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一夜一話

Category邦画評だけを見る 1/10

映画「万引き家族」 監督:是枝裕和

5人の家族に、幼い女の子ゆりが加わった。  総じて、悪くはないのだけれども‥ 脚本があれもこれものエピソードを詰め込んだために、ストーリー全般はいささか消化不良の様相でラストを迎える。 そのラストで警察沙汰になり、供述シーンで映画はそれまでの消化不良感を解消しようとするのだけれど、いまいちの感じ。(もちろん話の真相を、話し途中で明かさない意図はわかるが) 本作の尺は2時間だが、あと30分でも時間を足せ...

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特集:京マチ子の映画 《まとめ》

 女優、京マチ子の特集です! 以下は、これまでに一夜一話で掲載した彼女の出演映画です。(製作年の順に並べました) なぜか‥、あ行のタイトルが多い。 京マチ子が出演した映画は他にもたくさんありますが、あとは気に入らないので。画像をクリックして記事ページへお進みください。「羅生門」監督:黒澤明 時は平安時代のある日。人けのない山間の道を、平安京の中央官庁に勤務する官人の金沢(森雅之)は、妻の真砂(京マ...

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映画「才女気質」(さいじょかたぎ) 監督:中平康

左から、母親の登代(轟夕起子)、次男の令吉(長門裕之)、妹の宏子(中原早苗)、父親の市松(大坂志郎) ★         ★ 主人公、登代(轟夕起子)をさして、映画は「才女気質(かたぎ)」と呼んでいるのですが、勝ち気で親分的判断力があり、ただし性格が細かい登代が、おっとり「肝っ玉かあさん気質」じゃないがゆえに、周囲の人々の様子が喜劇になるのであります。テンポのよい、しっかりした脚本の味が楽しめます。...

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映画「大鹿村騒動記」出演:原田芳雄 監督:阪本順治

 南アルプスのふもと、長野県大鹿村の村民を描く「大人の」喜劇映画です。 なぜ、大人の映画か、それは登場人物たちの平均年齢が、たぶん、60歳は優に超えています。つまり諸先輩のお話です。 シカ(ジビエ)を食わせる、あばら屋な食堂を営む主人公の、風祭 善(原田芳雄)。 18年ぶりに東京からこの村に帰って来た能村 治(岸部一徳)は、善と幼なじみ。 そして、この治と一緒に連れだって帰って来たのが、風祭 貴子(大楠...

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映画「母のおもかげ」主演:淡島千景 監督:清水宏

 互いに子連れの、再婚の話です。 男親の瀬川には一人息子の道夫が、女親の高田(淡島千景)には一人娘のエミ子がいます。 道夫は小学生ですが、エミ子はまだ幼女です。 話は、道夫が新しい母さんに慣れない不安、そして亡き実母への捨てきれぬ思いを中心に語られます。 そんな日々のなか、道夫の心の慰みといえば飼っている伝書鳩でした。 ところが、ある日、その鳩をエミ子が鳩小屋から逃がしてしまい、道夫も新しい母さん...

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映画「もらとりあむタマ子」  主演:前田敦子  監督:山下敦弘

何となく最後まで観てしまった。悪くない。サッパリしていてグタグタしてない演出。それがいい。モラトリアム経験者にとっても、そんなに重くない映画。(だと思う)タマ子役の前田敦子は無理していない。中学生男子役の伊東清矢が光っている、こいつはいいよ。この伊東清矢が作品に「味」を加えているのが見所。タマ子の父さん役は難しい役どころ。これが残念。リリー・フランキーあたりが適役のような気がする。 予告編 :http...

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特集:原田芳雄の映画  《まとめ》

これまでに掲載した映画記事から、原田芳雄が出演の映画を下にまとめてみました。こうして並べてみますと、脇役出演が多い。主役を担ったのは、一夜一話掲載作品の中では、「竜馬暗殺」、「原子力戦争」、「われに撃つ用意あり」、「鬼火」、「大鹿村騒動記」の5本。自分で言うのもなんだが、もっと多いと思っていた。想定外でした。でも、この想定外を、別な見方すれば、脇役でも彼の存在感は際立っているということ。つまり、原...

