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2012年05月 Archive

映画「海と大陸」  監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ  イタリア映画祭2012

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  「大陸」 とはアフリカ大陸だと思っていた。

  アフリカからEUへの不法移民が後を絶たないらしい。
  かれらは死に物狂いで地中海を渡ってくる。漂流してくる。そんな場に遭遇し、驚き戸惑う主人公たち。そしてそれを観て我々も、地中海の現実に驚愕する。

  映画の舞台はイタリア、といってもシチリアの沖合、南西に位置するペラージェ諸島。この島々の位置は、シチリアから遠く離れて、実はもうアフリカに近い。観光の島だ。コバルト色した海、新鮮な海鮮料理。でも夏場だけだ。通年、漁業は衰退している。魚がとれない。 イタリアの僻地、ペラージェ諸島の人々も時に「大陸」を目指す。

母  主人公の20歳の青年フィリッポの父親は漁師。海で死んで、もう3年になる。後を継ぐフィリッポは祖父と漁に出る。バイク屋の叔父は夏場は観光業で勢いよく稼ぐ、現実派だ。「漁師なんかやめておけ」と言われる。
  フィリッポの母は沈んでいる。3年経ってそろそろ、人生を切り替えたい思い。再婚が頭に過る。漁はやめてフィリッポとこの島を出てイタリア本土に行こう、そう決心した。そのために、今夏は観光客に自宅を貸して稼ごう。庭にはハンモックを用意した。漁船で海めぐりコース付。
  さあバカンスシーズン開幕。観光フェリーが島に着いて、大勢の観光客が下りてきた。フィリッポは手練手管で若者3人の観光客をつかまえ、一緒に自宅まで案内、宿泊のオーケーをもらった。

子  そんなある日いつものようにフィリッポは祖父といっしょに漁に出た。そして事件に出会う。多くの難民がボートに乗って漂流している。すぐに警察に無線連絡した後、気が付いた・・・。溺れそうな数人がいる。祖父は一瞬躊躇したが、その数人を船に救いあげろと指示をした。
  こういった不法行為が後を絶たない海。来たら送り返すのが鉄則だ。彼らを乗せてフィリッポの船は夜、寄港した。岸壁に着くなりアフリカ人はみな足早に闇に消えて行った。しかし、ただひとり残った女性がいる。身重だ! 出産が近い。少年もいる。祖父はこの母子を家に連れて帰って、かくまった。
  ここで映画は大きく動き出す。一家は、バカンスで稼ごう、どころではなくなった。フィリッポは?祖父は?母は? どう思い、どう行動するのだろうか・・・・。そして夜の海で、悪夢のような事件に我々は遭遇する。

  「不法行為をするアフリカ人は観光に悪影響だ。溺れていても見ぬふりが一番。」 「警察当局は厳重な警備監視をしている。だからアフリカ人問題は当局に任せておけばいい。」 「かかわれば面倒な事になる。救助して漁船差し押さえなんてことになったら・・・生活は立ち行かない。」
  「でもだ。人として、どうなんだ。」 混乱するフィリッポは、頭を冷やすべく海に潜る。その海底には、聖母の像が立っていた。 

海  映像がいい。
  漁船の船べりから乗り出したカメラは、波しぶきすれすれで臨場感を出す。海底から海面を見上げるシーン。船底を見せながら漁船が通り、漁網が下りてくる。あるいは観光客がいっせいに海に飛び込むのを海底から見上げる。そしてはるか上空から、白波が立つ波高し海を行く、一隻の漁船をスローモーションで描く。フィリッポの船だ。航行の方角は、イタリア本土。
  つっこみ所はあるが、朝日ホールまで出向いて損はなかった。アフリカ人の越境の現場が垣間見れる、いい映画だ。

原題:Terraferma (テッラフェールマ)|
監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ(Emanuele Crialese)|イタリア|[2011年|88分|
出演:フィリッポ・プチッロ(フィリッポ)|Donatella Finochiaro(母ジュリエッタ)|Mimmo Cuticchio(祖父エルネスト)|Timnit T(アフリカ人の母サラ)|Beppe Fiorello(フィリッポの叔父ニーノ)|ほか

フィリッポ<イタリア映画祭2012にて>
  フィリッポ役の俳優フィリッポ・プチッロは、ペラージェ諸島のランペドゥーサ島出身。今もこの島に住んでいて、映画の中のフィリッポと同じで、観光業や漁業をしている。 「漁中に海に浮かぶアフリカ人の死体も見た、最近では500人ほどが船で島に到着した。」 そんな話をイタリア映画祭2012のステージで披露していた。
  ランペドゥーサ島は、シチリアから200kmの距離に対し、チュニジアの海岸からは110kmらしい。


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真!韓国映画祭2012             ジョン・カサヴェテスRetrospective
新宿K’sシネマ                イメージ・フォーラム
5/26~6/15                   5/26~6/29
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「さあ帰ろう、ペダルをこいで」         「モバイルハウスのつくりかた」
ステファン・コマンダレフ監督           本田孝義監督
シネマート新宿・心斎橋              ユーロスペース
5/12~・5/19~                   6月
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ドキュメンタリー映画                 ドキュメンタリー映画
「珈琲とエンピツ」                「誰も知らない基地のこと」
今村彩子監督                   エンリコ・パレンティ&トーマス・ファツィ監督
オーディトリウム渋谷               イメージ・フォーラム
4/29~5/4                     4/7~
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                           ドキュメンタリー映画
「ムサン日記~白い犬」            「孤独なツバメたち」デカセギの子供に生まれて
パク・ジョンボム監督               津村公博・中村真夕監督
イメージ・フォーラム               新宿K’sシネマ          
5月                         6/30~7/13
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映画「嵐を呼ぶ十八人」   監督:吉田喜重 出演:早川保、香山美子

