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一夜一話

Category洋画評だけを見る 1/14

映画「立ち去った女」フィリピン映画 監督:ラヴ・ディアス

 とにかく、いい映画。 殺人の罪で30年間服役していた、元教師ホラシアの物語。 しかし30年経ったある日、これが冤罪事件と判明し、ホラシアは無罪放免 釈放された。映画はここから静かにゆったりと展開し始める。 さてホラシアに濡れ衣を着せたのは誰だったのか、そして釈放後、彼女は‥。 なにしろ、228分の長尺。 セリフが少ない、また、さほど起伏感の無いストーリーが淡々と進むが、映画が語る語り口の彫りは深い。 そ...

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ドキュメンタリー映画「ヘヴィメタル・イン・ザ・カントリー」ドイツ映画

 ドイツの片田舎ドンツドルフに本社を置く、ヘヴィメタル専門のレコード会社「ニュークリア・ブラスト」の今を語るドキュメンタリー映画です。 マルクス・シュタイガーという男が設立し、今やインディーズ系ヘヴィメタ・レーベルでは世界的な会社に至っている。のどかな農村とヘヴィメタの対比が可笑しい! 映画の中で、マルクス・シュタイガーが言うに、「誰も聞かないようなこんな音楽で会社が成立するなんて‥とよく言われる...

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映画「モスクワは涙を信じない」ソ連映画 監督:ウラジミール・メニショフ

左から三女アントニーナ、長女カテリーナ、次女リュドミーラ (アントニーナの彼氏の実家に招待されてオシャレして)★ 三姉妹それぞれの人生を描く、1979年製作のソ連映画です。(政治色はありません) モスクワに上京して一緒に住む、長女カテリーナ、次女リュドミーラ、三女アントニーナ。 彼女たちは親の助けも何の後ろ盾もなく、自力で生きていくしかない境遇。(ロシアの格言「泣いたところで誰も助けてはくれないものだ...

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映画「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」監督:エドガー・ライト

 娯楽映画です。おもしろかった。 喜劇でサスペンスです。ラスト近くになって見せる田舎町での派手な銃撃シーン、カーアクションもあります。(ただし英国流の) 銃撃シーンでは死者は出ずコミカルですが、悪者たちが手を下した4人の死ではグロ~いシーンがあります。 主人公ニコラス・エンジェル(右)は、ロンドンでの仕事ぶりが優秀過ぎて上司に嫌われ、英国一安全といわれる犯罪の無い、のどかな村サンドフォードに左遷さ...

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映画「エリザのために」 ルーマニア映画 監督:クリスティアン・ムンジウ

 ルーマニアの、父と高校生の娘の物語。 そして、切り開くべき人生の扉を、娘が開けるに至るお話。(ラストシーンが一番の見所です) さらには、ルーマニアという国を憂い語る映画です。 この家族の役柄設定は、こんな感じです。 父親ロメオは医師、妻との関係は冷え切っていて、ロメオは密かに若い女性といい関係を持っている。 妻マグダは図書館員、ウツ気味で塞ぎ込んでいて、何事も受け身、消極的な日々。 一人娘のエリ...

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映画「パリはわれらのもの」  監督:ジャック・リベット

 1957年のパリ。 主人公は大学生のアンヌ。 初心で擦れてないアンヌの役柄は、その兄ピエールの友人や、その知り合いに出会いながら、不条理な謎めいた話の進行役(狂言回し)を担っている。 ピエールの人間関係の中で死者が二人出る。ギター現代音楽作曲家に舞台演劇監督。 自殺の様に見えるが、他殺なのか。 見えぬ外部からの陰謀がうごめくかのようだ。 アンヌは知る由もないが、実はピエール本人も謎めいていて、ある組...

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映画「Mommy/マミー」 カナダ映画 監督:グザヴィエ・ドラン

 ヤンチャな姉ちゃんが、そのまんま、年を重ねたような、今も元気すぎる母親、ダイアン。細身のジーンズが様になる。 ダイアンの一人息子スティーヴは、障害を背負う高校生。 著しい不注意と、活動過ぎる行動が衝動的で、コントロールしにくい状態が続くADHDという障害だ。(注意欠陥・多動性障害) スティーヴは、母親にタメぐちをきく。 母親も息子にタメぐちをきく、負けてない。 親子と思えない会話が日常的。傍目、ケン...

