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一夜一話

Category洋画評だけを見る 1/13

映画「ウィ・アンド・アイ」  監督:ミシェル・ゴンドリー

 この映画は、起承転結をくっきりにして、ドラマ性を盛り上げる類ではないです。 言い換えれば、絶えず流れる川の流れや人の流れに、何かしらの情感を汲み取ることを求めるタイプ。 とは言っても、話の舞台はニューヨークのブロンクス、16歳の子たちの話だから、騒がしい。 シーンのほとんどが路線バスの中、下校の生徒たちが乗っている。 気の合う幾つかのグループに分かれて、子たちはそれぞれに、ああだこうだとしゃべって...

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映画「厳重に監視された列車」  チェコスロバキア映画  監督:イジー・メンツェル

 舞台は、チェコスロバキアの田舎のとてもローカルな駅。 ダイヤは一日数本、駅員4名。 そしてある日、こんな駅に新入りの若者が5人目として加わった。 彼の名はミロシュ、駅員見習い。 しかし、先輩駅員はみな暇を持て余している。 映画は、この駅の人々が駅務以外の時間を、どう過ごしているかを、のんびりしたコメディで見せて行きます。 駅舎の二階に住む駅長は、ハトの飼育に熱心で、同じく熱心に駅員のひとりで電信...

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映画「幸せなひとりぼっち」  スウェーデン映画 監督:ハンネス・ホルム

 映画は、オーヴェという男の、これまでの人生、数々の出来事に敬意を表しつつエピソードを語ります。 そして年老い、やがて人生の店じまいを始めようとするオーヴェの、乾いた悲しみと、突如舞い込んだ新鮮な喜びを語るのです。 ですから、この映画を、頑固で狭量な独居じいさんの、在りがちな、はた迷惑を笑う話と勘違いしちゃいけません。 話のコアは、とてもピュアな愛と、亡くした悲しみ。 もうひとつのコアは、閉ざした...

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映画「男と女」(1966)  ~映画音楽に魅せられて  監督:クロード・ルルーシュ

 誰もが知ってるラブストーリー「男と女」。 でも、この映画をもう一度思い出すよう、予告編を観てみましょうか。 予告編 :https://www.youtube.com/watch?v=Dt40QoTSulg(注意:予告編ですからシーンは話の前後、関係なく継ぎはぎだらけです) まずは、この「男と女」というタイトル、思えば、あまりに単刀直入な題名ですね。 かつ観終わって感じるのは、アンヌとジャン・ルイの、うまく行ってて、チョットやばくなり、で...

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映画「バルバラ セーヌの黒いバラ」  監督:マチュー・アマルリック

 映画の撮影が始まった。 その映画は、歌に生涯を捧げた、往年のシャンソン歌手・バルバラ( 1930 - 1997)の生きざまを描く物語。 バルバラを演じるは、女優・ブリジット(ジャンヌ・バリバール)、監督はイヴ(マチュー・アマルリック)。ともにバルバラを敬愛するふたりなのです。 本作は、この二人を中心に据えて、いくつもの撮影現場シーンと、その合間のオフの様子を見せます。 さて主人公ブリジットですが、彼女は役作...

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映画「ポリー・マグーお前は誰だ」  監督:ウィリアム・クライン

 時は1960年代、パリ・ファッション界で一躍脚光を浴びるモデル、ポリー・マグー(ドロシー・マクゴヴァン)を描くコメディーです。 でも、オフのポリーはソバカスだらけの普通の女の子、アメリカ人だ。 映画は、ファッション業界とテレビ業界の裏表を、皮肉に描写し笑いを誘うと共に、ポリーの素顔を、そしてポリーに一目惚れした東欧のイケメン王子が白馬にまたがり・・のファンタジーをも取り込み、これら4つのシーンをコミ...

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気に入ってる、最近の映画。(アメリカと、カナダ・アルゼンチン・メキシコの映画編)

◆映画の画像をクリックしてお読みください。「黄金のアデーレ 名画の帰還」クリムトのこの有名な絵画の背景を知ることができる面白い映画。事実に基づいた映画ですが、ハラハラワクワクのエンターテイメントな仕上がり。アメリカ監督:サイモン・カーティス 「ドリンキング・バディーズ」副題の「飲み友以上、恋人未満の甘い方程式」はあり得ますと映画は物語る。一組のそんな男女友達を中心にそれぞれの恋人、計4人のお話。 G...