トップ遠景2

  裕次郎やクレヨンしんちゃん、の映画ぢゃない。

門出  いい映画だ。
  呉の造船現場を扱う 鉄や錆や汗の臭いがする話だが、お作法がおしゃれなので映画は意外にさらりとしている。緻密な配慮、よく出来ている映画。頭のいい人が作った感じだ。どことなくフランス映画の芳香が漂う。例えばライティングの強弱の表情を楽しめる。例えば自動車の写し方が綺麗。また18人の立ち位置レイアウトは、当時のちょっと進歩的な舞台演劇を観ている感じ。



レイプ犯人捜し  大阪で職にあぶれた若い奴ら、中卒すぐ位から二十歳前の男たち、18人。もちろん互いに知らない間柄。手配師(芦屋雁之助)に職を斡旋されて、呉の小さな造船所にやって来た。非正規雇用。ジャンル的には臨時工で流れ者。鉄板を加工し溶接する。倉庫のようなワンルームに二段ベッドが並ぶ寮。
  反抗心はみんな人一倍だが、世間様に対して押し黙る知恵はある。押し黙らないのは、仲間うちだけ。だから仲間うちの境界線の引き方は、生きざまそのものだ。そんな奴らが呉に来て、一緒に住む。18人の中のどこに境界線があるか、手探りがはじまり喧嘩に。結果はみんな仲間、リーダーも決まった。

ふたり3  話の主人公は彼ら18人だが、映画の主人公は、島崎(早川保)。彼も臨時工だが、呉に来てもう長い、ベテランで腕はいい。ただし一本気で一匹狼、だから周りからは多少変人扱いされている。後に妻となる彼女ノブ(香山美子)がいる。
  この島崎が18人の寮の管理人を兼任することになった。同時に彼の給料前借帳消しのため。境界線外の島崎は18人の面倒をみることになる。一定の距離を置きながらも、徐々にお互いを受け入れ始める。


救出  この辺から映画が動き出す。
  不況の風で、造船所の正社員は組合ストライキで職場放棄。だが仕事は進めなくてはならない経営側は臨時工頼みになった。残業に次ぐ残業でみんな儲かった。その金持って呉の街で遊ぶ。パチンコ、ストリップ劇場、映画、ビアガーデン、ダンスできるゴーゴー喫茶。地元の若いもんと喧嘩になる。18人のひとり清一がやられて負傷。清一は相手のボス(平尾昌晃)を覚えていて仕返しを狙った。ついに市電の中でそのボスを刺す。

九州へ  造船所はついに臨時工の契約期間延長をしなかった。手配師は彼ら全員を九州へ送ることにした。そんな時、清一の母(浪花千栄子)が大阪からやって来て清一を引き取ると言う。
  手配師は17人の切符を買って呉駅で待っていた。九州へ向かう17人と手配師は列車に乗り込む。プラットホームで見送る島崎、清一母子たち。
  列車が動き始めたその時、清一は列車に飛び乗った。驚く母。
  18人は仲間だ。手配師が折詰と酒の小瓶を配り、車内はまるで修学旅行!・・・・・

  随所に抑制をきかせている。                     
  島崎があれ以上、18人に近づくと教師のようで臭くなる、その直前で止めて平板な話になるのを避けている。
  相手の18人、暗く重くならない程度の塩梅と、個の背景を詳しく描かない。その18人の見せ方が妙味。
  裏返せば分かりづらく欲求不満な映画。幼いが無頼の若者が体制や悪に立ち向かう大衆性はなく、若者が身を崩していくといった憐憫の情も誘わない。

  脇役がいい。
  特に、ノブのおばあちゃん役の浦辺粂子と、大阪から無賃乗車で呉に来た清一の母親役・浪花千栄子。お二方ともに脇役でチョイ役ですが、誰にも真似などできない、いい仕事!!してます。

  造船所は彼らを「製缶工」と呼ンでいる。鉄板を自在に組立加工溶接し塗装する。18人中、何人まともに技能があるのか。
  手配師(芦屋雁之助)をみんな「たこ師」と呼んでいる。今で言えば派遣か紹介かだが、合法なのか非合法なのか。
  呉は戦前は呉海軍工廠で「戦艦大和」が建造され、東洋一の軍港・日本一の工廠だった。だから敗戦後、米軍(進駐軍)は呉にも駐屯した。彼らが持ち込んだのが「かまぼこ兵舎」 これが米軍から払下げられて18人の宿舎になった。
  ある事件が理由で、呉市から広島市へ去ったノブに会うため島崎は広島に向かう。そしてナイターの広島球場で彼女と出会えた。このシーン、結構長くて、広島・中日戦が実際に行われている。そして中日の中継ぎ投手として、今やタレントの板東英二が投げている。(1959年、中日ドラゴンズに入団)

船
原題:18 Roughs|
監督・脚本:吉田喜重|1963年|松竹|108分|
原案:皆川敏夫 |撮影:成島東一郎|
出演 早川保 (島崎宗夫)|香山美子 (石井ノブ)|
<18人>
松井英二 (日出男)|岩本武司 (新吉)|木戸昇 (やすお)|西村勝吉 (良夫)|新治俊夫 (米二郎)|吉田茂久 (としお)|安田張介 (正夫)|近藤たかし (みのる)|安川洋一 (あきら)|広瀬義宣 (輝男)|生島孝治 (清一)|池戸英夫 (すすむ)|西京利彦 (ひろし)|山名良忠 (まもる)|中井忠行 (つとむ)|鳥居健造 (春夫)|田中康弘 (かつみ)|石田裕志 (たかし)|
<脇を固める名優たち>
殿山泰司 (造船所の村田係長)|中村芳子 (村田安江)|根岸明美 (村田の娘で教師、18人の面倒を見る久子)|三原葉子 (ノブの母・石井スミ)|浦辺粂子 (ノブのばあさん・石井ギン)|芦屋雁之助 (手配師・森山)|浪花千栄子 (清一の母)|平尾昌晃 (街のヤーさんボス・和夫)|

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時には夜空を見上げてみろ!