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映画「君はひとりじゃない」 ポーランド映画  監督:マウゴシュカ・シュモフスカ

 母親を亡くしたひとり娘と、その父親との再出発のお話。 女性監督作品の魅力を味わいましょう。 娘のオルガは、これまで母を頼りに生きて来たのか、あるいは幼いままなのか? それを映画は語らないが、とにかく、突然、母を亡くしたオルガは心を閉ざした。 摂食障害と、父親ヤヌシュへの過剰な嫌悪。 ヤヌシュは、オルガをしかるべきリハビリ施設へ入所させた。 君はひとりじゃない‥ 自閉のオルガの前に現れたのは、精神...

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映画「ROMA/ローマ」 2018年 監督:アルフォンソ・キュアロン

 いい映画。すごくいい! いきなりですが、まず予告編を観て欲しい。  予告編 :https://www.netflix.com/jp/title/80240715 このお話の前提。 舞台はメキシコ、時は1970年~1971年。 映画の主人公は、クレオという独身の家政婦さん。彼女はメキシカン・ネイティブだ。 真面目な性格で口数は少ない。 街中の大きな家に、同僚の女性と一緒に、二人は住み込みで働いている。 クレオたちの雇い主一家は、元気な4人の子供と...

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映画「昇天峠」  メキシコ映画  監督:ルイス・ブニュエル

バス車内のオリヴェリオ(横縞柄シャツの若い男)と、通路を挟んでその右の女性がラクェル。彼女は終始、オリヴェリオに秋波を送る。 メキシコの太平洋沿岸にある小さな村の出来事、時は1950年ごろ。 この映画は、明るい太陽のもと、陽気で楽天的な人々の喜劇ですが、唯一、そうでないのは、ある一家の遺産相続のいざこざです。 それは三兄弟の母親が病に伏せっていて、死期が迫っている、この事から話は始まります。 つまり、...

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映画「金子文子と朴烈」  監督:イ・ジュンイク

  金子文子と朴烈のツーショット この映画は韓国映画ですが、話は全編に渡り、大正時代の東京です。 特に、舞台となる1923年は、関東大震災が起こり、 東京市他郡部に戒厳令が発令されました。 映画はこの辺りから始まります。 まずは、主役、金子文子を演じきった女優チェ・ヒソに拍手! とにかくその演技は光っています。 さて、いきなりですが、予告編を観てもらいたい。 これが、本作「金子文子と朴烈」という映画を...

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映画「めぐりあう日」  監督:ウニー・ルコント

理学療法士のエリザと、治療院に通うアネット 夫との不和が続くなか、エリザ34歳は、パリを離れ、ひとり息子のノエと、どこかで新しい生活がしたいという思いが強まるばかりであった。 そしてまた、親の顔も知らず養子として育ったエリザは、これを機に、実の母の存在を確かめてみたいとも思いはじめた。 そこでエリザは、実母を探す調査依頼サービスを使って知った自身の出生地、北フランスのダンケルクに居を構え、ノエとの二...

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映画「男性・女性」  監督:ジャン・リュック・ゴダール

 1965年の、20歳前後のパリの男女を描く映画です。(公開は1966年) 主人公ポール役のジャン・ピエール・レオ(当時21歳)や綺麗な女優さん達、そしてファッションやパリの街角をモノクロ映像で描いています。 映画で流れるフレンチポップスは、かわいいボーカル、軽いリズム。 これらが本作の魅力のひとつと、すなおに言ってもいいでしょう。ここで、まずは予告編を観てみましょうか。 予告編 :https://www.youtube.com/wa...

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映画「漂うがごとく」 ベトナム映画  監督:ブイ・タク・チュエン

ズエンとカム (カムの家で) 2009年のベトナム映画です。 ハノイの街中、家々を吹き抜ける、ゆったりとした風と、街の遠いざわめきに、家の臭いがリアルに感じとれる、静かな映画。 せりふは総じて少なめです。 ズエンとカムという親友二人の女性を柱にして語られる物語ですが、話に含みを持たせています。 映画が語らない、この含みが見どころです。  ズエンは知り合って三か月で年下の男ハイと結婚します。 ハイは幼い...

