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2012年06月 Archive

映画「アニー・ホール 」  監督:ウディ・アレン  出演:ダイアン・キートン

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  1977年ニューヨークのちょいと知的なラブストーリーとでも言いましょうか。
  ウディ・アレンの、聞いてられないおしゃべりをなんとか我慢できる映画。
  それは一般受けする笑いが多いからかもしれない。

監督  冒頭から監督がしゃべくったり、シーン中にカメラ目線で語りかけたり、元々話す事を、それもどうでもいい事をたくさん抱え込んでいる。  監督兼主役だから、主人公アルビー・シンガーの話か、アルビー・シンガー役のウディ・アレンの話か、混在している風が当時は新鮮だったかも。
  ダイアン・キートンは、寄り添って演技している。というか我行く道・風か。彼女のサバサバ感が映画をウェットにしない。ウディ・アレンはウェットだ。

  アルビー・シンガーの実家はコニーアイランドのローラーコースターの直下に建っている。「中の下」のユダヤ人一家だ。食事時は家族そろってワイワイ食べる。いい感じだな。ただし、コニーアイランド開園中は家が揺れる。

  映画から話を外す。
  東京・後楽園ドームシティアトラクションにある「スパ・ラクーア」  この建物の上をローラーコースターが走っていて、湯船につかっていると、揺れるんです。
  もうひとつ。ある会社に行ったんですが、広いオフィスの天井、向こうの隅から、ゴロゴロという音がし出して、私の頭上を通過して、あっちに・・・その途端、ガラガラ! 上のフロアーがボウリング場でした。

ポスター  原題:Annie Hall|
  監督:ウディ・アレン|アメリカ|1977年|93分|
  脚本:ウディ・アレン、マーシャル・ブリックマン|撮影:ゴードン・ウィリス|
  出演:アルビー・シンガー (ウディ・アレン)|アニー・ホール (ダイアン・キートン)|ロブ (トニー・ロバーツ)|アリソン・ポーチニック (キャロル・ケイン)|トニー・レイシー (ポール・サイモン)|
パム (シェリー・デュヴァル)|ロビン (ジャネット・マーゴリン)|ミセス・ホール (コリーン・デューハースト)|




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映画「ガス人間第一号 」  監督:本多猪四郎  出演:八千草薫

トップ実験222
トップ情鬼222  
  名誉あるはずの、ガス人間・第一号の、一途な愛は、
  あまりにも美しい八千草薫に届いたのであろうか・・・。

  日本舞踊の家元・春日家をひとりで背負う藤千代(八千草薫)は、家元崩壊の瀬戸際にあった。弟子は四散し資金難にあえぎながらも、家元再生に向けて、新作「情鬼」の公演準備に入っていた。

舞い稽古  超人的な能力を持ってしまった男が、愛のためとはいえ、独善でその能力を使えば犯罪になる。大胆にも自ら名乗り出て、しかも当局の目前で銀行強盗を敢行するガス人間第一号。
  警察は、彼のなすがままを見守るほかに手の打ちようがないのか・・・。
  日は瞬く間に過ぎ、家元の公演当日になってしまった。


刑事たち   定刻に予定どおり公演が始まったが、まったく予想外なことが会場で起きて、事件は驚くべき急展開をするのであった。
群衆 






gas  ラスト英題:The Human Vapor|
監督:本多猪四郎|1960年|91分|東宝|
特撮監督・特技監督:円谷英二|脚本:木村武|撮影:小泉一|

出演:三橋達也 (岡本賢治警部補)|佐多契子 (甲野京子婦人記者)|土屋嘉男 (ガス人間)|八千草薫 (藤千代)|田島義文 (田端警部)|三島耕 (藤田刑事)|小杉義男 (稲尾刑事)|坪野鎌之 (大崎刑事)|権藤幸彦 (堀田刑事)|佐々木孝丸 (警視庁幹部1)|山田圭介 (警視庁幹部2)|草間璋夫 (警視庁幹部3)|緒方燐作 (中谷巡査)|堤康久 (相見巡査)|松本光男 (鎌田)|左卜全 (猫背の老人鼓師)|野村浩三 (川崎)|松村達雄 (池田)|中村哲 (戸部)|山田巳之助 (葉山)|熊谷二良 (梶本)|伊藤久哉 (田宮博士)|村上冬樹 (佐野博士)|山本廉 (西山)|榊田敬二 (留置の看守1)|広瀬正一 (留置の看守2)|岡豊 (観客の男1)|佐藤功一 (観客の男2)|黒田忠彦 (観客の男3)|松本染升 (紋太夫)|塩沢とき (里代)|宮田洋容 (銀行の支配人)|

<ガス人間の作り方>
1注射  2実験ドーム
極秘な薬剤を注射をして、専用の実験ドームに入る。

3実験ベッド  4十日間
ドーム内のベッドに入り、10日間、特殊ビームが照射された。


突っ込み所はいくらもあるが、ここは純愛路線で観よう。
ひとの言いなりにガス人間になってしまう男の幼稚性、芸事しか知らぬ姫君。
すべては、このジイにお任せあれ・・・左卜全(家元の先代からの老人鼓師)
おとぎとして楽しもう。ちょうど「初春狸御殿」のように。 
ポスター1  ポスター2


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映画「PARIS (パリ) 」 監督:セドリック・クラピッシュ

