛の子」
実話が基の話。3歳の一人息子の誘拐
事件。中国では子供の誘拐、売買が多
発、年20万人もの子供が行方不明にな
る。この世情を背景に親たちを描く作。
中国
監督:ピーター・チャン
写真
「妻の愛、娘の時」(相愛相親)
母の遺骨を父親が眠る故郷の墓に埋葬
しようとするが故郷に住む父の先妻に
断固反対される喜劇的な話。場面の切
り返しに独特のリズムがあって好印象。 
中国
監督・主演:シルヴィア・チャン
写真
「苦い銭」
市井の人々のありのままを、それも広
大な国土の極一点の様子を描いたドキ
ュメンタリーだが「中国の今」をしっ
かりと感じとれるのはこの監督の魅力。
中国
監督:ワン・ビン
写真
「普通の家族」
マニラの街中でストリートチルドレン
として育った16歳のジェーンと17歳の
アリエスの物語。二人の間に子が生ま
れ、母は強しの苦労の日々。
フィリピン
監督:エドゥアルド・ロイ・Jr



「気に入ってる、最近の映画」シリーズは、下記4つのコーナーに分けて掲載中です。
 映画のジャンルをクリックしてお読みください。

写真
写真
写真
016.jpg


映画「イン・ハー・シューズ」  監督:カーティス・ハンソン

上
妹のマギー、祖母のエラ、姉のローズ


 性格と才能がまったく違う姉妹と、その祖母、女3人のそれぞれの幸せを見つける物語。
 アメリカンテイストな娯楽映画をお楽しみください。
 
0-1.jpg ローズとマギーは、仲が良い。そして共に、独身。
 二人の母は二人が幼い頃、交通事故死したらしい。父親は再婚し姉妹を育て姉は自立し今に至る。

 30歳を過ぎた姉のローズ(トニ・コレット)は、フィラデルフィアの大手法律事務所に勤める弁護士。
 仕事に没頭の毎日は、ある種の現実逃避。
 恋愛に縁が無いらしい、寂しい私生活とエッチな恋愛小説。
 買った上等なマンションの、ウォークインクローゼットには高価な靴がズラリ。ローズにとって慰みの靴たち。
 しかし最近、上司といい関係になったが・・。

 かたや、30歳を前にした妹のマギー(キャメロン・ディアス)は、美貌とナイスバディで男に不自由なし。
 結果、日々、夜遊び度重なる外泊と世間を浮遊する遊び人、ついに継母に実家から追い出される。
 性格は大雑把で楽天家。ファッションセンスは優れてる。
 だが発達障害※があって、店員やレジの仕事もできず、いつも金欠。
 (※読むこと暗算することがとても遅い、学校では特別支援学級だった)

0-2_20181111093116cf7.jpg 姉妹の(母方の)祖母、エラ(シャーリー・マクレーン)は、フロリダにいる。リゾートホテルのような高級な老人ホームに住んでいる。
 エラは今も、娘(姉妹の母親)のことで悔い続けているようだ。(姉妹の母親は映画に登場しない)
 実は姉妹の母親は交通事故死ではなく自殺だった
 エラはあの頃を振り返り、もっと何かしてあげていれば自殺には至らなかったと悔いているのだ。



 姉妹の母親は奇行の人であったらしい。(長女のローズは母親のそんな様子を少しだけ覚えている。マギーは赤ちゃんだった)
 幼い姉妹にとって、母のおかしな振る舞いは楽しかったが、父親にとっては耐え難かったのだろう。
 そんな母親を懸命にかばったのがエラだった。だから、エラと姉妹の父親はいがみ合っていた。

 母の死後、父親はすぐに姉妹からエラを遠ざけた。その後は姉妹は祖母と会うことはなかった。
 だから、幼い姉妹は、祖母はとうに死去したと思っていたのだ。

 さて、お話はどう進んで行くかは観てのお楽しみ。

オリジナルタイトル:In Her Shoes
監督:カーティス・ハンソン|アメリカ|2005年|131分|
原作:ジェニファー・ウェイナー|脚本:スザンナ・グラント|撮影:テリー・ステイシー|
出演:マギー・フェラー(キャメロン・ディアス)|ローズ・フェラー(トニ・コレット)|エラ・ハーシュ(シャーリー・マクレーン)|サイモン・スタイン(マーク・フォイアスタイン)|エイミー(ブルック・スミス)|トッド(アンソン・マウント)|ジム・ダンヴァーズ(リチャード・バージ)|サイデル・フェラー(キャンディス・アザラ)|マイケル・フェラー(ケン・ハワード)|グラント(エリック・バルフォー)|

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽





映画「オンディーヌ 海辺の恋人」  アイルランド映画  監督:ニール・ジョーダン

上

 大人の世界と、子供の世界との境目から生まれた、人魚と漁師のラブストーリー。
 ハッピーエンドな話です。

1-0_201811071706266fe.jpg 漁師のシラキュースがある日、漁船の巻き上げ機で網を引き上げていると、魚と共に、なんと「女」が網にかかった。
 水死体だと思ったが、生きている。慌てて網から出した。
 ずぶ濡れの怯える女は、意識が戻り、オンディーヌと名乗った。(オンディーヌとは水を司る精霊、とっさの機転が利く女のようだ)

 シラキュースは女を病院に連れて行こうと、急ぎ港へ向かおうとしたが、女はそれを制して、誰にも会いたくないと言った。
 そこで一瞬考えたシラキュースは、彼女を世間からかくまうため、亡母が住んだ家のある、小さな入り江へ向かった。
 その家は、海べりに一軒ぽつんと建った、隠れ家のような粗末な あばら屋。
 シラキュースは、ずぶ濡れのオンディーヌをその家に置いてとりあえず去った。(家には亡母が残した衣服がある)
 この日から彼は頻繁にこの家を訪ねることになる。
 ある日、シラキュースはオンディーヌを乗せて漁に出る。するといつも不漁のロブスターが捕れ、刺し網ではないのにサケがたくさん捕れる、その不思議。


 シラキュースは港町に独りで住んでいる。
 妻とは別れた。同じ港町に妻は別な男と住んでいる。
 シラキュースの一人娘アニーは、その家にいる。

2-0_201811071715385bc.jpg だがアニーは実父シラキュースが大好き。
 二人が一緒の時、シラキュースはアニーに即興のおとぎ話をする。アニーはいつもそれを聞きたがる。
 そしてオンディーヌとの出会いののち、シラキュースはアニーに、人魚の話をした。

 聡いアニーは、その話をするシラキュースに何か変、と感じた。
 後日、好奇心旺盛なアニーはひとりで、あばら屋に行き、オンディーヌに会った。
 アニーはオンディーヌを人魚だと思い始める。

 さて、そのオンディーヌだが。
 実はヨアナというルーマニアの女で、なぜ、海で溺れかけていたのか?、それは観てのお楽しみ。

 話は、シラキュースの優しさと世渡りの疎さ、彼に芽生えたオンディーヌへの恋心、そして、それらにほだされ始める謎の女オンディーヌ。
 ですがオンディーヌはこの地に根を下ろす気は無かったようです。
 しかし結果的には、アニーがオンディーヌを人魚だと思う、その心の清らかさが、荒んだオンディーヌの心を打ったのでしょうか。オンディーヌはシラキュースのもとに留まろうとします。