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映画「彼女の人生は間違いじゃない」  主演:瀧内公美 監督・原作:廣木隆一

 時は、東日本大震災から5年経ったころ。 父親の金沢修と、その娘みゆき(瀧内公美)は、いわき市の仮設住宅に住む。 原発被災者として賠償金をもらっているのだろう、父親はパチンコに通う日々。 金沢家は放射能に汚染された畑と家を持つ元農家、妻は未だ行方不明。 みゆきは、市役所に勤務する傍ら、父には英会話教室に通っていると偽って、渋谷を拠点にデリヘル嬢をしている。 この構想で、映画は何を語ろうとするのだろ...

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特集:安藤サクラの映画 《まとめ》

 安藤サクラ、いいですよね。 彼女の出演映画を、ここに、まとめてみました。 これまでにあげた8本、製作年の順に並べました。 「0.5ミリ」「百円の恋」「白河夜船」は、主演作品。 脇役出演の「きいろいゾウ」「島々清しゃ」は映画がつまらなかったな。 韓国映画「金子文子と朴烈」で、文子を素晴らしく演じきった女優チェ・ヒソが一番好きな女優として安藤サクラの名をあげている。(「金子文子と朴烈」の記事はこちらから...

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映画「トルソ」  主演:渡辺真起子,安藤サクラ  監督:山崎裕

 父親が違う姉妹の、互いにいたわり合う気持ちを描く映画。 姉のヒロコ(渡辺真起子)も、妹のミナ(安藤サクラ)も、それぞれ東京で働いている。ともに独身。  ヒロコは、ひとりでいるのがいい。職場での人間関係はほどほどにしている。 ミナは姉と違って、外交的というかチャランポラン、でも姉に甘える。 ヒロコには、未だに癒えない心の傷がある。 ミナの父親(ヒロコの義父)の葬儀に行かなかったのも、そのせいだった...

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特集:若尾文子の映画 《まとめ》

 若尾文子の出演映画をまとめてみました。 これまでにあげた映画、ここに12本。 製作年の順に並べました。 一夜一話としてあげられる作品は、大体、このくらいかな。 そのほかの映画は、気に入らん。 監督は、溝口健二、増村保造、吉村公三郎、市川崑、小津安二郎、川島雄三、豊田四郎、島耕二、五所平之助、木村恵吾といった、そうそうたるメンバーです。画像をクリックして記事ページへお進みください。「祇園囃子」 ...

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映画「横道世之介」  主演:高良健吾、吉高由里子 監督:沖田修一

 映画を観ていると、登場人物の誰もが、「ああ、こういう人いるよね」って感じで、人物描写が巧い映画です。 ここが本作の見どころ。   つまり「こういう人」という人物像の、デフォルメ具合が絶妙なのです。 また、デフォルメした部分が、時にオーバー気味になって笑いを誘います。 特に主人公の横道世之介(高良健吾)が、高良の演技と相まって、そうそうこういう人いる感がうまく出ています。 一方、さりげないシーンで...

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映画「風たちの午後」(1980) 監督:矢崎仁司

 ふたりの女の物語。 そしてこれは、1970年代の風に吹かれた人たちへの、悲しげな苦いファンタジーでもある。 夏子と美津は姉妹のように一緒に住んでいる。 夏子は保母さんで、美津は美容室で働いている。美津は夏子より年上で、世慣れしている。 実は夏子は美津が好きだが、今もって好きと言えないでいる。 美津には男がいて、美津はその男を部屋に引き入れる。そんな時、美津はハンカチを窓辺に干す。これが今部屋に来ちゃ...

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映画「生きない」  監督:清水浩

沖縄バスツアー客9名と、添乗員・バスガイド・運転手あわせて13名の‥ ブラック・ユーモアたっぷりの「2泊3日の、沖縄初日の出バス・ツアー」の旅。 「私は3つなんですが、あなたは?」 「私は4つです」 これはツアー客同士の会話。 何のことかというと、借金が3000万ある、相手は4000万。 そろいもそろって、そんな額の借金を抱えてニッチモサッチモ行かなくなった9名がツアーに参加し、12月30日、バスが待つ那覇空港に降り...

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映画「夜ごとの夢」(1933)  サイレント映画 主演:栗島すみ子 監督:成瀬巳喜男

 86年前の映画です。 話は女と男の4日間の出来事。(その月の23日から27日) 幼い一人息子の出世を願い、それを生きがいに女給として今を生きる女、おみつ(栗島すみ子)。 そんなある日、おみつを捨て家を出て行った男が3年経って、ふいににふらりと現れた。水原である。 水原は一目、子供見たさに、そしてあわよくばまた、おみつと、よりを戻したい。 だが、気丈なおみつは、キッパリと水原の申し出を拒み追い返そうとし...