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  いくつものエピソードを連鎖、交差させて、パリを面的に表現しようとしている。
  そして、話の進行具合をみるかのように、パリの街を窓やベランダから俯瞰するシーンが多い。
  さらにエピソードの領域は、地中海を南下しアフリカのカメルーンから地中海を渡ろうとするボートピーピルにまで及ぶ。2008年現在のパリを、それぞれの階層を網羅して描かれているが、焦点が絞り切れず散漫な印象。
  観て損はない映画だが、街の息吹きをとらえるなら、マイケル・ウィンターボトム監督がロンドンを描いた「ひかりのまち」と比べると作品レベルは劣ります。でもパリを楽しめます。
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監督・脚本:セドリック・クラピッシュ|フランス|2008年|130分|
撮影・クリストフ・ボーカルヌ|
出演:ジュリエット・ビノシュ (エリーズ)|ロマン・デュリス (ピエール)|ファブリス・ルキーニ (ロラン・ヴェルヌイユ)|アルベール・デュポンテル (ジャン)|フランソワ・クリュゼ (フィリップ・ヴェルヌイユ)|カリン・ヴィアール (パン屋)|ジル・ルルーシュ (フランキー)|オリヴィア・ボナミー (ディアン)|メラニー・ロラン (レティシア)|オドレ・マルネ (マルジョレーヌ)|ジュリー・フェリエ

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映画「5時から7時までのクレオ 」  監督:アニエス・ヴァルダ

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  1961年のパリの街並みが、次々とめまぐるしく現れる。
  街頭を行く人々、カフェにたたずむ人々。
  大通り、交差点、路地、走る車、商店、街路樹・・・。
  カメラは勢いよく街を彷徨しライブ感の乗りを出す。

ショッピング
ピアノレッスン  パリの住人クレオが主人公だ。
  シングル盤3枚を出している駆け出しの歌手。
  古いシャンソンスタイルから抜け出したポピュラーソング。
  お金持ちのパトロンがいる。

  クレオはこのところ、腹部に違和感を覚えるらしい。病院で検査した。その検査結果は今日の7時に分かる。がんの可能性もある。
  5時にカード占いをしてもらったが、嫌な結果。上の空のショッピングをして、その後ソングライターチームと新曲の打ち合わせ。(ピアニストはミシェル・ルグラン本人・写真中央)

公園  病院に行くのに着替えた服は黒を選んだ。
  友人と会った後、ひとり公園を歩いた。その公園でアルジェリアへ派兵される兵士と会う。漠然とした死の恐怖に直面しているふたり。互いに共感するふたりはバスに乗って病院へ。
  医師と会って言われたこと。「そう心配はいりません。放射線治療は少々きついが必ず治ります。」



  夏のパリは午後10時位まで明るいらしい。まして映画の今日は夏至らしい。
  放射線治療するということは、やっぱりがん、だと思う。
  医師の車が走り去るのを見つめるクレオの表情が硬く辛い。Antoine!しっかり支えてやれ。アルジェリアに行くのは止めておけ。

タクシー  原題:Cléo de 5 à 7|
  監督・脚本:アニエス・ヴァルダ|フランス|1961年|90分||
  撮影:ジャン・ラビエ|音楽:ミシェル・ルグラン|
  出演:Cleo コリンヌ・マルシャン|Antoine アントワーヌ・ブルセイユ|Bob ミシェル・ルグラン|Lover ホセ・ルイ・ド・ビラロンガ|Dorothee Dorothee Blank|Angele Dominique Davray|Cartomancyer Loye Payen|Plumitif セルジュ・コルベール|
カフェ前




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映画「中国娘」  監督:グオ・シャオルー

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  中国人監督が中国の出資じゃなくてヨーロッパ出資で製作した、若い中国人女性を主人公に据える映画。
  少々期待してました。しかし残念な内容でした。
  脚本が貧しい。主人公が生まれ育った中国の田舎、都会、そしてイギリスに不法滞在し・・・と、いくつかのエピソードを直列につなげていくだけのストーリー。伝わってくるものが少ない。ああ、もったいない。
  こういう口数の極めて少ない主人公役は確かに難しい。
  脚本が練れていれば、女優も救われるかもしれないが、それでも相当の演技力が要求される。台詞が無くても、アクションシーンが無くても、その時々の一瞬の表情だけで勝負しないといけない。そのためには脇役に名人も必要だ。

原題:She, A Chinese|
監督:グオ・シャオルー|イギリス、フランス、ドイツ|2009年|98分|
出演:ルー・ホアン|ボー・ウェイイー|ジェフリー・ハッチングス|

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映画 「東京物語」  監督:小津安二郎  出演:原節子

熱海  映画公開当時、観客の間で共有されていた気持ちは、今となってはもう分からない。

  戦後8年経った1953年。
  戦中や終戦直後の大混乱期から、少しは抜け出したかどうかの時代だ。
  これからを生きる世代たちは、いやがおうにも復興のエンジンと化している。あるいは、そんな時代の空気に呑みこまれる。世の中ギシギシしている。気持ちがいっぱいで余裕を持てない。
  一方、戦前戦中、終戦を当事者として生き、これからは余生を生きようという世代たちは、次代の急坂を登る気はもうない。
  「東京物語」は、こんな世代間の断層を真正面から語る映画。