 脚本は登場人物にリアルな色付けしています。
 シラキュースは2年前まではアル中で、港町に知れ渡ったアル中阿呆な男でした。
 その後、酒を断ったものの世を捨てていました。唯一の楽しみは娘のアニーといる時。
 そのアニーは、人工透析が必要な娘。車いすの生活です。
 シラキュースの妻はあばずれな女です。
 オンディーヌことヨアナは、ヤクの密輸にかかわる女。表に出しませんが世慣れした一面がある女のようです。
 そのほか例えば・・神父。シラキュースは信仰心は無いですが、教会の懺悔室は利用します、それを聞く神父がピリッと味を出しています。
 総じて、この映画、人物描写はおおげさでなく、地味。でも、その人となりが、さりげなく伝わってきます。巧い。
 加えて、映像の構図も素敵です。

 ちなみに、ヨアナの仲間があばら屋に押しかけます。ヨアナがブツを隠していると・・。
 これを回避できたのは結果的に、アニーとヨアナとが育んだ世界、人魚にまつわるファンタジーのおかげでした。
 そして、ヨアナの仲間の死が、幸いなことにアニーの腎臓移植につながりました。
 さらには、シラキュースとオンディーヌの心は再び通じ合うことになります。

オリジナルタイトル:Ondine
監督・脚本:ニール・ジョーダン|アイルランド、アメリカ|2009年|111分|
撮影:クリストファー・ドイル|
出演:オンディーヌ(アリシア・バックレーダ)|シラキュース(コリン・ファレル)|娘のアニー(アリソン・バリー)|ほか

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「カキフライが無いなら来なかった」, 「まさかジープで来るとは」 せきしろ, 又吉 直樹 (著) ・・最近読んだ本。

1_201810301431350e8.png




5_20181030154001b5c.jpg
 せきしろ, 又吉 直樹の両氏が詠んだ俳句の本。

 俳句と聞いて、即スルーしないで欲しい。
 例えば、本の題名、これがすでに俳句作品のひとつ。
 こういうのを、五七五の形式をとらないから、自由律俳句というらしい。

 どの句も、身の周りの断片を、普通の感覚ですくい上げている。
 「カキフライが無いなら来なかった」と、この句はつぶやく。
 すると何故か「ああ、そうだよね」と、思える。(話の前後の様子が分からないのに・・)
 これが魅力。
(共感し、ほっとする一瞬。ここがエンターテイメント)

 俳句は大きなフォントで表され、1ページに2句か3句、多くて4句。
 だから、ページが進む。
 そうすると、次々にいろんな情景が立ち現れ、ある種の疾走感。
 これが気持ちいい。
 そして心の底にある気持ちが、そっと騒ぐ。 


 
 思えば例えば、ある朝、着替えして、部屋を出、いつもの道を10分歩いて駅へ、電車に乗って30分、目的の駅で降り、ちょっと時間があるので牛丼屋で朝飯を食った、としよう。
 誰しも、この間に、道で、ホームで、車内で、店内で、何かを見て、一瞬何かを感じている。言葉にしないが・・。
 その言葉にしないが・・をこの本は、読者に代わって、巧みに「つぶやきの言葉」にしてくれている。 (悪口の「つぶやき」はありません)


 この2冊、図書館で見つけた。
 なんとなく、今風の詩か俳句か短歌が読みたくて、図書館の詩のコーナーに居たんだけれど・・。
 国語の授業で名を聞いた詩人俳人から俵万智あたりまで、たくさん本が並んでるが、手に取ってみると、どれも古臭く、特別な人の独特の世界観が面倒くさい。
 せきしろ, 又吉 直樹の句は、どちらかと言えば読者が新聞に投稿している川柳とかにに近い。
 しかし、その川柳は、型をなぞり、どこか気取っている感がする。

 取り上げた2冊は、両氏の撮った街風景の写真や散文も掲載されていて飽きさせない。
 気軽にどうぞ。どのページからでも読み始められます。



2年前・4年前・6年前の10月、一夜一話。(2016年10月・2014年10月・2012年10月の掲載記事)

2年前の10月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  2年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  <2016年10月 Archive>

写真
「パラダイスビュー」
監督:高嶺剛
小林薫、戸川純
写真
「鶴八鶴次郎」
監督:成瀬巳喜男
山田五十鈴、長谷川一夫
写真
「ベニスで恋して」
監督:シルビオ・ソルディーニ
イタリア、スイス
写真
「森浦への道」
監督:イ・マニ
韓国
写真
「フル・フロンタル」
監督:スティーヴン
  ・ソダーバーグ|アメリカ
写真
「リオ、アイラブユー」
~映画音楽に魅せられて
ブラジル
写真
「セントラル・ステーション」
監督:ウォルター・サレス
ブラジル
写真
「110番街交差点」
~映画音楽に魅せられて
アメリカ
     
写真
「ある過去の行方」
監督:アスガー・ファルハディ
フランス、イタリア、イラン

4年前の10月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  4年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2014年10月 Archive)

写真
「パンドラの匣」
監督:冨永昌敬 |仲里依紗、
川上未映子、染谷将太
写真
「ヌードの夜」 監督:石井隆
余貴美子、竹中直人、
椎名桔平、根津甚八
写真
「足にさわった女」
監督:市川崑
越路吹雪、池部良
写真
「揮発性の女」
監督:熊切和嘉
石井苗子、澤田俊輔
写真
「怪異談 生きてゐる小平次」
監督:中川信夫
宮下順子
写真
「さすらいの女神たち」
監督:マチュー・アマルリック
フランス
写真
「南東から来た男」
監督:エリセオ・スビエラ
アルゼンチン
写真
「ネブラスカ
   ふたつの心をつなぐ旅」

アメリカ
写真
「ショーシャンクの空に」
監督:フランク・ダラボン
アメリカ
写真
「グッド・ウィル
  ・ハンティング 旅立ち」

アメリカ
「キムチを売る女」
監督:チャン・リュル
韓国・中国

6年前の10月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  6年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2012年10月 Archive)

写真
「クワイエットルームに
        ようこそ」

内田有紀,宮藤官九郎,蒼井優
写真
「水の女」
監督:杉森秀則
UA、浅野忠信
写真
「オキナワの少年」
監督:新城卓
藤川一歩、内藤剛志
写真
「スリー☆ポイント」
監督:山本政志
村上淳、蒼井そら
写真
「ポストマン・ブルース」
監督:SABU
堤真一、遠山景織子
写真
「夏の妹」
監督:大島渚
栗田ひろみ、りりィ
写真
「パプリカ」
監督:今敏
アニメ
写真
「ディナーラッシュ」
監督:ボブ・ジラルディ
アメリカ
写真
「父の初七日」
監督:ワン・ユーリンほか
台湾
写真
「アンナ」
監督:ピエール・コラルニック
フランス
写真
「潜水服は蝶の夢を見る」
監督:ジュリアン
  ・シュナーベル|フランス
写真
「きらめきの季節 美麗時光」
監督:チャン・ツォーチ
台湾
写真
「ラスベガスをやっつけろ」
監督:テリー・ギリアム
アメリカ
写真
「銀河」
監督:ルイス・ブニュエル
フランス