  • Posted by: やまなか
  • 2012-05-06 Sun 06:26:02
  • 一話
順調にいけば、今夜は満月だ。
よく見ると、いつもより大きく見えるはず。
明るさも30%増しで明るいはず。・・・月が地球に接近するコースを回っている、らしい。

そして、
今年の8月、満月は 「2度」 見れる。
8/2 と 8/31 が、満月らしい。

満月

映画「踊子」  監督:清水宏  出演:淡島千景、京マチ子

  面白くない。
  荷風、浅草、そして淡島千景という事で、いそいそ京橋に行ったが残念でした。

  話の展開や演出が、とても古臭い。 ・・・私には限界だ。
  そして作り手の、ああしてこうして、こうしようが、見えてしまう。
  それに、清水宏の、なんて言うか・・・生徒会長・臭は、肌にあわない。

  しかし、賑わう浅草六区、浅草寺に至る仲見世通り、そして仲見世の左右の脇道にある呑み屋のシーンがいい。

  淡島が光らない。
  京マチ子の演技、なんとかしてくれ。

監督:清水宏|1957年|96分|
原作:永井荷風|脚本:田中澄江|企画:中代冨士男、久保寺生郎|撮影:秋野友宏|
出演:淡島千景 (花村花技)|京マチ子 (妹・千代美)|船越英二 (山野)|
田中春男 (シャンソン座振付師・田村)|藤田佳子 (踊子てる子)|穂高のり子 (踊子とし子)|町田博子 (アパート管理人)|楠よし子 (お妾)|酒井三郎 (楽屋番)|平井岐代子 (女将)|阿井美千子 (はぎ江)|藍三千子 (看護婦)|香住佐代子 (付添婦)|新宮信子 (踊子)|半谷光子 (踊子)|西川紀久子 (踊子)|坪井美知子 (踊子)|明石百合子 (踊子)|千歳恵美 (踊子)|桜井喜美子 (踊子)|真杉美智子 (芸妓)|白井玲子 (芸妓)|花村泰子 (芸妓)|津村雅弘 (演出助手)|伊達正 (羽子板や)
淡島         京

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映画「フロスト×ニクソン」  監督: ロン・ハワード

トップ22

  エンターテイメントな映画です。
  事実をもとにした政治スキャンダルの話ですが、ウォーターゲート事件について、知らなくても楽しめます。

発想  アメリカの元大統領ニクソンと、お笑い出身の人気TV司会者フロストの、ふたりのトークショー・バトルが話の中心。
  自身が引き起こしたウォーターゲート事件によって、大統領を辞任した後に行われた収録。この収録に至るまでには、トークショーを企画したフロスト側と、承諾した元大統領サイドとの、事前のつばぜり合いや探り合いが丁々発止とあり、映画は緊張感を高める。
  フロスト側は前代未聞の視聴率をたたき出すインタビューを狙う。つまりインタビュー中にニクソンの口から、新しい真実や罪の告白を引き出そうとしている。ウォーターゲート事件に詳しいブレーンを雇った。
  一方ニクソン側は、一直線に名誉回復・政治家復帰アピールを強く狙う。ニクソン信奉者が作戦を練る。お笑いタレントだろ? 選挙にすら行った事ない男フロストなんて所詮相手にならない。

戦略  フロストが心を砕いた事は三つ。出演料としてニクソンに渡す200万ドルの出資集め。そして番組を買い放映してくれるTV局捜し。しかし収録当日になっても、両方ともうまくいかない。まして、ニクソンをやり込める決定的な攻め口が見つからない・・・。追い打ちはフロストが長年務めた番組から契約破棄を言い渡される。フロストごときが余りに無謀なことを、さらには成功したらしたらで業界では生きて行けまい。そんな声。観客は次第に映画に引き込まれていきます。
  結局、収録された映像は、1977年に実際にTV放映され、最高の視聴率を記録したそうです。

  合法の橋だけを渡っていれば何も問題はないが、無理を承知で時に非合法の橋も渡る。渡るのは政治家で、見守ったのか、渡らせたのか、それは当局の意思、なんて事はあるんだろう。
  事後処理は、いや事前処理は、物事のツジツマを精緻に合わせること。文書が公開される意義と必要性を考えさせられる。

TV実画面  原題:Frost/Nixon|
  監督:ロン・ハワード|アメリカ|2008年|122分||
  原作・脚本:ピーター・モーガン|撮影監督:サルヴァトーレ・トッチーノ|
  出演:フランク・ランジェラ (Richard Nixon)|マイケル・シーン (David Frost)|ケヴィン・ベーコン (Jack Brennan)|レベッカ・ホール (Caroline Cushing)|トビー・ジョーンズ (Swifty Lazar)|マシュー・マクファディン (John Birt)|オリヴァー・プラット (Bob Zelnick)|サム・ロックウェル (James Reston)|