  東京に住む息子・娘たちの、盆暮れの帰郷は途絶えているようだ。広島県尾道に住む父母はそれぞれ70歳(笠智衆)、67歳(東山千栄子)、一大決心して子たちに会うための、始めての上京だった。
  当時、東京/尾道間は16時間半ほどかかった。思いのほか遠い。一日の列車本数も数本だった。東京駅14番線ホームに入る、21:00発、呉線経由広島行急行列車は、翌日の13:35に尾道に着いた。

  地方に住む夫婦が感じた初めての東京は、思う以上に広く忙しかった。そして東京弁はきつい語調に聞こえた。上京後の宿泊は長男の家(山村聡)と長女の家(杉村春子)を渡り歩くことになる、たらい回しだ。長男長女は親の相手をする時間がなくて熱海への旅費宿泊費を出して行ってもらった。

紀子  戦死した次男の嫁・紀子(原節子)のアパートにも泊まった。
  上京して母親が一番ほっとした瞬間は、紀子のアパートで交し合った、慈しみある、たわいない会話であった。
  上京して父親が一番ほっとした瞬間は、東京に住む尾道での旧友と、子たちの愚痴を言い合いながら深酒した夜のひと時であった。お互い、子たちにかけた期待が大きかったと言い合う。
  
  上京して一番ほっとする瞬間は、それは子たちとの瞬間であって欲しかった。
  しかし次代を生きている子たち家族が元気であった事、それが確認できたことで満足としよう。リレーのバトンは、次の世代にもう渡ているのだから。開業医、美容室経営、国鉄職員、そして嫁はファッション系商社。懸念は嫁の再婚と、尾道にいる末娘の嫁ぎ先。

  夫婦して熱海の防波堤に座る有名なシーンは、海の彼方に自分たちの今後を確認し、次代への騒がしい急坂に背を向けている意味かもしれない。たそがれている、と言ってしまえばそれまでだが、手元にあるだけでいい、それ以上は求めない、そんな凛とした風情。
  この映画は、60年後の我々に、今後のたそがれ方のひとつを教えてくれている。

  う~ん、でもこれで終わっちゃシンミリしちゃう。
  尾道の旧友を演じる東野英治郎、10年後の作品、岡本喜八監督の「江分利満氏の優雅な生活」でも、同世代くらいの役を演じている。そのじいさん、元気満々の乗りのいいじさん役であった。

エンド監督:小津安二郎|1953年|136分|松竹|
脚本:野田高梧、小津安二郎|撮影:厚田雄春|音楽:斎藤高順|
出演:笠智衆 (尾道の父・平山周吉)|東山千栄子 (母・平山とみ)|
山村聡 (長男・平山幸一・自宅で内科小児科の開業医)|三宅邦子 (その妻・平山文子)|村瀬禪 (息子・平山実)|毛利充宏 (息子・平山勇)|
杉村春子 (長女・金子志げ・美容室を自営)|中村伸郎 (その夫・金子庫造・いい仕事してます)|
原節子 (戦死した次男の嫁・平山紀子)|
大坂志郎 (三男・平山敬三・国鉄大阪駅職員)|香川京子 (末娘・平山京子・尾道で両親と同居)|
十朱久雄 (尾道からの旧友・服部修)|長岡輝子 (服部よね)|東野英治郎 (尾道からの旧友・沼田三平)|高橋豊子 (隣家の細君)|三谷幸子 (原節子の隣室のアパートの女)|安部徹 (敬三の先輩)|阿南純子 (美客室の助手・キヨ)|

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映画「ゴーヤーちゃんぷるー」  監督:松島哲也  主演:多部未華子、武田航平

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  どうってことない映画だが最後まで観てしまった。

船上  多部未華子のあの目、と大城美佐子がこの映画の柱だ。
  大城は沖縄民謡界の重鎮だ。彼女の存在感と、素人っぽい演技が不思議なミスマッチで良い。 そして大城の眼力もなかなかだ。

  石垣島から船に乗ってひとり西表島にやって来た高校生・鈴木ひろみ(多部未華子)は、東京で祖父母と暮らしていた。学校でのイジメで登校拒否、引きこもり中だった。母(風吹ジュン)とは2歳の時に離別。海洋写真家の父の手で育ったが、ある日父は海から帰らぬ人となった。
  ひろみの、社会との接点は携帯。掲示板でケンムン(武田航平)に出会い少し元気をもらう。彼は西表島のダイバーズショップでインストラクターをしてるらしい。

  家を飛び出したひろみは石垣島の埠頭にぽつんと立っていた。そんな彼女を吉田サヨ(大城美佐子)は見逃さなかった。観光客にみえない、家出かな? 西表への船中で吉田サヨはひろみに話しかけるが黙ったきり。

緑  西表に到着。下船した他の観光客たちはそれぞれに散って行った。サヨは自営で宅配便をやっていて、船からの荷を軽トラックに積んでいた。そしてやんわりとひろみに声をかけて、荷積みを手伝わす。 「さあ乗って、集落まで行ってあげるから」 家まで連れてきた。「この家は私一人、泊まっていいよ。」 
  吉田サヨは実はユタ(沖縄の霊能力者)でもあった。

  ひろみは、この西表で、掲示板で元気をもらったケンムンに出会い、そしてあまりにも偶然すぎるが、実の母に出会うことになる。
  母はホスピス(末期患者が安らかな死を迎えられるようケアする施設)で看護師として働いていた。そこの男性患者が家で倒れているところを、宅配便を運んできたサヨとひろみが発見する。サヨに言われてひろみは医師の家へ必死で知らせに走った。この男は一時、回復したが、数日の後に命を全うした。死に際の最後の言葉は、なんと吉田サヨの口から、その男の声で発せられた!
海
  人の死を目前にして、ひろみは前向きに変わり始めるきっかけを得た。
  そしてなによりケンムンとの出会いが、ひろみの閉じた心を開かせることになった。

