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2015年03月 Archive

映画 「アパートの鍵貸します」  監督:ビリー・ワイルダー

ポスター
上3









主人公のバディは、この5人の部課長に自分のアパートのカギを貸している。
その見返りは、出世だ。こうして課長に昇格した。



  お馴染みのコメディ映画なので、ここでは会社員のバディを追いかけてみましょう。

組1-0  時は1959年、舞台はニューヨークのマンハッタンのど真ん中。
  そこにそびえ建つは、超大手保険会社の本社ビル。3万人もの従業員が、このビルで働いている。
  主人公のC・C・バクスター(通称バディ)は、19階にある普通保険部の保険料計算課デスク861に席がある。
  このフロアは見渡す限りに整然と机が並び、先輩後輩交えて日々、保険料計算をしているらしい。マンハッタンの街を見下ろせる窓際には、ガラスで仕切られたブースが並び、課長らの席がある。皆、内勤のようです。人海戦術の時代。
  バディは、入社して3年10か月、ちなみに週給94ドル70セント。会社は、8時50分始業 5時20分終業。実働7時間30分。
  定時になると、フロアの皆が一斉に帰り仕度を始める。フロア別の時差退社時は、16基のエレベーターが活躍する。

  だが、バディひとりがポツンと残業している。定時に退社しても自分のアパートには帰れない。
  なぜなら、定時退社した課長が彼のアパートに女を連れ込んでいる時間だから。タダで、「アパートの鍵貸します」。見返りは、昇格。
  部屋を借りる4人の課長たちのために、バディはスケジュール表を作っている。酒やつまみの買い置き、後片付けと、それなりに気を遣う。バディが寝ようとする夜更けに、急に部屋を貸せと言ってくる課長もいる。そんな時、彼は夜のセントラルパークで時間をつぶす。アパートは、西67丁目51 にある。(下記に地図あり)

  その日、27階にある人事部のシェルドレイク部長に呼ばれ、一部の課長連からの君の評価がやけに良いが、なぜだと問われる。結局、何のことはない、部長もアパートを利用したいのだった。退室時に、近々、管理職に登用するぞと言われる。やった!日ごろの苦労が報われる。
組2-0  後日、バディは保険料計算課デスク861から、同じフロアの課長ブースに移った。社内で二番目に若い管理職。

  さあ、ここから話は本番に突入、こじれて行きます。
  バディは、エレベーターガールのフランに、ほんのりホの字だ。彼女の方も好意は、あるようだ。
  しかし、フランが愛しているのは、なんとシェルドレイク部長だということが分かる。だが、部長に会うたびに、妻とは離婚するの繰り返し。フランの気持ちは萎えていく。そして彼女は、部長秘書のオルセンから、部長の女遍歴を聞かされる。その誰もが社内調達で、オルセン自身もそうだったと言う。そして、クリスマス・イブの夜、フランはまさかバディのアパートだとは知らずに、部長に付いてその部屋へ行った。だが、ふたりは口げんか。結局、彼女にクリスマス・プレゼント代わりに100ドル紙幣をペラッと置いて、部長は先に部屋を出て行った。
  ひとりになったフランは、部屋にあった睡眠薬を多量に服用する。そこへバディが、帰ってきて、あれれ! お隣の医者を呼んで、危機一髪なんとか事なきをえた。
  さて、この事態。バディ的には三角関係であり、部長のシモベとして緊急対処する立場でもあり、一方フランの思いは19階のバクスターさん(バディの本名)でしかない。そんなフランではあるが、バディにとっては、自分のアパートでふたりっきりのハッピークリスマス。翌日、彼は会社を休んで、まだ動けず部屋にいる彼女の介抱をする。ベッドに伏せるフランはバディに、部長との恋の顛末や愚痴を言う。それを聞くバディは切ない。何気に、「あたし、あなたに恋していればよかった」なんてセリフも飛び出す。

  フランが快復しバディが出社すると、さっそく部長に呼ばれる。いろいろご苦労であった。ところで、私の補佐役が転勤して、部長室の隣りの部屋が空いている。今日からあんたが人事部長の補佐役だ。ええっ。
  こりゃまったくもって、人事考課なんかじゃない。例の部長秘書のオルセンが、女遍歴をフランに漏らしたことで、部長は秘書をクビにし、クビを言われたオルセンは腹いせに、部長の奥さんに浮気のことをチクった。で、部長は家を出て、晴れて自由の身。私はフランと所帯を持てる。これもそれもみな、バディ、君のおかげだ。
  部長のすがすがしい笑顔を見て、バディのこころは塞ぐ一方。どうしたバディ?嬉しくないのか? 君はこれで、27階の上級管理職だぞ。トイレも食堂も管理職専用が使えるぞ。

組3-0  そして、ラストへ。
  バディは、その後、会社を辞めた。
  時は1959年の大晦日。彼はアパートで引越しの荷造りをしている。
  一方、フランは部長とレストランにいて大晦日のパーティ。その最中、彼女は、ハッと気付いたのです!
  「私は、バディが好きなんだ!」
  フランは店を飛び出し、あのアパートへ駆けだしたのです。
  
