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2013年07月 Archive

映画「珍品堂主人」   監督:豊田四郎   淡島千景、森繁久彌

上

  森繁がいつもと違う。
  森繁節が影をひそめる。森繁演じる男、趣味が高じて骨董鑑定士と認められて通称・珍品堂と呼ばれる男・加納は、実業家の九谷が会員制高級料亭「途上園」を立ち上げるために、いいように利用され、はたまた雇われ女将、蘭々女史(淡島千景)にこき使われ、散々な目にあう、か弱き男。

  淡島千景がいつもと違う。
  利にさとくツッケンドンで君臨欲旺盛な女性。久谷にこのプロジェクトの相談役としてスカウトされ、久谷の傀儡として働く。徐々に才覚を露わにして女将の座に座り込んでしまう。意地が悪い嫌われ役を演じる。眉間にほくろがある、冷たい表情の菩薩のようだ。いつもの淡島が演じるような役どころ、珍品堂の妻を乙羽信子、珍品堂が入れ込む新橋の料理屋の女将を淡路恵子が担う。

  だから、いつもの森繁&淡島コンビが好きな人は、観ていて居心地よくない。演技もギクシャクしている。ま、そんなところが狙いなんだろう。

  実業家の九谷は骨董の趣味がある。ある骨董の鑑定を通して、九谷と珍品堂は知り合うようになった。九谷は都心部に大きな屋敷を持っている。元は大名屋敷だろうか。空き家になっているが、維持管理はしていた。大きな池、大きな庭。これを見た珍品堂は、ここを料亭にすることを九谷に進言した。話はここから始まる。
  結果、アイデアだけを九谷盗まれて、珍品堂は割が合わない結末になる。
  話のはじめは支配人にするということで珍品堂は意気揚々であった。料亭で使うすべての食器は、気に入った骨董を模して京都でつくらせる。ひとりひとりの客の舌の好みを記録する手法も考え出した。屋敷を料亭に改造する設計図も用意した。が、このあたりから、九谷の傀儡・蘭々女史(淡島千景)が首を突っ込む。設計は女史がやることになった。女中募集の面接とその評価も女史が一手にやってしまう。
  開業はスムーズで客入りも上々。九谷は満足だ。女史は板前、女中、経理方をその権力下に収めてしまう。女中たち従業員のスト騒動がでっち上げられ、ついに珍品堂は自主退社を強いられる。その後、女史も追い出された。すべて九谷の、実業家としての手腕。珍品堂も女史も、初めっから九谷の手のひらの上、であった。

  ひょうひょうとした珍品堂は、九谷の口車と札束を見てツイ欲をだし、自分が苦手な事、つまり事業開発や組織マネージメントに手を出してしまった。骨董の鑑定はうまいが、「人」と「話」の鑑定は止めておいた方がいい。
  これは!という骨董を見つけ出して鑑定し、ひとり悦に入って眺めている、そのうち世の中が追いついて、珍品堂の鑑定が評価されるまで、彼はひょうひょうとしていればよかったのだ。こんな、誰にも出来ない事が出来る自分を、彼は見失っていた。思い上がり、いい気になっていた事が、目利きの目を曇らせた。

  九谷役の柳永二郎がいなければ、この映画はなりたたなかったろう。

監督:豊田四郎|1960年|120分|
原作:井伏鱒二|脚色:八住利雄|撮影:玉井正夫|
出演:森繁久彌(珍品堂主人・加納夏磨)|淡島千景(蘭々女史)|柳永二郎(九谷)|乙羽信子(お浜・珍品堂の妻)|淡路恵子(佐登子・「三蔵」の女主人)|有島一郎(宇田川)|山茶花究(島々徳久)|東野英治郎(村木・途上園の番頭)|千石規子(於千代・途上園の女中)|峯京子(利根・途上園の女中)|小林千登勢(喜代・途上園の女中)|都家かつ江(新山さく・途上園の女中)|市原悦子(明子・途上園の女中)|高島忠夫(佐山・アルバイト学生)|石田茂樹(勘さん・板前)|若宮大祐(格さん)|横山道代(阿井さくら)|河美智子(「三蔵」の小女)|林寛佐々(会計助手)


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映画「兄貴の恋人」   監督 :森谷司郎  出演:内藤洋子、酒井和歌子、加山雄三

U_20130613235901.jpg  酒井和歌子と内藤洋子の共演バトル。
  このふたりの若さを楽しむ映画です。

  ストーリーは、わかりやすい。
  加山雄三が勤務する会社と、彼が通うバーが主な舞台です。酒井和歌子は、加山雄三が所属する営業部の庶務担当。事情があって彼女は退職し、親戚がやっている呑み屋に勤めます。この店も舞台になります。
中央線  内藤洋子は、加山雄三の妹。で、加山雄三は「兄貴」であり、「恋人」は、酒井和歌子になるわけですが、内藤洋子は通学時に、出勤する兄貴と一緒に中央線の満員電車に毎日揺られるわけだが、こんなシーンで内藤洋子の心は、一番安心出来るのです。
酒井の勤める店で
  ですが、恋人は、まだいます。
  取引先の社長が、加山の会社の社長を通して、自分の娘(中山麻理・写真上)を加山に紹介します。この社長令嬢の中山麻理は、積極的に加山に接します。そして、酒井和歌子が務める呑み屋で、酒井和歌子と中山麻理は、加山の目を盗んで、互いに密かに、にらみ合う。これもバトル。

白川由美  そして、まだ恋人がいます。
  先に言った、加山が通うバーのママ・玲子(白川由美)だ。 
  うう、あなたなら、どうします?
  「白川由美もいい。」

安心監視0  さて、酒井和歌子が退職したあとに、庶務担当として異動してきた久美(岡田可愛・写真上)は、内藤洋子の親しい友達だったので、兄貴の社内事情や女性問題のうわさは、妹に筒抜け状態で・・・、内藤は、大切な兄貴の監視ができて安心。
  だが、プールサイドで、加山と社長令嬢・中山麻理(写真下)のデートを目撃した時は、内藤もびっくりした。 
病院10
  ま、それからいろいろあって、加山は怪我で入院。
  見舞う酒井と・・・、
  内藤洋子と加山の母(沢村貞子)。
  この時点では、酒井和歌子は加山からの結婚の申し出に、戸惑っていた。なぜなら、酒井の兄はやさぐれで借金だらけ、酒井の母は病気で伏せっている、こんな家庭の事情を背負う彼女は、加山と一緒になれないという思い。

会う
  ここへ来て、妹・内藤洋子は方針転換。兄貴と酒井和歌子を結婚させるために、一肌脱ぐ。
  姉さんになるかもしれぬ酒井と直に会い、懸命に説得する。
  さてさて、その結果は・・・。

  ストーリーはさて置き、あらためて酒井和歌子と内藤洋子の若さを楽しみましょう。
  こんな映画、忘れちゃいけません。以上。
酒井00

内藤 2


監督:森谷司郎|1968年|84分|
脚本:井手俊郎|撮影:斎藤孝雄|
出演:北川鉄平 (加山雄三)|北川節子 (内藤洋子)|北川銀作 (宮口精二)|北川加代 (沢村貞子)|野村和子 (酒井和歌子)|野村弘吉 (江原達怡)|野村千枝 (東郷晴子)|小畑久美 (岡田可愛)|矢代健一 (清水紘治)|水谷敏夫 (東山敬司)|玲子 (白川由美)|藍子 (ロミ山田)|中井緑 (中山麻理)|西田京子 (豊浦美子)|大森史郎 (小鹿敦)|早苗 (樹木希林)|岩本佐知子 (小林哲子)|春子 (風見章子)|坂口文太 (人見明)|山岸専務 (清水元)|中井 (北龍二)|

JR山手線が、こんな時代です。・・・1968年・昭和43年だ。
山手線



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NHK番組 「世界ふれあい街歩き」のナレーション

  • Posted by: やまなか
  • 2013-07-05 Fri 05:59:59
  • 一話
  NHK長寿番組 「世界ふれあい街歩き」 のナレーターの話。

  この番組、結構たくさんのナレーターがいらっしゃいます。
  で、映像見ながら、ナレーション入れる側と、視聴者として感じる側、その互いの感性が妙に一致する場合ありませんか?