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映画「天使の分け前」  監督:ケン・ローチ

皆、有罪判決で、裁判所の命令により、刑罰として社会奉仕の無償労働を強いられた、ワルな若者たち。先頭を歩くのが、主人公のロビー。その左、ロビーと並んで歩く太っちょが、保護観察所の指導員ハリー。         ★    ★    ★  ケン・ローチ監督による娯楽映画です。 イギリスの下層の青年たちの非行を描く、ケン・ローチ風の物語設定ですが、本作「天使の分け前」は、 ハッピーエンドで終わるハートフルなコメディ作品と...

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ロシア映画「アイカ」(原題) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『アイカ 』(公開時邦題未定)  Ayka 【コンペティション作品】 ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン、中国|2018|100分|監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ (Sergei DVORTSEVOY)|2019年公開予定 季節は冬、大雪のモスクワが話の舞台。 天山山脈の北、キルギス共和国(旧国名キルギスタン)から出稼ぎに来ている若い女性、その名はアイカ。  モスクワ市内の病院で出産しその直後に、子を院内に置き去りにして、ア...

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中国映画「轢き殺された羊」(ひきころされたひつじ) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『轢き殺された羊』 Jinpa 【コンペティション作品】中国|2018|86分|監督:ペマ ツェテン(Pema Tseden)| まず冒頭から感じるのは、スタンダードサイズの映像構図がとても良いのです。 観ているだけで気持ち良い。 話のステージは、高度5000メートル級のチベット高原。 草木生えぬ広大な大地の、ひたすら続く一本道を、一台のトラックが走る。 ガタガタ道と、おんぼろトラックの走行音と、虚無的な無人の大地、この...

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韓国映画「川沿いのホテル」,「草の葉」 ~第19回東京フィルメックス上映作品

『川沿いのホテル』 Hotel By The River 【特別招待作品】韓国|2018|96分|監督:ホン・サンス (HONG Sang Soo)| 冬、漢江の川岸に建つ、宿泊客の少ないホテルを舞台に、著名な詩人と、彼がホテルに呼び寄せた息子兄弟との話。 そしてもうひとつは、悲恋に打ちひしがれ、ホテルの一室に籠もる後輩を、慰めるため先輩が訪ねた、という設定の女性2人の話。  この二つの話は並行して語られ、時にちょっと交わります。 また...

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気に入ってる、最近の映画。(アジアの映画編)

「花嫁と角砂糖」結婚式に集まった一族郎党の群像劇。人々が各々に人生を背負い、ここに集う様をうまく描いている。これでイランの家庭料理の匂いがすれば最高。イラン監督:レザ・ミルキャリミ 「スタンリーのお弁当箱」ムンバイの小学校がお話の舞台。クラスの中に貧富の差がある。その度合いを示すのがお弁当の内容と量。でも待ちに待ったお昼時になると、みな夢中!インド監督:アモール・グプテ 「ハーモニー・レッス...

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映画「イン・ハー・シューズ」  監督:カーティス・ハンソン

妹のマギー、祖母のエラ、姉のローズ 性格と才能がまったく違う姉妹と、その祖母、女3人のそれぞれの幸せを見つける物語。 アメリカンテイストな娯楽映画をお楽しみください。  ローズとマギーは、仲が良い。そして共に、独身。 二人の母は二人が幼い頃、交通事故死したらしい。父親は再婚し姉妹を育て姉は自立し今に至る。 30歳を過ぎた姉のローズ(トニ・コレット)は、フィラデルフィアの大手法律事務所に勤める弁護士。...

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映画「オンディーヌ 海辺の恋人」  アイルランド映画  監督:ニール・ジョーダン

 大人の世界と、子供の世界との境目から生まれた、人魚と漁師のラブストーリー。 ハッピーエンドな話です。 漁師のシラキュースがある日、漁船の巻き上げ機で網を引き上げていると、魚と共に、なんと「女」が網にかかった。 水死体だと思ったが、生きている。慌てて網から出した。 ずぶ濡れの怯える女は、意識が戻り、オンディーヌと名乗った。(オンディーヌとは水を司る精霊、とっさの機転が利く女のようだ) シラキュース...