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映画「マチルド、翼を広げ」  フランス映画  監督:ノエミ・ルヴォウスキー

小学校の三者面談に呼ばれて学校に来た母親は、担任の先生を前にして、なぜ自分がここに来たかのかを思い出せない。先生の背後の窓の外に、鳥の巣が見えると、母は喜び、娘のマチルドに指し示す。★    ★     ★ 監督自身の少女時代を元にして、話せるフクロウを登場させるなどファンタジー色を織り交ぜての、自伝的なドラマ。 監督は、主人公の少女、マチルドの母親役もこなしている。 さっそく、予告編を観てみよう。...

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映画「ムーンライト」  監督:バリー・ジェンキンス

月夜の夜、黒人はブルーに見えると‥‥ 子供の頃、リトルと呼ばれた、無口チビッ子いじめられっ子の黒人少年、シャロンのその後の成長物語。 話の作りは、脇道にそれるエピソードもなく、シャロンの成長に沿ってストレートな流れ、これがすっきりしていて好感が持てます。 それと映像がきれいです。色彩と光に気を配っています。これが観どころってことで、本作をとりあげました。 映画の舞台はマイアミ。 シャロンは、母子家庭...

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映画「残像」  監督:アンジェイ・ワイダ

 第二次大戦直後の戦後のポーランドを描く映画です。 この映画の一番のメッセージは、全体主義国家がいかに簡単に、個人の尊厳を握りつぶせるかであります。 2016年にこの映画が公開されたことは、また再び世界が徐々に全体主義への傾向がみられ始めたことへの警告です。  そして次に、スターリン体制のソ連下のポーランドで、表現の自由がいかに打ち砕かれたかを映画は言っています。 映画の主人公は、ウッチ州立美術学校の...

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映画「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」  監督:トム・シャドヤック

小児がんの患者でしょうか‥‥。 娯楽映画ですが、真実をまじめに語る物語。 パッチ・アダムスこと、アメリカの医師ハンター・キャンベル・アダムス(1945-  )という男の業績をもとにした物語です。 彼は臨床道化師ということを始めた人で、現在も世界中で臨床道化師の活動実践や普及に向けて講演活動をしているそうです。 本作は、医師、医療がテーマの真面目な映画ですが、映画の作りは、特に主人公役のロビン・ウィリアムズ...

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映画「夜明けの祈り」  監督:アンヌ・フォンテーヌ

 ポーランドの女子修道院に、突然降りかかった悲劇と救済を描く映画です。 ようやく終結した第二次世界大戦、その直後、ソ連は赤軍をポーランドに駐在させた。 その兵隊たちが、女子修道院へ乱入し強姦。8人の修道女たちを妊娠させる事件が起きた。 兵士は数日で去ったが、修道女たちの体内では胎児は日に日に育つ。 修道院内では、帝王切開が必要な修道女の悲痛な叫びが響く。 この非常事態において修道院長は、自身の監督...

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アニメ「ソウル・ステーション/パンデミック」  監督:ヨン・サンホ

 拍手! ゾンビ系は趣味じゃないが、すんなりと見終えてしまった。 よくできているアニメ。筋書きが巧いし、キャラクターの動きも背景も凝っている。 話はじわりじわりと‥進みます。 どんでん返しも楽しんでください。 ただ残念なのは、この予告編が不出来。  予告編 :https://pandemic-movie.com/オリジナルタイトル:서울역監督・脚本:ヨン・サンホ|韓国|2016年|92分|【 一夜一話の歩き方 】 下記、クリックして...

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映画「ウィ・アンド・アイ」  監督:ミシェル・ゴンドリー

 この映画は、起承転結をくっきりにして、ドラマ性を盛り上げる類ではないです。 言い換えれば、絶えず流れる川の流れや人の流れに、何かしらの情感を汲み取ることを求めるタイプ。 とは言っても、話の舞台はニューヨークのブロンクス、16歳の子たちの話だから、騒がしい。 シーンのほとんどが路線バスの中、下校の生徒たちが乗っている。 気の合う幾つかのグループに分かれて、子たちはそれぞれに、ああだこうだとしゃべって...