  以前から感じてるんですが、
  私の場合、中嶋朋子さんがそうだ。
  彼女が思うこと、感じることが、結構自分に近い。
  もちろん台本があることは承知してますが、アドリブ部分ですね。
  ナレーションが聞こえる前に、自分が同じセリフをTVの前で、先に発している。
  この方と、実際に街歩きすると、楽しいだろうな、と思う。

  次に近いのが、桂文珍かな。
  これ、ツィッターネタだな。
imJFJFgres

「女が、自分の道を歩む時」  映画ピックアップ   一夜一話より

  • Posted by: やまなか
  • 2013-07-05 Fri 11:59:59
  • 一話
 テーマを選んで、一夜一話から、映画をピックアップしています。
 今回のテーマは、「女が、自分の道を歩む時」

 紹介 女が、自分の道を歩む時」
  きょうび、女子が「自分の道」を歩みはじめた時、男子よりずっと強い。
  へこんでも、へこたれない。へこたれても、起き上がる。
  起き上がって・・・、時に、ため息もする。
  こちらからどうぞ。 (一夜一話内のリンクです。)

映画「ロボジー」    監督: 矢口史靖   主演:ミッキー・カーチス

u_20130615194112.jpg

  あり得ない話を、長けた話者が真面目に話すうちに、観客はスッカリ話術にはまって、はらはらドキドキ、大笑い。そう、これ落語です。最後まで一気に観てしまいます、楽しんでください。

大学  事の発端はたくさんあるが、そのひとつ。
  機械工学科の学生、葉子(吉高由里子)は、ロボット・オタクで大学のロボット研究会に属してる元気な女子。
会場  彼女は、各メーカーが二足歩行技術を競う、ロボット博覧会会場で、あるロボットに助けられ、ロボットに恋をする。そのロボットとは、木村電器の「ニュー潮風」。

電機  木村電器の開発者スタッフは、この3人の若手社員たち。だがロボットにかかわる技術は、この企業の本道じゃない。要するに会社全体としても、ロボット技術に疎い。本道でない事を業務とする理由は、社内で くすぶってるこの3人に、当座の仕事をあてがうため。と、技術広報に懸命な技術音痴で人任せ過ぎる社長が、勝手にロボット博に参画してしまった。こりゃ、何かしらロボットを製作しなくっちゃ。  

踊るロボット  ロボット博まで、あと1週間。 追い詰められる人は、すごい威力を発揮する。
  とにかくロボット動かしゃいいんだ! 動かすためには、もう、ややこしい技術より、人力じゃん。 そして、そもそも、ロボットより人間のほうが、2足歩行は優れている!

老人と  いろいろあったが、なんと、ある独居老人に白羽の矢が立った。つまり老人がロボット内部に入って、ロボットを演じる。
  この老人(ミッキー・カーチス)、彼なりに懸命に努力するが、徐々に「ロボット」に人気が出て来てTV出演までエスカレートする。こうなってくると、老人は木村電器社員から、それ相当のスター扱いを求めるようになった。もちろん、「ニュー潮風」に恋した葉子はオッカケする。

組写真  しかし、ここで問題発生。
  あることから、「ニュー潮風」がロボットでないことがバレル。怒る葉子は、ロボット内部にいる老人を突き止める。
  その時、車に轢かれそうになった葉子を老人が助けた。デジャヴ。そうだ、以前にこんな事があって、こんな手の感触だったことを葉子は思い出す。
  さて、全部言っちゃ、つまらない。おあとが、よろしいようで・・・。




下監督・脚本:矢口史靖|2011年|111分|
撮影:柳島克己|
出演:鈴木重光 (ミッキー・カーチス)|佐々木葉子 (吉高由里子)|小林弘樹 (濱田岳)|太田浩二 (川合正悟)|長井信也 (川島潤哉)|伊丹弥生 (田畑智子)|斉藤春江 (和久井映見)|木村宗佑 (小野武彦)|田中要次|森下能幸|古川雄輝|高橋春留奈|大窪人衛|今井隆文|三浦圭祐|安田聖愛|星野亜門|竹井亮介|藤本静|細川洋平|大久保綾乃|遊木康剛|徳井優|菅原大吉|大石吾朗|竹中直人|田辺誠一|
老人




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映画「マーサの幸せレシピ」   監督:サンドラ・ネットルベック

料理u上0


厨房
  レストランもの、厨房ものが好きです。
  なかでも、この映画は素直な作品で、完成度もいい映画です。ラブストーリーです。

  映画の舞台は、ドイツの街にある高級フランス料理店。
  主人公のマーサは、この店の有名シェフ。抜群の才能あって、美しいひと。店のオーナーも常連客誰も認める、彼女あってのレストラン。
  当のマーサは、求道的で、24時間、自分のすべてを料理の探求に捧げている。ひとり住まいの家に帰っても、小さいがプロ用の厨房があって試作もする。

冷蔵庫  欠点は、人と交わることを避けること。
  業務中に、いっぱいいっぱいになって、一息つきたい時に、マーサは決まって厨房にあるウォークイン型の冷蔵庫に入る。
  ランチ店の従業員たちとのランチタイム、みんなと一緒にテーブルにつくが、彼女は楽しい会話に加わらない。隅っこでひとり新聞を読んでる。もちろん、厨房では彼女の指示に、皆が従うボスとして君臨している。
  こんな様子をずっとみていて、オーナーはマーサに、精神カウンセラーに通わせている。が、言われたから通うが、本人は、なぜここに通わなきゃならないのか分からない。カウンセラーを困らせるのが、週一回の楽しみになってしまっている。

クレーム  マーサは男勝りだ。客が料理にクレームを言うと、テーブルまで行って、言いたいことを言い放つ。 「ソーセージが食べたければ、安食堂に行けばいい。」 包丁をテーブルに突き立てるのなんか、朝飯前の勢い。だから・・・オーナーは困る。
  実は以前から、オーナーの頭の片隅には、他店のイタリア人シェフの名がある。業界筋では、マーサと1.2を競う評判のフランス料理シェフである。その腕のみならず、厨房スタッフや客との対応も評判がいい、陽気なイタリアン。

引き取る  そんなある日、マーサの姉から、姉の娘を連れてマーサに会いに行きたいと連絡があった。しかしアウトバーンを飛ばして事故に会い、幸いにも幼い娘だけは助かった。ほかに身寄りはない。マーサは8歳のリナを引き取る。
連れてきた  が、独身で子供好きでもないマーサ。片や、母を亡くして精神的に参っているリナは、食事を受け付けない。小学校から帰ってくると、家でポツンとしている。マーサは、仕事を終えて深夜帰宅。すれ違い。上手く行かない。
  マーサは、リナを厨房に連れてきた。しかし、食事を受け付けないのは変わらない。突然の代理ママに、困惑しまくるマーサ。

イタリアン  さて、マーサの城である厨房に、変な男がいる。
  マーサがリナの件で厨房を留守にしている間に、オーナーはマーサを助けたい、良かれと思い、くだんのイタリア人シェフ・マリオを、副料理長として雇い入れていた。
  さあ、レストランに嵐が吹く。マーサの反応は、聞いてない! 自分かマリオかどっちかを選択しろ! マリオには、シェフの地位を乗っ取りに来たのね。悪態の連続だ。マリオは身を引くと言う。結局、オーナーの圧力で、マーサも渋々承諾する。
パスタ  この間、厨房スタッフは、陽気なマリオとおおいに馴染んでいた。
  そうそう、馴染んだのは、もうひとりいる。リナだ。マリオが作ったパスタを食べ始めた!
  これには、マーサもスタッフたちも、思わずグッと来た。
笑顔  そして、いつも口を閉ざしていたリナに、笑顔が戻った!