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気に入ってる、最近の映画。(ヨーロッパ・ロシアの映画編)

「パラダイス 愛」オーストリアの普通のおばさんがアフリカのリゾート地へ軽く遊びに行く話。アフリカの男とのセックスなど白人のおばさん達の愛のパラダイスを描く。オーストリア監督:ウルリッヒ・ザイドル 「パラダイス 神」宗教をテーマにする、かなりビターな喜劇。コミカルな語り口を忘れず人の業をえぐり出す。このコミカルさの妙味にピンと来てほしい。オーストリア監督:ウルリッヒ・ザイドル 「呼吸」冷たいけ...

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映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」 イタリア映画  監督:ガブリエーレ・マイネッティ

 イタリア味のスーパーヒーロー、SFクライム・アクション映画。 なんだか最後まで観てしまった。 スーパーな肉体を得た主人公エンツォとアレッシアとの男女関係が、アクション映画にしちゃ繊細に描かれている。 主人公エンツォは少年の頃には既にワルだったが、それなりに楽しかったらしい。 だが、今じゃ生きる意欲も無い一匹狼、ギャングの下働きで何とか生きている。 凶暴な男ジンガロは数人の手下を抱えて麻薬を扱うギ...

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映画「熱帯魚」 台湾映画  監督:チェン・ユーシュン

 のんびりした可笑しさと、生きるペーソスと、力強い生きざまが織りなす台湾の庶民のお話。 主人公を立てていますが、群像劇でもあります。 各所のシーンでクスクス笑ってください。 台北のある中学校の、中三のその教室。高校入試 間近である。 「400点以上とれる自信の無い人、手を挙げて」と教師が言ったら、ほぼ全員が手を挙げた。 (台湾の高校入試は統一試験、400点以上が求められるらしい) その手を挙げた中に、主...

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映画 「さらば青春の光」  映画音楽に魅せられて  監督:フランク・ロダム

モッズ(族)。仲間と薬、スクーターとアメリカン・ポップスとモッズファッションと。主人公ジミーもモッズだ。 ザ・フーやモッズ、パンク、スティングに思い入れがあるわけじゃないが、この映画、1960年代のイギリスの若いのに愛された音楽が出てきます。 ですがロックファンじゃなくとも楽しめる映画です。 お話の方は、1960年代半ばを舞台にして、労働者層の息子ジミー・クーパーという青年を中心に、労働者階級の若者達の切...

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映画「フランコフォニア ルーヴルの記憶」  監督:アレクサンドル・ソクーロフ

 この映画は、ルーヴル美術館についての作品ですが、収蔵品に関して芸術うんぬんを語るのではなく、時の王室・政府や第二次世界大戦を主題に据え、ルーヴル美術館の遍歴を(大河小説のように)描こうとします。 映画は、昔のモノクロ映像や、絵画に描かれた館内のかつての様子、そしてもちろん、「モナ・リザ」、「サモトラケのニケ」やエジプト・コレクションなど著名な絵画彫像の映像を取り入れたドキュメンタリー形式ではあり...

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アニメ「話の話」  監督:ユーリー・ノルシュテイン

「話の話」は、4つのキャラクターデザインで話が構成されています。 「話の話」は、物語の先へ先へと、急いでいるかのように語って行く流行のアニメとは、まったく違うスタンスです。そして、ザワザワした環境で観ないほうがいいです。 例えば一枚の絵画をみて、その絵は何を語ってるのか、何が描かれているのか、絵の向こうで何が起ころうとしているのか、そういう「何」に正解はない、絵の横の説明パネルや展示会パンフレット...

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映画「10話」  監督:アッバス・キアロスタミ

アミンと母親 この映画は、イランの首都テヘランに住む女性たちを登場させ、女性ならではの諸問題を、リアルに時にコミカルに描き出そうとする、素晴らしい作品です。 特徴は、ドキュメンタリー風な、さらりとした描写と、斬新な映像表現です。 特に、映画のすべてのシーンは、主人公が運転する自動車車内に限られ、かつ助手席に座る人との会話シーンだけで話は終始します。【 登場人物と10の話 】  映画は、題名「10話」が示...