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映画「私が棄てた女」  出演:浅丘ルリ子, 河原崎長一郎, 小林トシ江  監督:浦山桐郎

 この映画の核心は、とてもピュアな愛。 若さゆえの、純で臆病な出会いだった。 そのふたりとは、貧しい出でバイトに励みつつ、安保闘争に加わる早大学生・吉岡努(河原崎長一郎)と、中卒か高卒かで就職のため東北から上京、小さな工場で働く東北弁の田舎娘・森田ミツ(小林トシ江)。 やがてミツの素朴な心は描き出す。、貧しい今の生活を抜け出したいし、できることなら吉岡と一緒になり、早稲田大学を出る彼の将来にぶら下...

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映画「嫌われ松子の一生」  主演:中谷美紀 監督:中島哲也

 松子は、不器用なくせに向こう見ず、エイヤー!の思いっきりがよくって惚れっぽくって・・。 でも、その一瞬一瞬すべてがミスジャッジ、結果はまさかの裏目に出ての、ひたすら不幸な人生、一直線。 だからこそ、松子は人一倍、一途に幸せ求める。 この映画、こんな松子をどれだけ、どん底に落とせるか、と同時にその不幸を、どれだけハッピーにコミカルに描けるか、に挑戦した映画にみえる。 監督・脚本の中島哲也、やりまし...

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映画「放浪記」(1962)  主演:高峰秀子  監督:成瀬巳喜男

女給として働くも、客がすすめる酒で酔っぱらい、「洋風ドジョウすくい」を踊りだした林芙美子(高峰秀子)。こののち、店主から解雇されるが、しゃあしゃあとする林であった。         ★    ★    ★ 「放浪記」とは、小説家・林芙美子(明治36年生まれ)が大正11年の頃から書き留めた日記をもとに、後年、作品としてまとめ上げ、昭和5年にベストセラーとなる小説。 よって「放浪記」は、いわば若き日の自叙伝であり、映画は...

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映画「息子」(1991)  監督:山田洋次

息子・哲夫のアパートを訪ねた父は、哲夫の誘いで銭湯へ行った。(父:三國連太郎、哲夫:永瀬正敏) 年老いて妻に先立たれた浅野昭男(三國連太郎)の、心の置きどころをなくした心境を描く。 岩手県の雪深い村の農家のあるじ、浅野は昭和になる前の生まれだろう、戦争にも行った。 1960年台の頃か、農業では3人の子を育てられなく、東京へ出稼ぎに出て、それなりに苦労してきた。 その甲斐あってか、娘は幸せに結婚し家を離...

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アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」  監督:湯浅政明 原作:森見登美彦

 アニメ映画の、あの「千年女優」のように猛スピードで目まぐるしく展開します。 原作の小説とはだいぶ違うそうですが、これはこれで十分楽しめますね。 京都のお話です。 大酒飲みの女子学生「黒髪の乙女」が、先斗町、木屋町の飲み屋街や、夜の下賀茂神社境内で開催の古本屋市や、京都の街頭で大暴れの大活躍。 脇を固めるは、あやかしの3階建て電車(自宅)の老人李白や、学園祭事務局長、パンツ総番長などおかしな大学生...

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映画「吹けば飛ぶよな男だが」  監督:山田洋次

 喜劇をベースに、阿呆なチンピラの恋と、その行方を語る映画。 主役「吹けば飛ぶよな男」を演ずる、なべおさみの想定外の熱演です。 相方は、ど田舎からポッと出て来た、ちょっとポンな女、の役柄がぴったりの緑魔子。 そして、もうひとりの相方、チンピラの手下役、佐藤蛾次郎が、寅さん出演以上のいい味。 九州から片道切符で大阪駅に降り立った花子(緑魔子)。いかにも家出娘、の風。 かたや、駅前雑踏で、ポルノ(ブル...

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映画「にっぽん昆虫記」  監督:今村昌平

 まるでドキュメンタリー映画のようなリアルな映像、ライブ感は、セットを使わずの自然な演出もさることながら、やはり撮影の力が大きいように思う。 例えば、セリフを言う主役の姿が画面端で、それも縦半身しか映さず、画面中央には端役たちが位置する構図など、映画撮影の御作法を避ける手法をとって、リアル感を出している。(とは言っても主役のその半身は、三脚に固定したカメラでしっかり構図に入れている技) あわせて、...