ゲーム  さあ、ここまで来れば、エンディングが想像できるでしょう。
  ただし、最後に、もひとつ大きな試練がありました。それは・・・・。
  観てのお楽しみ。


厨房4人オリジナル・タイトル:BELLA MARTHA
英語タイトル:Mostly Martha

監督・脚本:サンドラ・ネットルベック|ドイツ|2001年|105分|
撮影:ミヒャエル・ベルトル|
出演:マーサ (マルティナ・ゲデック)|マリオ (セルジオ・カステリット)|リナ (マクシメ・フェルステ)|フリーダ (ジビレ・カノニカ)|レア (カーチャ・シュトゥット)|ベルナデッテ (イディール・ユーナー)|カルロス (アントニオ・ヴァネク)|ヤン (オリヴァー・ブロウミス)|セラピスト (アウグスト・ツィルナー)|サム (ウルリク・トムセン)|ジュゼッペ・ロレンツォ (ディエゴ・リボン)|




<一夜一話お薦め、レストラン映画>

◆ 「ディナーラッシュ」  監督:ボブ・ジラルディ
紹介
  いい映画だ。何回観ても、いい。お薦め。
  ニューヨークの南、トライベッカにある有名イタリアレストラン「ジジーノ」での、「その日の出来事」を語る、サスペンス風味な映画。
  「ジジーノ」は予約が無いと入れない超有名店で、料理評論家がうなる有名シェフがいる。店のオーナーはルイス。25年前、一代で店を築いたが、今は調理場を息子のウードに任せている。このウードが有名シェフだ。
  父・ルイスが、伝統的な母の味を開業以来売りにしてきたのに対し、息子・ウードはアートな味覚でスタイリッシュでNYな料理を創作する。店は繁盛している、ウードは店の経営も手がけたいが、ルイスは渋い顔だ・・・。
  <この映画の映画評全文は、こちらから。| 一話一夜より>


◆ 「幸せのレシピ」  監督:スコット・ヒックス  2007年  英語タイトル:No Reservations

アメリカ  実は、この作品の原作者はサンドラ・ネットルベックで、上のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」と同一人物。つまり、まったく同じお話の映画です。ただ、こちらはアメリカ映画です。
  内容は細かい所は違いますが(そりゃそうだろう)、あらすじは、ほぼ変わりません。
  どちらを観ても構いませんが(そりゃ・・・)、敢えて言えばアメリカ版は、表面なめらか、ライト感覚ですかね。言い換えれば、アメリカ映画のお作法に則った、お約束の味です、と言うと解ってもらえるかしら・・・。
  これにひきかえ、ドイツ版には、コクってもんがある気がします。
  レンタルショップでは、アメリカ版しか置いてないかもしれません。


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映画「狐と狸」  監督:千葉泰樹

上

  時は1959年、昭和の34年。
  泥臭い人情喜劇だが、時々しんみりもさせられる。
  茨城県を中心に千葉県へも続く霞ヶ浦は、当時は、見渡す限りに広がる美しい水郷地帯だった。
  この地に点在する、貧しい農家の軒先を回って、背広や着物を売り歩く行商たちがいた。そんなお話だ。

  映画の舞台は、茨城県江戸崎町。(牛久市の隣にあった町。その後稲敷市に併合)
  貧しくても、晴れの日には背広や着物は必需品だ。そうかといって、土浦の街に出て、洋品店やデパートで、高級品を買うほどのお金は無い。
  映画に登場する怪しげな行商人たちは、そこがねらい目だ。安いけど、品は良い。そう言って村々を一軒一軒、売り歩く。旅慣れているとはいえ、なかなかしんどい商いだ。
 
  行商のリーダー加東大介は、たたき上げだ。以前から馴染みのある商人宿を拠点に、このあたりを巡る。連れの仲間は5人。小林桂樹は大卒で小説家願望だった、この仕事に後ろめたさを感じながらも日々は過ぎる。山茶花究は元浪曲師。男勝りの清川虹子、そして三井弘次。みなベテランだ。それぞれに個性ある売り文句が素晴らしい。さらに、この一団に加わったのが、若き夏木陽介。加東大介の甥だ。このご時世、大学は出たけれど・・・不承不承だが仕方なく参加。この計6人の、おかしくも波乱万丈な珍道中が話の筋だ。
  彼らに加えて、定宿の人々、行きつけの呑み屋の女たち、そして、その昔は加東大介と組んで商いをしていた森繁久彌などを交えて、どうなりますやら。豪華な出演者たちが見ものです。 
   
  なにが、「狐と狸」なのかと・・・。
  純毛の背広だと称して、化繊(化学繊維)の洋服だったり、本絹だと言って人絹(レーヨン)の着物だったり。手の込んだ商品は、縦糸は本物だが、横糸が偽物といった生地で出来ていたりする。
  これをいかに悟られずに売るかが、行商人たちの勝負どころだ。腕がいる。いや、口がいる。
  一方、買い手も黙っちゃいない。品質は判断しにくいが、値切る、値切る。なかには玄人はだしなのがいる。服からはみ出している糸をちぎって、これを燃やしてみる。その臭いをかぎわけて、偽物を見破る。
  ま、しかし大概はだまされる。喜ばれもする。だが、バレもする。


三輪監督:千葉泰樹|1959年|126分|
原作:熊王徳平|脚色:菊島隆三|撮影:西垣六郎|
出演:青島京太 (加東大介)|湯舟吾市 (小林桂樹)|飯塚半五郎 (三井弘次)|天中軒瓢右衛門 (山茶花究)|お玉後家 (清川虹子)|倉掛三郎 (夏木陽介)|ゴンドラのヒロ子 (団令子)|ゴンドラのカヅ子 (草笛光子)|ゴンドラの女将マツ (三好栄子)|ジープの売人浅田 (南道郎)|佐川加代子 (水野久美)|安福秀松 (左卜全)|秀松の息子 (堺左千夫)|百姓中村 (安芸津広)|中村の女房 (中野トシ子)|すぎ (飯田蝶子)|つる子 (中北千枝子)|米田権之助 (中村是好)|息子英夫 (中山豊)|娘はる子 (上野明美)|サダ (本間文子)|高沢太郎兵衛 (谷晃)|女房とみ (千石規子)|深谷 (伊藤久哉)|村山多七 (柳谷寛)|夫人とし子 (若山セツ子)|北浦旅館女房しづ (東郷晴子)|額田丹平 (森繁久彌)|相原てる子 (北川町子)|椿油売りの保江 (塩沢とき)|椿油売りの初子 (木匠マユリ)|土屋 (土屋詩朗)|平手医師 (多々良純)|平手夫人 (三條利喜江)|黒坪正兵衛 (上田吉二郎)|奥村 (佐田豊)|京太の女房常子 (花井蘭子)|カヅ子の亭主梅吉 (織田政雄)|上州屋の女中おきみ (河美智子)|百姓女ヤエ (若水ヤエ子)|漁師仙吉 (広瀬正一)|半五郎の女房みつ (清川玉枝)|郵便配達夫 (瀬良明)|二人組のスリ (有島一郎)|二人組のスリ (三木のり平)|