  時を経ても色褪せないエバーグリーンな映画ですね。
  実のところ、話のその先が読めてしまったり、あるいは、いかにも的な 定型パターンな展開もあるのに、つい乗せられてしまいます。しっかりした作りのエンターテインメント性がいいです。
  半世紀以上も前の作品ですが、その裏には、話の細部にていねいにリアリティが盛り込まれていて、そのせいか、ストーリーの思わぬところに今もって共感を覚えます。これが、現在も映画を支えているように思います。

フランは、この会社に秘書として入りたかったが、スペルが正確でなかった。
ので、エレベーターガールとして採用された。

上2オリジナル・タイトル:The Apartment
監督:ビリー・ワイルダー|アメリカ|1960年|120分|
脚本:ビリー・ワイルダー 、 I・A・L・ダイアモンド|撮影:ジョセフ・ラシェル|
出演:ジャック・レモン(バディことC・C・バクスター)|シャーリー・マクレーン(エレベーターガールのフラン・キューブリック)|フレッド・マクマレイ(人事部長で5人目の利用者、ジェフ・D・シェルドレイク)|レイ・ウォルストン:(総務課長ジョー・ドビッシュ)|ジャック・クラスチェン(バドの隣室の住人にて医師のDr.ドレイファス)|デヴィッド・ルイス(カークビー)|ホープ・ホリデー(マーギー・マクドゥーガル)|ジョーン・ショウリー(シルヴィア)|エディー・アダムス(シェルドレイク部長秘書のオルセン)|ジョニー・セヴン(フランの義兄、カール・マトゥシュカ)|ジョイス・ジェイムソン(クリスマスイヴのバーにいたブロンド女性)|


バディのアパートは、W67thST 51。地図の赤丸のところ。
セントラルパークに近い。地下鉄の駅もそば。
1958年8月にエアコンが付いて、5ドル値上げされて家賃は85ドル。
アパートの外装内装は古ぼけていると言うよりアンティーク。部屋は意外と広い!
彼がTV見ながら食う夕食は、プレートをオーブンで温める「テレビディナー」、そしてコーラ。不味そう。
マップ100




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映画 「荒野のダッチワイフ」  監督:大和屋竺  別題 「恐怖人形」

上80
1967年ごろの新宿の街
上0











  1967年の映画。ピンク映画に分類されるらしい。
  映画の舞台は、新宿の街。
  大島渚の「新宿泥棒日記」が1969年だから、ま、あんな新宿が映画製作の背景にあるんだろう。
  (「新宿泥棒日記」の記事はこちらから、どうぞ。)
0-0.png
  あんな新宿それは、極ありていに言えば、ヒッピー、アングラ、サイケ等々アンダーグラウンドと言われた音楽演劇美術ファッションなどの文化潮流と、70年安保直前の政治闘争が、既存の歓楽と交錯した街、新宿。
  特にこの映画には、ジャズ喫茶ピットインや、フリージャズピアニスト山下洋輔らや、唐十郎率いる状況劇場なんかが絡んでいるようだ。

  さて、この映画、射撃シーン撃ち合うシーンはもとより、そうでないシーンでも登場人物が拳銃を握りしめていることが多い。女を抱いていても拳銃を手離さなかったり。

  そんなことを発端にして思うが、この映画の基層には、1950年代のころ買ってもらったピストルを握りしめて月光仮面のTV番組を観る少年の「夢中の楽しさ」があるように思う。
  それを密かに映画の根底に据えてその上に、日々新宿で飲み食いしながら吸収した、猥雑な街・大衆の街の様子、ヤクザや女やお店や1960年代の空気、さらにエロを加え、それらをジッパヒトカラゲにしてシュールな物語に仕立て、かつ当時風のスタイリッシュな映像表現で全体を包んで、まとめ上げた、そんな風に思える。

10-0.png  だが、映画はスタイリッシュになりきれないでいる。
  演出・演技が、当時の邦画アクションの野暮ったさ、というより、月光仮面のような少年向け映画のようで、でもこれはこれでいいとしても、演技が場末っぽく、でもこれはこれでいいとして・・・。
  要するに、それに挫けずにこの映画の感性を乗り越えると、ダサかっこいいパラダイスが見えて来て、最後まで楽しく観ていられるでしょう。こういうのをカルト映画というんでしょうか。
  

下80  手下役で出演している、状況劇場にいた若き大久保鷹が見れるのは一見の価値あります。
  音楽を担当している山下洋輔クァルテットの演奏が冴えないのは誠に残念です。








別題:「恐怖人形」
監督・脚本:大和屋竺|1967年|85分|
撮影:甲斐一|音楽:山下洋輔クァルテット|
出演:港雄一|山本昌平|麿赤児|大久保鷹|渡みき|津崎公平|辰巳典子|山谷初男|