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映画「ジャーマン+雨」  監督:横浜聡子

 公開時の衝撃は、なかなかでした。 こういう映画もあるんだと。異次元だね。優れた喜劇です。 人の話を聞かない女、自身の要求を強引に性急に相手に求める、そんな迷惑極まりない「よし子16歳」を演ずる女優、野嵜好美は、ワン&オンリーだ。 この尖がりな女の行動を緩和するのが、小学生の男の子3人。(この子役たちが、おいしい味を出している) 彼らは、よし子が開く縦笛教室の生徒たちだ。 よし子は先生だが、子たちと...

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映画「東京の宿」(1935)   サイレント映画  監督:小津安二郎

 働き口を求めて、子連れで東京をさまよう男の、昭和10年の人情噺だが、実験的な風合いもある映画。 悲しい話だけれども、小津風のユーモア(親子の会話)が悲しみを和らげている。 海近くの、見渡す限りの埋立地らしき荒れ野。人影がまったく無い所。 雑草生える一帯を貫く一本道、その道沿いに電柱がずっと向こうまで連なる景色。 遠くには、幾本かの煙突が立つ大工場、近くにガスタンク。時折、トラックや電車が風景の奥を...

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映画「海街diary」 綾瀬はるか, 長澤まさみ, 夏帆, 広瀬すず  監督:是枝裕和

三姉妹+すずの四姉妹。(左から) 三女の千佳、長女の幸、異母姉妹のすず、次女の佳乃。彼女たちは鎌倉の古い一軒家に住んでいます。長女の幸は皆の母親役。 さらりとした映画。 綾瀬はるかのしっかりした演技力が作品の屋台骨を支えています。 次いで広瀬すずが、綾瀬に負けず映画を牽引してます。新鮮さを感じます。 よってこのふたりが本作の柱になっての出来となりました。 脇では、リリー・フランキーと風吹ジュンが、じ...

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気に入ってる、最近の映画。(日本映画編)

 ここ数年の公開映画のうちで、気に入ってる映画を拾ってみたら、17本。 映画はほかにも、どんどん公開されているけれど、脚本、監督や演出、演技にガッカリすることが多い。残念です。「0.5ミリ」主演の安藤サクラがいい。彼女独特の味と存在感がある。話は五話あって、安藤サクラがそれぞれに登場する老人たちに巡り会います。監督:安藤桃子出演:安藤サクラ,坂田利夫,津川雅彦 「箱入り息子の恋」箱入り息子と箱入り娘の...

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映画「超高速!参勤交代 リターンズ」   監督:本木克英

 まさに時代劇娯楽映画。 よく出来てます。楽しんでください。 「超高速!参勤交代」の続編だけど、これだけでも十分楽しめる。 予告編でも観てみますか? https://www.youtube.com/watch?v=fpH3KJZdwmY監督:本木克英|2016年|119分|原作・脚本:土橋章宏|撮影:江原祥二|出演:佐々木蔵之介(内藤政醇)|深田恭子(お咲)|伊原剛志(雲隠段蔵)|寺脇康文(荒木源八郎)|上地雄輔(秋山平吾)|知念侑李(鈴木吉之丞...

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映画「ふきげんな過去」  主演:二階堂ふみ、小泉今日子   監督:前田司郎

左手前が果子、右の窓辺が未来子、奥が小学生のカナ  店の二階の、果子の部屋にて 高校生の果子 青春期真っただ中にありがちな、ここ以外のどこかに憧れる、普通に不機嫌な女子高生、果子(二階堂ふみ)。 映画は、この果子の家族を中心に、とりわけ「女達」について語ります。 その語り口は、彼女たちの日々繰り返しの日常を縦糸に、またその日常の裏に隠し持つ、過去の非日常を横糸にして、まるでタペストリー...

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映画「浮草物語」 (1934) サイレント映画   監督:小津安二郎

信吉、おとき 各地を巡業する、旅の一座の座長・喜八と、20年前、興行先のこの町で生まれた喜八との愛を今も守り続ける おつね、そしてふたりの一粒種の信吉。 だから、4年ぶりのこの夏、一座の面々と、この町の駅に降り立った喜八の心は、2人に会える喜びに満ちていた。  芝居小屋(兼宿舎)に落ち着いた一行をあとにして、喜八(坂本武)は早速おつね(飯田蝶子)の家へ出かけようとする。  「よそ行きの着物を出してくれ...