< 「サギ師・スリ師」 の日本映画たち ~ 一夜一話掲載記事より >

◆ 「白昼堂々」  監督:野村芳太郎  出演:倍賞千恵子、渥美清

白昼堂々  渥美清、倍賞千恵子、藤岡琢也、有島一郎の映画。
  ワタカツ(渥美)はその道では著名なスリ師。よし子(倍賞)は東京で暗躍する美人スリ師。銀三(藤岡)もいいスリ師だったが改心してデパートのスリ防止監視警備員。(たぶん新宿・小田急百貨店)  森沢刑事(有島)は警視庁で永年スリ担当。
  ま、ここまでで、映画の骨組みが読めてしまうが、これが嬉しい!大衆映画の醍醐味!
  芸達者な俳優が満載のぜいたく~ッな作品。
  事件は、たくさんの笑いを誘いながら、コミカルに誠実に展開する。
  <一夜一話の映画評全文は、こちらから。>


◆ 「猫と鰹節  ~ ある詐話師の物語」  監督:堀川弘通

詐話師  大阪を舞台に、こてこてに泥臭いお笑いコメディ。喜劇のプロたちの腕前を堪能しましょう。
  詐話師(さわし)とは、誠しやかな作り話で誘い、まとまった金銭を被害者の目の前でサラリと強奪する詐欺(さぎ)専門家。話に乗せられた被害者は、その直後に我に気付く、がもう遅い。カモに数人の詐話師が絡む場合は、「劇団型犯罪」というらしい。というわけで映画はご丁寧にも、カモに一人の詐話師の場合の犯罪例と、劇団型犯罪例を楽しく見せてくれる。
  新世界(通天閣)辺りじゃ顔の白神善六(森繁)が・・・。
  <一夜一話の映画評全文は、こちらから。>


◆ 「現代インチキ物語 騙し屋 (だましや)」  監督:増村保造

だまし屋  だまし屋。口達者。舌先三寸とは言え、これは、世事や俗事に疎いとやっていけぬ職業だ。
  世間を読んで、相手の心を見透かし、臨機応変、大胆に実行する。
  「泥棒とちゃうでぇ。 相手の納得ずくで金を払わせるんや。」
  ベテランの俳優たちの、実になめらかなセリフまわしが、映画の流れを作っている。
   <一夜一話の映画評全文は、こちらから。>



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暑いです。

  • Posted by: やまなか
  • 2013-07-12 Fri 15:20:07
  • 一話
金魚だな。



映画「夜霧の恋人たち」   監督:フランソワ・トリュフォー

夜霧の恋人たちu
今度の勤め先は、これ。 私立探偵事務所の探偵。
そうなのと、電話帳の表4広告を指す彼女クリスティーヌ。

  みっちり作り込んだ映画もいいが、この映画のように、一筆書き風というか、風任せというような映画も、風合いがあって、いい。  もっとも、どう作ろうが、ですがね。

店内  で、この映画、筋ってほどのモノもない。
  内容も、どうってことない。
  その場そのシーンで、何かしらの機微を、さらりと感じられれば、観て良かった、ってことになる。
  1968年の製作ですから、もう、かれこれ、40年数年経っているクラシック映画。 だから、当時の古きフランスを、アンティークにおしゃれに楽しむ映画でもある。

  兵隊をクビになったアントワーヌ(ジャン=ピエール・レオ)は、職探し。
  ひとり暮らしの彼は、風来坊じゃ生きていけない。何か仕事を見つけないと。
店頭  縁あって、私立探偵事務所の探偵になる。おもしろそう。初の担当案件は、高級婦人靴のお店。
  この店のオーナーが依頼主だ。自分が周りから嫌われている、なぜに嫌われるのか調査してほしい。こりゃ、精神カウンセラーのジャンルでしょ、ね。
  「じゃ、当社の探偵1名を、お宅の店の店員として潜り込ませて調査しましょう。」 周りに疑われないようにと、店員募集をして包装実務の試験までやる、念の入れよう。
夫人
  ある日、閉店後にアントワーヌがひとり、店の奥にいた。すると、店の中から声がする。「あの靴を取ってちょうだい。」 
  美しい女性がソファーに座っている。裕福そうだ。色気がある。お客は店内に残っていないハズなのにと・・・と思いながらも、アントワーヌは、接客する。
部屋  実は、この女性は、店のオーナー夫人であった。(中略) そして、ふたりは恋をする。
  ある朝、夫人はアントワーヌの部屋を訪れた。そしてふたりは、ふたりっきりになる。
彼女
  でも、こんなに可愛いクリスティーヌとは、アントワーヌ入隊前からの付き合いだし・・・。
  結局、アントワーヌはクリスティーヌのもとへ帰るのであった。
並木道
 
 
  で、どこが「夜霧の恋人たち」・・・なのかな。
  あと、ひとつ。
  「あなたの気送便(プヌマティック)で起こされて来たのよ。」
  店のオーナー夫人の、こういうセリフがある。アントワーヌの部屋に押しかけての、第一声だ。
  この、気送便(プヌマティック)。エアシューターのこと。つまり、筒状の容器に手紙を入れてフタをし、この筒状容器を配管されたパイプの中に入れると、圧縮空気がシュパッーン! と勢いよく容器を送り出し、受け側にスポンと到着する。気送便とは、こういった配管伝送装置を利用した郵便サービスだ。もちろん、そうやって郵便支局に届いた手紙は、配達先まで配達人が届ける。
  水道管や下水管と一緒に、この「管」が、当時、パリの道路の地下に張り巡らされていたんですね・・・。時代の進化は、「管」が「繊維」に。つまり、光ファイバーになりました。
  
  送気管とは:http://ja.wikipedia.org/wiki/気送管 (外部リンクです) 


下オリジナル・タイトル:Baisers Voles
英語タイトル:STOLEN KISSES

監督:フランソワ・トリュフォー|フランス|1968年|101分|
脚本:フランソワ・トリュフォー 、クロード・ド・ジヴレー 、ベルナール・ルボン|
撮影:デニス・クレルヴァル|
出演:アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)|クリスチーヌ・ダルボン(クロード・ジャド)|ダルボン夫人(クレール・デュアメル)|ダルボン氏(ダニエル・セカルディ)|ジャビエンヌ・タバール(デルフィーヌ・セイリグ)|タバール氏(ミシェル・ロンスダール)|ブラディ探偵社社長(アンドレ・ファルコン)|探偵・アンリ氏(アリ・マックス)|



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映画「大阪ストーリー」   監督:中田統一  大阪の在日韓国人一家のドキュメンタリー

上拝む

  自分の家族一族郎党を赤裸々に撮影対象としたドキュメンタリー映画。
  私小説というなら私映画だが、その世界は、こじんまりしていない。幅と奥行きに、在日韓国人の戦後発展の歴史と、日韓の国際性と、差別問題を含み、実に中身が濃い。とにかくパワフルに繁栄する元気なご家族たちだ。
  映画にしようとした選択と意図がよく分かる。
結婚
  終戦直後のことだ。在日韓国人の父、日本人の母は、大阪・鶴橋の闇市で知り合い、恋に落ちた。母の一家は猛反対であった。その後7人の子供達は元気に育って今に至る。
父  父親のご商売は、金貸し業。お客も会社の従業員も、みな在日韓国人だ。それと、パチンコ店を3店経営している。どちらの業種も、在日が手掛けやすかった。商売はうまくいっている。社車は運転手付の大型ベンツ。問題は後継者だ。