  
出会い監督:松島哲也|2005年|101分||
原作:竹内紘子|脚本:松島哲也、宇山圭子|撮影:佐々木原保志|
出演:多部未華子 (鈴木ひろみ)|武田航平 (ケンムン)|
大城美佐子 (吉田サヨ)|風吹ジュン (村岡喜美子)|
美木良介 (シン)|下絛アトム (稲江)|新海百合子 (稲江良子)|土平ドンペイ (康)|石坂みき (美香)|谷貝里緒菜 (洋子)|藤村幸子 (よし婆)|玉城満 (沢村卓郎)|森田健作 (教師)|田中隆三 (鈴木暁宏)|長内美那子 (鈴木ヨリ子)|北村和夫 (鈴木泰造)

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映画「祇園の姉妹 」  監督:溝口健二 主演:山田五十鈴

家

  京都祇園に生きる姉妹を描く映画だけれども、お座敷のシーンは2回しか出てこない。山田五十鈴がお得意の三味線演奏シーンも無い。映画は姉妹の日々の私生活を丹念に描こうとしている。また祇園のお客である旦那衆についても、そのご商売の店先シーンは少なくて、彼らの私生活の場面が描かれている。
姉 五条  さて、私生活=屋内ということなのか? 八坂神社境内以外に、祇園の街並みや京都の街の様子が映画にほぼ出てこない。姉妹が住む京町家を中心に屋内シーンが多い。だから昔の祇園や京都市街を観光できない映画である。
  
  当時、芸者はその手の女性がやる商売なんだといった通念が一般的だったかもしれない。男性優位の時代、わけても祇園は差別が特に露出する街なわけだ。しかし、映画はそんな状況をかき分けるようにして、祇園の女性の立場から祇園を描く。そういう意味からもこの映画、当時としては先鋭的だった。
  一方、作品が公開された1936年当時と、例えば情報溢れる現在を比べて、映画を理解する観客のリテラシーには大きな差があっただろう。作り手は伝えたい事を、少々大げさになるくらいに表現しないと伝わらないと考えていたかもしれない。
  誇張されたシーンとして、例えば、病院のベッドに横たわるラストシーンで山田五十鈴が吐く台詞や、姉妹の家に立ち寄った呉服屋の男から、豪華な反物をタダでまきあげる行為とその男の仕返しや、山田五十鈴が演じる妹の名を「おもちゃ」と名づけるなどが思い当たる。
  それを今の我々が真に受けて解釈してしまうと、たぶん作り手が想定した以上に、悲劇的な話、悪女と悪人の話だ・・・となってしまう。よって、あらかじめ、このあたりは差し引いて観ることにしよう。女と男の戦いなんて・・・、仲良くするのが一番。

来客  妹のおもちゃは女学校卒で、お出かけのファッションは流行を楽しんでいる。映画は、そんなおもちゃを当時の現代的女性として代表させていて、観客も、彼女の目線でもって祇園を見ていることになる。

  さて、おもちゃは退院後、どう変わっていくのだろうか?
  そのことについて映画は何も語らない。しかし、ここからが話として大きなポイントになるんじゃないかと思うんですが・・・。

  脇役がしっかりした映画で安定感を感じる。
  時代の波に乗れる乗れないの激しい競争が、静かな京都の街にもあったことを、脇役の演じる商家のご主人たちが我々に教えてくれる。特に冒頭のシーンは印象に残ります。

  最後に、祇園にはふたつの街があります。
  この映画は祇園のうちの「祇園東」になる。場所は京都市東山区四条花見小路上ル東側。鴨川を背にして八坂神社や東山方面をみて四条通りの左側。戦前は「祇園乙部」と呼ばれた。「祇園甲部」は現在、祇園と呼ばれている所。つまり八坂神社をみて右側。名が示すとおりに甲乙の差があったらしいです。

タクシー監督・原作:溝口健二|1936年|部分69分(95分)||
脚本:依田義賢|撮影:三木稔|
出演:山田五十鈴:おもちゃ(妹・芸妓)|梅村蓉子:梅吉(姉・芸妓)|志賀迺家辨慶:古沢新兵衛(木綿問屋の主人)|久野和子:おえみ(古沢の妻)|林家染之助:定吉(木綿問屋の番頭)|三枡源女:おはん(定吉の妻)|進藤英太郎:工藤三五郎(呉服屋の主人)|いわま櫻子:おまさ(工藤の妻)|深見泰三:木村保(呉服屋の番頭)|大倉文男:聚楽堂(骨董屋の主人)|葵令子:梅龍(芸妓)|滝沢静子:お千代(扇家の女将)|橘光造:立花(運転手)|




「京都今昔 歩く地図帖~彩色絵はがき、古写真、古地図でくらべる」
著書 井口悦男・生田誠 著 2011年発行(学研ビジュアル新書008)