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映画「我が家は楽し」(1951)  監督:中村登  出演:高峰秀子、笠智衆、山田五十鈴

(左から)次女信子18歳(岸恵子)、長女朋子(高峰秀子)、三女光子、長男和男、父・植村孝作(笠智衆)、母・なみ子(山田五十鈴) 日本は、まだ連合国軍占領下(1945-1952)。 戦後の混乱期をなんとか抜け出し、経済復興の糸口をつかもうとする1951年(昭和26年)のお話。 人々はみな、一応に貧しかった。 それでも植村の一家6人は幸せだ。 父親の植村孝作(笠智衆)は森永製菓の工場勤務の課長。仕事の出来るほうの人物で...

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映画「ケンとカズ」  監督:小路紘史

ケン(左)とカズ。 ケンとカズの友情を描く、リアルで硬派な映画。 べたべたした仲間付き合いではない2人は、いつも互いに、最低限の事しか言わない。 2人は町工場のしがない自動車修理工だ。 そんな日常の裏で、通りの陰で待つ男達に、2人は覚せい剤を売りに行く。 ケン(カトウシンスケ)の先輩・藤堂は小さな組の組長で、この藤堂の誘いでケンはいつしか覚せい剤を売るようになった。 カズ(毎熊克哉)はケンより、切れ...

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映画「合葬」  監督:小林達夫

 将軍徳川慶喜が政権返上を明治天皇に奏上した大政奉還1867年から翌年1868年までのお話。 世の中の土台が瓦解する幕末に、武士に生まれたからこその、生き方選択の迷路に迷い込んだ、幼なじみの3人の男たちがいた。 しかし、この先世の中どうなる、という大きな不安が押し迫るさなかでも、武士にも、また武家の女や町人・農民といった人々にも、彼らの日常はそれぞれにあった。もちろん恋もあった。 秋津極(柳楽優弥)は彰義...

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映画「日本の悪霊」  監督:黒木和雄

 双子のように瓜二つのヤクザと刑事が入れ替わり、終いには同質化して行くお話。 映画はふたりの登場人物の違いを、徐々に曖昧にしていきます。 殺伐とした風景のロケ地に、ドキュメンタリー映画風のリアリティを持ち込んだ本作は、今新たな魅力を放っているようにも思えます。 本作をヤクザ映画だと決めつけず、また、原作は脚本化の素材である位の気持ちで受けて、原作や1960-70年の政治闘争にこだわらずに観ることも一興で...

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映画「剣侠江戸紫」  監督:並木鏡太郎

 なかなかの時代劇、特に脚本がよく書けている。 実在の人を素材にした映画。113分最後まで観せます。 時は17世紀、江戸時代前期のころ。 当時、(将軍家直属の家臣である)旗本のひとり、水野十郎左衛門(嵐寛寿郎)という侍は、為政者側の身でありながら、江戸市中において「旗本奴」というやくざ集団を組織し、その頭であった。 旗本奴の中でも白柄組は特に乱暴者ぞろいで、彼らは旗本を笠に、日々悪行狼藉を働いていた。...

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映画「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」  監督:石井裕也

 慎二(池松壮亮)と美香(石橋静河)の、とても純なラブストーリー。 それは繊細な男女の物語。恋することを怖がる美香の話でもある。 とは言え、映画は今を生きるシンドさを、時間をとって描いている。 特に慎二の周辺の登場人物は底辺であえぐ人が多い。心に重荷を抱いて、それでもなんとか今日一日分の、心のバランスを保とうとしている。  舞台は東京。 慎二と美香が出会う渋谷新宿の、作られた眩さと、人気のない街は...

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映画「赤ちょうちん」 監督:藤田敏八  主演:秋吉久美子

 飾り気をえぐり取った殺伐とした荒い感触と、この先を見失った時代の、いかにも1970年代前半の映画といった趣きの作品です。 熊本県天草から出てきた17歳の幸枝(秋吉久美子)と、二十歳そこそこの政行(高岡健二)との、不安定な幸せの道筋を描く。 時は冬、ふたりの幸せは政行が住む、中央線大久保・東中野駅間の高架脇の、一間のアパートで始まった。 話は引っ越しを繰り返す場面展開で進み、その中で映画は、幸枝と政行の...