  この家の長男は、この映画監督の中田統一。イギリス留学中で映画を勉強している。映画の中で、家は継がない、結婚もしない、と宣言している。

弟  次男は若い時分に統一教会に入り、父親から勘当されて韓国へ渡る。教会で韓国女性と知り合い、今は日本に戻り、父親の元で後継者修行に精を出している。孫も生まれた。
  姉のひとりは、日本人男性と恋におち結婚。やはり父親から勘当をくらった。この夫婦は現在、父から一番疎遠な位置にいるらしい。
宴  あとの兄妹達とそれぞれの家族は、映画後半で、一族郎党の大宴会があるので、様子が垣間見れる。高校生の大きな孫から赤ちゃんまで、孫は10人位はいそうだ。





母  さて取材対象として欠かせないのは両親だ。
  監督は、母には親しく接して、たくさん取材している。一緒に出かけ市場やデパートで撮影し、台所でも話を聞く。愚痴も聞く。
  もともと性が合わない父親との取材に監督は及び腰だ。父親も避けている。一定の距離をとったインタビューが笑える。
墓参  だが、父親とふたりで韓国へ行く。墓参りもする。韓国では、父親は表情が明るいし、周りから一目おかれる人物らしい。そうだろう、在日での成功者ですから、村の人たちの面倒も何かとみてきただろう。
  そうそう、監督も薄々しか知らなかったが、父親には韓国にも奥さんがいた。子供もいる事がわかる。どうやら、父親はこの女性を正妻としている。この女性にもインタビューしている。


  逃げない、隠さない。ここまで徹底した取材姿勢で臨んだ映画に拍手を送りたい。
  在日韓国人という世界をわかりやすく学ばせてもらった。
  観る側が」、父親の視線で観ることができれば、この映画の深みを より知ることができると思う。
  ただ、この映画のソフト(VHS)はもう手に入らないだろう。

  以下、作品自体ではない、こういう情報(額縁情報)を記載するのは好きではないが、この場面では載せておきたい。
     1994年 シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ賞
     1994年 バンクーバー国際映画祭審査員特別賞
     1994年 国際学生映画祭グランプリ
     また、当時イギリスでは、ゴールデンアワーにBBCで放映されたらしい。

組2 1
監督:中田統一|イギリス|1994年|77分|ドキュメンタリー|
撮影:サイモン・アトキンス|
出演:監督の一族郎党のみなさん|


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映画「乙女ごころ三人姉妹」    監督:成瀬巳喜男

流し0
三味線を抱える流しの娘たちと、お染。(右から2人目)


  昭和初期、場所は東京・浅草。当時、ここは日本一の繁華街。
  夜になると三味線抱えて、呑み屋やカフェを回る若い娘たちがいた。
  店内に入って、そこにいる酔客たちに唄を聴かせて、御代をいただく、「流し」という商売だ。
  相手が酔っぱらいだから、卑猥なこともする。もちろん、唄を断る客が多い。
  店のほうは、客の財布は自分のものと思っているから、馴染みの流しでも、店に来れば心の内じゃ・・・。だから、時には店内のラジオのスイッチを入れて、追い出す。

  母一人、姉妹三人の家が、話の舞台だ。
  母親は、流しの娘たちの元締めだ。年若い娘たちに交じって、上の姉ふたり、おれん、お染も流しをしている。末っ子の千枝子は、浅草六区の劇場でダンサーをしている。でも、家計は厳しい。

上  長女のおれんは美人でベテランで、浅草の街で顔がきく。だから、やくざ達からも一目置かれていた。そんなおれんは、劇場付きの楽団員に恋をした。そして家を出た。末っ子の千枝子も、恋が芽生える。現代っ子の彼女は、母親の保守的な考えに疑問を感じ始めている。

  母親は、稼ぎが悪い流しの娘たちに厳しい。そんな中で、次女のお染は、娘たちの柔らかな心を大事にしてやって、彼女たちの気持ちを束ねている。
  時にお染は、母と娘たちの板挟みになることがある。こんなしんどい商売を続けていくことに明日はない。そう強く思う。 だけど、だからといって、何ができる・・・。

  ある日、音沙汰が無かった姉のおれんが、浅草の街に現れた。
  お染は、再会を喜ぶが、姉の顔が暗いのが心配だ。姉から聞き出したことは、一緒に駆け落ちした彼が結核になって、楽団ができなくて稼ぎがなく、ふたりは困窮している、とのこと。
  仕方なく、おれんは決断する。古巣のこの街に戻って稼ごう。馴染みのヤクザから前金をもらって、ある仕事を引き受けるのであった。その仕事とは、ある見知らぬ男をある部屋に引き入れること。そのあとは、ヤクザの手荒い仕事であった。
  まとまった現金を手に入れたおれんは、彼と一緒に上野駅から、彼の故郷目指して旅経つのであった。

  しかし、残酷にも長女おれんの、この幸せは、次女お染と末っ子の千枝子の薄幸に支えられての幸せであった。なぜなら、おれんが引き入れた男とは、おれんが知らない千枝子の彼氏であり、この事件をたまたま裏窓から見ていた、お染は巻き添えを食って、ヤクザに刺されてしまう。
  腹に怪我を負ったお染は、それでも上野駅に駆けつけて、おれんと彼氏を見送る。まるで、何事も無かったかのように・・・。
  
  
  「流し」 という商売は、今じゃ、ほぼ見られない廃れた商売になってしまった。
  ギター片手に・・・、と言う以前は、三味線であった。
  今も現役活動している、双子の演歌歌手「こまどり姉妹」は、昭和20年代、浅草で三味線片手に苦労の「流し」をしていた。その後、レコード会社からデビュー。デビュー曲は「浅草姉妹」。北島三郎、五木ひろし、藤圭子も「流し」出身の演歌歌手だそうだ。
  この映画の原作、川端康成の小説「浅草の姉妹」に、次のような一節があるらしい。「(前略)・・その昔の門附女、鳥追いは、非人の女房か娘に限られていた・・(後略)」 この小説が書かれた時期は、昭和4~5年だそうで、川端康成が言う「その昔」とは、大正時代以前を言っているのではないかと思われる。だが、昭和10年製作の映画「乙女ごころ三人姉妹」の時代になっても、「流しの娘たち」への、人々の感情は、あまり変わらなかったのだろう。  
 

  映画 「こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 」 の映画評は、こちらから。 (一夜一話の記事から)

  「流し」とは? (wikiへ外部リンク)  http://ja.wikipedia.org/wiki/流し

1937年(昭和12年)の浅草六区の風景写真。
http://ja.wikipedia.org/wiki/浅草公園六区 より。(外部リンクです)

六区監督・脚本:成瀬巳喜男|1935年|75分|
原作:川端康成『浅草の姉妹』|撮影:鈴木博|
出演:細川ちか子 (おれん)|堤真佐子 (お染)|梅園竜子 (千枝子)|林千歳 (母親)|松本千里 (お春)|三條正子 (お島)|松本万里代 (お絹)|大川平八郎 (青山)|滝沢脩 (小杉)|伊藤薫 (腕白小僧)|岸井明 (客)|藤原釜足 (酔っぱらい)|三島雅夫 (六区の不良)|大友純 (六区の不良)|








<三味線姉妹  作詩作曲:遠藤 実  昭和34年> 
1 お姉さんのつまびく 三味線に
  唄ってあわせて 今日も行く
  今晩は 今晩は
  裏町屋台は お馴染みさんが待ってるね
  つらくても つらくても
  姉妹(きょうだい)流しは 涙をみせぬ

2 お月さんも雲間に 顔を出す
  かわいい妹の 名調子
  今晩は 今晩は
  ねじめをあわせて テンツルシャンとゆくんだよ
  花の咲く その日まで
  姉妹流しは 涙をみせぬ

3 初恋の甘さも 知らぬのに
  せつない恋の 唄ばかり
  今晩は 今晩は
  のれんをくぐって えくぼを見せて呼びかける
  つらくても つらくても
  姉妹流しは 涙をみせぬ