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気になる映画 67  《これから上映の映画》

写真
映画祭「第19回 東京フィルメックス」
11/17-25
有楽町朝日ホール他
写真
「バスキア、10代最後のとき」
監督:サラ・ドライバー
12/22- 恵比寿ガーデンシネマ
写真
朝鮮半島と私たち
(現役日藝生による映画祭)
12/8-14 ユーロスペース

上映作品中 次の映画は記事にしています。
クリックしてご覧ください。
「有りがたうさん」「にあんちゃん」
「かぞくのくに」
写真
国立映画アーカイブ開館記念
生誕100年 映画美術監督:木村威夫(特集)
11/6-25 国立映画アーカイブ(京橋)

上映作品中 次の映画は記事にしています。
クリックしてご覧ください。
「雁」「夢みるように眠りたい」



映画「東京の宿」(1935)   サイレント映画  監督:小津安二郎

上

 働き口を求めて、子連れで東京をさまよう男の、昭和10年の人情噺だが、実験的な風合いもある映画。
 悲しい話だけれども、小津風のユーモア(親子の会話)が悲しみを和らげている。

2-0_201810201557462d7.jpg 海近くの、見渡す限りの埋立地らしき荒れ野。人影がまったく無い所。
 雑草生える一帯を貫く一本道、その道沿いに電柱がずっと向こうまで連なる景色。
 遠くには、幾本かの煙突が立つ大工場、近くにガスタンク。時折、トラックや電車が風景の奥を通り過ぎる。
 映画はこの空虚な風景の中に、主人公の喜八(坂本武)と二人の息子を置く。(三人の身の上を風景に託している)

 そのほかの登場人物は、3人だけだ。
 まずは、おつね(飯田蝶子)。
 埋立地の外れの街に、わびしい一膳めし屋があって、その女将が、おつね。
 今日も働き口が見つからなかった喜八は子を連れ、この店に入った。子たちはガツガツ飯を食う。(一日一食かもしれない)
 まったくの偶然だったが、おつねは喜八の昔馴染み。互いに再会を喜ぶが、喜八の心は塞ぐ。おつねは喜八のその後の境遇を知らない。

2-00_201810201601113f4.jpg そして、おたか(岡田嘉子)と、その幼い娘。
 埋立地で喜八と出会う。多くの宿泊客が雑魚寝する安宿でも出会う。
 おたかも子連れで職を探していた。やはり、この親も娘に満足に食べさせる金が無い。
 そして喜八は、そんな場合じゃないのに、おたかに恋心を持つ。

 さて、やっとのこと喜八は、おつねの紹介で念願の職を得え、部屋も借りれた。長男を小学校へ通わせる。
 喜八と長男の弁当は、おつねがこしらえた。
 喜八は、おたかとその娘に、おつねのめし屋で飯を食わせてやった。
 おたかを思う喜八の心は昂っていく、おたかのほうも満更でもない。

 ところが、ある日、おたかとその娘の姿が消える。
 実は、娘が高熱の病になり、入院させるため、すぐさま金が要る。おたかは、やむを得ず、安酒を飲ませる居酒屋の女となっていた。
 そしてまたもや偶然、おたかを失った喜八がヤケ酒を飲んでいる目の前に、おたかが現れる。
 事情を聞いた喜八はおたかに、こんな所で働くのは止せと怒った。

 喜八はその夜すぐに行動に出た。
 まず、おつねに、何の前置きもなく30円貸してくれと乞う。
 喜八は以前にもおつねに借金があったらしく、それは棒引きだが、もう貸せないと素気無く断られる。
 はやる気持ちを抑えきれず、見境がなくなったか、喜八は、ついに最終手段、どこかの家から金を盗み、そうして黙っておつねに渡した。

 街に警官が動き始める。
 察したおつねは喜八に問うた。「盗んだね」
 「おたかの娘をこのまま死なせるわけにはいかない」
 「馬鹿だね、あんたの息子たちのことは考えなかったのかい」
 「あとの事を頼んだよ」
 おつねは、ウンとは口に出さなかったが、素振りで示した。そして・・、
 「交番はどこだ?」と、喜八はおつねに聞いた。

             
 
 喜八とおつねの会話の中で、喜八の妻は子を置いて姿をくらました事は分かるが、映画はそれ以上の事は言わない。
 同じく、おたかのそれまでの事情も言わない。
 映画は、喜八、おたか、おつねの3人が抱える、それまでのそれぞれの「世間」を一切語らず、登場人物3人をただ、映画シーンの限られた時空の中だけで生かそうとする。
 それは、まるで水族館の水槽の魚を、のぞき見るがごとく、だ。

監督:小津安二郎|1935年|80分|
原作:ウィンザアト・モネ(小津、池田忠雄、荒田正男の3名合同ペンネーム)
脚本:池田忠雄、荒田正男|撮影:茂原英朗|
出演:喜八(坂本武)|長男の善公(突貫小僧)|次男の正公(末松孝行)|おたか(岡田嘉子)|その娘の君子(小嶋和子)|喜八の昔馴染みのおつね(飯田蝶子)|警官(笠智衆)|←言われないと気付かない

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気に入ってる、最近の映画。(ヨーロッパ・ロシアの映画編)

写真
「パラダイス 愛」
オーストリアの普通のおばさんがアフ
リカのリゾート地へ軽く遊びに行く話。
アフリカの男とのセックスなど白人の
おばさん達の愛のパラダイスを描く。
オーストリア
監督:ウルリッヒ・ザイドル
写真
「パラダイス 神」
宗教をテーマにする、かなりビターな
喜劇。コミカルな語り口を忘れず人の
業をえぐり出す。このコミカルさの妙
味にピンと来てほしい。
オーストリア
監督:ウルリッヒ・ザイドル
写真
「呼吸」
冷たいけれど新鮮なそよ風が吹く再出
発の話。孤児院で育ち親知らず。院内
の喧嘩で相手が死亡。それ以来、少年
院で服役5年。初めて仕事に就いた。
オーストリア
監督:カール・マルコヴィックス
写真
「さよなら、人類」
ロイ・アンダーソン監督のファンなだ
けに言いたくないのですが、残念な作。
映像の魔術に「冴え」が無くなりまし
たが、しかし他に類のない貴重な映画。
スウェーデン
監督:ロイ・アンダーソン
写真
「BIUTIFUL ビューティフル」
重い映画です。部隊はスペイン・バル
セロナ。映像は闇の中で妖しく押し黙
り、雨に濡れて、にじむ光のように美
しい。奥行きがある映画です。
スペイン
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
写真
犯罪「幸運」
東欧の羊飼いの娘とベルリンのホーム
レス青年との純なラブストーリー。
女性監督らしい繊細さも気持ち良い。
適度な緊張がラストまで。
ドイツ
監督:ドリス・デリエ
写真
「アデル、ブルーは熱い色」
高校生のアデルが同じ学校の先輩男子
より、街で見かけたブルーの髪の女性
に魅かれていく話。アデル役女優の自
然体の熱演に脱帽だ、素晴らしい。
フランス
監督:アブデラティフ・ケシシュ
写真
「ゲンスブールと女たち」
しっかり作られたいい映画。主人公は
フランスの著名なミュージシャン、ゲ
ンスブール。恋多き波乱万丈の生涯を
楽しく不思議に描きます。
フランス
監督:ジョアン・スファール
写真
「さすらいの女神(ディーバ)たち」
米国ヌードショー一座がフランスを興
行中。ユーモアたっぷりの楽しい舞台。
映画はダンサーたちの存在感と明るさ
飾らない演技で成り立っている。
フランス
監督:マチュー・アマルリック
写真
「ちいさな哲学者たち」
幼稚園の先生が哲学の授業をする様子
を継続的にドキュメンタリーした映画。
個の独立、自己主張を早くから言われ
る国フランス。日本はどうなんでしょ。
フランス
監督:ジャン=P・ポッジ、P・バルシェ
写真
「幸せのありか」
ポーランドに住む脳性麻痺の男の子が
青年に成長するまでの苦難のお話を、
あたたかな眼差しで、時にコミカルに
明るく描いた映画。
ポーランド
監督:マチェイ・ピェプシツァ
写真
「エレナの惑い」
静かな静かなサスペンス・ドラマ。 
遺産配分は人の心を激しく揺り動かす。
そして揺れる心は愛をもねじ伏せ、良
心さえも易々と乗り越える。
ロシア
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ



「気に入ってる、最近の映画」シリーズは、下記4つのコーナーに分けて掲載中です。
 映画のジャンルをクリックしてお読みください。

写真
写真
写真
016.jpg



映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」 イタリア映画  監督:ガブリエーレ・マイネッティ

上

 イタリア味のスーパーヒーロー、SFクライム・アクション映画。
 なんだか最後まで観てしまった。
 スーパーな肉体を得た主人公エンツォとアレッシアとの男女関係が、アクション映画にしちゃ繊細に描かれている。

0_20181011124325779.jpg 主人公エンツォは少年の頃には既にワルだったが、それなりに楽しかったらしい。
 だが、今じゃ生きる意欲も無い一匹狼、ギャングの下働きで何とか生きている。

 凶暴な男ジンガロは数人の手下を抱えて麻薬を扱うギャング。
 その手下の1人セルジョに連れ添ってエンツォは、ヤクの小袋を飲みこんだ運び屋の黒人の体内から、袋を排出させる現場に居た。
 ところがセルジョは奪われた拳銃で黒人に撃たれ即死、エンツォも肩を撃たれて高いビルから落下。
 しかし、地面にたたき付けられたエンツォは、しばらくののち意識が戻り、何ごとも無かった様子でひとりその場を立ち去った。
 部屋に帰り、肩を貫通した傷を手当てしたが、翌日には傷跡も無かった。
 エンツォは気がついた。あの時、不死と怪力を得たのだと。(あの時とは?は、もちろん観てのお楽しみ)

 その頃、ジンガロは苛立っていた。ヤクを持って帰るはずのセルジョが行方不明。
 手下を連れたジンガロはセルジョの家に押し入り、そこに居た娘のアレッシアを手荒く扱い父親の行方を詰問していた。
 そこへエンツォが飛び込んで手下を投げ飛ばしアレッシアを救う。
 エンツォの部屋の階下がセルジョと娘の部屋で、アレッシアとは“一応”、顔見知り。

 アレッシアは精神障害があって、退院後は「鋼鉄ジーグ」※のアニメの世界に浸ることで、心の安定を得ている女性。(※日本のアニメ)
 彼女はエンツォに問いただす、父親はどこ? 彼女は不安なのです。
 そしてアレッシアは、エンツォを「鋼鉄ジーグ」のヒーローと同一視し始めます。
 ですが、エンツォはいつものように、変な女アレッシアが、うざい。

 さあ、この辺から、エンツォ、アレッシアの微妙な関係がスタートします。
 一方エンツォは、セルジョが隠し持っていた、ジンガロ一味の現金強奪計画のメモをもとに、エンツォひとりで現金輸送車を襲撃してしまいます。

 その単独襲撃をまのあたりにしたジンガロは、エンツォがどこでどうして、あのスーパー能力を得たかに執心しだし、アレッシアを人質にし、ついに事の次第を聞きだします。だが、お前本当か? ジンガロは信用しません。ところが・・(それは観てのお楽しみ)

 話は進んで、超能力を得た目立ちたがり屋のジンガロは、世界中のツイッタ―で騒がれるような巨悪なテロへと単独で突き進みます。
 そして、エンツォの登場です。
 エンツォが正義に目覚めたのは、交通事故で炎上する車から、女の子を救ったことがきっかけでした。周りの多くの人々がエンツォの行為と勇気を称賛しました。エンツォにとってそれは、生きる糧を得た事でありました。

オリジナル・タイトル:LO CHIAMAVANO JEEG ROBOT
監督:ガブリエーレ・マイネッティ|イタリア|2015年|119分|
脚本:ニコラ・グアッリャノーネ|撮影:ミケーレ・ダッタナジオ|
出演:エンツォ(クラウディオ・サンタマリア)|ジンガロ(ルカ・マリネッリ)|アレッシア(イレニア・パストレッリ)|セルジョ(ステファノ・アンブロジ)|ほか

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1年前・3年前・5年前の10月、一夜一話。(2017年10月・2015年10月・2013年10月の掲載記事)

1年前の10月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  1年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2017年10月 Archive>

写真
「お父さんと伊藤さん」
監督:タナダユキ
上野樹里,L・フランキー,藤竜也
写真
「薔薇大名」
監督:池広一夫
小林勝彦,浦路洋子,宮川和子
写真
「青空娘」
監督:増村保造
若尾文子,菅原謙二,川崎敬三

写真
「ひつじ村の兄弟」
監督:G・ハゥコーナルソン
アイスランド
写真
「ラスト・ショー」
監督:P・ボグダノヴィッチ
アメリカ
写真
「女と男のいる舗道」
監督:ジャン=リュック・ゴダール
フランス
写真
「偉大なるマルグリット」
監督:グザヴィエ・ジャノリ
フランス
写真
「ピンク・キャデラック」
監督:バディ・ヴァン・ホーン
アメリカ
写真
「シークレット・サンシャイン」
監督:イ・チャンドン
韓国
写真
「ブロンクス物語 愛につつまれた街」
監督:ロバート・デ・ニーロ
アメリカ


3年前の10月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
3年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2015年10月 Archive)

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「風切羽」
監督:小澤雅人
秋月三佳
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「その夜の侍」
監督:赤堀雅秋
堺雅人
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「喧嘩犬」
監督:村山三男
田宮二郎
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「下妻物語」
監督:中島哲也
深田恭子、土屋アンナ
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「ヴィヴィアン・マイヤーを
          探して」

(ドキュメンタリー映画)
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「イゴールの約束」
監督:ダルデンヌ兄弟
ベルギー
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「ハネムーン・キラーズ」
監督:レナード・カッスル
アメリカ
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「ヘルシンキ・ナポリ
    オールナイトロング」

監督:ミカ・カウリスマキ
写真
「憂鬱な楽園」
監督:ホウ・シャオシェン
台湾
写真
“1970年代の日本のロック、フォークを
振り返る”をテーマにして読んだ本。


5年前の10月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
5年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2013年10月 Archive)

