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一夜一話

      

美人画 ~図書館で出会った日本画

本1

 「日本の美女」(平凡社)というこの本に、図書館で出会った。
 こちらを見つめる、表紙のこの眼差しに驚かされた。
 この絵の題は「婦人」、北野恒富(1880-1947)という画家がポスターの原画として描いた1929年の作品。当時、このポスターが駅に掲示されるとすぐに盗まれたらしい。(表紙画像にタッチすると原画全体が見れます)

 本書には江戸時代を含む多くの画家(絵師)による「美人」の絵が掲載されているのですが、明治以降に制作された絵には、江戸時代の雅や情緒を夢見るような作品、あるいは浮世絵を手本にする作品そして竹久夢二が多い。
 そんな中で私は、上記の北野恒富1939年制作の「星(夕空)」や、菊池契月(1879-1955)の1934年制作の「散策」の、今に通じるシャキッとしたモダンさにひかれます。(それぞれ、画像にタッチすると拡大します)
1北野恒富 星(夕空)1939 2菊池契月 散策 1934

 ところがだ、「日本の美女」掲載の中に、北野恒富の「舞妓図」(大正前期制作)という絵があった。
 これがおもしろい!
 この絵は定型的なきれいな美人画の垣根を越え、一歩も二歩も踏み込んでいる。思えば美人画は肖像画じゃない。何ものにも縛られない解き放たれた世界が現れる。大正時代の北野恒富 若き頃の絵だ。デカダン!
 同じく次の「鏡の前」(1915年制作)もいい。(どちらの画像もタッチすると絵の全体が見れます)
3北野恒富 舞妓図 大正前期 2_20190704162734731.jpg


 さらには、岡本神草(1894-1933)という画家の1918年制作「口紅」に目がとまる。すごい!
 ここまで来ると、危うい、あやしい、素晴らしい。(画像にタッチすると絵の全体が見れます)
4岡本神草 口紅 1918
 そのほか、「近代の美人画 目黒雅叙園コレクション」など大判の美術書も何冊か見ました。
 そんなことで、日ごろ、美人画なんて見向きもしなかった私がちょっと目覚めました。
 そして図書館内の散歩の終わりに、美人画とはそもそも男目線の絵じゃないか、と思い、下記の塩川京子著の本を読んでみた次第でありました。

「日本の美女」 コロナ・ブックス179
コロナ・ブックス編集部(編)
【身体表現の美しさ】
 目目もとが涼しい美女たち|瞳黒い瞳の美人|眉三日月眉の美女たち|顔細面の美女|項うなじの美しい人| 指しなやかな指先美人|ほか
【美少女から芸妓まで】
 美少女たち|扇子美人|傘美人|音色美人|美女と動物 |ほか

「描かれた女たち 絵巻の主婦像から昭和の美人画まで」 朝日選書626  塩川 京子 (著)
主婦像と母子像|働く女たち|さまざまな女たち(肥満の女・不眠症の女ほか)|少女・娘考|遊女考|

【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

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