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映画「厳重に監視された列車」  チェコスロバキア映画  監督:イジー・メンツェル

 舞台は、チェコスロバキアの田舎のとてもローカルな駅。 ダイヤは一日数本、駅員4名。 そしてある日、こんな駅に新入りの若者が5人目として加わった。 彼の名はミロシュ、駅員見習い。 しかし、先輩駅員はみな暇を持て余している。 映画は、この駅の人々が駅務以外の時間を、どう過ごしているかを、のんびりしたコメディで見せて行きます。 駅舎の二階に住む駅長は、ハトの飼育に熱心で、同じく熱心に駅員のひとりで電信...

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映画「幸せなひとりぼっち」  スウェーデン映画 監督:ハンネス・ホルム

 映画は、オーヴェという男の、これまでの人生、数々の出来事に敬意を表しつつエピソードを語ります。 そして年老い、やがて人生の店じまいを始めようとするオーヴェの、乾いた悲しみと、突如舞い込んだ新鮮な喜びを語るのです。 ですから、この映画を、頑固で狭量な独居じいさんの、在りがちな、はた迷惑を笑う話と勘違いしちゃいけません。 話のコアは、とてもピュアな愛と、亡くした悲しみ。 もうひとつのコアは、閉ざした...

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映画「男と女」(1966)  ~映画音楽に魅せられて  監督:クロード・ルルーシュ

 誰もが知ってるラブストーリー「男と女」。 でも、この映画をもう一度思い出すよう、予告編を観てみましょうか。 予告編 :https://www.youtube.com/watch?v=Dt40QoTSulg(注意:予告編ですからシーンは話の前後、関係なく継ぎはぎだらけです) まずは、この「男と女」というタイトル、思えば、あまりに単刀直入な題名ですね。 かつ観終わって感じるのは、アンヌとジャン・ルイの、うまく行ってて、チョットやばくなり、で...

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映画「バルバラ セーヌの黒いバラ」  監督:マチュー・アマルリック

 映画の撮影が始まった。 その映画は、歌に生涯を捧げた、往年のシャンソン歌手・バルバラ( 1930 - 1997)の生きざまを描く物語。 バルバラを演じるは、女優・ブリジット(ジャンヌ・バリバール)、監督はイヴ(マチュー・アマルリック)。ともにバルバラを敬愛するふたりなのです。 本作は、この二人を中心に据えて、いくつもの撮影現場シーンと、その合間のオフの様子を見せます。 さて主人公ブリジットですが、彼女は役作...

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映画「ポリー・マグーお前は誰だ」  監督:ウィリアム・クライン

 時は1960年代、パリ・ファッション界で一躍脚光を浴びるモデル、ポリー・マグー(ドロシー・マクゴヴァン)を描くコメディーです。 でも、オフのポリーはソバカスだらけの普通の女の子、アメリカ人だ。 映画は、ファッション業界とテレビ業界の裏表を、皮肉に描写し笑いを誘うと共に、ポリーの素顔を、そしてポリーに一目惚れした東欧のイケメン王子が白馬にまたがり・・のファンタジーをも取り込み、これら4つのシーンをコミ...

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気に入ってる、最近の映画。(アメリカと、カナダ・アルゼンチン・メキシコの映画編)

◆映画の画像をクリックしてお読みください。「黄金のアデーレ 名画の帰還」クリムトのこの有名な絵画の背景を知ることができる面白い映画。事実に基づいた映画ですが、ハラハラワクワクのエンターテイメントな仕上がり。アメリカ監督:サイモン・カーティス 「ドリンキング・バディーズ」副題の「飲み友以上、恋人未満の甘い方程式」はあり得ますと映画は物語る。一組のそんな男女友達を中心にそれぞれの恋人、計4人のお話。 G...

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映画「天使の分け前」  監督:ケン・ローチ

皆、有罪判決で、裁判所の命令により、刑罰として社会奉仕の無償労働を強いられた、ワルな若者たち。先頭を歩くのが、主人公のロビー。その左、ロビーと並んで歩く太っちょが、保護観察所の指導員ハリー。         ★    ★    ★  ケン・ローチ監督による娯楽映画です。 イギリスの下層の青年たちの非行を描く、ケン・ローチ風の物語設定ですが、本作「天使の分け前」は、 ハッピーエンドで終わるハートフルなコメディ作品と...

