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2013年04月 Archive

映画「ルナ・パパ」   監督:バフティヤル・フドイナザーロフ

上

サイド  明るくカラッとしたドタバタ喜劇。
  そして、スピード感と広大な大地のスケール感がこの映画の魅力。
  また、たくさんのエピソード・シーンが、ていねいなモザイク模様になっているのが万華鏡のよう。

  中央アジアのタジキスタンでのお話。
  17歳の娘マムラカットが主人公。母を亡くし、父と兄の三人家族。
  マムラカットは芝居好きで女優になりたい。旅回りの劇団が来ると、気もそぞろ。兄は元・兵士、地雷で頭を負傷し気がふれている。自身を飛行機だと思っていて、ビンを爆弾に見立てて腕に下げて、村中を飛び回っている。兄妹は仲が良く、妹は兄の面倒をみて、一緒に村中を猛スピードで駆け巡る。
  村の上空には、何度も、飛行機が超・低空飛行で、来ては飛び去って行く。旅回りの劇団を乗せた飛行機だ。湖の湖畔にある劇場で陽が沈んで公開の予定。せがんでマムラカットの一家は車で劇場に向かう。途中で父は娘に白い服を買ってやる。喜び舞う娘。
  さて月夜の湖畔をひとり歩いていたマムラカットは、なまめかしい不思議な事に遭遇する。そして後日、妊娠していることが分かり、またひと騒動が始まる。ついには父は、兄妹を連れて、お腹が大きくなった娘の相手を見つける旅に出る。この先、波乱万丈な兄妹は幾度もの災難に遭遇するが健気に明日に向かっていくのであった。

  タジキスタンの荒涼とした砂漠と大きな湖を背景に、飛行機、戦車、自動車、バイクそして兄妹が縦横無尽にスクリーンを疾走する。だから俳優の大げさなドタバタ身振りは、丁度いいつり合い。
  娘の妊娠は、タジキスタンという、まだ混乱の国の、迎えたい未来を象徴している。

下オリジナル・タイトル:LUNA PAPA

監督:バフティヤル・フドイナザーロフ|ドイツ、オーストリア、日本、ロシア、フランス、スウェーデン、タジキスタン、ウズベキスタン|1999年|107分|
原作・脚本:イラクリ・クヴィリカーゼ|撮影:マルティン・ゲシュラハト、ドゥシャン・ヨクシモヴィッチ|
出演:チュルパン・ハマートヴァ|モーリッツ・ブライブトロイ|アト・ムハメドシャノフ|メラーブ・ニニッゼ|ニコライ・フォーメンコ|





セット000
音楽もいいです!

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映画「愚か者 傷だらけの天使」    監督:阪本順治

上

サイド  楽しいやらノホホンとしているやらのドタバタコメディ大作戦。でも後味は少し悲しい。
  主人公、石井久(真木蔵人)は、西新宿のトイレ共同・木造アパートに住んでいる家賃滞納独身、少々、頭の中はポンだが、人はいいし妙に生来の正義感を持っている。 すぐカッとなる性格で、よく言えば熱血漢だが、職場で騒動を起こしてクビ、の繰り返しで職を転々、現在求人誌の求人広告をあれこれチェックしているが、なんでもいい金が欲しい。
  ヒマな人間は変な人と出会うもの。万引き常習犯の女・ちか子(大楠道代)に出会う。彼女の息子を探し出せば金になる事を知り、石井久は請け負うことに。ところが、それをどこかで知ってか、当の本人・桝井勝(鈴木一真)が石井の前に現れる。
  ヒマな人間が出会った変な人の息子は避けておくべきだった。なにしろ息子・桝井勝は石井にチョッカイを出すやら、騒動を起こし石井を警官とともに巻き込んで大騒ぎになるやら、一方石井の危機一髪を救うのは桝井勝だったりして、いつしか男の友情いやツルンでる関係、しかし最後には尽きて、牢屋に入る羽目に。
  種々雑多な小さなシーンがいくつも組み合わさってモザイク模様、それらを背景に男二人のぶきっちょな話が展開する。いま観ると、1990年代後半の臭いがする!
  
  ドタバタのさじ加減が、あっさり気味でちょうどいい仕上がり。もう一歩進むと臭みが出ただろう。
  前年に公開された映画「傷だらけの天使」の前話に位置づけられる本作だが、別な単独作品として観た方がいいと思う。
  
便所60監督:阪本順治|1998年|91分|
脚本:阪本順治、田村竜|撮影:笠松則通、田沢美夫|
出演:真木蔵人(石井久)|鈴木一真(桝井勝)|大楠道代(万引き母・桝井ちか子)|坂上みき(DJマキ)|大杉漣(父・桝井達雄)|豊川悦司(木田満)|二宮さよ子(三味線大家)|飯田まさと(寿司職人)|和泉義晴(チンピラ)|孝太郎(子供)|田村泰二郎(昇ちゃん)|山村美智子(育子)|泉谷勇(育子の夫)|中沢青六(責任者)|さとうこうじ(上司)|加納勝正(先輩)|山岡一(勘太郎)|井上尭之(赤ら顔のオッチャン)|小林麻子(カナ子)|門脇学(カナ子の男)|有福正志(雨宮)|根岸清子(パートのオバチャン1)|林京子(パートのオバチャン2)|石垣光代(保安士)|三浦景虎(店員)|朝倉杉男(木下)|阿部朋子(木下の妻)|田中要次(警官)|よこやまよしひろ(管理責任者)|大槻修治(刑事)|太田洋一郎(久の母)|伊藤博子(女性スタッフ)|佐野栄一(段ボール住人)|ミック・ヒサカドミック(善二郎)|川屋せっちん(郵便局長)|

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◆ 阪本順治監督の映画 ~ 一夜一話より
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紹介「ビリケン」

  明治の頃、世界的に「幸運の神様ビリケン」ブームというのがあった。
  1912年(明治45年)、博覧会跡地(現在の大阪新世界)にルナパークが建設され、初代・通天閣が完成。ブームに乗って、ビリケン堂が作られ、まつられ賑わった。
  戦後、二代目通天閣ができたが近年客足は遠ざかる一方。そこで通天閣を経営する通天閣観光は、ビリケンさんを再登場させ人気を集めようと計画がスタートした。 ところが・・・。
  ◆ 「ビリケン」へは、こちらから




紹介2「顔」

  犯罪者は、キマジメなんです。特に、その、犯罪を犯すに至る前は。
  母親、本人(藤山直美)、妹(牧瀬里穂)の三人家族。母親ひとりでクリーニング店を、本人はその2階で洋服の破れ、かけつぎ、寸法直しなどの修理を営む。(糸偏の仕事)
  日ごろから、無口で閉じこもる姉を、外交的で美人の妹はさげすんでいる。
  母親の葬儀その日に2人の感情はぶつかり合い、姉は妹を殺してしまう。マスコミは事件の犯人(姉)の顔写真を掲載し、警察は行方を追う。西日本を転々とすることになる姉。ラブホテル従業員、スナックのホステスなどして、姉は自己を開放していく。同時にそういう自分に驚きながら。  ◆ 「顔」へは、こちらから