写真
「PicNic ピクニック」
監督:岩井俊二
チャラ、浅野忠信
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「ヘヴンズ ストーリー」
監督:瀬々敬久
寉岡萌希、長谷川朝晴
写真
「燃えつきた地図」
監督:勅使河原宏
勝新太郎、市原悦子、渥美清
写真
「狂った野獣」
監督:中島貞夫
渡瀬恒彦、川谷拓三
写真
「密航0ライン」
監督:鈴木清順
長門裕之,清水まゆみ,中原早苗
写真
「タナカヒロシのすべて」
監督:田中誠
鳥肌実、ユンソナ
写真
「さゞなみ」
監督:長尾直樹
唯野未歩子,豊川悦司,松坂慶子
写真
「妹」
監督:藤田敏八
秋吉久美子、林隆三
写真
「ヘッドライト」
監督:アンリ・ベルヌイユ
フランス
写真
「フィッシュ・タンク」
監督:アンドレア・アーノルド
イギリス
写真
「トゥルー・ヌーン」
監督:ノシール・サイードフ
タジキスタン
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「カリフォルニア・ドールズ」
監督:ロバート・アルドリッチ
アメリカ
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「第七天国」
監督:フランク・ボーゼージ
アメリカ
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「母と娘」
監督:ロリー・ビー・キントス
フィリピン


7年前の10月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
年前の10月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2011年10月 Archive>

写真
「ツィゴイネルワイゼン」
監督:鈴木清順
原田芳雄、大谷直子
写真
「白昼堂々」
監督:野村芳太郎
渥美清、倍賞千恵子
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「雨の中の二人」
監督:桜井秀雄
田村正和、中村晃子
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「台所太平記」
監督:豊田四郎
森繁久彌,淡島千景,ほか女優多数
写真
「ある日、突然。」
監督:ディエゴ・レルマン
アルゼンチン
写真
「キャラメル」
監督:ナディーン・ラバキー
レバノン
写真
「旅立ちの汽笛」
監督:A・アブディカリコフ
フランス・キルギス
「戦争のない20日間」
監督:アレクセイ・ゲルマン
ソ連
写真
「テハンノで売春していて
バラバラ殺人にあった女子高生
まだテハンノにいる」
|韓国
写真
「都市の夏」
監督:ヴィム・ヴェンダース
西ドイツ
写真
「ワンダーランド駅で」
監督:B・アンダーソン
アメリカ
写真
「クリチバ 0℃」
監督:エロイ・P・フェへイラ
ブラジル
写真
「明りを灯す人」
監督:アクタン・A・クバト
キルギス
写真
「再会の食卓」
監督:ワン・チュアンアン
中国
写真
「アイ・ラブ・北京」
監督:ニン・イン
中国
写真
「仁義」|フランス
監督:ジャン=ピエール
        ・メルヴィル
写真
「いぬ」|フランス
監督:ジャン=ピエール
        ・メルヴィル




映画「海街diary」 綾瀬はるか, 長澤まさみ, 夏帆, 広瀬すず  監督:是枝裕和

1_20181010200135db1.png
三姉妹+すずの四姉妹。
(左から) 三女の千佳、長女の幸、異母姉妹のすず、次女の佳乃。
彼女たちは鎌倉の古い一軒家に住んでいます。長女の幸は皆の母親役。



0_20181010210111bda.jpg さらりとした映画。
 綾瀬はるかのしっかりした演技力が作品の屋台骨を支えています。
 次いで広瀬すずが、綾瀬に負けず映画を牽引してます。新鮮さを感じます。
 よってこのふたりが本作の柱になっての出来となりました。

 脇では、リリー・フランキーと風吹ジュンが、じんわり味を出します。
 脇役ですが、話に(年齢層に)厚み重みを出す役どころで、案外、本作の勘所です。
 なぜなら、姉妹の父親は映画に登場しません。15年前に家を出たきりです。(そして訃報が届く)
 母親 (大竹しのぶ)も姉妹を置いて家を出てしまいました。(ですから出番は僅か)

 15年前に家を出た父親の、新たな妻との子が、すず (広瀬すず)でした。
 幸 (綾瀬はるか)を長女とする三姉妹は父親と音信不通でしたが、突然の訃報で、父親の葬儀に駆けつけます。
 姉妹とすずの、初めての出会いでした。

 
 三姉妹の母親役の大竹しのぶや、とりわけ叔母役の樹木希林は、監督がよそからチョッと借りて来た風で、映画の流れに馴染んでいないです。
 それぞれ、力あるベテランの演技をしているのですが、周囲の演技者たちに比べ、演技のトーンやテンション度合いが違って浮いている。
 それが狙いなのかもしれないが、しかし樹木希林のシーンにおいては、明らかに樹木希林が浮いている。活かされていない。テンション度が合ってない。
 女優まかせなのか、つまり監督が演出の仕事をしてない。。(限られたシーンにでる出演女優には、そのシーンしか見えない、映画全体のトーンは分からない)

 総じて映画は、深く語らず重くならずに浅瀬を行く。
 ともすると淡泊希薄になりがちなそんな中、綾瀬はるかが、しっかりとした話をかたち作って行きます。
 そこが見どころです。

監督・脚本:是枝裕和|2015年|128分|
原作:吉田秋生
出演:香田幸/地元総合病院で看護師(綾瀬はるか)|香田佳乃/地元信金勤め(長澤まさみ)|香田千佳/近所のスポーツ店店員(夏帆)|三姉妹の母 在北海道(大竹しのぶ)|叔母(樹木希林)|すず(広瀬すず)|三姉妹を幼い頃から見て来た海猫食堂の女あるじ(風吹ジュン)|喫茶店のあるじ、三姉妹の父親の友人(リリー・フランキー)|幸が勤務する総合病院の医師で幸の恋人(堤真一)|佳乃が勤める信金の上司の坂下(加瀬亮)|千佳の恋人(池田貴史)|すずの母(中村優子)|ほか

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一話 (京都、旅行、美味など)  書評  美術

ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

気に入ってる、最近の映画。(日本映画編)

 ここ数年の公開映画のうちで、気に入ってる映画を拾ってみたら、17本。
 映画はほかにも、どんどん公開されているけれど、脚本、監督や演出、演技にガッカリすることが多い。残念です。

写真
「0.5ミリ」
主演の安藤サクラがいい。彼女独特の
味と存在感がある。
話は五話あって、安藤サクラがそれぞ
れに登場する老人たちに巡り会います。
監督:安藤桃子
出演:安藤サクラ,坂田利夫,津川雅彦



写真
「箱入り息子の恋」
箱入り息子と箱入り娘の、コメディタッ
チな恋のお話。ほんわか映画にみえま
すが、結構、問題提議な話です。実は
子離れできない親を喜劇化している。
監督:市井昌秀
出演:星野源, 夏帆 ,森山良子,大杉漣



写真
「川下さんは何度もやってくる」
生活は貧しく頼り甲斐いないが、仲間
に思いやりある、あったかい男たちの、
おバカでお下劣で物悲しい喜劇映画で
す。それは、先輩の通夜の夜に・・・
監督:いまおかしんじ
出演:佐藤宏,水澤紳吾,櫻井拓也



写真
「風切羽」(かざきりば)
サヤコ役の秋月三佳が時折見せる「目
の力」が、この映画を牽引する。サヤ
コは児童養護施設で暮らしている高3。
卒業すると施設を出なくてはいけない。
監督:小澤雅人
出演:秋月三佳,戸塚純貴,川上麻衣子