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映画「ストロベリーショートケイクス」  監督:矢崎仁司

 恋に悩む東京の女4人、それぞれの生きざまドラマ。 その、それぞれの生きざまは、世の中、こんな女がいるだろう、と思われる女性像を、意識的にデフォルメして、美しく標本化し、花のイラスト図鑑のように仕立ててある。 恋に悩む女4人は、二組のペアになって登場する。(つまり映画は、4人個別の恋物語で、同時に二組の物語でもあります) 里子(池脇千鶴)と秋代(中村優子)。 このふたりは、ちょっと高級なデリバリーヘ...

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映画「正門前行」  監督:佐藤信介

 淡々としていますが、コメディです。 この映画、監督の手による脚本の勝利です。 回りまわっての結末で、ふたつの話を、巧みにストンと落とします。うまい!(と最後で思う)  しかし、脚本を映像化する段になると案外難しい。(と思われる) 普段のように普通にしゃべってねの演技も、う~ん残念ながら中だるみしがち。 美大キャンパス内の学生間のうわさが、友達の知り合いのその知り合いというように、関連する学生らの...

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映画「宇宙人 東京に現わる」  監督:島耕二

 SF娯楽映画です。 「宇宙人 東京に現わる」というチョット怖いタイトルですが、宇宙人地球侵略といった好戦的な話じゃない。 我々よりずっと、科学的に文化的に進化した太陽系外の宇宙人・パイラ星人は、実は地球を案じてやって来たのです。 しかし円盤がいきなり飛来し、地球は大騒ぎ。 そんなわけで真意を伝えたいパイラ星人は、人間の姿に変身して東京の日本人に友好的にコンタクトをとろうとするのですが。  それで...

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映画「ふりむいた花嫁」 主演 : 倍賞千恵子, 淡島千景, 伴淳三郎  監督 : 番匠義彰

 昭和36年(1961年)のカラー娯楽作品、喜劇です。 映画が語るのは、江戸時代から続く老舗「隅田」という、どじょう料理店を営む一家の話です。 しっかりした脚本・演出を味わいつつ、さりげなく巧い演技というものを知ってほしい。 コミカルな役回りは、伴淳三郎、桂小金治、千之赫子、大泉滉らが主に担い、ラブストーリーは倍賞千恵子と山本豊三、淡島千景と伴淳三郎が担います。 よってこの映画、伴淳三郎が主役の作品と言...

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映画「強虫女と弱虫男」 主演:乙羽信子  監督:新藤兼人

 強い女が主人公の喜劇映画。 女のバイタリティー(生活力)がスクリーンから溢れ出る迫力、力作です。 時は昭和43年、映画の舞台となるのは京都祇園と、もうひとつは九州の筑豊。 母フミ子(乙羽信子)と長女キミ子(山岸映子)は、ネグリジェ・キャバレー「平安母艦」のホステス。 祇園の四条通から、(たぶん)「花見小路通上ル」あたりの夜の街で、母娘同じ店で働いている。 母フミ子と長女キミ子は、大勢いる店のホステ...

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映画「歌行燈」(1943年)  監督:成瀬巳喜男

 話は明治の30年頃。 将来を期待されていた観世流の能楽師、恩地喜多八(花柳章太郎)がある事でしくじり、父親で家元の恩地源三郎に「二度と謡を口にするな」と言われ、勘当(破門)される。 その後、喜多八はあてもなく東京を離れ、地方の盛り場で三味線を弾き、当時はやりの博多節を、客の求めに応じて歌う「流し」稼業に落ちていった。(博多節とは花柳界のお座敷唄。喜多八の様な稼業を博多節の「門付け」と言う。街を流し...

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映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」(2016年) 主演:神木隆之介、長瀬智也  監督:宮藤官九郎

 奇想天外、波乱万丈なドタバタ喜劇でありながらも悲劇、かつ純情恋愛物語。 そして、ロックバンドのお話でもあり、さらには輪廻転生、これがストーリーの要となります。 125分、一気にみせます。 高校生の大助(神木隆之介)の乗る修学旅行の観光バスが突然、断崖絶壁から真っ逆さまに転落。 気が付きゃ、大助は地獄にいた。どうして、俺が地獄なんだ。それより、俺、死んだの? なぜに地獄なのか、それはあまりにも不条理...