  この映画で京都観光できなかった方々へ。
  
  この本を見ていると、京都は結構騒々しかったようだ。


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映画「ロードキル 」  監督:ブルース・マクドナルド

トップ女4 風車

 カナダのロードムービー。B級だ。
 そこそこ二流のロックバンド「パラダイス」が国内ツアーに出たが、途中で行方不明、音沙汰なし。
 事務所のマネージャー、ロイは怒りまくる。どこに問い合わせても、バンドの行方は誰も知らない。怒りの余波が事務所の女子事務員風の女性主人公に及ぶ。お前が探して来い! 行くわよ、やるわ!
タクシー  彼女は事務所を出た・・・が、彼女、車の免許証を持っていない。タクシーを拾い、当ても無くハイウェイを飛ばす。走り去る風景をぼんやり眺める。最初っから本気で探す気は無い。
  ある所でハイウェイを降り、さらに当ても無く田舎道を突っ走った。アッ! 彼女の目の端にバンドがツアーに使うワンボックスの車種が目に入った。廃業したかのようなレストラン兼ガソリンスタンドの脇にその車は駐車している。タクシーを降りて近寄ると、まさしくツアーのためにレンタルした車だった。レストランに入ると、そこにバンドのメンバー2人がいた。彼女は言う。あんた達、リーダーのマチューは何処? 知ら~ん。ヤツは魂の超越性とか言って、師を求め探している・・・・
  この事態を事務所のマネージャーに報告する。リーダーを探せ!
  電話を終えメンバーの席に戻ると居ない。バンドの車もタクシーも消えた。

キャラバン  さすが途方にくれる彼女であったが、何やしらへんけど、映画撮影チームのバスに拾われる。
  撮影メンバーと旅を続ける。こうなったら私がドライブする! その運転手が彼女に車の運転を教えてくれる。そしてついに、バンドリーダー、マチューを発見、捕獲、擁護ケアする。
  このリーダー兼ボーカルは、どうも様子がおかしい。精神に異常をきたしているようだ。
  その後、要するに、なんだかんだあって結局、ある田舎町のバーでライブ開催にこぎ着ける。彼女は無気力な女子事務員から、本人自身も知らなかったその本性が現れはじめ、いまや気が強くてメリハリあるマネージャー女に変身していた。

ライブ 
 ライブ(右写真ボーカル)は順調に進むかにみえたが、途中でボーカルが演奏を放棄。ざわつく店内。そこへ旅で出会った正体不明な男が意気揚々と現れる。この男の出現で店内は予想外の騒然悪夢と化したのであった。

  ワイルド味でいい加減、そこが良い。
  だが、しかし、カナダ映画って、やっぱりどこか変!

人形原題:Roadkill|
監督・原案:ブルース・マクドナルド|カナダ |1989年|82分|
脚本:ドン・マッケラー |撮影:ミロスラヴ・バシャック|
出演:ヴァレリー・バハジャー(主人公の女)|ドン・マッケラー(連続殺人志願者)|ブルース・マクドナルド (ドキュメンタリー映画作家)|ほか





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コンサート「細川俊夫の音楽」 コンポージアム2012 東京オペラシティの同時代音楽企画

今日パンフ」
「光に満ちた息のように」・「さくら」 (ともには笙のソロ曲) 
  笙の独奏:宮田まゆみ

  笙(しょう)のソロを初めて、生で聴いた。
  風が植物と織りなす音や、虫の音に近い。
  あんな小さな笙が、この東京オペラシティ・コンサートホールに鳴り響く。
  こころに染み入るとは、こういうことだ。
  笙が鳴りやんだあとに来る静寂の、なんと温かい事。


「星のない夜」 (日本初演)
  指揮:準・メルクル
  ソプラノ:半田美和子
  メゾソプラノ:藤村実穂子
  東京音楽大学合唱団
  NHK交響楽団

  最大の収穫でありました。
  大きな世界観の曲、練られた演奏。
  日本人が、ヨーロッパの地から立ち上がって日本をみる視点は、新鮮であった。
  男女のナレーションが大声で続く中を、オケの演奏も戦うようフルで突き進む。
  68/71黒テントの演劇空間を想起させる。


「夢を織る」 (日本初演)
  指揮:準・メルクル
  NHK交響楽団

  これは詰まらなかった。
  描こうとするストーリーが先に読めちゃう。

  
久々のコンサートでした。  


作曲:細川俊夫
[1]光に満ちた息のように ─ 笙のための(2002)
[2]夢を織る ─ オーケストラのための(2010)[日本初演]
[3]さくら ─ オットー・トーメック博士の80歳の誕生日に ─ 笙のための(2008)
[4]星のない夜 ─ 四季へのレクイエム ─ ソプラノ、メゾソプラノ、2人の語り手、混声合唱とオーケストラのための(2010)[日本初演]


指揮:準・メルクル[2、4]
笙(しょう):宮田まゆみ[1、3]
ソプラノ:半田美和子[4]
メゾソプラノ:藤村実穂子[4]
東京音楽大学合唱団[4]
NHK交響楽団[2、4]

2012年5月24日 東京オペラシティ・コンサートホールにて公演

映画「今宵ひと夜を」   監督:千葉泰樹  主演:八千草薫

港


鏡2  広島県福山市、瀬戸内にある小さな港町、鞆の浦(とものうら)。その名は古来より美しい入り江で有名だ。小ぶりな連絡船が出入りする。
  街並みは古いが町屋はしっかりしている。旅回りの劇団が公演する小劇場がある。戦前までは賑わった港町のようだ。
  主人公は、この港にある寿屋という料理屋兼旅館に住み込む4人の女たち。
  どこかの漁村や中国旅順などから流れ着いた女が、この寿屋に住み込んで働いている。彼女たちが演奏する三味線と太鼓の賑やかな伴奏で、お座敷は盛り上がり、呑んでは客と一緒に歌い、男はおどけて踊り続ける。