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ロシア映画「アイカ」(原題) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『アイカ 』(公開時邦題未定)  Ayka 【コンペティション作品】 ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン、中国|2018|100分|監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ (Sergei DVORTSEVOY)|2019年公開予定 季節は冬、大雪のモスクワが話の舞台。 天山山脈の北、キルギス共和国(旧国名キルギスタン)から出稼ぎに来ている若い女性、その名はアイカ。  モスクワ市内の病院で出産しその直後に、子を院内に置き去りにして、ア...

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中国映画「轢き殺された羊」(ひきころされたひつじ) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『轢き殺された羊』 Jinpa 【コンペティション作品】中国|2018|86分|監督:ペマ ツェテン(Pema Tseden)| まず冒頭から感じるのは、スタンダードサイズの映像構図がとても良いのです。 観ているだけで気持ち良い。 話のステージは、高度5000メートル級のチベット高原。 草木生えぬ広大な大地の、ひたすら続く一本道を、一台のトラックが走る。 ガタガタ道と、おんぼろトラックの走行音と、虚無的な無人の大地、この...

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韓国映画「川沿いのホテル」,「草の葉」 ~第19回東京フィルメックス上映作品

『川沿いのホテル』 Hotel By The River 【特別招待作品】韓国|2018|96分|監督:ホン・サンス (HONG Sang Soo)| 冬、漢江の川岸に建つ、宿泊客の少ないホテルを舞台に、著名な詩人と、彼がホテルに呼び寄せた息子兄弟との話。 そしてもうひとつは、悲恋に打ちひしがれ、ホテルの一室に籠もる後輩を、慰めるため先輩が訪ねた、という設定の女性2人の話。  この二つの話は並行して語られ、時にちょっと交わります。 また...

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気に入ってる、最近の映画。(アジアの映画編)

「花嫁と角砂糖」結婚式に集まった一族郎党の群像劇。人々が各々に人生を背負い、ここに集う様をうまく描いている。これでイランの家庭料理の匂いがすれば最高。イラン監督:レザ・ミルキャリミ 「スタンリーのお弁当箱」ムンバイの小学校がお話の舞台。クラスの中に貧富の差がある。その度合いを示すのがお弁当の内容と量。でも待ちに待ったお昼時になると、みな夢中!インド監督:アモール・グプテ 「ハーモニー・レッス...

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映画「イン・ハー・シューズ」  監督:カーティス・ハンソン

妹のマギー、祖母のエラ、姉のローズ 性格と才能がまったく違う姉妹と、その祖母、女3人のそれぞれの幸せを見つける物語。 アメリカンテイストな娯楽映画をお楽しみください。  ローズとマギーは、仲が良い。そして共に、独身。 二人の母は二人が幼い頃、交通事故死したらしい。父親は再婚し姉妹を育て姉は自立し今に至る。 30歳を過ぎた姉のローズ(トニ・コレット)は、フィラデルフィアの大手法律事務所に勤める弁護士。...

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映画「オンディーヌ 海辺の恋人」  アイルランド映画  監督:ニール・ジョーダン

 大人の世界と、子供の世界との境目から生まれた、人魚と漁師のラブストーリー。 ハッピーエンドな話です。 漁師のシラキュースがある日、漁船の巻き上げ機で網を引き上げていると、魚と共に、なんと「女」が網にかかった。 水死体だと思ったが、生きている。慌てて網から出した。 ずぶ濡れの怯える女は、意識が戻り、オンディーヌと名乗った。(オンディーヌとは水を司る精霊、とっさの機転が利く女のようだ) シラキュース...

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気に入ってる、最近の映画。(ヨーロッパ・ロシアの映画編)

「パラダイス 愛」オーストリアの普通のおばさんがアフリカのリゾート地へ軽く遊びに行く話。アフリカの男とのセックスなど白人のおばさん達の愛のパラダイスを描く。オーストリア監督:ウルリッヒ・ザイドル 「パラダイス 神」宗教をテーマにする、かなりビターな喜劇。コミカルな語り口を忘れず人の業をえぐり出す。このコミカルさの妙味にピンと来てほしい。オーストリア監督:ウルリッヒ・ザイドル 「呼吸」冷たいけ...

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映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」 イタリア映画  監督:ガブリエーレ・マイネッティ

 イタリア味のスーパーヒーロー、SFクライム・アクション映画。 なんだか最後まで観てしまった。 スーパーな肉体を得た主人公エンツォとアレッシアとの男女関係が、アクション映画にしちゃ繊細に描かれている。 主人公エンツォは少年の頃には既にワルだったが、それなりに楽しかったらしい。 だが、今じゃ生きる意欲も無い一匹狼、ギャングの下働きで何とか生きている。 凶暴な男ジンガロは数人の手下を抱えて麻薬を扱うギ...