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映画「グッバイ・ファーストラブ」、 「スカイラブ」   フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブから

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上1
「グッバイ・ファーストラブ」 Un amour de jeunesse

  若いラブストーリーを素直に楽しむ映画。
  舞台はパリ。高校の時に恋におちたカミーユとシュリヴァンは、その後別れてしまうが、時が経ち別々の道を歩んでいたが、ふとした再会から、今度は大人の恋が始まる、そんな甘く切なく深いラブストーリー。
  カミーユは高校時代、南米を放浪することで自身と向かい合いたかった。で、シュリヴァンを愛していたが分かれを決意した。以降お互いの連絡は途絶える。彼はその後フランスに帰国、地方紙の報道カメラマンとして細々と、でもゆったりした生活を送っていた。
  一方シュリヴァンはカミーユからの突然の別れが受け入れがたく自殺を試みた。その後大学に進学し建築を勉強、パリ中心部ある建築事務所に就職、研究室の教授であり建築事務所の社長である年上の男性と結婚していた。
中  そして再会。カミーユはふたりの間に階層の差を感じる、そしてシュリヴァンは高校時代に戻った気持ち。しかし、ふたりはこの愛が今も生きていることを確信するに至る。後ろめたさを伴いながらも人目を忍び、続いて再会を繰り返すふたりは・・・。

  南フランスの田舎のシーンなど、高校生時代のふたりの、美しく甘くさわやかな映像が続きます。ここがこの映画の見せ場です。



中2-2オリジナル・タイトル:Un amour de jeunesse

監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ|フランス|2010年|110分|
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ|
出演:ローラ・クレトン(カミーユ)|セバスティアン・ウルゼンドフスキー(シュリヴァン)|マーニュ=ハーバード・ブレック(ロレンツ)|





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上2
「スカイラブ」 Le skylab

  この映画、まずはブルターニュ地方の澄んだ風を楽しめます。また1979年当時の、フランスの大衆のさまざまな気持ちが読み取れるように、ていねいに作られた映画。
  一族郎党のママである祖母の誕生日に親戚が集まってくる。祖母は以前ベトナムに住んでいて帰国している。
  彼女の家は、ブルターニュの田舎の大きな家、緑がまぶしい、広々とした風景、大きな空。この空の下、庭でバーベキューが始まる。
  集まった親戚は、多種多彩な人たち。楽しい食事、わいわいと会話が始まる。アルジェリアに兵隊に行っていた叔父は、今も戦争ストレスの後遺症を引きずっている、同じく軍医で行っていた叔父、このふたりは右派硬派、威勢がいい。アンナ(ジュリー・デルピー)の夫婦は、ふたりとも俳優で変わり者とみなが思っている、五月革命に燃えたふたりだ。右派左派の論争が始まり、政治の話は止めてくれ!と、祖母が怒鳴るシーンも。女性たちは子どもの話やセックスの話で盛り上がる。子供たちは食べては庭を駆け巡る。
組000  そんな登場人物ひとりひとりの思いを映画は丹念に描き分けていきます。子供もそれぞれ個性が表現されている。
  「グッバイ・ファーストラブ」と比べて観ると、インパクトが薄く散漫な印象を受けなくもないが、よく観ていくと、地味ながらあたたかな、いい映画。子役がいい味。


オリジナル・タイトル:Le skylab

監督・脚本:ジュリー・デルピー|フランス|2011年|113分|
撮影:リュボミール・バクシェフ|
出演:ジュリー・デルピー(アンナ)|エリック・エルモスニーノ(ジャン)|オーレ・アッティカリネット|ノエミ・ルボフスキーモニク|ベルナデット・ラフォンおばあちゃん(アマンディーヌ)|ジャン=ルイ・クロックフレド|エマニュエル・リバおばあちゃん(メイ)|リュック・ベルナールジョゼフ|アルベール・デルピーユベール|カンディッド・サンチェスクスタヴォ|

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ジュリー・デルピー監督の映画 ~ 一夜一話より
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紹介「パリ、恋人たちの2日間 」 
  ニューヨークに住むフランス女性マリオンとアメリカ男性ジャックの、笑えるラブストーリー。
  異文化交流で浮き彫りになるカルチャーや習慣の違いが、互いに魅力でもあったし喧嘩の種でもあった。そんなふたりがマリオンの故郷パリに到着、マリオンはパリの空気で心が解放され、ジャックは委縮し爆発する。
  「パリ、恋人たちの2日間 」へは、こちらから


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映画「カンバセーション…盗聴…」   監督:フランシス・フォード・コッポラ

上
盗聴機材を積み改装したバンの車内から外の様子を見るハリー。
オフィス
  
  自分の仕事に、良心の呵責を感じ悩む、そして神に許しを請う。そんな悲しい男がいた。
  彼の仕事は盗聴。依頼人が指定した人物の会話を傍受し、録音/編集したテープを作成する仕事だ。傍受には最新技術と電子機器を駆使し、計画と実行力と機密保持が試される。
  主人公・ハリー・コール(ジーン・ハックマン)は自分の仕事に誇りと自信を持っていた。ニューヨークで名をあげ活躍していた彼は、ある仕事でつまずいた。依頼された盗聴テープを依頼人に渡した後に、その盗聴ターゲットの関係者に死者が出た。この事件は、ハリー・コールに何の責任もなかったが、このことが盗聴という仕事に良心の呵責を感じるきっかけとなった。
  そして心機一転、ハリー・コールはウエストコーストに仕事の拠点を移した。
  人気のない地区にある古いビルの、広いワンフロアーまるまるが彼のオフィスだ。とはいっても、盗聴/録音機材が置いてある場所は、フロアの極々一画である。あとはガラーンとしている。このオフィスで仕事をしているのは当のハリー・コールともう一人の男だけ。機密保持のための厳重な態勢のようだ。

広場  今度の依頼は男女の会話の盗聴だ。サンフランシスコにある広場・ユニオンスクエアを散策している二人を、望遠鏡付の超高感度集音マイクで2か所のビル屋上から狙い、あとは広場にいる男がバックに隠しマイクを入れて二人を追尾して盗聴した。
録音  最新機材とはいえ、歩き回る声を拾うのは大変である、三か所から狙っても聞き取れるクリアな音声が得られるとは限らない。聞き取れる話し声を3つの音源から探し当て編集する、実に根気のいる仕事だ。