鏡鏡3  こんな男たちの遊び相手をし、時には誘いに乗る女もいる。そしてある日、連絡船で去っていく。男と一緒に船に乗り込む女、ひとりで去って行く女、様々だ。なかには舞い戻ってくる女もいる。
  八千草薫・演じる、お春は、まだ娘。下働きをしてきたが、お座敷にも出るようになった。
  町の旦那衆も常連客。彼らの夜這いの標的はお春だ。そんな気配がある夜は、お春は廊下や庭に逃げ隠れる。そんな時代そんな地方。


車  寿屋の客は船で来る商人が多い。しかし自動車で来る、若いレジャー客も現れはじめた。遊びのモーターボートも用意されている。この町も変わり始めた。
  東京の大学に行っている寿屋の息子の清一が、夏休みで家に帰ってきた。いい男。
  あっちこっちと気が多い、お美代(三浦光子)は前から好いていた。ああっ、お春(八千草薫)も密かに好意を抱いている。寿屋の他の女たちから、私たちのようになっちゃ御仕舞いよ、と言われるお春。
  さて、主人公である4人の女たちは、どんなラブストーリーを紡ぎだすのでしょうか・・・。結構ほろ苦いかもしれません。


小屋監督:千葉泰樹|1954年|89分|
原作:広津和郎「入江の町」|脚色:井手俊郎|撮影:遠藤精一|
出演:八千草薫 (お春)|三浦光子 (お美代・宿の客小泉と駆け落ちする)|
沢村貞子 (お浜)|東郷晴子 (おしま・旅一座の座長と一緒に旅に出る)|十朱久雄 (清作・壽屋の主人、以前ハワイに移住していた)|瑠璃豊美 (おけい)|中村伸郎 (小泉・お美代の相手)|不二乃道風 (海野)|春日清 (山長)|柳谷寛 (丸八)|澤村國太郎 (市村右左衛門・旅一座の座長、おしまを好きになる)|瀬川路三郎 (吉十郎)|平田昭彦 (早田)|桜間秀子 (マキ子)|寺島雄作 (刑事A)|中山昭二 (清一)|堺左千夫 (武)|清水元 (池津)


蛇の目   寿

  鞆の浦(とものうら)の観光サイト
  http://www.tomonoura.co.jp/rekishi.html


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映画「恋する惑星 」   監督 :ウォン・カーウァイ

トップ 室内4

部屋2  いい映画だ。
  トニー・レオン(警官633号)も、金城武(刑事223号)も、突然の失恋で話が始まる。
  そしてこのふたりの男と、新たに現れるふたりの女が出会う。
  雑多な個性が、せめぎ合う香港。人も街も、旺盛に前へ前へ突き進む香港。常にせわしなく時にいかがわしいい香港。こんな街を背景に、男と女が出会い、すれ違っていく。

<この映画、男の心の内面や、孤独の表現がうまい。>
  
  トニー・レオンが住むアパートの一室は、彼の心の内を表してる。
部屋3  一人住まいにしては綺麗、意外にマメそうな男だ。  
  そんなトニーの留守を見計らって、この部屋に侵入するフェイ・ウォン(フェイ 右写真→)は、彼の心の中を覗きに来る。 
  観客は、彼女の目線でトニーの部屋を見る。男の内面が、一層見えてくる。トニーに親しい女性がいたな・・・。 そして彼女は、この部屋に残存する元彼女の色を、フェイ色に塗り替えようとする。
  密かな存在証明。
  しばらくしてトニーはフェイの愛に気が付くが、フェイはフェイなりの恋の方法で歩んで行く。


パイン缶 
  金城武(刑事223号・モウ)は、メイに、エイプリルフールの日にふられた。
  彼女はパインが好きだった。金城は賞味期限日付が5/1のパイン缶を見つけては一缶買って、30缶になっても彼女が戻らないなら、この恋は期限切れだ・・・と、自分に言い聞かせる。
  5/1未明、彼は自分のアパートでパイン缶30缶をひとりで平らげた。

  
<この映画、前半と後半の二部構成になっている。>

銃  前半は、ふたつの話がコラージュされている。
  ひとつは孤独な刑事・金城の話。
  もうひとつは、こんな話。麻薬ディーラーのブリジット・リン(金髪の女)は、インド人達を使って麻薬を体内や靴底やスーツの裏に隠して、香港国際空港から出国させようと各所に手配してたが、空港ロビーでインド人達に麻薬もろとも逃げられる。激怒する彼女は拳銃である白人を射殺する。
バー  カメラは手持ちで、香港の重慶マンションという多国籍不法的回廊を猛スピードで駆け巡る。その躍動感はすばらしい。
  その後、疲れ果てたブリジット・リンは、あるバーに立ち寄る。その店に傷心の金城がいた。彼はカウンターで彼女を口説いたが無視される。しかし無視はされたが、結局2人はホテルで一晩泊まった。彼女はベッドで着の身着のまま爆睡。彼はソファーで寝る。だが、その間、ほんの数時間だけ・・・何か心の通じ合いは、ふたりの間にあったようだ。
   

店でふたり  後半の話。
  偶然だが、トニーも金城も、同じ頃に同じ店、フェイのいるホットドッグ店に通っていた。
  トニーの留守に部屋に侵入を繰り返すフェイ。彼の部屋に通ううちに、ふたりに愛が芽生えるが、時間の流れのなかで、寄せたり引いたり波のよう・・・。さて、こちらのふたりはどんな展開になるやら・・・。