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映画「熱帯魚」 台湾映画  監督:チェン・ユーシュン

 のんびりした可笑しさと、生きるペーソスと、力強い生きざまが織りなす台湾の庶民のお話。 主人公を立てていますが、群像劇でもあります。 各所のシーンでクスクス笑ってください。 台北のある中学校の、中三のその教室。高校入試 間近である。 「400点以上とれる自信の無い人、手を挙げて」と教師が言ったら、ほぼ全員が手を挙げた。 (台湾の高校入試は統一試験、400点以上が求められるらしい) その手を挙げた中に、主...

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映画 「さらば青春の光」  映画音楽に魅せられて  監督:フランク・ロダム

モッズ(族)。仲間と薬、スクーターとアメリカン・ポップスとモッズファッションと。主人公ジミーもモッズだ。 ザ・フーやモッズ、パンク、スティングに思い入れがあるわけじゃないが、この映画、1960年代のイギリスの若いのに愛された音楽が出てきます。 ですがロックファンじゃなくとも楽しめる映画です。 お話の方は、1960年代半ばを舞台にして、労働者層の息子ジミー・クーパーという青年を中心に、労働者階級の若者達の切...

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映画「フランコフォニア ルーヴルの記憶」  監督:アレクサンドル・ソクーロフ

 この映画は、ルーヴル美術館についての作品ですが、収蔵品に関して芸術うんぬんを語るのではなく、時の王室・政府や第二次世界大戦を主題に据え、ルーヴル美術館の遍歴を(大河小説のように)描こうとします。 映画は、昔のモノクロ映像や、絵画に描かれた館内のかつての様子、そしてもちろん、「モナ・リザ」、「サモトラケのニケ」やエジプト・コレクションなど著名な絵画彫像の映像を取り入れたドキュメンタリー形式ではあり...

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アニメ「話の話」  監督:ユーリー・ノルシュテイン

「話の話」は、4つのキャラクターデザインで話が構成されています。 「話の話」は、物語の先へ先へと、急いでいるかのように語って行く流行のアニメとは、まったく違うスタンスです。そして、ザワザワした環境で観ないほうがいいです。 例えば一枚の絵画をみて、その絵は何を語ってるのか、何が描かれているのか、絵の向こうで何が起ころうとしているのか、そういう「何」に正解はない、絵の横の説明パネルや展示会パンフレット...

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映画「10話」  監督:アッバス・キアロスタミ

アミンと母親 この映画は、イランの首都テヘランに住む女性たちを登場させ、女性ならではの諸問題を、リアルに時にコミカルに描き出そうとする、素晴らしい作品です。 特徴は、ドキュメンタリー風な、さらりとした描写と、斬新な映像表現です。 特に、映画のすべてのシーンは、主人公が運転する自動車車内に限られ、かつ助手席に座る人との会話シーンだけで話は終始します。【 登場人物と10の話 】  映画は、題名「10話」が示...

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映画「ミツバチのささやき」  スペイン映画   監督:ビクトル・エリセ

 主人公の少女、アナの愛くるしさと、1940年の静かな田園風景に浸るのもいいだろう。 これが物語の土台であり、いにしえの良きスペインを表わそうとしているのだから。 そのうえで、セリフ僅かなこの映画は、いくつかのシーンでいくつかの話をしようとします。 例えば、まだ若いアナの母親が手紙を書いています。(老いた夫とは歳の開きがある) 彼女が抱く密かな愛と、変わりゆく世の中への絶望感を、行方不明の愛しい人宛て...

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映画「歌っているのはだれ?」 ユーゴスラビア映画   監督:スロボダン・シャン

ロマ音楽の辻芸人と、おんぼろバス。男は歌を歌いアコーディオンを弾く。子供はサイドボーカルとマウスハープを担当。映画冒頭や各章の頭に登場し、シーンに沿った歌詞を歌い、本作の狂言回しを担う。バスの乗客でもある。【バスに乗った、そのほかの10人】 映画はこれらの人物を登場させて、当時のユーゴスラビア王国セルビア地方の多様性と運命を描くのです。バスのオーナーで車掌乗客に対し高圧的。子豚を数頭、バスに乗せベオ...