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「管弦楽組曲全曲」  バッハ・コレギウム・ジャパン   調布音楽祭2013

コンサート

 鈴木雅明が率いるバッハ・コレギウム・ジャパンによる、J.S.バッハの管弦楽組曲全曲コンサート。
 この調布音楽祭は、鈴木雅明が音楽監督をしている。

 演奏は、期待を裏切らない素晴らしい内容であった。
 細部まで十分に検討された彫りの深い演奏、繊細でありながらも、そのおおらかさが心にしみる。
 指揮者と演奏家たちの高い見識が、聴く者に満足と安心感を与えていた。
 バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバー以外では、バロックフルートの菅きよみが実にいい演奏をしていた。

指揮:鈴木雅明
演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
ジャン=フランソワ・マドゥフ(ナチュラルトランペット)
菅きよみ(バロックフルート)

演奏曲:
J.S.バッハ:管弦楽組曲第1番ハ長調 BWV 1066
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV 1067
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV 1068
J.S.バッハ:管弦楽組曲第4番ニ長調 BWV 1069


調布音楽祭の公式サイト: http://chofumusicfestival.com/  (外部リンクです)
ホール
会場:調布市グリーンホール大ホール

映画「あの夏、いちばん静かな海。」   監督:北野武

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茂  話に大きな展開がない、セリフがない、というないない条件で、映画はどこまで成り立つのだろうか? こんなことに挑戦した映画だ。 淡麗辛口になぞらえれば、微温無口。

  主人公とその彼女は、聴覚障害を持つ。主人公の茂(真木蔵人)は発話障害もある、ろうあ者だ。
  だから、ふたりの間では、声による会話が無い。つまりセリフはない。
ボード  茂は、壊れたサーフボードを見てから、サーフィンに目覚めた。スクールに通うこともなく、ひとりサーフィンを練習した。彼女の貴子(大島弘子)は、そんな彼をいつも砂浜から見守っている。
  周りのサーファーたちが、たどたどしい茂たちに関心を示し始めてから、茂は技術指導を受けることになる。そして大会に出場し、茂は小さな賞をもらうまでになった。そんな、あまりにも、たんたんとしたお話です。
  ですが、それじゃあまりに・・・てなわけで、ラストにヒトヒネリあります。が、ラストを越えて、また話はたんたんと終わります。  
  人って、何か大きなことに遭遇しても、周りの人間が騒ぎ立てても、当の本人は意外にたんたんとしています。こころをかばう防御装置が自然に働くのでしょう。

組

監督・脚本:北野武|1991年|101分|
撮影:柳島克己
出演:茂 (真木蔵人)|貴子 (大島弘子)|田向 (河原さぶ)|中島 (藤原稔三)|サーフショップ店員 (鍵本景子)|サッカー少年A (小磯勝弥)|サッカー少年B (松井俊雄)|サーファー仲間 (大和田剛)|サーファー仲間 (澤井革)|サーファー仲間 (杉本達也)|サーファー仲間 (千原正子)|サーファー仲間 (深谷朋民)|転ぶサーファー (石谷泰一)|みかんの女 (窪田尚美)|清掃会社の上司 (芹沢名人)|軽トラの男 (寺島進)|


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映画「ツレがうつになりまして。」  監督:佐々部清  宮崎あおい、堺雅人

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ハルさん  ハルさん (宮崎あおい) は、漫画家だ。
  とは言っても、趣味半分の在宅兼・専業主婦。バリバリ描いて稼ぐんだ!的・気構えはない。コミック雑誌に小さな連載を載せてもらってるが、担当編集者はハルさんの連載を、次回でエンドにしたいと思ってる。
  でも、そんなハルさんは、毎日が幸せ。
  夫のことを「ツレ」と呼ぶ。相思相愛で結婚した。夫婦仲はとてもいい。




ツレ  そのツレ (堺雅人) は、サラリーマン。
  ITサービスのヘルプデスク、外資系列の会社に勤務している。ツレの仕事は、パソコン音痴やパソコン嫌いなご年配が、パソコンに対する積年の恨みでもって怒りの電話をかけてくる、そんな人々の対応もする、コールセンター業務だ。
  ツレは、生真面目でおとなしくて几帳面な男だ。
  この仕事に向いているような気もする。しかし、誰にぶつけて良いやらの、むやみやたらの怒りの電話に論理的なスジは無い。でも、親切丁寧に対応しなければならない仕事。そんなことに、ツレは常々違和感を持ってたが、「仕事だから」と思い、愚痴ひとつ誰にも言わずにやって来た。
  だが、会社の経営が芳しくなく、職場を辞めていく社員も多くなり、結果、残った社員みんなに負荷がかかっていた。

朝寝して昼寝して。でもなんで、こんなに眠いんだろう?
なぜこんなに眠いんだろう  ツレ、最近、腰が痛んだり食欲ガタ減り、妙に体調が良くない。ハルさんに都度言ってはみたが、彼女は「あそう」と受け流すだけ。 わりかし気軽な気持ちで、ツレは近所の精神科クリニックに行ってみた。風邪ひいて内科医院に行くように、薬もらえればいいや的。そしたら医師に うつだね と言われる。
  ここら辺から、坂道を下るように症状が悪くなっていく。
  ハルさんより料理上手なツレが、フライパン片手に、料理の段取りが分からなくなったと言う。「でも、あたしよりずっと上手よ。」 「ハルさんに褒められても、全然うれしくない。」 さらには、味が分からなくなったと泣きはじめる。
  ツレも辛いがハルさんも辛い。「会社辞めないなら、あたし、離婚するから!」 ハルさんは、そう言ってツレは会社を辞める。さてさて、この後、どう展開しますやら。基本、コミカルなタッチですが、ウワベだけを観ないでね。夫婦が試される、そういうことでもあるんです。

  がんばって、と言っちゃいけません。当の本人が一番頑張りたいのです。でも、ズルじゃなく、何故かヤル気がまったく失せてしまっているのです。頭の中、真っ白なんです。がんばって、と言われて、例え、少しヤル気が出て、やってみて、ダメだった場合、さらに落ち込んでしまいます。普通なら何も考えずに出来てしまうチョットしたことが、出来ないのです。能力が無いんじゃない。しかし、そんなこと、人に知られたくないですから、いろんなことが、内に内に溜まっていきます。周りの親しい人も、異変に気が付かないのです。そしてとても重要なことですが大概、周りは、映画のように、やさしくない。
  重度な方は、もちろんですが、初期のうつの人も、それなりに大変な苦労をしています。

うつが治ったら、竜宮城に連れてって。
組0
                                                      強烈なキス・シーン。
                                                                  だが、堺雅人の口が、オチョボグチ。。。。。


監督:佐々部清|2011年|121分|
原作:細川貂々|脚本:青島武|撮影:浜田毅|
出演:高崎晴子(ハルさん):宮崎あおい|高崎幹男(ツレ):堺雅人|杉浦:吹越満|高崎和夫:津田寛治|栗田保男:大杉漣|栗田里子:余貴美子|コールセンターへのクレーマー:梅沢富美男|犬塚弘|

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映画「スタンリーのお弁当箱」   監督:アモール・グプテ

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弁当  インド西海岸に位置するインド最大の都市ムンバイ。この街にある小学校の1クラスがお話の舞台だ。
  クラスの中で貧富の差がある。その度合いを示すが、生徒たちが持ってくるお弁当の内容とその量だ。
  普通は、丸い金属製の器を2段重ねて筒状のケースに入れて持ってくるが、それでも弁当の器にぎっしり詰めてくる子がいる一方、すかすかの子もいる。金持ちの子は、4段重ね。料理も凝っている。うらやましい限りだが、待ちに待ったお昼時になると、みな自分の弁当に夢中だ。
少年  そんなお昼に、弁当を持ってこない主人公スタンリー少年は、教室にいない。校庭の水飲み場で、水を飲んでひとり空腹をこらえている。こんな彼に気付いたクラスメイトたちは、自身のお弁当を分けてあげることになった。