写真
「TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ」
奇想天外、波乱万丈なドタバタ喜劇で
ありながらも悲劇、かつ純情恋愛物語。
そして、ロックバンドのお話でもあり、
さらには輪廻転生、これが話の要。
監督:宮藤官九郎
出演:神木隆之介,長瀬智也, 森川葵


写真
「ツレがうつになりまして。」
ハル(宮崎あおい)は夫(堺雅人)のことを
ツレと呼ぶ。夫婦仲はとてもいい。
ツレは最近、体調が良くない。そうハル
に言うが彼女は軽く考えていた。
監督:佐々部清
出演:宮崎あおい,堺雅人,吹越満



写真
「舞妓はレディ」
こういう明るく楽しい喜劇は好きです。
気晴らししたい時にはぜひ観るといい。
春子役の上白石萌音を大勢のベテラン
が楽しく盛り上げます。
監督:周防正行
出演:上白石萌音,富司純子,田畑智子



写真
「百円の恋」
無職無収入彼氏一度も無しの一子32歳
は一日中パジャマか部屋着でダラダラ
の毎日。遂に一子は家を出る。その近く
にあるボクシングジムが運命だった。
監督:武正晴
出演:安藤サクラ(熱演に拍手),新井浩文



写真
「お父さんと伊藤さん」
脚本が良く出来ていて、演出に抜け目
がない。息子娘の世代も、父親の世代
も楽しめるビターな喜劇。話は妻を亡
くした頑固な父親の、たらい回し。
監督:タナダユキ
出演:上野樹里, L・フランキー,藤竜也


写真
「仁光の受難」
とにかく面白い娯楽時代劇かつ妖怪譚。
江戸時代、ある寺の修行僧・仁光は女
にもてるという坊主として致命的欠陥。
そんなわけで克服の修行の旅に出たが。
監督:庭月野議啓
出演:辻岡正人ほか



写真
「さよなら歌舞伎町」
新宿歌舞伎町のラブホテルを舞台にホ
テルに来る様々な人々が、それぞれに
抱く夢と、背負う問題を活写するグラ
ンド・ホテル形式の喜劇映画。
監督:廣木隆一
出演:染谷将太,前田敦子,南果歩,松重豊



写真
「神様のカルテ」
栗原(櫻井)は本庄病院の内科医。彼が夜
間の救急外来担当の日は決まって外来患
者が多い。日本の医療が抱える問題点を
清々しく伝えてる喜劇交じりのいい映画。
監督:深川栄洋
出演:櫻井翔,宮崎あおい,柄本明



写真
「夫婦フーフー日記」
明るくカラッとしたコメディ。粗筋は
とても悲しいのですが、実にいい喜劇。
妻が霊となって・・。永作の演技力が
映画を引っ張っています。
監督:前田弘二
出演:永作博美、佐々木蔵之介



写真
「ディストラクション・ベイビーズ」
世間から「はみ出た」者たちへの哀歌。
そして覚醒し始めるモンスターの物語。
あるいは、痛そうな映画。前触れなく
暴発する怒り仕掛けるケンカ。
監督:真利子哲也
柳楽優弥,菅田将暉,小松菜奈



写真
「超高速!参勤交代 リターンズ」
まさに時代劇娯楽映画。
よく出来てます。楽しんでください。
「超高速!参勤交代」の続編だけど、
これだけでも十分楽しめる。
監督:本木克英
出演:佐々木蔵之介,深田恭子,伊原剛志



写真
「ロボジー」
あり得ない話を長けた話者が真面目に
話すうちに、観客はスッカリ話術には
まって、はらはらドキドキ、大笑い。
そう、これ落語。最後まで一気に観て。
監督:矢口史靖
出演:ミッキー・カーチス,吉高由里子



写真
「パーマネント野ばら」
哀しみと笑いがブレンドされた大人味。
寂れた小さな漁港、町に一軒だけの美
容室が実家のナオコは子連れで出戻っ
た。ラスト近くナオコの意識に驚愕する。
監督:吉田大八
出演:菅野美穂,小池栄子,池脇千鶴



「気に入ってる、最近の映画」シリーズは、下記4つのコーナーに分けて掲載中です。
 映画のジャンルをクリックしてお読みください。

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016.jpg


高野文子(著)「田辺のつる」「アネサとオジ」「ふとん」, 大友克洋(著)「ヘンゼルとグレーテル」「童夢」, 松本大洋(著)「鉄コン筋クリート」・・最近読みかえした漫画

1_20180924212817a95.png


 漫画を振り返る。
 いま見ても、やはり、いいなぁ という作品を取り上げてみた。
 今回は高野文子、大友克洋、松本大洋だ。
 まずは高野文子の短編3作。

2-1_201810041148205ae.jpg
【高野文子】・・・「田辺のつる」、「アネサとオジ」、「ふとん」

 その昔、初めて出会った高野文子の作品が「田辺のつる」、漫画雑誌・漫金超創刊号に掲載されていた。他の掲載作品に比べ抜きんでて刺激的な漫画であった。
 田辺家に、明治生まれのばあさんがいる。家族から見て、彼女は認知症だが、本人「つる」82歳は、4歳くらいの少女の自意識で、現在を生きているのです。
 だから、ばあさんは可愛い少女の姿で描かれる。
 話は、つるばあさんと家族とのあれこれを語りますが、つるさんは可愛らしくも、たくましい。この嫌味の無いたくましさが、とても印象に残ります。

 「アネサとオジ」は、マンガ奇想天外の春・創刊号に掲載されていた。
 「田辺のつる」同様に、同時掲載されている大友克洋、柴門ふみ、吾妻ひでお、松本零士など他の漫画より図抜けて鮮烈な印象が残った作。(ヘタウマ漫画風のタッチです)
 姉のアネサは野獣のような人間離れの凶暴さで、例えば家猫を一口にパクリ、食べちゃう。
 また、アネサの手足は体から自由に離れる。離れた手は弟のオジの朝食やオヤツをかっさらい、これもあっと言う間にアネサの口に入る。
 オジはアネサを姉として慕うものの、ある日、我が身の危険を感じた。
 そこで、ついに反撃に出る。二階の窓から、下を歩くアネサ目掛けてオジは大きな石を落としたが、アネサの頭が肩に食い込んだだけ、アネサは食い込んだ自身の頭を引っ張り上げ、何事もなかったようにその場を去っていく。
 そんなあるとき、オジを見てアネサが驚愕した。なぜ?(あとは見てのお楽しみ)

 「ふとん」もマンガ奇想天外に掲載されていた。
 やはり、掲載他作を凌ぐ漫画だった。本作は可愛い少女の葬儀の日の話。
 だから悲しいのだが、その悲しみに勝るのが、少女の霊と観音さまとの、可笑しなやり取り。巧い!そして爽やか。
 以上3作、このころの高野文子は冴えていた。