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映画「ソナチネ」(1984) カナダ映画   監督:ミシュリーヌ・ランクト

地下鉄の座席に座るルイゼットとシャンタル。2人の後ろに見える手作りボードには、「誰かが止めない限り、私達は死にます」と書いてある。<カナダ、モントリオールの地下鉄車内にて> 高校生の女の子ふたりの心情を、詩情あふれる映像に乗せて描く映画です。 そのふたりとは、シャンタルとルイゼット。 映画は、まず、シャンタルのことから語り始めます。 雨上がりの夜、赤いテールライトを、濡れた道路に映して走る路線バス...

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映画「譜めくりの女」   監督:ドゥニ・デルクール

譜めくりの女メラニーと、ピアニストのアリアーヌ   (デボラ・フランソワ、カトリーヌ・フロ) 女が女に、10年経って仕掛け始めた復讐。ドラマは、じわじわ進む。 10年ほど前、2人は、ピアノコンクールに参加した「少女」と、大勢を審査する審査員の筆頭、「著名ピアニスト」というかたちで出会った。 その時、著名ピアニストのアリアーヌが犯した罪は、少女メラニーの演奏中に、その演奏を真摯に聴こうとしなかったこと。...

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映画「リフ・ラフ」   監督:ケン・ローチ

スーザンとスティーヴ 題名の「リフ・ラフ」とは、「くずのようなヤツ」「ろくでなし」という意味で、底辺生活者を見くだし、さげすむ言葉。 話は、工事現場でわずかな稼ぎを得る男と、歌の下手な歌手希望の女との、リフ・ラフな愛の物語。 舞台はロンドン。 主たるシーンのひとつは、古風な病院ビルを、超高級マンションに再生しようとする工事現場。(マンションのモデルルーム訪問客は運転手付きリムジンで乗りつけたアラブ...

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映画「雨上がりの駅で」  監督:ピーター・デルモンテ

 ローマに住む、人よりとても多感な女の子コラが、ある老人の気ままな外出(認知症による徘徊)を見守ることになり、これが2人の小旅行となったロードムービーな、お話。 老人の名は、コジモ(ミシェル・ピコリ)といって元大学教授。とても真面目で無口な人。 19歳のコラ(アーシア・アルジェント)は、以前からコジモの娘のアダ夫人に雇われて、犬の散歩のアルバイトをしていたが、ある日夫人から「父コジモの外出に付いて行...

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映画「アメリカン・ビューティー」  監督:サム・メンデス

バーナム一家の朝の出勤通学。高校生の娘ジェーン、父親バーナム、母親キャロリン。 アメリカの中流の人々の不幸せと、わずかな希望を描く映画。 高校生の一人娘がいるバーナム家の家庭内不和を題材に、娘の女友達アンジェラと、バーナム家の隣に越して来た、さらに家族バラバラの一家とが、引き金になって始まる「愛と悲劇」を、喜劇風に描きます。 主人公は、高校生の娘がいる中年夫婦の夫、レスター・バーナム。 このレスタ...

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映画「幸福(しあわせ)」   監督:アニエス・ヴァルダ

 夫婦の幸せ、我が子がいる幸せ、そして、めぐりあわせが良い幸せを描く映画です。  万が一、不幸に見舞われても、その悲しみの深みに沈みこまぬうちに、新たな幸せが向こうからやって来るという運の人がいる。 言い換えれば、悲痛に生きる人がいる一方で、楽しくうまく生きる人がいる、そんな人の明るい幸せを描いていきます。 あわせて、相手の幸せを壊さない寛大な心の持ちようが話をつなぎます。 フランソワとテレーズの...

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映画「軽蔑」(1963) 監督:ジャン=リュック・ゴダール

イタリアの南、カプリ島にあるプロコシュの別荘にて。左から、米国人映画プロデューサーのプロコシュ(ジャック・パランス)、通訳兼秘書嬢、カミーユ(ブリジット・バルドー)、その夫・劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)、名映画監督フリッツ・ラング(本人役で出演)。    ★    ★    ★  ある日突然に妻から軽蔑され始めた夫の話。 夫は劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)、妻のカミーユ(ブリジット・バルドー)は元...

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