  ← 実際の放映映像

  ニクソン大統領とは?・・・・ウィキペディアのページへ





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映画「めぐりあい」  監督:恩地日出夫   主演:酒井和歌子

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江の島 磯

江の島  酒井和歌子の初主演作。
  こういう表情ができるのだから、みんな映画館に観に行ったのでしょう。
  江の島。白い水着が眩しい。
  この映画の甘い主題歌を聞いてほしい。今の耳でもそんなに悪くない。武満徹作曲、当時のソングライター荒木一郎・作詞。  
  http://blogs.yahoo.co.jp/music1960_70/54501277.html


駅プラットホーム  ま、この映画、酒井和歌子を除くと何も残らない。
  それでもあえて言えば、電子化する前、川崎の工業がまだ解りやすかった時代が印象的だ。
  写真はJR川崎駅の南武線プラットホーム。茶色い電車。
  朝の出勤時ラッシュアワー、川崎駅の改札を出て大勢が階段を下りる。今井(酒井和歌子)は卸の金井ベアリング商会の店員、江藤(黒沢年雄)はオリエンタル自動車の組立ラインの従業員。2社とも駅から徒歩で行ける。オリエンタル自動車の社員食堂が悲しい。メニューはひとつ、選択肢は無い。ベルトコンベアーにのって次々に出てくる。お皿のプレートに乗っている おかずのひとつがヒジキだが、ほかのおかずに比べ量がある。「でも大企業ね」と街の商店勤めの今井(酒井和歌子)は羨ましい。のちに彼女は転職し、横浜市戸塚のドリームランドという遊園地に勤める。

家の前  今井(酒井和歌子)の自宅はこの家の裏だ。
  母(森光子)と弟の三人家族。弟は友達数人を集めてフォークギター。歌声喫茶からフォーク/ロックへの過渡期の時代。

  黒沢のおどけた演技が胸に痛い。こんな演出に誰がした?


原題:Two Hearts in the Rain|
監督:恩地日出夫|1968年|91分|東宝|
脚本:山田信夫、恩地日出夫|撮影:田島文雄|音楽:武満徹|
主題歌 “めぐりあい” ビクター・レコード
      作詞:荒木一郎/作曲:武満徹 唄:荒木一郎

向き合う出演:黒沢年雄 (江藤努)|酒井和歌子 (今井典子)|
桑山正一 (父・定年で失職・江藤順平)|菅井きん (母・江藤きよ)|黒沢博 (弟・大学進学したいが・・・江藤宏)|工藤富子 (妹・江藤友子)|
森光子 (母・今井雅枝)|池田秀一 (弟・今井一郎)|有島一郎 (叔父・今井正治)|
進千賀子 (ミス・オリエンタル自動車・工場管理部門・石川綾子)|田村亮 (石川綾子の恋人・白井)|当銀長太郎 (佐々木)|木波茂 (松本)|木下陽夫 (吉田)|赤木春恵 (おばさん)|川辺久造 (部長)|丸山謙一郎 (関口)|峰岸徹 (井上)|佐田豊 (渡辺)|柴田昌宏 (自動車修理工場の従業員・この男から江の島行のダンプトラックを借りた・前田)|佐川亜梨 (前田の女友だち)|深井聰子 (青線の女)|宮田芳子 (青線の女B)|大木小枝子 (青線の女C)|若宮忠三郎 (ベアリング店社長)|小川安三 (月賦屋)|浦山珠実 (売店の女)|勝部義夫 (バーテン)


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映画 「アトムの足音が聞こえる」  音響デザイナー:大野松雄

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  ドキュメンタリー映画の主人公は大野松雄。日本最初の音響デザイナー。
  鉄腕アトムの歩く音、あの独特の音、ピュコピュコや飛ぶ音なんかをデザインしたことで有名。

<音響デザインって?>
  音を出発点に、メロディーやハーモニー、リズムに向かえば音楽だ。
  一方、音楽への方向じゃなく「物音」に関心が進めば、楽器以外の音響で、映像や空間に働きかけて何かを表現しようというデザインの仕事になる。例えば、スカイツリーに対する照明デザインに近いじゃないかな。

<大野松雄のスタート>
ライブ  大野松雄は舞台演劇の効果音に飽き足らなかった。今までに無い世界を模索していた。そして電子音楽のカールハインツ・シュトックハウゼンに出会う。
  「血液 止血のしくみ」(1962年)という教育映像が最初の仕事だった。顕微鏡映像で、血小板が踊っている。彼はこの映像に「音楽」ではなく「音」をつけた。黎明期の前衛的な電子音楽(現代音楽)の領域から大きな影響を受けた結果が実る。この映画、教育の場面以外に映像芸術として当時観られたそうです。
  今ならシンセサイザーで効果音を作るところだが、当時のシンセは真空管をたくさん使ったとても高価なものだった。手が届かない。
  そこで、アナログ録音したテープを切り貼りしたり、エフェクトをかけながらテープの回る速度数を変えたり、逆回転させたり再生したり。オープンリールのテープデッキを複数台駆使して音をつくった。そもそも、黎明期の電子音楽も録音テープを使っていた。

<鉄腕アトムは金属製か>
  次の仕事が、テレビ放映の準備を始めたアニメ「鉄腕アトム」だった。
  テレビ局のプロディーサーが手塚治虫に紹介した。大野と手塚は意気投合したらしい。また白熱した議論も多かったらしい。
  アトムの足音、あのリバーブのかかったピュコピュコした音を作り出す。
  大野の発想はアトムの足は樹脂製と考えたらしい、そして思いついた音がピュコピュコとなった。
  効果音の開発に熱中して満足すると、大野はアトムに飽きる。飛ぶ音、着地する音、墜落する音、お茶の水博士が慌てる時の音などなど、一通りの音を作ってしまえば、記号化される。後は当てはめるだけだ。アシスタント任せだったらしい。