ホテル  ハリーは、録音内容に関心を示してはならないと自分に言い聞かせてきた。しかし編集段階で、どうしても聞いてしまう。ふたりの会話から殺人の臭いを感じたハリーは、良心の呵責から、盗聴ターゲットの領域に深入りしてしまうのだった。
  その結果、ハリーは依頼人から「それ以上踏み込むな」という脅しの電話に受け、ある録音を聞かされ驚愕した。盗聴のプロが隙を突かれた。ハリーが電話口で聞いた録音は、自宅で彼が吹くサックスの音。ハリーの唯一の趣味は、自宅でジャズをひとり楽しむことだった。
  受話器を置くや否や、彼は自宅に仕込まれた盗聴マイクを捜し始める。仕掛けていそうな定石の場所をチェックしたが見つからない。無我夢中ですべての壁板と床板をはがしたが、やはり見つからない。徐々に壊れゆく彼の心は、彼の思考を停止させる。そして無意識のうちにジャズサックスを奏ではじめるのであった。

電話  機密を扱う技術職人ならではの実直さと慢心が、孤独と突かれる隙と悲しみを招く。そんなハリーの心を和らげてくれるのは、自身が吹くジャズサックスのバラードな音色だけであった。
  独特の気風を持ついい映画。サスペンス映画ジャンルに押し込んでしまうには、あまりにも近視眼。



下オリジナル・タイトル:The Conversation

監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ|アメリカ|1974年|113分|
撮影:ビル・バトラー|
出演:ジーン・ハックマン|ジョン・カザール|アレン・ガーフィールド|フレデリック・フォレスト|シンディ・ウィリアムズ|ハリソン・フォード|テリー・ガー|ロバート・デュヴァル|






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映画「まぼろし」   監督:フランソワ・オゾン     主演:シャーロット・ランプリング

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「夫の時計じゃないわ、ジャンのじゃない。」

海岸  シャーロット・ランプリング主演のサスペンスか。

  夫婦で行ったバカンス中に、海に入った夫が溺れ、行方不明になる。
  妻・マリー(シャーロット・ランプリング)は、浜辺にいながら、すぐに気付かず何もできなかった悔しさが後々まで尾をひき、マリーの心に重く残る。ヘリコプターも出動したが結局、何も発見できなかった。マリーは一旦パリの自宅に帰り、地元警察からの連絡を待つが電話はなく、日だけがだらだらと無為に過ぎて行った。

夫  死体が上がらないなら溺れたのではなく、失踪した可能性もある。そう思うと夫が生きている嬉しさとは裏腹に、マリーが知らない夫の世界があったことになる・・・。とにかく連絡が欲しい。
  ひとり悩むマリーの心は、ある打開策を講じた。それは、マリーの夫・ジャンは何事もなく生きている。マリーが帰宅するとジャンが現れ、食事をしベッドを共にする。マリーはこうした「まぼろし」の毎日を送るのであった。
  その一方で、マリーの心は夫の死を、あるいは彼女が知らない側面の夫を探ろうとする。夫が通っていた調剤薬局で調剤履歴をみようとし、わかったことは、バカンスに行く前の日以来、来店がない、薬は抗うつ剤。 

マリー  マリーを心配し慰めようとする友人たちが彼女を取り囲んでいる。精神科をすすめる友人。そしてマリーにふさわしい男性・ヴァンサンを紹介する事になる。そう、事件当日から、だいぶ時が経過していた。
  マリーの身体はマリーの心とは別に悩んでいた。そんなわけでヴァンサンはマリーの恋人となった。


遺体  そんなある日、警察から連絡があり、ジャンらしき男性の遺体が収容されたという。身元確認のためにマリーは出向いた。外見からはマリーでさえ確認できない遺体であった。所持品の時計を見たが、マリーの回答は「夫の時計じゃないわ。ジャンのじゃない。」というじゃんじゃん回答だった。夫の死を直視しないマリーの心は、そう答えるしかなかった。




自宅で闇に包まれるマリーの心は・・・。                                       亡き夫ジャンと。       
組00
マリーの恋人、ヴァンサン。マリーの友人の紹介だった。                   まぼろしの夫と食事するマリー。




下オリジナル・タイトル:SOUS LE SABLE
英語タイトル:UNDER THE SAND

監督:フランソワ・オゾン|フランス|2001年|95分|
脚本:フランソワ・オゾン、エマニュエル・ベルンエイム、マリナ・ドゥ・ヴァン、マルシア・ロマーノ|
撮影:アントワーヌ・エベルレ、ジャンヌ・ラポワリー|
出演:シャーロット・ランプリング (マリー)|ブリュノ・クレメール (ジャン)|ジャック・ノロ (ヴァンサン)|アレクサンドラ・スチュワルト (アマンダ)|ピエール・ヴェルニエ (ジェラール)|アンドレ・タンジー (スザンヌ)|


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映画「もっとしなやかにもっとしたたかに」  監督:藤田敏八  主演:森下愛子、奥田瑛二

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  森下愛子を愛でる映画。
組  奥田瑛二と高沢順子の夫婦に、フラリ割って入った森下愛子の計3人の、妙な三角関係ドラマ。
  そして片親が家から出てった家庭に育つ経験が、トラウマになった人々の話でもある。
  勇一(奥田瑛二)の家は、幼い頃に母親が出て行った。勇一自身の家庭は、妻・君枝(高沢順子)が息子・大助を置いて失踪、未だに見つからない。勇一と出会う彩子(森下愛子)は、家庭教師だった男が義父になり、彩子は現在・家出中。
  そんなわけで、家出娘・彩子と、妻に逃げられ男・勇一の危ういラブストーリーが展開する。日ごろ、姉の家に預けている勇一の息子・大助と3人で、よみうりランドに行って、楽しそうなファミリー気分。彩子は勇一のアパートに居つき、大助になつかれる関係になった。
  そんなある日、勇一は君枝を発見、ヨリを戻そうと言う。後日、君枝は不意に帰宅するが、そこには彩子と大助がいた。 君枝が言う。 「あんた、誰よ。」

  勇一の友人・海野(風間杜夫)は、裏で君枝の相談役であったことから始まるアレヤコレヤ、彩子の取り巻き・売春斡旋屋と勇一とのアレヤコレヤが入り乱れ、さらには・・・といった具合に話は進む。

  世間体を気にせず、時に世間体に抗いながら、世間から浮遊する生きざまが、ちょっとかっこいい時代。


下監督:藤田敏八|1979年|98分||
脚本:小林竜雄|撮影:前田米造|
出演:奥田瑛二(高木勇一)|高沢順子(高木君枝)|藤原友宏(勇一のの息子・高木大肋)|
森下愛子(田口彩子)|風間杜夫(勇一の友人・海野)|梅津栄(旗見)|真木洋子(旗見道代)|加藤嘉(高木国男)|赤座美代子(勇一の姉・大助を引き取っている・京子)|浜口竜哉(勇一の義兄・耕司)|河原崎長一郎(君枝の兄・ミシン営業マン・義博)|根岸明美(彩子の母・田口峰子)|蟹江敬三(彩子の義父・田口賢治)|西塚肇(アポロ帽の男)|日夏たより(ミエ)|吉川遊士(夫人A)|絵沢萠子(夫人B)|あきじゅん(水田)|島村謙次(飛鳥病院長)|高橋明(タクシー運転手)|