  後半の映像は、エスカレーターの側面ガラスや金属の鏡面を利用した人物の映り込みが綺麗です。
  また雨の情景を意識して撮影しているように感じる。
  そうそう、フェイの店先に、トニーの元彼女が、その仕事であるフライトアテンダントの制服であらわれるシーンがある。もちろん制服の彼女は、フェイのことを知る由もないが、フェイがその元彼女を「意識する」シーンが印象に残る。
目線

  脚本がいい。
  こういう映画はエバーグリーンになりえます。
  ただ、音楽が古くなっちゃった。

流し 原題:Chungking Express|重慶森林|
 監督・脚本:ウォン・カーウァイ|香港|1994年|100分|
 撮影:アンドリュー・ラウ(第一部担当)、クリストファー・ドイル(第二部担当)|
 出演:トニー・レオン (警官633号)|フェイ・ウォン (フェイ)|ブリジット・リン (金髪の女)|金城武 (刑事223号・モウ)|チャウ・カーリン (フライトアテンダント)


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映画「海ほおずき The Breath 」 監督:林海象 出演:唐十郎 、原田芳雄

船上2人2

  唐十郎作の映画。

  何もない薄暗い舞台に役者がいる、打ち寄せる波の効果音。観客は浜風を感じる。演劇は観客の旺盛な想像力/集中力と一緒に仕事ができる。
  しかし映画は所詮、写真だ。
  例えば室内シーンだと俳優の後ろに写ってしまう何かを見て、観客はふと我に返って興ざめしてしまったりすると残念だ。そういう意味では、この作品、唐の芝居をぎりぎりのラインで映像化している。

街33  だからか、この映画、屋外シーンが多い。
  滑走路、港、荒れた海の船上、街の雑踏、屋外魚加工場、田舎道、荒地、浜辺、海中、地中、そして荒川。そしてそのほとんどが台湾ロケ。

  話のどこが頭か尾っぽか、いや、あちこちに頭や尾っぽがあり、そのどれもに、いきなり火がつけられてしまう。そんな奇天烈の中を、客はもてあそばれるのを楽しむのである。唐のストーリーは、例えばそんなだったりする。
  
  唐自身が主役だが、原田芳雄の存在がなければ、この映画は成り立たなかっただろう。
  唐に触発されて、原田の演技がいつも以上に自由奔放で無頼。
  楽しめるぞ。

ポスター監督:林海象|1996年|138分|
脚本:唐十郎|撮影:長田勇市|
出演:唐十郎 (灰田)|
タン・ナ (まりこ)|
原田芳雄 (逆谷)|
ニ・シュジュン (楊影紫)|
鰐淵晴子 (名月)|
馬渕晴子 (床屋の奥さん)|
佐野史郎|小名紫|楊海平|ほか






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映画「ボルベール<帰郷>」  監督:ペドロ・アルモドバル

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ペネロペ・クルス  マドリードと故郷ラ・マンチャを行き来する話。
  映像はカラーコーディネートがなされていて華やか。空気はカラッと乾いている。話が次から次へと繰り出され、小気味よいテンポで120分を飽きさせない展開だ。
  かつ、主人公ライムンダ役の女優ペネロペ・クルスの、この美貌に、観客は振り回される。
  だが、ストーリーは3世代にわたる女性の、愛と悲劇。
  
  ライムンダは、いつも前向きで物事をテキパキ解決していく賢い女だ。周りの女たちを引っ張っていく。夫パコと娘パウラ15歳の三人住まい。

ふたり  そして、この映画を陰で支える女優は、ライムンダの母親イレーネ役のカルメン・マウラ。
  (←)かわいい表情のおばあちゃんだが難しい役どころ。かつて人をあやめた犯罪者でありながら、映画をコミカルにする主役だ。
  
  もうひとり。夫に逃げられ一人住まいの、ライムンダの姉・ソーレ役のロラ・ドゥエニャスも地味ながら味を出している。(左写真の左側)


キャプチャベッド22  つっこみ所がいくつもあるが、そこはコミカルにクリアされていて、ま、いいか、というラテンの乗りを楽しもう。でも、この映画、3世代にわたる次のような悲劇を描いている。このあたり、コミカルさと悲劇が絶妙にブレンドされていて、話は明るくカラッと乱暴に展開する。お楽しみ!  
  悪いのはスペイン男、立つ瀬がない。同時に「ラマンチャの女」は怖い! 

<ライムンダの悲劇>
  ライムンダが娘の頃、母親イレーネの2人目の父親にレイプされる。この時の子が娘のパウラ15歳。
  だからパウラにとって、父パコは義父。しかしパウラはこの事を知らされていない。

<母親イレーネの悲劇>
  その昔、浮気する夫と女性を焼死させ、同時にイレーネ本人は世間から姿を消す。娘たち、親戚、村人たちは、イレーネ夫妻が焼死したとして墓をたてた。映画はこの墓前シーンから始まる。そののち、母はライムンダの姉・ソーレの前に忽然と現れる。

娘<ライムンダの娘・パウラの悲劇>
  パウラ15歳がキッチンにいた時に、義父パコにレイプされそうになり、娘は酔ったパコを包丁で刺殺してしまう。母ライムンダは女友達とふたりだけで、夜中、人里離れた川岸に行き、冷凍庫に入れた夫の死体を埋めてしまう。
キャプチャ埋葬22