発表会<アニメ以後>
  その後、彼は障がい者を扱うドキュメンタリー映画に携わることになる。そして現在は障がい者の施設で働いている。
  本作「アトムの足音が聞こえる」では、ラストに最近おこなわれた大野のライブコンサートが収録されている。

<映画に登場する大野の作品リスト>
  「血液 止血のしくみ」1962年
  「鉄腕アトム」1963年~ 
  「夜明け前の子どもたち」1968年
  「土くれ 木内克の芸術」1972年
  「光の中に子供たちがいる 三部作」1974-1977年
  「あざみ寮もみじ寮 今日もみんな元気です」1975年
  「飛鳥を造る 法輪寺三重塔といかるが寺の工たち」1976年
  「あそびの中にみる子どもたち」1996年
 (映像では紹介されないが、アニメにおいてはルパン三世の初期や宇宙戦艦ヤマトなどにもかかわった)

オープンリールアンサンブル<オープンリール・アンサンブルが面白い>
  この映画で出てくる音楽グループ。大野のライブで共演している。テープデッキをコンピュータに制御させての音楽。いい感じ。大野に録音テープのノウハウを伝授してもらっているのが印象的だった。

  オープンリールとは?・・・・・ウィキペディアへ

大野  監督:冨永昌敬|2010年|82分|東風|
  企画:坂本雅司|
  登場する方々:大野松雄|柴崎憲治|竹内一喜|大和定次|杉山正美|高橋巖|柏原満|桜井勝美|田代敦巳|町田圭子|小谷映一|ひのきしんじ|松田昭彦|OpenReelEnsemble|齋藤昭|涌井康貴|村上浩|由良泰人|レイ・ハラカミ|金森祥之





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映画「記憶の棘」   監督:ジョナサン・グレイザー 主演:ニコール・キッドマン

少年

  スリリングでサスペンスな展開。すなおな映画です。

会う  「自分はショーンだ」
  10年前に死んだ夫ショーンが、少年の姿で未亡人アナの前に現れる。アナ(ニコール・キッドマン)
  続けて少年は言った。「再婚はやめろ」
  ショーンを愛したアナは再婚の気は無かった。しかしジョゼフの執拗な誘いに負けて再婚する事になっていた。
  少年の出現は周囲を驚かせた。生まれかわりという超自然現象を信じる者はいなかったが、違うという証明は必要だった。徐々に分かることは、アナとショーンの2人しか知らないことを知っている・・・。アナは親族を押し切って、少年ショーンと生きることを密かに考え始めた。「10年経てば、あなたは21歳ね。その時結婚しましょう・・・」

nyセントラルパーク  そして映画はクララを登場させる。
  生前の、ショーンの親友クリフォードの嫁はんである。クララは少年に密会し言う。「あんたはショーンじゃない」 生前のショーンが愛した私に、なぜ最初に会いに来なかったの?
  落ち込み うな垂れる少年は、バスルームでアナにつぶやく。「自分はショーンじゃない・・・」
  驚くアナ。わけはひとことも言わない少年。


  さてさて話はどっちに向かっていくのか・・・・。お楽しみ。 
  
アナ原題:BIRTH|
監督:ジョナサン・グレイザー|アメリカ|2004年|100分|
脚本:ジャン=クロード・カリエール、ミロ・アディカ、ジョナサン・グレイザー|
撮影監督:ハリス・サヴィテス|
出演:ニコール・キッドマン (アナ)|キャメロン・ブライト (ショーン少年)|
ダニー・ヒューストン (新しい恋人・ジョゼフ)|ローレン・バコール (アナの母・エレノア)|アリソン・エリオット (アナの姉・ローラ)|アーリス・ハワード (ローラの夫・ボブ)|ピーター・ストーメア (生前のショーンの親友・クリフォード)|アン・ヘッシュ (クリフォードの妻・クララ)|テッド・レヴィン (少年の実父・コンテ)|カーラ・セイモア (少年の実母・コンテ夫人)|ミロ・アディカ (ジミー)|

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「けものがれ、俺らの猿と」  監督:須永秀明

0トップ4  何だこりゃ! 難解! 意味不明な・・・、こういう映画、嫌いじゃないから観ます。

  その場その場のシーンはみせてくれますが、もう少しレイヤーを上げて欲しいな。
  小松方正にはもう一味やって欲しいところだ。
  例えば温泉街の四つ角で、あちこちから楽団やらが行列を組んで集団でやってくるシーンが印象に残ります。
  不条理コメディなんて言ってるが、そもそも毎日の現実は、不条理のカケラでできている。わかんない内に観終えてしまいます。



監督:須永秀明|2001年|107分||
原作:町田康|脚色:木田紀生、久保直樹|撮影:北信康|
出演:永瀬正敏 (佐志)|小松方正 (楮山)|車だん吉 (義父)|鳥肌実 (田島)|降谷建志 (青年)|ムッシュかまやつ|松重豊|石堂夏央|手塚とおる|鮎貝健|中山マリ|山本ふじこ|立川志らく|奏谷ひろみ|濱本康輔|阿部能丸|IKKAN|森下能幸|仁科|蒲生純一|ゴリ|