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映画「ミツバチのささやき」  スペイン映画   監督:ビクトル・エリセ

 主人公の少女、アナの愛くるしさと、1940年の静かな田園風景に浸るのもいいだろう。 これが物語の土台であり、いにしえの良きスペインを表わそうとしているのだから。 そのうえで、セリフ僅かなこの映画は、いくつかのシーンでいくつかの話をしようとします。 例えば、まだ若いアナの母親が手紙を書いています。(老いた夫とは歳の開きがある) 彼女が抱く密かな愛と、変わりゆく世の中への絶望感を、行方不明の愛しい人宛て...

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映画「歌っているのはだれ?」 ユーゴスラビア映画   監督:スロボダン・シャン

ロマ音楽の辻芸人と、おんぼろバス。男は歌を歌いアコーディオンを弾く。子供はサイドボーカルとマウスハープを担当。映画冒頭や各章の頭に登場し、シーンに沿った歌詞を歌い、本作の狂言回しを担う。バスの乗客でもある。【バスに乗った、そのほかの10人】 映画はこれらの人物を登場させて、当時のユーゴスラビア王国セルビア地方の多様性と運命を描くのです。バスのオーナーで車掌乗客に対し高圧的。子豚を数頭、バスに乗せベオ...

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映画「ソナチネ」(1984) カナダ映画   監督:ミシュリーヌ・ランクト

地下鉄の座席に座るルイゼットとシャンタル。2人の後ろに見える手作りボードには、「誰かが止めない限り、私達は死にます」と書いてある。<カナダ、モントリオールの地下鉄車内にて> 高校生の女の子ふたりの心情を、詩情あふれる映像に乗せて描く映画です。 そのふたりとは、シャンタルとルイゼット。 映画は、まず、シャンタルのことから語り始めます。 雨上がりの夜、赤いテールライトを、濡れた道路に映して走る路線バス...

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映画「譜めくりの女」   監督:ドゥニ・デルクール

譜めくりの女メラニーと、ピアニストのアリアーヌ   (デボラ・フランソワ、カトリーヌ・フロ) 女が女に、10年経って仕掛け始めた復讐。ドラマは、じわじわ進む。 10年ほど前、2人は、ピアノコンクールに参加した「少女」と、大勢を審査する審査員の筆頭、「著名ピアニスト」というかたちで出会った。 その時、著名ピアニストのアリアーヌが犯した罪は、少女メラニーの演奏中に、その演奏を真摯に聴こうとしなかったこと。...

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映画「リフ・ラフ」   監督:ケン・ローチ

スーザンとスティーヴ 題名の「リフ・ラフ」とは、「くずのようなヤツ」「ろくでなし」という意味で、底辺生活者を見くだし、さげすむ言葉。 話は、工事現場でわずかな稼ぎを得る男と、歌の下手な歌手希望の女との、リフ・ラフな愛の物語。 舞台はロンドン。 主たるシーンのひとつは、古風な病院ビルを、超高級マンションに再生しようとする工事現場。(マンションのモデルルーム訪問客は運転手付きリムジンで乗りつけたアラブ...

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映画「雨上がりの駅で」  監督:ピーター・デルモンテ

 ローマに住む、人よりとても多感な女の子コラが、ある老人の気ままな外出(認知症による徘徊)を見守ることになり、これが2人の小旅行となったロードムービーな、お話。 老人の名は、コジモ(ミシェル・ピコリ)といって元大学教授。とても真面目で無口な人。 19歳のコラ(アーシア・アルジェント)は、以前からコジモの娘のアダ夫人に雇われて、犬の散歩のアルバイトをしていたが、ある日夫人から「父コジモの外出に付いて行...

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映画「アメリカン・ビューティー」  監督:サム・メンデス

バーナム一家の朝の出勤通学。高校生の娘ジェーン、父親バーナム、母親キャロリン。 アメリカの中流の人々の不幸せと、わずかな希望を描く映画。 高校生の一人娘がいるバーナム家の家庭内不和を題材に、娘の女友達アンジェラと、バーナム家の隣に越して来た、さらに家族バラバラの一家とが、引き金になって始まる「愛と悲劇」を、喜劇風に描きます。 主人公は、高校生の娘がいる中年夫婦の夫、レスター・バーナム。 このレスタ...