売春する彩子と勇一                                 よみうりランドの彩子、表情変えない大助(右)
組2 00
                                                     勇一の息子・大助の面構え



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映画「カラスの飼育 」  監督:カルロス・サウラ

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  映画の題名の意味は、「恩をあだで返す仕打ちにご用心」の意。 (スペインのことわざ:「カラスを飼うと、目をくり抜かれる」の一部がタイトル名になっている。「飼い犬に・・・」といった感じか。)

父  幼い頃の出来事を、子供ならではのミステリアスな世界観を通して、自身が述懐する映画です。
  場所はスペインはマドリードの都心部にある昔からのお屋敷街。
  高い塀に囲まれ木々が茂りプールがある大きな家。
  優しい母を亡くした三姉妹、その次女アナ9歳が主人公。
  父は偉い軍人、母が生前の時からの家政婦が三姉妹の面倒をみていた。 
  そんなアナが20年経った現在、幼い頃の自分を振り返り語る。


ミルク  ある日、掃除中に母は戸棚からカンを出し、私に渡して言いました。
  「アナ、ゴミ箱に捨てて。 ここにない方がいいわ。それに無用の長物だし。」
  不思議に思って私は尋ねました。 「中身は何?」
  母は答えません。「毒なの?」 と訊ねると、
  母は微笑んで言いました。「そうよ 恐ろしい毒なのよ。」
  「この粉をスプーン一杯飲めばゾウも死ぬわ。さあ早くゴミ箱に捨てて。」
  私は、そん時なぜかわからぬまま、母の言う事をきかず、このカンをとっておきました。

両親  なぜ父を殺したかったのか?  何度も自分に問いかけました。
  あれから20年の歳月、今の私が出せる答えというのは、簡単すぎて納得できません。
  ただ今でもありありと覚えているのは、 
  当時、母の晩年に去来していた悲しみの責任は、父だと思っていたことです。父こそが、母の病気と死の、直接的な原因だと、あの時思っていました。


階段  確かに9歳のアナは父に白い粉を飲ませた。その翌朝父はベッドで死亡した。ただし、ベッドには裸の女性がいた。実は腹上死だった。
  白い粉を飲んだ父の様子が気になっていたアナは、早朝、父の寝室を目指して階段を下りて行った。父の寝室から話声が聞こえた。そのうちドアを激しく開けて胸をはだけた女性が飛び出て行った。その後アナはベッドの父を呆然と見ていた。
  葬式が済んで両親ともにいなくなった三姉妹は叔母の家に引き取られる。しかし叔母は三人に対して厳しい。アナは父以外にも、白い粉を飲ませる行動に出るのであった・・・。

髪  若くして世を去らざるを得なかった母は、娘たちを置いて行くのが辛かった。また、アナは三人の内でも一番かわいがられていた娘。だからか、アナだけが、母のまぼろしを毎日みる。まぼろしの母はアナを元気づけ慰め注意をし髪をとかし眠りにつかせる。
  ちょっと不思議な力を持つアナと、まぼろしの母のあたたかなストーリーです。
  母親役と成人したアナ役が、ひとり二役、同じ女優なので分かりづらく、難解な印象を受けるのが難点。




姉妹123原題:Cria Cuervos|
   Cría cuervos  y te sacarán los ojos. 意味:「カラスを飼うと、目をくり抜かれる」

監督・脚本:カルロス・サウラ|スペイン|1975年|107分|
撮影:テオ・エスカミーリャ|
出演:アナ・トレント (アナ)|ジェラルディン・チャップリン ( 母マリア・成人したアナ(二役)|モニカ・ランドール (パウリーナ叔母)|フロリンダ・チコ (ロサ・家政婦)|エクトール・アルテリオ (憎まれた父・アンセルモ・・・腹上死)|ヘルマン・コボス (父の知人・ニコラス・ガロンテス)|ミルタ・ミジェール (ニコラスの妻)|ホセフィナ・ディアス (祖母)|コンチータ・ペレス (イレーネ・アナの姉)|マイテ・アナの妹|



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映画「ブラウン・バニー」    監督:ヴィンセント・ギャロ

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  いまだに、彼女の死を直視できない、精神的に幼い男の話。
  ストーリーの仕立ては、ロードムービーと言うより、道路ムービーな映画。
  ドラッグでいっちゃっていた状態の、無防備な彼女が、二人組の男にレイプされるのを、のぞき見ながら、怖くて何もできなかった主人公の彼氏、バド・クレイ(ヴィンセント・ギャロ)。 その直後、彼女は反吐(へど)をのどに詰まらせ窒息死してしまった・・・。
ホテル  バドは、優秀なバイクのレーサー。彼女を亡くした喪失感から抜け出せない。大きなレースを終え、ひとりカリフォルニアに向かう。大陸横断の長いドライブ。
  カリフォルニアに着いて、彼女が住んでいた家を訪ねるが彼女はいない、置手紙を置いて近くのホテルで彼女を待つ。部屋に現れた、まぼろしの彼女と激しくベッドを共にするが、我に返るとひとり・・・。つまり自慰してただけ。ベッドで子供のように、ひとり泣き続けるバド。こりゃあかん。

  良い悪いと騒ぎ立てる映画じゃない。
  ギャロと一緒にドライブできるのが楽しい人向けの映画。または、米国の道路が大好きな、道路ファン向けの映画。あるいはギャロとのセックス疑似体験が嬉しい人向けの映画。

レース後、カリフォルニアに向かう道路の映像が延々と続く。上映時間の半分は道路風景。
組00
主人公のつまみ食いに付き合わされる。   つまみ食いのひとり。可愛い。          彼女の実家を訪れるが両親は・・・。

オリジナル・タイトル:The Brown Bunny

監督・脚本・撮影ほか:ヴィンセント・ギャロ|アメリカ|2003年|93分|
出演:ヴィンセント・ギャロ|クロエ・セヴィニー|シェリル・ティーグス|

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ヴィンセント・ギャロ監督の映画  ~ 一夜一話より
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紹介「バッファロー'66」 

  自分を探すという難問を解決する糸口は、自分を知ってくれる相手を見つけることから、かもしれない。
  いい映画です。  こういう映画に遭遇すると、ああ映画観ていて良かったな、と思わせてくれて嬉しい。目だったコミカルさは、まったくないですが、これは喜劇映画ですよ。くれぐれも、重~い辛~い映画!と勘違いしないでね。 「バッファロー'66」へは、こちらから。 





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映画「母なれば女なれば 」  監督:亀井文夫   主演:山田五十鈴

写真提供:独立プロ名画保存会
春枝一家(中央)と健次とその妹(左右)

  太平洋戦争末期、東京はたびたびの激しい空襲で無数の人々は逃げ惑った。
  春枝(山田五十鈴)は三人の子を連れ、避難する混乱の雑踏にいた。荷物を背負い、清とフミ子、二人の小さな手を、春枝は左右の手でしっかり握るのが精いっぱい。新吉、長男10歳は母と並走していたが、親子の間に人が入り、その距離がひろがるにつれ、離れ離れに。春枝は大声で新吉の名を呼ぶが、その声は爆音にかき消されてしまう。短い時間で、あっという間にはぐれてしまった。春枝はその後も幾度も新吉を捜しあたりを歩いたが見つけ出せない。