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映画「キッドナップ・ブルース 」  監督:浅井慎平

少女

  写真家・浅井慎平の映画。写真家らしく、何を撮っても映像はきれい。
  話は母親に面倒みてもらえない女の子が、近所のおじさん(タモリ)を慕うようになる。そして自転車でふたりはあての無い旅に出る。で、子供誘拐(キッドナップ)。ストーリーはほぼ無い。

  出演者がすごい!!
  下の出演者リストをみてもらいたい。たぶん、出演者が決まってから、その人にあてがうシーンを作っていって、それをパッチワークし、タモリと女の子がそのパッチワークを繋いでいく・・・そんな映画。そしてたぶん皆、友情出演だろう。

  30年前の作品だから・・・。
  タモリをはじめ登場する方々が、信じられなく若い。亡くなられた方も多い。

  淀川長治・岡本喜八
  冒頭の居酒屋店内のシーンで楽しそうに呑んでいる姿が映し出される。

  伊丹十三
  夜の浜辺でタモリがたき火をしていると、伊丹十三が暗闇から突然ぬーっと現れ、一方的に躁鬱症の話をして去る。後の自殺を考えると不気味!

  山下洋輔・・・現役です!
  夜の河原に置き去りにされた福山ピアノでフリージャズ。演奏中に黒鍵が取れる。そののち、タモリと少しジャズ談義、とても白々しい会話が笑える。

  川谷拓三・内藤陳
  川谷は田舎で農業している。近所の人と酒を呑んでいるシーン。ゆがんで、はにかむ川谷独特の笑顔。タモリに挑戦するかのように、突っ込みの演技をする内藤陳。歳も芸歴も内藤が先輩だ。
        

海 自転車英題:KIDNAPING BLUES|
監督・脚本・撮影:浅井慎平|1982年|93分|
音楽:山下洋輔|
出演:タモリ (男)|大和舞 (少女)|
淀川長治 (居酒屋の客)|岡本喜八 (居酒屋の客)|山下洋輔 (ピアニスト)|
藤田弓子 (旅館女中)|桃井かおり (少女の母)|川谷拓三 (農家の男)|竹下景子 (女教師)|内藤陳 (景品屋)|佐藤B作 (タクシー運転手)|室田日出男 (酔客)|宮本信子 (旅館の娘)|沢渡朔 (写真家)|伊丹十三 (散歩の人)|渡辺文雄 (屋台の主人)|所ジョージ (オートバイの男)|米山功 (理髪師)|吉行和子 (BARのママ)|高見恭子 (BARのホステス)|根津甚八 (酔客)|森健一 (酔客)|小松方正 (質屋)|


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映画「雲の上」  監督:富田克也 (空族)

トップ  いい映画だ。
  8ミリで撮影された。そのワイルド感と録音ノイズ、その場一発撮り的な、生なライブ感が織りなす映像は観客をとりこにする。
  そしてシラス役の鷹野毅(写真左)が何とも言えず、素晴らしい!! 
  世間からこぼれ落ち、生活力もなく、何をやらせても頼りない、実に弱々しい男シラス。でも切に自分を生きたい、そう願うシラスを深い共感を持って切々と演じている。シラスが主人公とも言える映画。

  舞台になっているこの地域は、霧が深く、滝があり、竜神様が祭ってあって、その傍らに古くから紅雲院という寺が建てられていた。そして伝説が伝わっている。その昔、寺に住み着いた女が周囲の蛇を集め滝壺から一筋の紅の竜雲となって天に昇っていった。そんなわけで、紅雲院はこのあたりじゃ、古刹。

  ま、要するにその寺の長男で悪がきチケンと、親を知らない小柄なシラスは幼なじみ。性格も体格もまるっきり違うが気が合う。子供のころシラスは何もかもが嫌になり、村を出る決意をした。人目を忍んで深夜に歩いて奥深い山を越える、それを聞いたチケンは付き合おうと言って一緒に山を歩いた。しかし、あまりに霧深い夜で、山越えを断念した。

  チケンの寺の本堂の奥、ご本尊の裏に隠れ部屋が昔からある。ここで賭博をやっている。地場のやーさんたちの稼ぎの場を提供しているのだ。そんなこともあってチケンは村では肩で風を切って歩ける。だからか、誰かと喧嘩して刑務所行き。やっと出所して来たところで映画は始まる。

  シラスに久方ぶりにあった。女連れてカッコウだけはチンピラだが、組では下の下。理由なく毎日兄貴分に殴られている。生傷が絶えない。シラスはオドオドとチケンに言う。組を抜けたい。チケンはすぐさま昔、山越えできなかったことが頭を過り、シラスを助けようと決める。

  一方、組の親分からシラスに指示が出る。白い粉の受け取りのための東京行だ。チケンが運転するアメ車でシラスは東京へ向かうことになる。指示された仕事は簡単なはずだったが・・・。さてさてシラスとチケン、それに相手方の怖い組員たち、そして紅雲院伝説も絡んで波乱万丈のストーリーが東京の街で展開する。アクションシーン、笑えるシーン、そして色っぽい幻想シーンありだ。

  そしてラスト。東京から先に町に逃げ帰ったシラス。案の定、縛られ、組の車のトランクに押し込まれて、どこかへ運ばれる。後ろで泣き叫ぶシラスの声がウザったいやーさんは、カーラジオをつけろと言う。と、薬師丸ひろ子が流れ出す。ここでの印象がきっと後に残ります。
  東京で大暴れし辛うじて難を逃れたチケンも町に戻ってきたが、我を失って自暴自棄でいる。
  バイクに乗ったそんなチケンは、シラスを運ぶ車と道で偶然すれ違うんだが・・・・。