2-2_2018100411503731e.jpg
【大友克洋】・・・「ヘンゼルとグレーテル」、「童夢」

 短編作品「ヘンゼルとグレーテル」の絵は、あの「アキラ」や初期作品群などの、描き込み多いタッチとは異なるプレーンな描写。大友克洋のもうひとつの顔。
 合わせて、お話は童話にさらに「毒」を盛り込んだ、大人の童話に仕上がっている。
 この大友克洋の漫画作品集には、「ヘンゼルとグレーテル」のほかにも有名童話をモチーフにした作が並んでいるが、やっぱりこの「ヘンゼルとグレーテル」の出来が出色。
 大友特有の、滑稽さと残酷さと馬鹿馬鹿しさがここに集約されている。実にいいね。

2-3_201810041152408d9.jpg
 「童夢」は大作。
 当時、(漫画アクションだったかに)何か月かおきに連載されたのをそのたびに読んではいたが、いささか散漫な印象だった。
 しかしその後、修正/書き直ししたんだろう、単行本になって素晴らしい作品となって現れた。(発行が遅れ、単行本購入時にお詫びの特製しおりが付いた)
 とにかく、「アキラ」よりずっと凄い。
 超能力を持つ独居老人のチョウさんの出現シーンは、今も鳥肌が立つ。
 そして同じく超能力を持つ少女エッちゃんが、この団地に引っ越してきた・・。
 230ページのこの単行本、一気に読ませます!

2-4_20181004115514ca7.jpg
【松本大洋】・・・「鉄コン筋クリート」 

 この単行本610ページも、釘付けになり一気に読ませます。
 読み始めると、無音の強音圧が読者を圧倒しだすのを感じます。
 身寄りのない二人の少年シロとクロ。
 身体能力が半端じゃないこの二人の自由奔放さと疎外感、激しい暴力、そして互いの信頼と幼さと心の飢え。
 読み応え十分、骨太な感触、いいですな!


高野文子漫画作品集「絶対安全剃刀」1982年・白泉社 (1977年から1981年までに発表された17作品を収録)
たあたあたあと遠くで銃の鳴く声がする|花|はい―背筋を伸してワタシノバンデス|絶対安全剃刀|1+1+1=0|おすわりあそべ|ふとん|方南町経由新宿駅西口京王百貨店前行|田辺のつるアネサとオジ|あぜみちロードにセクシーねえちゃん|うらがえしの黒い猫|午前10:00の家鴨|早道節用守(はやみちせつようのまもり)|いこいの宿|うしろあたま|玄関|

大友克洋漫画作品集「ヘンゼルとグレーテル」1981年・ソニー・マガジンズ
ヘンゼルとグレーテル|赤頭巾|狼と七匹の子やぎ|狼と羊飼いの少年|三匹の子ぶた|ジャックと豆の木|金の斧、銀の斧|牛とカエル|マッチ売りの少女|白雪姫|ロビンソン・クルーソー漂流記|不思議の国のアリス|オズの魔法使い|アリババと四十人の盗賊|シンデレラ|白鯨|青い鳥|狼男|眠れる森の美女|DON QUIJOTE|I・N・R・I|

大友克洋著「童夢」1983年・双葉社

松本大洋著「鉄コン筋クリートall in one 」2007年・小学館

漫画雑誌「漫金超」 創刊号 1980・春
大友克洋「サン・バーグズヒルの想い出」|川崎ゆきお「猟奇のパラドックス」|雑賀陽平「3193より2316」|さべあのま「I LOVE MY HOME」|高野文子「田辺のつる」|いしいひさいち「絶望的前衛の巻」|ひさうちみちお「ヨセフ」|赤星ジュン「香港猫」|

マンガ奇想天外SFマンガ大全集 春・創刊号  1980年・奇想天外社
坂口尚「祭の日」|吾妻ひでお「Dr.アジマフ安全着陸」|高野文子「アネサとオジ」|柴門ふみ「反逆天使の墜落」|白山宜之「Golden Slumbers」|川崎ゆきお「飛ぶがごとく」|いしかわじゅん「至福の街」|大友克洋「大友克洋の腸の陰干」|坂口尚「坂口尚のSTAR DUST COLLECTION」|松本零士「モルモダリウム1978」|杉浦茂「猿飛天助」|ほか


映画「熱帯魚」 台湾映画  監督:チェン・ユーシュン

上






 のんびりした可笑しさと、生きるペーソスと、力強い生きざまが織りなす台湾の庶民のお話。
 主人公を立てていますが、群像劇でもあります。
 各所のシーンでクスクス笑ってください。

 台北のある中学校の、中三のその教室。高校入試 間近である。
 「400点以上とれる自信の無い人、手を挙げて」と教師が言ったら、ほぼ全員が手を挙げた。
 (台湾の高校入試は統一試験、400点以上が求められるらしい)

 その手を挙げた中に、主人公ツーチャン、その悪友ウェイリーがいる。
 この期に及んでも、ツーチャンは入試に意欲がわかない。ワルじゃないが、親から見ればいい子じゃない。
 毎日バス停で会う純情そうな女の子に片思い。


1_20181002175502309.gif ある日、ツーチャンが小学生の誘拐事件に巻き込まれ、ツーチャンも身柄を拘束された。
 主犯格は元刑事で、事業を起こしたがうまくいかない男、誘拐で一儲けを画策する。
 小学生の子は、日頃から親が息子を見放していて身代金を得られないらしい事が分かり、よって急遽、ツーチャンにお鉢が回る。
 男はツーチャンの親に身代金を要求する。警察が動き出す。金の受け渡しの場で、主犯格は元同僚の刑事に出くわし、シドロモドロ。身代金を得ずに退散。
 ところがこの男が敢え無くも交通事故死、も一人の気の優しい男アケンが誘拐を引き継ぐなりゆき展開となる。


 アケンは二人の口にガムテープを貼って、海岸沿いのアケンの故郷へ向かう。
 今度はこのアケンの一族郎党がツーチャン誘拐で一儲けを狙う。テレビ報道がこの事件を追い始める。ツーチャンの両親がカメラの前で犯人に訴える様子が放映される。
2-1_20181002175715e76.jpg ところが、アケンの一族郎党が間抜けで、したたかで可笑しい。
 そしてアケンらはツーチャンと小学生を優しく扱う。ご飯時は、あたかも家族の一員のよう。のんびりした潮風が吹く日々。
 アケンは、ツーチャンに受験勉強しろと参考書を買って与える。分からないところは近所の物知りに聞きに行くサービス。
 しかし日はまたたく間に経ち、入試日がどんどん迫る。
 テレビの討論特番では、入試の諸問題とツーチャンの試験免除の特例が叫ばれる。
 そうこうするうちに、警察が海岸沿いのこの一帯に目をつけだす。警官の間抜けさも可笑しさを誘う。


 そして・・。
3_20181002175857fdf.jpg そんなさ中、ツーチャンは一人の女の子に恋をする。
 ツーチャンが海で泳いだ時(入試間近なのにそんな余裕はないだろ!)、台北の海に熱帯魚を見た確かに見た。(熱帯魚は台湾のもっと南にしか生息してないはずだが・・)
 ツーチャンが警察に保護される時、その女の子は熱帯魚が一尾入ったビンをツーチャンに渡した。幻じゃない、私も熱帯魚を見たと。