  先生も生徒のみんなも知らないこと。それはスタンリーの両親は亡くなっていて、レストランを経営する叔父にひとり預けられていること。学校が終わると、その店で夜遅くまで働かされていること。店に住み込みでベッドは厨房のステンレス台であること。でもスタンリーはその境遇を誰にも語らない。両親は健在で家族3人で楽しい生活を送っているウソで、周りから自分を防衛している。

先生  国語教師のヴァルマー先生は、食い意地が張った男。この男も弁当を持ってこないで、職員室でいつも、ほかの先生たちの弁当をねだって、分けてもらっている。そして、裕福な生徒たちの弁当もねだるのだ。ある日、ヴァルマー先生はスタンリーにもねだろうとしたが、少年が弁当を持ってきていないことに腹を立てて、「弁当を持ってこないなら学校に来るな!」と怒鳴った。そして翌日から少年は学校に姿を見せなくなる。 さあ、ここからお話は展開し始めますが、それは観てのお楽しみ・・・。

きれいな女性教師たち
組10
  ヴァルマー先生の奇行は、何を意味するのだろうか。
  弁当の中身を、その人の心や大切なものと捉えるなら、それをおかす行為だ。職員室の先生たちへの、ねじ曲がった感情から発する罵りであったり、生徒に対するパワーハラスメントであろうか。スタンリーの生活環境の変化を知らぬ学校もどうかと思うが、こういった教師の行為を学校はどうとらていたのだろうか。
  なお、この食い意地が張ったヴァルマー先生は、監督のアモール・グプテが演じている。またスタンリー少年は、監督の子息だ。 
    
  アモール・グプテ監督によると、家業を手伝う以外の、スタンリーのような就労児童はインドに約1200万人いると言われているとのこと。学校には扇風機や冷房があり家より涼しいので、仕事で寝不足気味な就労児童だが休まず登校するらしい。また、映画に登場するお弁当の中身は、すべて菜食主義食だそうです。映画の中でチキンやマトンを食べているシーンを見て不快に思う観客に配慮したらしい。
  ヒンドゥ教やジャイナ教など宗教上の殺生に対する考えを反映して、ベジタリアンは全人口の3割という政府の統計データがあるそうだ。もともと富裕層やハイカーストの人間ほど「肉食を恥じる」傾向が強い上に、にわか成金が増えた近年のインドでは、ベジタリアンは増えているらしい。 
  参考サイト:マガジンハウスmagazineworldより
  「ひと味ちがうインド映画『スタンリーのお弁当箱』 アモール・グプテ監督、パルソーくん インタビュー」
  外部リンクです http://webdacapo.magazineworld.jp/culture/cinema/115269/

下オリジナル・タイトル:Stanley Ka Dabba

監督・脚本:アモール・グプテ|インド|2011年|96分|
撮影:アモル・ゴーレ
出演:パルソー:スタンリー|ヌマーン:アマン・メヘラ|アビシェーク:アビシェーク|サイ・シャラン:サイシャラン|モンティー:モンティー|アモール・グプテ:国語教師ヴァルマー|デイビヤ・ダッタ:英語教師ロージー|ラジェンドラナート・ズーチー:歴史教師ズーチー|ディビヤ・ジャグダレ:科学教師アイヤル|


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映画「事件記者」  監督:山崎徳次郎

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  例えば 「男はつらいよ」 だったり 「サザエさん」 のように、お話の舞台/背景の基本設計や、常連の登場人物像の設定が完成してしまうと、その設定を駆使してストーリーを何話も量産できる。観客は、まるで中毒患者のように何話観ても飽きないし、必ず次作を求める。つまりは、大きな「金鉱」を掘り当てたのだ。この「事件記者」シリーズもそうだ。
桜田  「事件記者」は元々、島田一男の原作、NHKの製作で1958年から1966年にかけてTV放映された、高視聴率のテレビドラマだった。この映画版(日活版)の「事件記者」シリーズは10話あり、本作が第一作目。俳優陣はテレビ版とほぼ同じらしい。 
  「事件記者」とは、一言で言えば、他紙をすっぱ抜く特ダネを追い求めて、危ない事件現場を潜り抜け、他紙よりいち早く記事や写真を獲得しようとする新聞記者たちの、エネルギッシュな群像劇だ。

  「事件記者」の舞台
  警視庁内の長い廊下の先に「桜田記者クラブ」という一室があり、新聞社各社の記者たちがたむろしている。
  主役は東京日報という新聞社の記者たちだが、ほかに大都新報、共盟通信、毎朝新聞、新日本タイムス、中央日々、の計6社がこの記者クラブに常駐し事件発生を待ち、特ダネを競っている。
  記者クラブの室内は、ブースで仕切られる6社の個別スペース(右写真の左側)と、応接セットがある共有スペース(右手前)からなりたっている。

記事すっぱ抜く

  各社は、それぞれの本社デスクからの指示を受けるキャップと、記者数名をここに常駐させていて、事件が起きれば飛び出して行く。このクラブ内で徹夜することもある。また別室にふとん部屋なる仮眠場所がある。
  記者はブース内で記事原稿を書き、電話で本社に送る。
  各社チームは、それぞれ他紙5紙の朝刊を早朝に見て、他紙のすっぱ抜きがあったかをチェックする。

朝刊  「麻薬欲しさの犯行と自供 ~船十親分射撃事件解決!  二人組喫茶店で捕まる 六方組とは関係なし・・・」
  このように本作で他紙は、東京日報にマンマと特ダネをすっぱ抜かれた。
  その呆然としたありさまは、こんな感じ。 各社が手にする新聞は、東京日報の朝刊(早刷り)だ。




組1  本作のあらすじ
  さて、本作の話を始めよう。
  新宿のやくざ組織・船十という組の親分、船木十太郎は、品川で列車を下車、プラットホームから地下連絡通路に降りる階段を降り切ったところで、見知らぬ男に至近距離で腹を撃たれた。と同時に所持していたヘロインが入ったカバンを盗まれる。実行犯は、藤本(宍戸錠)と小倉(野呂圭介)という、どの組にも属さないハグレの二人組だったが、肝心のカバンを手に入れられなかった。この上前をはねたのは、鮫洲の安アパートに住む、安というしがないチンピラであった。
  がしかし警察は、この事件をやくざの勢力争いで起きた事件とみた。そして即座に相手は六方組だろうと読む。もちろん、各社の事件記者たちは、警察の読みを先取りして、記事ネタを街で丹念に拾っていた。船十親分射撃事件が、「六方組との勢力争い」として報道されるラジオを聴いた六方組の親分はじめ組員は、身に覚えが無い報道に面食らうが、船十の殴り込みを警戒して、組をあげて襲撃の支度を始めた。
  さて、勢力争いからの事件じゃない事をいち早く嗅ぎ付け、記事にした東京日報の、イナちゃんこと伊那は、何を見、どう行動したのだろうか・・・は、観てのお楽しみ。

組2  撮影がすばらしい
  シーンは、セットはほぼ桜田記者クラブ内だけ、事件シーンはロケがほとんど。
  このロケ撮影が、すばらしい。当時の街の情景、臨場感がたっぷり。そして車の写し方が、かっこいい。好きです。




  東京日報の面々

キャップの相沢(永井智雄)            今回の功労者、伊那(滝田裕介)                                  
                            犯人逮捕のその瞬間に、犯人にポーズを要求!