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映画「幸福(しあわせ)」   監督:アニエス・ヴァルダ

 夫婦の幸せ、我が子がいる幸せ、そして、めぐりあわせが良い幸せを描く映画です。  万が一、不幸に見舞われても、その悲しみの深みに沈みこまぬうちに、新たな幸せが向こうからやって来るという運の人がいる。 言い換えれば、悲痛に生きる人がいる一方で、楽しくうまく生きる人がいる、そんな人の明るい幸せを描いていきます。 あわせて、相手の幸せを壊さない寛大な心の持ちようが話をつなぎます。 フランソワとテレーズの...

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映画「軽蔑」(1963) 監督:ジャン=リュック・ゴダール

イタリアの南、カプリ島にあるプロコシュの別荘にて。左から、米国人映画プロデューサーのプロコシュ(ジャック・パランス)、通訳兼秘書嬢、カミーユ(ブリジット・バルドー)、その夫・劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)、名映画監督フリッツ・ラング(本人役で出演)。    ★    ★    ★  ある日突然に妻から軽蔑され始めた夫の話。 夫は劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)、妻のカミーユ(ブリジット・バルドー)は元...

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映画「北京好日」  監督:ニン・イン

 現在進行形の(1992年製作当時の)、北京の街中の人々をドキュメンタリー風に活写する映画。 登場人物はみな、京劇が三度の飯より好きなおじいちゃん達。 塀沿いの通りの傍らに集まって、京胡(胡弓のような擦弦楽器)や太鼓、月琴など楽器を奏でる人達、代わるがわる自慢の喉を聴かせる人達。 文革の世を生きてきたじいちゃん達はみな様々な労働者だったが、今は隠居の身。時間だけはある。 こんな一群に登場するのが主人公...

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映画「モンディアリート」  監督:ニコラ・バディモフ

少年アブドゥを背負うアーメッドと、ルイザ。 ストーリーはハッピーエンドで終わる心温まる話です。 この映画、ユーモアがあってコミカルな映画ですが、これを喜劇映画と言ってしまうと、喜劇俳優やお笑い芸人が出てくる映画だと、誤解を生じるかもしれません。 一方、話は、フランスの児童養護施設にいたサッカー大好きなアラブ人少年が、フランス人の里親のもとで生活していましたが、マルセイユで行われるワールドカップ・フ...

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映画「クラッシュ」  監督:ポール・ハギス

 白人と黒人の二項対立だけでなく、アメリカの様々な人種間のギクシャクを群像劇で観せる映画。 ストーリーは、数多くのエピソードがパッチワークされ、それぞれに関連を持たせている。 そこには、拳銃による殺人が3件、交通事故が3件、ハッピーエンドが2件、盛り込まれています。 貧富による分断、車社会、銃社会のアメリカも映し出します。 2時間足らずのこの映画で、いわばアメリカの縮図を観せようとするのだから大変。話...

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映画「木靴の樹」  監督:エルマンノ・オルミ

 時は20世紀一歩手前の19世紀末。 イタリアの小作人たちの日常を群像劇として観せる。 この映画、はるかな遠景を眺めるように、ゆったり構えて広い視野で観るといい。 あるいはタイムスリップしたと思って観るのがいい。 イタリアの北方、アルプス山脈に近い町、ベルガモ周辺に広がる農村地帯。 広大な大地を所有する大地主と、地主につかえる管理人。 そして小作人たちとその家族。老人、夫を亡くした妻と子沢山、恋する若...

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映画「大いなる休暇」  監督:ジャン=フランソワ・プリオ

 カナダはケベック州の沖合にある、島民120人の小さな離島のお話。 心温まるストーリーで、少しドタバタ喜劇です  島民はかつて漁業で生計を立てていたが、今は皆、廃業して一様に生活保護を受けている。 しかし支給金の月額では、2週間分の生活費しかまかなえない。 働き甲斐を無くした島民は、ただただ、ぼんやりした毎日を過ごす。(なぜ漁業を辞めざるを得なかったかは映画は語らない) そんな折、ある会社がこの島に工...

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映画「シンプルメン」  監督:ハル・ハートリー

兄ビル、弟デニス、謎のエリナ、人妻ケイト  とてもシンプルなお話。 主要な登場人物から脇役に至るまで、誰もが実にシンプルな人々だ。 彼らは単純な人。 良く言えば、偽りや飾りのない、ありのままの感情で生きる、率直な人。 それは我々の日常では、ありえないほどのシンプルさ。阿呆にみえるかもしれない。 こういう設定だから自ずと、このお話は喜劇。 喜劇でありながら、この映画は、我々が日ごろ、いかに自身の...