サブ2原題:Volver|
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル|スペイン|2006年|120分|
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ|
出演:ペネロペ・クルス (ライムンダ)
カルメン・マウラ (ライムンダとソーレの母・イレーネ)
ロラ・ドゥエニャス (ライムンダの姉・ソーレ)
ヨアンナ・コバ (ライムンダの娘・パウラ)
チェス・ランプレアヴェ (イレーネの姉・老衰死・パウラ伯母)
ブランカ・ポルティージョ (パウラ伯母の面倒をみてくれた女性・アグスティーナ)
アントニオ・デ・ラ・トレ (ライムンダの夫・パコ)

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映画「レポマン 」  監督:アレックス・コックス

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リアトランク
  その車のリアトランク、開けちゃいけない !
  バシッ! 一瞬の閃光で、蒸発しなかったのは、白バイ警察官のブーツから下だけだった。

  危険なその車を運転しているのは、気のふれた、この科学者だ。車内はに徐々に熱くなってきている。
科学者その車  閃光を発した「得体のしれないモノ」は、軍事施設から、この科学者が無断で運び出したモノ。軍事施設とはたぶんエリア51。宇宙人やUFO研究で有名なアメリカの最高機密軍事施設だ。
  そして、その「得体のしれない」の行方を捜査するのが、CIAかFBIか、それとも秘密組織MIB(メン・イン・ブラック)か? とにかく銀の義手の女性捜査官が、移動指令室に改造したバスで追跡している。
  さらには科学者が運転する車に、すでに2万ドルの賞金がかかっている。


主人公  さて、ここで主人公オットー登場。(右写真の右側)
  ここはアメリカの田舎町。仕事にあぶれていた元パンク、オットーは、ある男にスカウトされ仕事を覚え始めていた。その仕事は、他人の車を無断で奪う仕事。やることは泥棒と一緒。紙一重で違うのは、金に困って車を担保にして融資を受けた人や、カーリースした人が返済不能になると、担保の車を奪還する「お仕事」。これを「レポマン」というらしい。
  不況で、ささくれだったアメリカのこの田舎町じゃ、いつも金に困ってるヤツ、ローンで家・新車と、ちょいと格好つけてたが失職で一気に金に困るヤツが多い。そんな訳で、数人規模ながら小さなレポマン会社がこの町に2社ある。そしてコンビニ専門の強盗チームがひとつある。

拷問tv  で、2万ドルの賞金がかけられた、車さがしと奪い合いは、レポマン2社と強盗1チームと科学者の間で行われる。そこへ割り込むのが女性捜査官。主人公オットーがその車を知っていると、にらんだ捜査官はオットーの女友達レイラに近づき、移動指令室バスに引き入れた。オットーはどこかにある拷問室の専用ベッドに寝かされている。その様子がバス内にあるディスプレーに映し出されてる。捜査官はレイラに、このダイアルをこう回すと、ホラ、オットーの身体にビシッと電気が流れるのよ。うめき叫ぶオットー。次の瞬間、レイラはなんと、そのダイアルを思いっきり回した! 昨日のケンカの仕返しだった。

稲妻  その間にも、賞金の車は奪い奪われの連続アクション。ついにオットーが務めるレポマン会社の手中になり駐車場に置かれていた。夜になって、サーチライトを照らすヘリコプターが、車を発見した。問題の車は、いつのまにか車体全体が白く発光しだしていた。さらに車体に沿って稲妻閃光が走っている。
  放射能防御服を着た大勢の兵隊たちに囲まれる。抵抗したレポマンの一人が銃弾に倒れた。バリバリとすさまじい状況の中、すきを突いて、今度はオットーの友人ミラーが、光る車に乗り込んだ。彼は車内から手招きして、オットーに乗れ、と言っている。誘われるままにオットーも同乗する。 
車 浮上  すると突然、車体がふわりと浮上しだした。30m上空で一旦浮上停止したが、次の瞬間、高速で飛行しはじめ、見上げる人々の視界から消え去った。


  オットーとミラーは上空から、にんまりした表情で高速移動を楽しみ、都市の夜景の美しさにうっとりするのであった。下界の現実とはお別れだ!


  いい映画だ。
  ワイルドで粗雑、コミカルで薄幸。アメリカの下層を無言で語る映画。


乗車ふたり原題:Repoman|
監督・脚本:アレックス・コックス|アメリカ|1984年|92分|
撮影:ロビー・ミュラー|
出演:Otte(主人公) エミリオ・エステヴェス|Bud(レポマンの一人) ハリー・ディーン・スタントン|Leila(Otteの恋人?) オリヴィア・バラシュ|Miller(光る車の搭乗男) トレイシー・ウォルター|Lite(コンビニ強盗、オットーの幼なじみ) サイ・リチャードソン|Oly Tom Finnegan|Plettschner リチャード・フォロンジー|Marlene ヴォネッタ・マギー|Rogersz(女捜査官) スーザン・バーンズ|J._Frank_Parnell(科学者) フォックス・ハリス|Lagarto(商売仇のロドリゲス兄弟) デル・サモーラ|Napolean(商売仇のロドリゲス兄弟) エディ・ヴェレツ|

防御服   脱げよ!
                          オットーがレイラに 「ちょいエッチしようと誘う」 ろう人形科学館にてケンカ



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プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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