 チェン・ユーシュン監督作品「ラブゴーゴー」の記事はこちらから
 この映画もなかなか良いです。

オリジナルタイトル:熱蔕魚/Tropical Fish
監督・脚本:チェン・ユーシュン|台湾|1995年|108分|
撮影:リャオ・ペンロン|
出演:ツーチャン(リン・ジャーホン)|好きな女の子(ファン・シャオファン)|ツーチャンの親友ウェイリー(リャン・ティンユァン)|小学生タウナン(シー・チンルン)|誘拐主犯格の手下アケン(リン・チェンシン)|その叔母アイー(ウェン・イン)|その夫ヒョン(リェン・ピートン)|ほか多数

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

2年前・4年前・6年前の9月、一夜一話。(2016年9月・2014年9月・2012年9月の掲載記事)

2年前の9月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  2年前の9月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  <2016年9月 Archive>

写真
「風の又三郎」
監督:島耕二
映画音楽に魅せられて
写真
「イン・ザ・プール」
監督:三木聡 オダギリジョー
松尾スズキ、市川実和子
写真
「泥の河」
監督:小栗康平
田村高廣、加賀まりこ
写真
「舞妓はレディ」
監督:周防正行
上白石萌音、富司純子
写真
<か行> の邦画
これまでに記事にした邦画から
    
写真
「ドリンキング・バディーズ
飲み友以上、恋人未満の
甘い方程式」
   アメリカ
写真
「世界」
監督:ジャ・ジャンクー
中国
写真
「その怪物」
監督:ファン・イノ
韓国
写真
「人生スイッチ」
監督:ダミアン・ジフロン
アルゼンチン・スペイン
写真
「シュトロツェクの
        不思議な旅」

西ドイツ
写真
「永遠と一日」
監督:テオ・アンゲロプロス
ギリシャ
写真
京都に行って来た。
「京都の湯と水の話」



4年前の9月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  4年前の9月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2014年9月 Archive)

写真
「ミスター・ミセス・ミス
       ・ロンリー」

原田美枝子、宇崎竜童
写真
「水の声を聞く」
監督:山本政志
玄里、趣里、村上淳
写真
「小早川家の秋」
監督:小津安二郎
原節子、中村鴈治郎
写真
「夢みるように眠りたい」
監督:林海象
佐野史郎、佳村萌
写真
「祇園囃子」
監督:溝口健二
若尾文子、木暮実千代
写真
特集「関西の映画です。」
過去記事よりピックアップ
       
写真
「女優で検索」
その名で探す、出演映画。
但し暫定版    
写真
「イーダ」
監督:パベウ・パブリコフスキ
ポーランド
写真
「365日のシンプルライフ」
監督:ペトリ・ルーッカイネン
フィンランド
写真
「愛しのタチアナ」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド
写真
「最愛の夏」
監督:チャン・ツォーチ
台湾
写真
「マンハッタン」
監督:ウッディ・アレン
アメリカ
写真
「黒いジャガー」「スーパーフライ」
ソウルフルなブラック・シネマは、いかが?



6年前の9月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  6年前の9月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2012年9月 Archive)

写真
「不良少年」
監督:羽仁進
山田幸男
写真
「あなたと私の合言葉 
    さようなら、今日は」

若尾文子、京マチ子
写真
「旅の重さ」
監督:斎藤耕一
高橋洋子
写真
「HANA-BI」
監督:北野武
岸本加世子
写真
「さよならS」
監督:エリック・ゾンカ
フランス
写真
「月曜日に乾杯!」
監督:オタール
 ・イオセリアーニ|フランス
写真
「ラテンアメリカ
       光と影の詩」

アルゼンチン
写真
「憎しみ」
監督:マチュー・カソヴィッツ
フランス
写真
「太陽の下の10万ドル」
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
フランス
写真
「カラマリ・ユニオン」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド
写真
「パリ・ルーヴル美術館
          の秘密」

フランス
写真
「夜行列車」
監督:J・カワレロウィッチ
ポーランド
写真
「ひなぎく」
監督:ヴェラ・ヒティロヴァ
チェコスロヴァキア


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一夜一話の “今日はElectronic, Rock, Funk / Soul だよ”  シュギー・オーティス

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 今日の一枚は、シュギー・オーティスの「Inspiration Information」だよ。
 これ、知らなかった。私の人生をスルーしてました。出会えて感激!
 スゲーかっこいいクールなサウンドです。
 何がって、1974年の録音ってことが信じられない、そんなサウンドです。
 つまり、当時としては斬新過ぎた。


 どんなサウンドか? それは外国のサイトによると、Electronic, Rock, Funk / Soul。
 えって思うかもしれないけれど、聴けば分かる。

 まずは、アルバムのトップ、「Inspiration Information」をどうぞ!
 https://www.youtube.com/watch?v=pNgjmn3YrOM 
 イントロ(8小節)過ぎると、とてもファンキーな!

 よりファンキーなのは、これか。「Sparkle City」
 https://www.youtube.com/watch?v=2gy7Thmqs_A
 イントロのギターカッティングが終わると、ぐっとファンクです。

 こっちは、Electronicなサウンド。「XL-30」
 https://www.youtube.com/watch?v=5hx9t_mE8O4
 疾走するリズム、ノイズっぽいのもはいる。オルガンがグッとくる。素敵!

 これも好きだな。「Happy House」
 https://www.youtube.com/watch?v=PCJOA90JkOo
 シュギーのボーカルもいい!一番好きかも。

 これでとろける、そんな曲。「Pling!」
 https://www.youtube.com/watch?v=EvnvtHatu2I
 このフェンダーローズのサウンドは、ファンタジー。(リンク先の映像は無視してください)

 以上、気づいたと思うけど、ほとんどの曲で、アナログのリズム・ボックスが使われている。
 それと、曲によっては、シュギーの声質と歌いっぷりが、のちに登場するアート・リンゼイに似てる。 
 とにかく、バックの演奏アレンジが実に緻密でハイセンス、これにも注目してほしい。
 ちなみに、ブラスと弦以外は全部、シュギー・オーティスがやってます。ぜひCD買って聴いてやって下さい。

「Inspiration Information」 シュギー・オーティス
1. Inspiration Information| 2. Island Letter| 3. Sparkle City| 4. Aht Uh Mi Hed| 5. Happy House| 6. Rainy Day| 7. XL-30| 8. Pling!| 9. Not Available| 10. Strawberry Letters 23| 11. Sweet Thang| 12. Ice Cold Daydream| 13. Freedom Flight|

【クレジット】
Shuggie Otis (ブラスと弦以外は全部、シュギー・オーティス)
Producer, Arranged By, Written-By, Lead & Backing Vocals, Guitar, Bass, Drums, Organ, Piano, Vibraphone, Percussion, Analog Drum Machines

Saxophone, Flute – Jack Kelso|Strings – B. Porter, B. Asher, D. Jones , J. Parker, L. Rosen, M. Zeavin, N. Roth, S. Boone, T. Ziegler|Trombone – Doug Wintz, Jim Prindle|Trumpet – Curt Sleeten*, Ron Robbins|French Horn – Jeff Martinez|Harp – Carol Robbins|

Engineer [Mixing] – Shuggie Otis
Engineer [Recording] – Bobby Bloom, Johnny Otis, Nicky Otis, Robb DiStefano
Executive-Producer – Johnny Otis ←この人、シュギー・オーティスのお父さんで、著名R&Bミュージシャン、プロデューサー。

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