  見つけ出せないながら、幼いふたり、清とフミ子の面倒をみて毎日が過ぎていく。そして夫の戦死の知らせを受ける。しかし悲しみに沈む余裕は無かった。日々、子供と生きていかねばならない。なんとか台所トイレ共同の一間のアパートに入居し、中古ミシンを買い手内職を始める。しかし家計は赤字。ただ幸いなことに、隣室の住人は、先生の高瀬健次(神田隆)とその妹・幸子(岸旗江)で春枝の子供達や近所の子たちの面倒をよくみてくれる。
  そして春枝の面倒をみようとする男がいた。長島(三島雅夫)という地場の顔で、商いで稼ぎが良く、民生委員やPTAの役員をしている。春枝をめかけにしようと何かとアパートを訪れる。

  はぐれた新吉が帰って来た。
  とは言え、警察署での出会いだった。まもなく親子水入らずの生活がはじまった。
  と同時に、新吉は母が父親以外の男と親しい事を嫌い始める。
母と健次  「母なれば女なれば 」だ。
  戦死した夫のことはいつも思いつつも、健次に思いを寄せていく春枝。先生の健次もそう。健次の妹・幸子の仲介もあってふたりの思いは深まる。そんな場面を健次の教え子たちがみてしまう。その生徒のひとりが、こともあろうに長島の息子であったから、話は大きくなった。その上、新吉は教室でいじめに会い、ついには長島の息子と取っ組み合い怪我を負わせてしまう。校長は長島と一緒になって、新吉と健次を学校から追放しようとする。長島の狙いは、春枝を健次から引き離し我が物にする、新吉を自身の店で丁稚として働かせる、というはかりごと。
  さて、話の顛末はいかに・・・。

  この映画の監督・亀井氏は、ドキュメンタリー映画に通じていたらしく、戦後直後の実写シーンが挿入されていて、映画にリアリティな厚みを出している。また、野外シーンの奥では、大型軍用トラックが何台も隊を組んで疾走している様子が映っている。1952年だ、朝鮮戦争でざわつく世相が活写されている。さらには、少年院のシーンは劇映画仕立てだが、監督は当時の戦争孤児の扱いに言及している。この問題は今もって大きく取り上げられないようだ。
  女性の生き方はこの映画の主題だ。妻は戦死した夫を思い続け、長男をたてて長男に尽くす、再婚は子にとって不幸だしあってはならない、といったことが世間体の時代。北林谷栄が演じるアパートのおばさんが、これを代弁するシーンがある。一方、若い後家さんというまわりの男たちの視線にさらされる。春枝が持つこんな前近代的な考えを、健次が徐々に変えていくストーリー。ただ、健次が春枝に諭すセリフで、言葉がこなれていなくて、監督はじめ当時の製作者の、考えの若さが見え隠れする。
  この映画製作のバックグラウンドに関心ある方は、監督プロフィールや東宝争議について詳しい他サイトをグーグルで検索してみてください。 

監督:亀井文夫|1952年|100分|
原作:徳永直|脚本:棚田吾郎|撮影:瀬川順一|
出演:安川春枝 (山田五十鈴)|安川新吉 (二口信一)|安川清 (伊藤延雄)|安川フミ子 (小松原良子)|高瀬健次 (神田隆)|高瀬幸子 (岸旗江)|長島 (三島雅夫)|校長(加藤嘉)|久保寺 (沼崎勳)|ひで (北林谷栄)|

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映画「赤い波止場」    監督:舛田利雄    主演:石原裕次郎、北原三枝

上

  神戸港でのロケシーンで構成されている。だから映像に奥行きがたっぷりあって、昭和33年当時の、夢誘う、港の潮風を十分味わえる。

組  富永二郎ことジロー(石原裕次郎)は、東京大空襲の戦災孤児で、その後、東京にある藤田組のヤクザになった。両親を知らない。組の指示で人を殺め、東京を離れて、神戸に身を隠す。今は、ここ神戸の松山組に草鞋を脱いでいる用心棒。
  ジローに付きまとうのが三人いる。ひとりは、ジローの彼女でキャバレーのダンサー、マミー(中原早苗)。もう一人は、野呂刑事(大坂志郎)。ジローの男気に惚れ、東京での事件を知りながらも、その尻尾がつかめない限りは、ジローに堅気の道を歩ませようとしている。さらには、松山組のチンピラ・タア坊(岡田眞澄)。ジローを兄貴分と慕い、金魚の糞のようにしている。
  杉田圭子(北原三枝)は、港で杉田屋というレストランを経営している家の娘。店は船を持っていて、沖合に停泊中の大型船に出前もしている。圭子は東京の学校に行っていたが、兄の死をきっかけに、ごく最近、神戸に帰って来て店を手伝っている。

埠頭に係留する杉田屋という旗をたてた店の船。(手前)
組222  そう、ことは圭子の兄が殺されたことから始まる。兄は金に困っていたという。松山組が沖合の船荷に隠した麻薬のデリバリを、兄が店の船で手伝っていて欲が出たのだろうか、とにかく麻薬密輸がらみで松山組と争う結果になっていた。そのことは圭子はまったく知らされていない。
  一方、松山組の客人のジローは、兄が殺される現場にいた。そんなジローが港を歩いている時に、波止場で圭子に出会う。運命的な出会いだった。これを知った野呂刑事は圭子にジローに近づくな、ジローには素人に手を出すなと言うが、ふたりは魅かれあい中華街や六甲ドライブでデートを重ねる。


汽船  その頃、東京の藤田組の舎弟頭・勝又(二谷英明)が密かに神戸入りし、松山組の親分とある事を示し合わせていた。勝又はジローの兄貴分だ。東京でいろいろ世話になった。だが勝又の心はジローを憎んでいた。藤田組の親分は勝又よりジローを可愛がったからだ。そして親分の死、この機会に勝又は親分の座を狙い、同時に目の上のたんこぶ、ジロー抹殺のため、殺し屋・土田(土方弘)を連れて神戸に来たのだ。
  松山組は、ジローの金魚の糞・タア坊のねぐらを殺し屋・土田にあてがった。そうとは知らずに、タア坊の彼女・愛称ミッチン(清水まゆみ)は殺し屋と遭遇してしまう。この事をミッチンはタア坊に伝える。彼は熟考して、ここは一肌脱いでジローに報いようと、ミッチンに土田を誘い出させて決闘になり、タア坊はあっけなく死亡する。土田は、すぐさまミッチンを人質にし、埠頭に舫ってある木造の貨物船に隠れ、ジローの出を待った。その間、ミッチンは土田にレイプされた。
ミツ  事件を知ってジロー、そして野呂刑事と警察隊が土屋を探した。いち早くジローは土屋が隠れている船を見つけ銃撃戦に。一瞬でジローは土屋を仕留める。そして最後の引き金を引いたのは、ミッチンであった。北原三枝や中原早苗よりもいいシーンをもらった清水まゆみが精いっぱい、かっこいい!