  2回観たが、また観たい。奥がある映画だ。
  上映後の富田克也氏と相澤虎之助氏の掛け合いトークショーが面白い。機会があればぜひ見てください。
  かれら空族の生き方に共感をおぼえます。

監督:富田克也|2003年|140分|8mm→DV|
脚本:富田克也、井川拓、高野貴子|撮影:高野貴子|
出演:西村正秀(チケン)|鷹野毅(シラス)|荒木海香|古屋暁美|伊藤仁|相澤虎之助|

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映画「明日やること ゴミ出し 愛想笑い 恋愛。」   監督:上利竜太  主演:谷村美月

桜お笑い映画です。
売り文句:「日本テレビ・バラエティースタッフがおくる、
             テレビ業界をリアルに描いたマル秘問題作!!」

ペラペラです。ストーリーなんてほぼ無いですが、ハッピーエンドになります。
主人公の桜(谷村美月)は、新人AD。
ヘマ、ミス多発。凹むが起き上がる。
上司の和田ディレクター(六角精児)に、事あるごとに「死んでくれ!」と怒鳴られる。
こんな桜をみていると、凹んでいる方、勇気づけられます。ミスったっていいじゃないか、と。

次々に登場人物が紹介されます。女性が多い。各人、どぎつい個性と人物描写。
特にテレビ局の事務職の女性たち、ツボネ軍団はすごい。
そして、番組制作会議風景がいい。社外の先生たちが集まりミーティングなんですが、、
ああ、こんな感じなんだ・・・と舞台裏がみえます。真実は知りませんが。

テレビ局の女たち  テレビ局のエレベーターで、桜がマツコ・デラックスと乗り合わせます。
  他に人はいません。ふたりだけ。この時のシーンがいい。

  凹みに凹んだ桜は、ある晩、遭遇した飛んでもない事件を撮影したことから、一躍注目され、ディレクターに昇進することになります。
  谷村美月のさわやかさが映画全編のエンジンになっています。


  監督:上利竜太|2010年|92分|
  よしもとクリエイティブ・エージェンシー|
  脚本:桜井慎一 、椎名基樹 、赤松義正|
  出演:谷村美月(桜美散)|西田尚美(堂本照子)|六角精児(桜の上司・和田)|山下容莉枝|鈴木美恵|宍戸美和公|久保田磨希|江口のりこ|マギー|村松利史|酒井敏也|山口純|坂田利夫|品川徹|松崎しげる|新山千春|マツコ・デラックス|桂歌丸(特別出演)



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映画「コンフェッション」  監督:ジョージ・クルーニー

トップ  CIAの秘密工作員チャック・バリスは、元々うだつの上がらないTVプロデューサーだった。ある日、工作員に何故かスカウトされ厳しい訓練を受けた。結果世界各地で33人の暗殺を手掛ける。

  彼は大衆が望む、今までにない発想で番組を作りたい。そんな夢は捨てなかった。
  そして秘密工作員活動が始まるその頃から、TVの仕事もうまくいき始める。で、二束のワラジのチャック・バリスの話はブイブイ進む。
  本人の自伝をもとにしたこの映画。秘密工作員なんて話、自伝の売り上げを上げるためのプロデュースだったのかも? 真実はわかりません。
  しかしチャック・バリスが実際に企画した、視聴者参加型の娯楽お笑い番組「ゴングショー」「デートショー」の当時の映像が観れます。1960年以降、娯楽を求めるアメリカ大衆の強い力を感じます。CSで放映されてる歌唱力を競う「アメリカン・アイドル」なんかの元祖ですね。

  んで、この映画をピックアップした理由。
  映画「フロスト×ニクソン」を観ていて、TV番組制作系の映画があったよな・・・・なんだっけっかな? でした。


監督:ジョージ・クルーニー|アメリカ|2002年|113分|
原作(自伝):チャック・バリス|脚本:チャーリー・カウフマン|撮影:トム・サイゲル|
出演:サム・ロックウェル (Chuck Barris)|ドリュー・バリモア (Penny Pacino)|ジョージ・クルーニー (Jim Byrd)|ジュリア・ロバーツ (Patricia)|ルトガー・ハウアー (Keeler)|マギー・ギレンホール (Debbie)|


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映画「修羅雪姫」・「修羅雪姫 怨み恋歌」  監督:藤田敏八 主演:梶芽衣子

「修羅雪姫」
1 傘 雪  明治7年、神奈川県八王子、雪降る東京監獄八王子分監から話は始まる。
  この映画は、残念だが次作「修羅雪姫 怨み恋歌」の前置き編という程度の完成度だ。つまりは、雪(梶芽衣子)の存在で辛うじて作品になっている。 男優の勢いが弱い。黒沢年雄、仲谷昇たちがふにゃふにゃだ。唯一、映画冒頭の小松方正が様になっている。人力車に乗った小松が雪に狙われるシーン。小松が子分たちに向かって言う。「そいつを雇ったやつの名を吐かせろ!」 このセリフひとつで、このシーンが成立した。
  敵に囲まれた梶芽衣子が雪降る中、空中高く舞い上がり、一回転して身をひるがえす。蛇の目傘の仕込み刃が闇を切る。
  そうだ、この映画、冒頭シーンだけ冴えている。  