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映画「ブリキの太鼓」  監督:フォルカー・シュレンドルフ

 3歳にして「大人の世界」を忌み嫌い、その後も幼児のように生きたオスカルという男の話です。 この作品は、観る者の興味、視点の違いで、異なって見える映画かも知れない。そんな二面性いや三面性があります。 そのうちの一面は、ストーリーのバックグランドとして配置されている、物語当時のポーランドの時代性、これを冷徹に語る側面。 それは第二次世界大戦へ突き進むナチスドイツに対するポーランドの有り様と、そして当...

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映画「エスケイプ・フロム・トゥモロー」  監督:ランディ・ムーア

 妻子を連れてディズニーランドに来た男ジムの不幸な顛末。 家族四人、前日に、ディズニーランドを目の前にしたホテルに一泊しての、次の朝。 さあ、これからディズニーランドへ!という時に、ジムの携帯が鳴った。(休暇中に会社から電話が来るのは嫌なものだ) この電話で、働き盛りのジムは、勤め先の友人から(会社の決定だと前置きされて)突然の解雇を言い渡された。 だが、家族でこれから楽しい時を過ごそうという、こ...

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映画「パパは、出張中!」  監督:エミール・クストリッツァ

妻のセーナ、マリク、兄ミルザ、メーシャ マリク6歳の父、メーシャの浮気が引き起こした思わぬ展開は、不運にもマリク一家に苦難を与えることになります。(しかしラストは苦いですが、ハッピーエンドで終わります) 思わぬ事態になった原因は、メーシャの浮気もさることながら、1950年のユーゴスラビアの政治情勢でした。  当時、独自の社会主義を目指すユーゴスラビアは、反ソ連(反スターリン)の姿勢でした。 ある日、愛...

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映画「ポエトリー アグネスの詩」  監督:イ・チャンドン

 女子中学生の水死体が川を流れ下るシーンを、映画は冒頭、いきなり観客に投げて寄越す。 この話を語る前にまず、主人公ミジャ(ユン・ジョンヒ)の話から始めよう。 ミジャは60歳半ばの温和なおばあちゃん、中3男子の孫と二人暮らし。 その孫の母親(ミジャの娘)は別居していて、釜山に住んで働いている。ミジャは娘から仕送りを受けているんだろうが、孫との生活に余裕はない。 それでミジャは、ある老人の介護で生活費を...

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映画「未来世紀ブラジル」  監督:テリー・ギリアム

 SFコメディだが、とてもシリアス。 未来のどこかの国の話。(映画製作年1985年) この国では、国民のあらゆる個人情報が日々徹底的に掌握・管理され、国民は全体主義的に支配されている。 これをつかさどるのが情報省。(話の舞台となる組織) 省というからには行政機関の一つのようだが、テロ対策に対応できる武力(警察機能)と、闇の裁き(公正な法なき裁判機能)を持ち、よって一省庁でありながら国家権力として絶大な...

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映画「トラスト・ミー」  監督:ハル・ハートリー

 高校生の女の子マリアと、30歳過ぎの独身マシューとの「純愛物語」風喜劇。 かつ、マリアとマシューそれぞれの家の、子離れできないひとり親と、親離れできない子との、愛の絆の物語。 とは言え、その絆とは時に、マリアの母のマリアへの、マシューの父のマシューへの、過度な介入であり、家庭内モラル・ハラスメントである。(マリアの父親は映画冒頭、死去。) それでも、マリアもマシューも、家では良い子であろうとしてい...

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映画「未知への飛行」  監督:シドニー・ルメット

米ソ間のホットラインと米国大統領 1964年製作の米ソ冷戦時代のSF映画。 話は緊迫感がラストまで続き、112分一気に観せます。  アメリカ空軍のB-58爆撃機がモスクワに核爆弾(水爆)を投下するまでの話を、ホワイトハウス、ペンタゴン、ネブラスカ州オマハの戦略空軍司令部、およびモスクワへ進撃するB-58爆撃機の4者間で行われる指示/連携を描く一方、ホワイトハウスとソ連側とのホットラインでのやりとりを映画は観せていく...