  こうなっては、野呂刑事は職務としてジローを逮捕せざるを得ない。ついにジローは警察に逮捕されるのであった。



下英語タイトル:Left Hand of Jiro

監督:舛田利雄|1958年|99分|
脚本:池田一朗、舛田利雄|撮影:姫田真佐久|
出演:富永二郎・通称ジロー (石原裕次郎)|杉田圭子 (北原三枝)|マミー (中原早苗)|ママ (轟夕起子)|野呂刑事 (大坂志郎)|タア坊 (岡田眞澄)|美津子・ミッチン (清水まゆみ(旧名義:マリ子))|土田 (土方弘)|白石・パクさん (柳沢真一)|勝又 (二谷英明)|松山 (二本柳寛)|田辺 (山田禅二)|双見 (黒田剛)|とっつぁん (深見泰三)|杉田 (弘松三郎)|安雄 (藤田安男)|房子 (新井麗子)|三公 (水木京子)|高木刑事 (衣笠一夫)|安田刑事 (小泉郁之助)|杵藤刑事 (神山勝)|長谷川刑事部長 (天草四郎)|女 (山田美智子)|学生A (高田保)|学生B (林茂朗)|人夫 (瀬山孝司)|刑事A (峰三平)|刑事B (木島一郎)|福州飯店の主人 (井東柳晴)|

組333


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◆ 舛田利雄監督の映画 ~ 一夜一話より
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紹介「ひとりぼっちの二人だが」

  映画スター達が、浅草寺境内や浅草六区、花やしきを元気よく走り抜ける。
  昭和37年当時の、浅草の様子が分かる貴重な映画。
  もちろん主役は、吉永小百合。
  そして坂本九の歌謡映画でもある。吉永小百合のデュエットも。
  浅草生まれ、浅草育ちの中卒同窓生、ユキ(吉永小百合)、九太(坂本九)、三郎(浜田光夫)の話です。
  ◆ 「ひとりぼっちの二人だが」へは、こちらから


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映画「ザ・フューチャー」   監督:ミランダ・ジュライ

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上

ふたり00  深い映画です。  
  ソフィーとジェイソン、一緒に住み始めて4年になる。ワンルームの小さな木造アパート。ソフィーは近所で子供相手のダンス教室の先生。ジェイソンは在宅でひとり、ヘッドセットをつけてPCのヘルプデスクの電話対応業務をしている。ともに35歳。モラトリアムの有効期限が、さすがに、もう切れようとしている。
  二十歳の頃から言えば、15年。
  「若さゆえ、可能性は無限大」と自他ともに言える頃を、ふたりはそれぞれ謳歌してきたのだろう。自己弁護的に言えば、人生の前半は着々と準備してきた。でも何を準備してきた?
  今から5年後は、40歳。
  「いつまで生きれるのか」とか、これからを考えると変数の数が多い。でも、でもだ、変数がどう変わっても、これからの人生は、そうそう変わるものではないような気がする。こんな毎日が今後も続くの? それは良いの?悪いの?
  そもそも、今まで、あるいは今、幸せ? じゃなきゃ、何時、しあわせになる?
  
  ソフィーは、ネットを見ていて改めて思う。ダンス好きが自身の創作ダンスをネットで公開している。みんなセンスがあっていいと思う。自分も試してみたいが、あんな風に今っぽくはできそうにない・・・。そう、彼女は、若い頃から、いつも時代の先端を歩みたかったが、いわゆる時代に疎いタイプ、それは自分が一番よく分かってる。
  ジェイソンは、若い頃、インターネットベンチャーにあこがれていたのかもしれない。ネットの技術やビジネススキル、勉強してもっと賢くなって、稼げるようになる・・・と思ってた、らしい。

始めた事  少なくとも、今ふたりの生活レベルは、だいぶ低い。第一、車を持っていない。子供がいたらたぶん、そのレベルはギリギリ以下になるかもしれない様子。だからこそ、巻き返したい。これから何かすごいことをする! してみたい。
  世間のしがらみを一旦、捨てて、何かしよう。(「何か」というところが辛い・・・。)
  ソフィーは30日間、毎日新しいダンスを創る。ジェイソンは、町内でひとりでやっている緑化運動のオジサンを手伝うボランティア。つまり、戸別訪問して苗木を売り歩く。がしかし、ともに上手く行かない。
  女性は、やはりコワい。
  そんな最中にソフィーは、妻を亡くした子持ちオジサン40歳台と気が合い、ベッドを共にする仲に急発展。オジサンは広告看板屋を自営していて生活レベルは高く安定している。包容力もある。アパートの荷物をまとめてオジサンの家に転居する!  ソフィー「このシーツ、肌触りがとてもいいわ。」 オジサン「そりゃ、高級品だからね。」
  もちろん、足元すくわれたジェイソンは、この事態を受け入れがたく、悲しみ悩む毎日。さて、ソフィーとジェイソン、この先どういう顛末になりますやら・・・。


猫00  さて、この映画にはサブ・ストーリーがある。ソフィーとジェイソンが、左前足を重傷の猫を発見し、近所の動物シェルターに運び込み、傷の手当をお願いし、回復すれば引き取る手筈をする。その名をパウパウと名付ける。
  この猫が全体のストーリーのナレーション、特に二人の心の動きを語る仕立て。語り口は、人生の大先輩的な感じ。かつ、パウパウの入退院時期を、ソフィーとジェイソンの時の流れの時間軸に仕立てている。 
  また月も語ります。ソフィーの心離れをジェイソンが嘆くシーンでは、お空のお月様が彼に語りかけ、慰め諭す。
  このふたつから、ディズニーの「ふしぎの国のアリス」のチェシャ猫を連想させます。
  あわせて、ジェイソンには不思議な能力があります。こういった不思議フレーバーを振りかけて、ちょっと痛い映画をファンタジー味に作っています。
  ソフィーが時代の流れに疎い事が語られますが、監督自身も何かそういった不器用さを自覚しているのでしょうか。そこらへんをオリジナリティに昇華させられると理想なんでしょうね。


Tシャツに全身を入れて、もがくソフィー。(浮気先の家で)
これで彼女は、羽化できたのだろうか?