監督:藤田敏八|1973年|97 分|東宝|
原作:小池一夫(作)、上村一夫(画)|脚本:長田紀生|撮影:田村正毅|
出演:梶芽衣子 (鹿島雪)|赤座美代子 (鹿島小夜)|大門正明 (鹿島剛)|内田慎一 (鹿島司郎)
楠田薫 (三日月お寅)|根岸明美 (タジレのお菊)|西村晃 (道海和尚)|高木均 (松右衛門)|岡田英次 (塚本儀四郎)|中原早苗 (北浜おこの)|仲谷昇 (竹村伴蔵)|地井武男 (正景徳市)|黒沢年雄 (足尾竜嶺)|中田喜子 (竹村小笛)|小松方正 (柴山源三)|長谷川弘 (勝目大八)|松崎真 (代貸)|阿藤快 (子分)|大倉賢二 (子分)


「修羅雪姫 怨み恋歌」
浜辺 立ち回り  時が経ち明治39年からのストーリー。前作より線が太い。作り手の視界が広がった。時代劇臭が消えた。脇役が充実している。とりわけ伊丹十三の存在が圧倒的だ。原田芳雄、吉行和子が霞む。
  敵の配役もいい。この映画、実は胡散臭い二流映画かも・・・という、もしかしての思いが、敵陣を見て徹底的となる、この嬉しさがたまらない。監督の、一作目の迷いが消えたんだろう。ただ、立ち回りだけは、前作の方に軍配があがる。そして、梶芽衣子は剣先でなく眼力で悪を切る。

悪3人

浜辺監督:藤田敏八|1974年|89 分|東宝||
原作:小池一夫、上村一夫|脚本:長田紀生、大原清秀 |撮影:鈴木達夫 |
出演:梶芽衣子 (鹿島雪)|伊丹十三 (徳永乱水)|吉行和子 (徳永あや)|原田芳雄 (徳永周介)
岸田森 (菊井精四郎)|安部徹 (寺内謙道)|山本麟一 (丸山警部)|南原宏治 (蜍)|広瀬昌助 (柴由悠太郎)|溝口舜亮 (関口英三)|浜田晃 (岡田太吉)|石矢博 (吉沢)
わな   伊丹
鮫   鮫 原田

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映画「ルイーサ」  監督: ゴンサロ・カルサーダ

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事務所  ブエノスアイレスに住む独身、一人住まいの女性ルイーサは、ふたつの仕事を長年続けて来れた。
  ひとつは霊園の管理事務所。もうひとつは、年老いた女優の時間制家政婦。ところが事もあろうに同じ日に、霊園経営者から女優から契約解除が言い渡される。
  ルイーサはもうすぐ60歳になる。築きあげてきた生活設計がガタガタ崩れる。退職金も出ない。嘆くルイーサ。
  なぜか貯金もなく、解雇その日、彼女の手元にあるお金は小銭だけ。そのうちに、奮起して前向きに生き始めるのだが、話がどうも極端で観てられない。
  ただし、ブエノスアイレスの街や、地下鉄の車内・構内そしてサウンドが何度も映し出されて、ブエノスアイレス行ってみたい派には、嬉しいかもしれない。
  コメディ&チョイ観光映画として観ましょうか。

地下鉄英題:LUISA
監督:ゴンサロ・カルサーダ|アルゼンチン、スペイン|2008年|110分|
脚本:ロシオ・アスアガ|撮影:アベル・ペニャルバ|
出演:レオノール・マンソ (Luisa)|ジャン・ピエール・レゲラス (Horacio)|エテル・ロージョ (Sra Gonzalez)|マルセロ・セレ (Jose)|


テラス

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映画「新宿泥棒日記 」  監督:大島渚

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  観ておくべき映画かもしれない。
  その後に生まれた人でも、1969年、あの夏の新宿にタイムトリップできる映画。
  あるいは、状況劇場の舞台をのぞき見たい人、どうぞ。

紀伊国屋  新宿三越でお買い物、高野フルーツパーラーでお茶という おば様たちも大勢いたわけだ。
  しかし40数年前の新宿は、真昼間から この映画のようでもあった。
  新宿についてのどんなドキュメンタリー映画よりも、本作品が新宿ドキュメンタリー映画として残ったようだ。声高に語らない静かな映画です。

  紀伊國屋書店の店内シーンが多い。
  主人公の横尾忠則じゃないが、あれもこれもとジャンルを越えて、欲しい本がいっぱいあった。
  当時、確かな情報源は、書籍から花園神社の張り紙まで、もっぱら印刷物だった。
  だからこそ、相対的に芝居や映画の価値が今より あったのかもしれない。

状況
  唐をはじめ、状況劇場の人々が若く輝いている。時代を作っていた。


表紙




監督:大島渚|1969年|ATG|97分|
脚本:田村孟、佐々木守、足立正生、大島渚 |撮影:吉岡康弘、仙元誠三|
出演:横尾忠則 (岡ノ上鳥男と名のる青年)|横山リエ (鈴木ウメ子と呼ばれる女)|田辺茂一 (田辺茂一氏)|高橋鉄 (高橋鉄氏)|佐藤慶 (佐藤慶氏)|渡辺文雄 (渡辺文雄氏)|戸浦六宏 (戸浦六宏氏)|唐十郎 (唐十郎氏)|麿赤児 (状況劇場の人々)|大久保鷹 (状況劇場の人々)|四谷シモン (状況劇場の人々)|不破万作 (状況劇場の人々)|九頭登 (状況劇場の人々)|藤原マキ (状況劇場の人々)|李礼仙 (状況劇場の人々)|


 浅井慎平の映画「キッドナップ・ブルース」で、渡辺文雄が屋台のおでん屋で、タモリ相手に小難しい事をぶつぶつ言っているシーンがあった。それでこの映画を思い出した。  

紀伊國屋書店のあゆみ1955年~ 公式サイトの沿革ページに行く



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プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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