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映画「はじまりのうた」 監督:ジョン・カーニー

 今年に入って3か月間に観た映画のうちで、一番のいい映画。良く出来ている。 ニューヨークを背景にしたラブロマンス映画として観ていいのですが・・。 この映画の一番の魅力は、ソングライターを目指すグレタ(キーラ・ナイトレイ)が自作曲を歌うシーン。 キーラ・ナイトレイが歌う、そのかすれ声の歌が朴訥で儚げで、なかなかいいのだ。 そういうシーンはいくつもあるが、特に、 映画冒頭、小さなライブハウスに客として...

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映画「幸せをつかむ歌」 主演:メリル・ストリープ  監督:ジョナサン・デミ

 女優メリル・ストリープが貧乏なロックミュージシャンを演じる映画。 30歳代で離婚し、家庭を後にしたリッキー(メリル・ストリープ)が、その後20年間、家庭を一切顧みず、50歳半ばになって、ある事をきっかけに初めて家族と再会する話です。 ある事とは、リッキーが産んだ娘ジュリー(メイミー・ガマー)が、ジュリーの夫の浮気が原因で精神的に参ってしまい出戻った事。 ジュリーの引きこもりは激しく、元夫ピート(ケヴィン・...

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映画「ボッカチオ'70」 監督:マリオ・モニチェリ、フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカ

 イタリア喜劇映画です。 4人の監督による4作品オムニバス。それぞれに主役の女優を立てて、その女性の奔放さを語ります。 タイトル名「ボッカチオ'70」の「'70」は、本作製作年の8年後はこうなるかも、と語り、笑いを誘おうとしているのでしょうか。 第1話「レンツォとルチアーナ」と第4話「くじ引き」は、イタリアの庶民層が主人公で、第2話「アントニオ博士の誘惑」は上流階級、第3話「仕事中」は貴族のお話。 いま観かえ...

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映画「誘惑されて棄てられて」 イタリア映画  監督:ピエトロ・ジェルミ

ペッピーノとアニェーゼ 「誘惑されて棄てられて」とは、なんとも悲しい題名ですが、これはビターなドタバタ・コメディです。 お話は、シチリアに住む2人、16歳の娘アニェーゼとペッピーノが結婚に至るまでの、てんやわんやな物語。 ただしラブロマンスではない。アニェーゼとペッピーノは互いに敵対しながらも、結婚してしまいます。なぜ? 脚本は監督自身の作。監督は本作の舞台、イタリアの離島シチリア島※の社会規範を喜劇...

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映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」  監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

 これはなかなかいい映画、見ごたえもある。(ビターな喜劇です)  スーパーヒーローの賞味期限が過ぎ、ハリウッドから見放された映画俳優リーガンが、過去の栄光にさいなまれながらも、演劇の道で再起しようする話。 主人公リーガンの心模様がよく描かれています。 そしてカメラが実に元気がよい。 楽屋裏の狭い通路を行く俳優を、揺れずブレずに追いかけるシーンが幾度もある。 またシーン遷移が途切れなく滑らか、この工...

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映画「鶴は翔んでゆく」 旧題名「戦争と貞操」 (1957年)  監督:ミハイル・カラトーゾフ

 ヴェロニカとボリスは結婚を誓い合ったものの、戦争が始まり志願兵となったボリスは戦場へ、しかし彼は行方不明となる。 ヴェロニカは後ろ髪を引かれながらも、ボリスのいとこ・マルクと結婚してしまうのだが・・。 よくあるストーリーだが、主役ヴェロニカを演ずる女優タチアナ・サモイロワの美貌と表情が、この映画を魅力あるものにしています。 また、カメラがいい仕事をしている。 雑踏の中を行くヴェロニカを、俯瞰気味...

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映画「ウェイクアップ!ネッド」 監督:カーク・ジョーンズ

 これはイギリスの隣国アイルランドにある離島で起きた出来事。 この小さな島の住人の誰かが一枚の宝くじを買い、なんと12億円を当てたのです。(約700万アイルランドポンド) こんな時、誰しも私が当てましたなんて言わないもの。島民は新聞記事で知りました。 さあいったい誰が当てたのか。ジャッキーとマイケルはその誰かをつきとめようと行動に出ます。 島で一軒の呑み屋に出かけたり、目星をつけた人々を自宅に招待して...

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