下オリジナル・タイトル:The Future

監督・脚本:ミランダ・ジュライ|ドイツ、アメリカ|2011年|91分|
撮影:ニコライ・フォン・グリーニベニッツ、エリオット・ホステッター|
出演:ジェイソン (ハミッシュ・リンクレイター)|ソフィー (ミランダ・ジュライ)|マーシャル (デヴィッド・ウォーショフスキー)|ジョー (ジョー・パターリック)|下3







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◆ ミランダ・ジュライ監督の映画 ~ 一夜一話より
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紹介「君とボクの虹色の世界」

  クリスティーン(ミランダ・ジュライ)は魔女のよう、この街に小さな幸せを作り出す。お話は、なかなか複雑に凝ってます。単にクリスティーンとリチャードの恋物語の映画じゃない。色味がきれいな映画です。
  クリスティーンは独身。映像系のアーティストとして食べていきたいが、今は高齢者介護タクシーで生活している。地元にある美術館で、作品を全国公募していた。キュレーターのナンシーが企画するアート展だ。 ◆ 「君とボクの虹色の世界」のページへは、こちらから。


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映画「ベアスキン 都会の夜の一幕寓話」  監督:アン・ゲディス、 エドワード・ゲディス  出演:トム・ウェイツ

上
ローラと熊の着ぐるみ。

組00  イギリスの小さなある町に、人形芝居の一座がいた。熊の着ぐるみが、道行く子たちに公演チラシをまき、そのそばで白い顔の女ピエロが楽しそうに太鼓をたたく。公演場所は、公園だったり空き地だったり、子達が座れる草地があればいい。
  出し物は、イギリス風のドタバタ芝居・パンチとジュディ、人形同士が、下品でいけない言葉でののしりあったり、殴りあったり、殺されたりの残酷な内容、でも、日頃の憂さを忘れ子達は夢中で大笑い。

  女ピエロの名はローラ、その相棒はアメリカ人のシルヴァ(トム・ウェイツ)。
  ローラは口がきけない。シルヴァは、ローラのことを、「あれは天使の心を持つ女だ。」という。
  そのシルヴァは、アメリカで人気のプロボクサーだった。2年ほど前に、ラスベガスにあったボクシング・ジムが火災にあい、シルヴァが焼死体で発見され、葬儀まで行われた。ところが実は、火事と同時にシルヴァは逃げ延びてイギリスに渡って来たのだった。わけは大ありだったが・・・。

ローラと人形・・・。
ジョニーがミセスJに会った話に聞き入るローラ。

ローラ  この一座に、ひとり若い男が加わった。名はジョニー。町の与太者で、カードばくちでイカサマを見破られてヤクザに追われている。こっちのわけは、大したことない・・・ハズだった。シルヴァにかわって、熊の着ぐるみをかぶる。ローラに気にいられたようだ。で、ヤクザはジョニーを見失ってしまった。

ケイト  そこで、ヤクザはジョニーの恋人ケイトに手を出しレイプする。ジョニーは仕返しに賭博場に火をかけた。こうなって、事がおおごとになった。
  一方、死んだはずのシルヴァにも、大西洋の向こうから追っ手がかかった噂が・・・。シルヴァはミセスJに会いに行き、うわさを確認した。このふたり、実はお互いに知った関係だ。ミセスJは、裏の社会のいわゆる情報屋、この商売を長く続けてきた。ミセスJは、シルヴァに言う。「へたなことすると、ローラの身に何か起こるよ。」脅しである。
キャプチャ131  帰ったジョニーはローラに言った。「俺は町を出る。そうすればお前は安全だ。」  これを聞いたローラは急いで出て行った。行先は、ミセスJの家だった。
  なんとミセスJはローラの母であった。ふたりにどういう過去があるのか、映画は多くを語らないが、わけは大いにありそうだ。  

シルヴァ  さて、ジョニーに話を戻す。
  ジョニーは、例の熊の着ぐるみを着せられて、ヤクザにいたぶられる。そして気絶した熊を人通りのない裏道で抹殺しようとした。
  「あいつを見てると、自分のガキの頃を思い出す。」そう言っていたシルヴァは、ジョニーの命を救い、身代わりにシルヴァは、熊の着ぐるみを着て、追っ手のヤクザを誘い出すのであった。

  
  これといった事はないのですが、イギリスっぽい語り口の映画。
  シルヴァ役は、トム・ウェイツというアメリカのミュージシャン。(右下の映画ジャケット写真の人)

下オリジナル・タイトル:Bearskin

監督・脚本:アン・ゲディス、エドワード・ゲディス|イギリス、ポルトガル|1990年|95分|
撮影:マイケル・コールター|
出演:トム・ウェイツ(シルヴァ)|デイモン・ローリィ(ジョニー)|シャーロット・コールマン(ケイト)|ジュリア・ブリットン(ローラ)|イザベル・ルス(ミセスJ)|
ジャケット



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映画「純愛物語」  監督:今井正  主演:中原ひとみ

上

孤児00  太平洋戦争が終わっても、戦災孤児の少女ミツ子には、容赦ない仕打ちが待っていた。
  終戦直後、東京・上野駅周辺に、たくさんの戦災孤児や少年少女がいた。すきっ腹をかかえ、寒さに耐え、それでも何とか生き抜く毎日。上野公園あたりには、夜露がしのげる程度の、風が吹けば壊れるテントのような、ねぐらが並ぶ。親とはぐれ、あるいは親が死んで、爆音/熱風の大空襲をかいくぐり、それだけでも精神的ダメージは相当なものだったろう。そして、戦後経験するこれからの事は、さらに彼らに大きな負担となっていく。
  上野公園に、徒党を組まず、ひとりで生きている主人公・ミツ子(中原ひとみ)がいた。売春もやってる、スリもやってる。しかし、持ち前の勝気さで前向きに生きてる。

  そんなミツ子は、少し年上の、地場のやさぐれ・早川貫太郎(江原真二郎)と運命的な出会いをする。
  ここから話がはじまる。組00 浅草のデパートで、ふたりは万引きをする。警戒中ですぐに捕まってしまった。ミツ子は東京家庭裁判所・少年審判部を経由して聖愛学園へ、貫太郎は久里浜少年院へ送られた。
  何が「家庭」裁判所なものか。ミツ子は案の定、女の園の集団生活で、我を張り、孤立して過ごしていた。
横須賀線  一方、貫太郎は護送中に、走る横須賀線の電車の便所の窓から、飛び降り怪我を負う。護送の刑務官たちは、あわてて電車を止め線路を走った。

  時が経ち、ふたりはそれぞれに退院する。
  このころから、元気なミツ子が体調を崩す。医者に診せると、原爆の後遺症らしいとのこと。赤十字病院の「原爆科」の集団検診を受ける。彼女は誰にも黙していたが、広島で被爆していたのだ。
  このころミツ子は中華ソバ屋で住込みをしていたが、医師から仕事は止めるように言われる。
宿  観念した彼女は、上野のドヤ街にある、一泊50円の相模屋という宿に入る。宿とは言え、がらんとしたところに壁も境もなく、板の間にセンベイふとんを敷いただけの所。伏せている時間がだんだんに長くなる。隣の屑屋の爺さん(東野英治郎)が、不憫に思ってくれて、なにかと面倒をみてくれる。もちろん、聞きつけた貫太郎は、あわてて訪れ、これからのふたりが歩む道を語り、彼女を励ますのであった。