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映画「心に花の咲く日まで」 主演:淡島千景  監督:佐分利信

 いい映画を見つけました。よく出来た作品です。 「昭和30年」を生きる、すず子(淡島千景)という女の日常を、あたたかく描く映画です。 穏やかな喜劇でありますが、スパイスを効かせた突飛なエピソードが所々に仕掛けられています。 畑が続く武蔵野の郊外に住むすず子は、夫の笹山三吉(芥川比呂志)と赤ちゃんの三人暮らし。 三吉は造船会社の技師でしたが、会社が倒産し今は無職。 そんなことで夫にかわってすず子が、習...

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映画特選:アナーキーにぶっ飛んでいくコメディに乾杯!(日本映画編)

 荒唐無稽で波乱万丈なコメディ。 一度はこんな映画を作りたい、遊んでみたい、そんなことを思う監督がいるんです。 もちろん、そんな映画を自分の持ち味とする監督もいる。 あるいは、若かった、だから、やれました的な監督もいた。 どれも一夜一話の特選映画です。 これまでに掲載してきた映画から厳選した33本。 そのうち、ここに9本並べます。 いやいや、33本のすべてを見たい方は、続きはこちらから。「穴」監督:市...

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映画「川の底からこんにちは」 主演:満島ひかり  監督:石井裕也

 「どうせ、私は中の下」だしと言い、何事もはなから「しょうがない」と諦め、流されるままに生きて来た佐和子(満島ひかり)。 しかし映画後半、佐和子の、開き直っての大進撃に、スカッとするお話。 佐和子は、家出のついでに、高校の先輩を引っかけて駆け落ち。 東京へ出て、はや5年。 この間、愛に恵まれず、先輩含め4人の男に次々に捨てられ、今は派遣でOL、独り住まい。 5人目の男は職場の正社員、健一(遠藤雅)で、...

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映画「天の茶助」 主演:松山ケンイチ  監督:SABU

 あなたの現在過去そのすべては、天界の、大勢いる人生脚本家のひとりが執筆した脚本に書かれている。 あなた担当のその人生脚本家は、今このときも書き続けている。あなたのすぐの未来を、先の未来を。 このユニークなドラマ設定がなかなか良い。 挿入される有名映画のパロディ(※下記)や、コミカルなシーンもいい。アクションシーンも悪くない。 また、時系列の中で、その間の推移を語る説明シーン、これをヒョイと省略ジ...

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映画「雁」(がん) 1953年 主演:高峰秀子 監督:豊田四郎

 明治13年(1880年)ころのお話です。 明治になったとは言え、人々の心は、まだまだ江戸時代のままだったでしょう。そんなことを念頭に観てみましょう。 舞台は、下谷練塀町(秋葉原駅周辺)と、上野不忍池あたり。 練塀町の裏店(裏通りの貧乏長屋)に住む父娘、名は老父の善吉と、その一人娘のお玉(高峰秀子)。 老父は飴細工をして売り歩く飴屋だが、もう歳で商売ができないようでした。また、お玉に稼ぎはなかった。 高利...

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映画「西陣の姉妹」 監督:吉村公三郎

長女・芳江(三浦光子)、次女・久子(宮城野由美子)、三女・富子(津村悠子) 生活の糧を失う弱者たちを、新藤兼人が「京都」を舞台に脚本化、これに「偽れる盛装」「夜の河」と京都を描くを得意とする監督、吉村公三郎が腕を振るう。(下線部から当該記事をご覧ください) 物語は昭和27年ごろ、西陣の織元の老舗「大森屋」の三姉妹を描く。 振り返れば戦前から、和装のニーズは減っていた(と、セリフにある)。 くわえて、...

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映画「スワロウテイル」 映画音楽に魅せられて 主演:CHARA 監督:岩井俊二

 日本のどこか、海沿いの都市、その市街の外れにある、円都(イェンタウン)と呼ばれる無法のバラック集落地区に、中国系不法移民たちが住んでいる。 映画冒頭で私たちはたちまち、この移民たちの日常世界に引き込まれる。 それは、中国語をベースに片言の日本語・英語が混じる無国籍風のセリフ、かつシーンの様子も、いかにも無法地域らしく怪しげで素晴らしいからだ。ロケ地選択と美術の仕事の勝利だろう。 映画は、この円都...

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