組3
八田(大森義夫)ハッタさん、           ブースの中は、これでいっぱい。
八田老人とも呼ばれるクラブ最古参。
そして新人の菅(沢本忠雄)
彼らの行き付け呑み屋「ひさご」にて


各社一同、仲良くテレビ観戦。ボクシング試合の生中継を見る。
TV.png

監督:山崎徳次郎|1959年|54分|
原作:島田一男|脚色:西島大、山口純一郎、若林一郎|撮影:松橋梅夫|
出演:永井智雄:相沢(東京日報)|大森義夫:八田(東京日報)|原保美:長谷部(東京日報)|滝田裕介:伊那(東京日報)|園井啓介:山崎(東京日報)|綾川香:浅野(東京日報)|沢本忠雄:菅(東京日報)|高城淳一:浦瀬(中央日々)|相原巨典:桑原(中央日々)|山田吾一:岩見(中央日々)|外野村晋:熊田(新日本)|内田良平:荒木(新日本)|森島富美子:光子|清水将夫:西郷|久松晃:松本|二本柳寛:捜査一課長|宮坂将嘉:村田部長刑事|深水吉衛:梅原部長刑事|相馬千恵子:お近|丘野美子:やす子|宍戸錠:藤本|野呂圭介:小倉|深見泰三:船木十太郎|広岡三栄子:お貞|深江章喜:立見|

映画「事件記者」シリーズ
  この映画はシリーズ化されていました。
  映画「事件記者 真昼の恐怖」、「事件記者 仮面の脅威」、「事件記者 姿なき狙撃者」は、こちらからご覧ください。
  どれも60分の尺です。二本立て上映の際、脇役でしたが、1959~60年にかけて10本上映されました。
  一夜一話で未掲載の「深夜の目撃者」「狙われた十代」「影なき男」「影なき侵入者」「拳銃貸します」「時限爆弾」は気が向いたら掲載します。
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映画「愛おしき隣人」   監督:ロイ・アンダーソン

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  スウェーデンの人々は、てっきり幸せだと思ってた。
  だけど、みんなそれぞれポツンとひとり、孤独だ。
  そして、とても真面目で、一生懸命生きている。
  監督は、そんな人々を愛おしみながら、
  一方で観客を、オチャメに、そっと くすぐり、
  私たちは、くすぐられて、苦っと笑う。そんな映画。

  短いエピソードが、次から次に、無秩序に脈略なく続く。
  見過ごしそうな、控えめなギャグが、それぞれのシーンに埋め込まれてる。それを発見できないと、共感もできなくて、単に不条理映画にみえるだけで、笑えないよ。
  


< 夢をみた >
  ギタリストに憧れる女の子は、夢の中で彼と結婚。
  なぜか、新居はレールを走る。車窓に、まったく見知らぬ人々が押し寄せて祝福される。
  彼はギターを抱くだけで・・・。何かとても、違和感いっぱいの彼女。

  夢
  なぜ、こんな夢を見る?
  お屋敷の一室。アンティークな食器が並ぶテーブルの、長大なテーブルクロスを引き抜く。が失敗。
  裁判にかけられて死刑判決、電気椅子に。死刑見学窓の向こうに、食器の持ち主たち。
  ポップコーンの大きなバケツを抱えて、その一瞬を待っている。



< 現実を受け入れる >
  花束持って、彼女のアパートを訪れる。 花束を差し出したが・・・。
  彼女は無言で いきなり ドアを閉めた。
  ドアに挟まった花束を、男はしばらく凝視したのち、、去る。

  現実を受け入れる
  名誉会員だけの特殊なパーティで、名誉あるスピーチ予定の男が、
  クロークの電話に呼び出され、金をネダル馬鹿息子と口論する。


  
< 家庭の中の、接点不都合 >
  財産を失った悲しみを嘆く夫と           離婚すると わめくウツな妻と、
  そんな事、耳に入らぬ妻のセックス。       なだめる夫は、去りがたくも去っていく。

  家庭の悲しみ
  チューバの練習をなじる妻。           人気のない家で、ひとり太鼓の練習をするマーチング・バンドの男。

  家庭内
  ルームランナーに、わき目も振らずに。      ベランダで、暮れゆく今日一日をリリースする夫。
  息子は背後から細々と。              室内から妻が、何か言っている。


< 立って見つめる人、聞き入る人が、何やら、冷たく重い >
  店内から無言で のぞく店員たち。        教師の悲しみを、背後の生徒が・・・。
  組
  死刑見学窓の人々。               じゅうたん屋の店員の悲しみを、見下ろす客の夫婦。

  組2
  心労の精神科医の告白を聞く、          認知症の母を相手に、
  背後の看護師。                    自身の心の底の澱をはきだす娘、それを見つめる看護師。


< 立ち尽くし、来るべきものを待っている。それは・・・ >
  組30

オリジナル・タイトル:Du levande
英語タイトル:YOU,THE LIVING

監督・脚本:ロイ・アンダーソン|スウェーデン、フランス、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、日本|2007年|94分|
撮影監督:グスタフ・ダニエルソン|
出演:アンナ:ジェシカ・ランバーグ|ミア:エリザベート・ヘランダー|チューバ吹き:ビヨルン・イングランド|大工:レイフ・ラーソン|コンサルタント:オリー・オルソン|床屋:ケマル・セナー|精神科医:ホカン・アンサー|チューバ吹きの妻:ビルギッタ・ペルソン|ビジネスマン:グンナル・イヴァルソン|ミッケ:エリック・ベックマン|


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気になる映画 36

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「ホームシック」 監督:廣原 暁               「ソウル・フラワー・トレイン」 監督:西尾孔志
8/10~ オーディトリウム渋谷                 8/31~ 新宿 K's cinema



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「レフ・クレショフ傑作選」                   「大統領の料理人」 監督:クリスチャン・ヴァンサン     8/17~ ユーロスペース                     9月~ シネスイッチ銀座          
                  


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「ポルトガル、ここに誕生す」                  「クロワッサンで朝食を」 監督:イルマル・ラーグ
アキ・カウリマスキ、ペドロ・コスタ
ピクトル・エリセ、マノエル・オリヴェイラ
9/14~ イメージフォーラム                   7/20~ シネスイッチ銀座


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「銀幕の森光子」                         「昭和の銀幕に輝くヒロイン 白川由美」
8/3~30 神保町シアター                     7/7~8/31 ラピュタ阿佐ヶ谷



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「トラブゾン狂騒曲~小さな村の大きなゴミ騒動」      「メキシカン・スーツケース~ロバート・キャパとスペイン内戦の真実
監督:ファティ・アキン                     監督:トリーシャ・ジフ
8/17~ イメージフォーラム                   8/24~ 新宿シネマカリテ


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「ソレイユのこどもたち」 監督:奥谷洋一郎           「標的の村」 監督:三上智恵
7/20~8/2 新宿 K's cinema                  8/10~ ポレポレ東中野


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「ニッポンの、みせものやさん」 監督:奥谷洋一郎      「もったいない!」 監督:パレンティン・トゥルン
11月 アンコール 新宿 K's cinema             9/21~ 東京都写真美術館ホール
                                   10/19~ アップリンク
                                   11/2~ テアトル梅田
                                   未定  名演小劇場


無題14          無題15     
「陸軍登戸研究所」 監督:楠山忠之              「呉さんの包丁」 監督:林 雅行
8/17~ ユーロスペース                    8/24~ ユーロスペース


無題16
「ひろしま」 監督:リンダ・ホーグランド
「ヒロシマナガサキ」 監督:スティーヴン・オカザキ
7/20~8/16  岩波ホール

              

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やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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