  しかし、高熱のため入院を余儀なくされる。運命は残酷だ。貫太郎が再度、見舞いに来たときには、ミツ子の姿は、もうベッドになかった・・・。

ミツ子00  なんと言っても、この映画、中原ひとみが光る。その清涼感、ひとみの輝き、健気さが、本作品の柱になっている。
  あわせて、終戦直後の孤児や家庭の無い青少年、当時なすすべがなかった被ばく後遺症、それぞれを思いながら観て欲しい映画。  お見逃しなく。




  

組001001英語タイトル:The Story of Pure Love

監督:今井正|1957年|133分|
脚本:水木洋子|撮影:中尾駿一郎|
出演:江原真二郎 (早川貫太郎)|中原ひとみ (宮内ミツ子)|岡田英次 (下山観察官)|木村功 (瀬川病院の医師)|加藤嘉 (鈴木教官)|宮口精二 (判事)|東野英治郎 (屑屋の爺さん)|楠田薫 (小島教官)|小林トシ子 (裕福な妻)|藤里まゆみ (板谷教官)|戸田春子 (田中の母)|北城真記子 (国立教官)|荒木道子 (瀬川病院看護婦)|岸輝子 (ドヤのかみさん)|長岡輝子 (聖愛女子学園長)|高木二朗 (日赤病院医師)|松本克平 (医務課長)|神田隆 (少年院体育教官)|増田順二 (日赤病院医師)|嵯峨善兵 (中華そばやの主人)|北沢彪 (日赤病院医師)|稲葉義男 (日赤病院医師)|中村是好 (カラフト食堂主人)|外野村晋 (少年院庶務課員)|石島房太郎 (自誠会指導員)|清村耕次 (少年院自動車教官)|織本順吉 (刑事)|成瀬昌彦 (裕福そうな夫)|陶隆 (自誠会指導主任)|曽根秀介 (中年男)|霞涼二 (市ちゃん)|田中邦衛 (里やん)|友野博司 (杉)|植松鉄男 (デンスケ)|三戸部スエ (患者の母)|和田愛子 (聖愛女子学園教官)|不忍郷子 (妾)|桧有子 (マダム)|山本緑 (隣のかみさん)|高橋京子 (病院看護婦)|平岡牧子 (ヨリ子)|正城睦子 (お高)|石橋暁子 (お兼)|小林利江 (時子)|田上和枝 (君江)|大東良 (護送教官)|片山滉 (日赤病院医師)|小瀬朗 (田中)|井川比佐志 (五郎)|高津住男 (自誠会の嘉一)|小塚十紀雄 (守衛)|梅津栄 (刑事)|下








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◆ 今井正監督の映画 ~ 一夜一話より
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紹介「米」 

  ワイルドな映画だ。
  琵琶湖につぎ大きな湖、霞ヶ浦の水郷地帯が舞台。この霞ヶ浦というスケールの大きな自然を相手に、漁業や農業の毎日を送る村人たちの話。主人公の青年(江原真二郎)は農家の次男、だから次男なりの人生設計が必要だった。
  ある日、一枚帆の舟で網を引く「帆引き舟」でシラウオやワカサギの漁をしている漁師(木村功)から誘いがかかった。佃煮工場のあるじが、この漁の胴元で、魚が獲れる時期だけの季節労働である。だから、それなりに大きな現金を手にする。
  青年と運命的な出会いをする娘(中村雅子)の家は貧しい農家、母親(望月優子)と娘で米作り、小舟で水郷に出て、うなぎやエビを獲ってわずかな現金を得る、そんな生活。
  ある朝、青年と友人は帆引き舟で漁に出ていたが、風が予想以上に強かった。竹の帆柱が倒れ、舟は一瞬にして転覆した。友人は死亡し、青年は岸に流れ着いた。これを救ったのが、あの娘だった・・・。
  ◆ 「米」へは、こちらから


紹介2「にごりえ」 

  本作は、明治の小説家・樋口一葉の短編小説「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」のそれぞれを元にした同名の映画、3作で構成されている。
  さらりとしているが、奥が深い映画。
  出色は、なんといっても「にごりえ」の淡島千景だ。 
  ◆ 「にごりえ」へは、こちらから。



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映画「ゆずれない事 」  監督:ペーター・フィッシュリ、ダヴィッド・ヴァイス

上

プール  ネズミとパンダは、腐れ縁。 ともに無職。
  ネズミは、まじめで一途な性格。パンダは、自分の手を汚さずに相手を利用して、お気軽に生きていきたいタイプ。
  そうは言え、この現代社会は、そうそう、お気楽にできないようになってしまった。
  一方、ネズミ的な性格は損をする。ひとりじゃ損をする。 だから、ネズミはパンダに付かず離れず付き合ってる。  そんなわけで、腐れ縁。

  ストーリーがあって、いろんなことに遭遇するが、ネズミとパンダは、ともに楽観的! そんなことで良いの? と、つい口をはさみそうになる。 こいつら、世の中なめてる、とも言える。

  でも、どうも見たことあるやつらだと思ったら、 んん、そうだ。 ロクデナシのこいつら、ワンセットで私たちのこころにいる。
  

下監督:ペーター・フィッシュリ、ダヴィッド・ヴァイス|スイス|1981年|30分|
撮影:ユルグ・ウォルザー|
出演:ペーター・フィッシュリ|ダヴィッド・ヴァイス|

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御喜美江アコーディオン・ワークス2013

御木美江さん

  クラシックのジャンルで活躍する、国際的なアコーディオン奏者、御喜美江(みき みえ)。
  この方のライブを聴くのは初めてだったが、大変満足なコンサートでした。

  バッハをアコーディオン演奏向けに編曲して・・・というと、違和感を感じる向きもあろうが、食わず嫌いは損! 
  オルガンは機械的に風を送って音を出すが、アコーディオンの蛇腹は、あたかも人の息で音を出すに近い。
  さらに、アコーディオン二重奏でバッハに臨むと、オルガニストは必ずや、悔しがるだろう。

  今回のコンサートは、バッハに加えて現代音楽の曲が並んだ。
  これがいい。アコーディオンの可能性が美しい。
  作曲家・細川俊夫もコンサート会場に。



<出演者>
・アコーディオン演奏
 御喜美江、大田智美、ヘイディ・ルオスイェルヴィ
・ハープ演奏
 吉野直子

<演奏曲>
・J.S.バッハ/御喜美江編曲 ファンタジーとフーガ ト短調 BWV542
・林光/野田雅己編曲 「裸の島」の主題によるパラフレーズ
・細川俊夫 「巫女」3台のアコーディオンのための(2012年、世界初演)
・ディエゴ・ラモス Momenti d'incandescenza sonora(世界初演)
・アレキサンダー・チェレプニン インベンション(日本初演)、
                    チガーネ(日本初演)
・J.S.バッハ/御喜美江編曲 2台のチェンバロのための協奏曲 BWV1061a ハ長調



2013年3月9日 浜離宮朝日ホールにて (光陰矢のごとし・・・)

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プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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