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映画 「波影」  監督:豊田四郎  主演:若尾文子

上

  若狭の小京都と呼ばれる福井県小浜の街が、映画の舞台です。
  昭和9年から話は始まります。
  小浜の街にある三丁町遊郭、そのうちの一軒に柾木家という女郎屋があった。
  この柾木家の窓から小浜湾を臨むと、向かいに見える内外海半島(うちとみはんとう)、そこに泊という名の小さな漁村集落がある。柾木家の主人・須賀吉太郎(山茶花究)は、この集落の出だった。 
  法事で泊に行っていた吉太郎は、ある日、泊からひとりの若い女(若尾文子)を連れて帰って来た。女は自分の意志から女郎になりたいという。女は泊で兄夫婦と同居していたが、義姉が子宮がんを患い伏せっていた。兄の稼ぎは少なく、家は困窮していた。そんなことで、これは、出稼ぎで女郎になることを望み、吉太郎に頼み込んでのことだった。

  主人に連れられ柾木家の暖簾をくぐったこの女に、女郎たちや やり手婆のおうた(浪花千栄子)らは、興味津々。
  吉太郎を奥の部屋に呼び入れて、妻・まさ(乙羽信子)の第一声は、「あんた、ややこしいことや、おへんやろな」であった。 まもなく、女は雛千代という名で店に出た。たちまち三丁町遊郭界隈で評判となった。

中1  吉太郎夫婦にはふたりの子がいた。長男の忠志(中村嘉葎雄)と世津子(大空真弓)。夫婦は、長男に家業を継いで欲しかった。
  世津子は雛千代になついた。商売に忙しい女将のまさに代わって、雛千代は幼い世津子の面倒をよくみた。また雛千代は、ほかの四人の女郎の世話や店のことの何やかやについて甲斐甲斐しく働き、吉太郎やまさやおうたから信頼を得るに至っていた。だが、こうした雛千代を取り巻く環境が崩れ始める。

   主人の吉太郎が世を去り、女郎屋の家に生まれたことを嫌う長男の忠志は家を出て軍隊に入り、雛千代の義姉が亡くなり、世津子は京都の学校へ入学するため小浜を離れた。雛千代は毎日、女郎として働いた。そして、いつも明るく朗らかであった。
  この間、世は戦争に突入し、小浜でも人々は徴用に駆りだされ空には敵機が飛来した。戦時下、柾木家の女郎たちは店を去って行った。一方、忠志は軍隊で事故にあい負傷、足に障害を残し鬱々として小浜に帰って来た。
  そして終戦。GHQの指令によって、それまで公に遊郭の営業を許されていた公娼制度が廃止。三丁町の見番(三業組合事務所)でも議論はあったが、しかし、のちの売春防止法成立まで、柾木家はじめ多くの女郎屋は公認で商売を続けた。
  
  忠志は退役した後、屈折したものをこころに抱え込み、相変らず女郎屋を三丁町を嫌悪し、それを母のまさにぶつけて来た。しかし終戦になり時代が変わるなか、気丈なまさは、忠志を勘当した。忠志は勘当されながらも、母に隠れて三丁町に帰って来た。忠志は雛千代に会いたい。優しい言葉をかけて欲しかった。いつしか雛千代も忠志に好意を持ち始める。だが、一線は越えない。越えたら女郎。
  そしてしばらくしたある日、忠志は柾木家に火をつけた。地元警察の留置所にいる忠志に面会に行った雛千代は、言われる。「お前もけったいなやっちゃな」 「何でです?」 「世の中に幸福を知らんちゅう人間は多いけど、お前は不幸いうのを知らん女や」 ・・・・・・・

中2  そんなことで、話はラストへと向かうわけです。
  映画は、シネマスコープで超ワイドな画面。大きなストーリーを受け止めるに足るゆったりした画角のスクリーン。いい映画を期待できるハズです。しかし、脚本と演出が映画をダメにしてしまった。
  つまり人物描写が不味い。登場人物の表面しか描かれていない。例えば、雛千代は限りなく能天気な女で、これに対比させたんだろうが、忠志は陰気なだけの男。それぞれの心模様は、取って付けたようなセリフで補っている。よって観る者は、ジーンとくる話のひだに触れることができない。映画を楽しむには、「ああ、中村嘉葎雄はああ演技してるけど、きっとああなんだろうな・・・」と想像力を駆使して、情報の不足分を補って感じ取って行かねばならない。率直に言う。若尾文子を起用しながら、もったいない! もっといい映画ができただろうに。
  ですが、この映画、まちがいなく若尾文子を愛でる映画です。そして若尾文子が、この映画を良い方向へ持って行っています。

  「まいまいこんこ」という言葉が映画に出てきます。意味はきりきり舞い、慌ただしく動き回ることだそうです。映画では、海が見える泊の岬にある小さな墓地で、墓穴の周りを、雛千代を納めた樽状の棺を担ぐ者、親族や村人がそれなりの速さでぐるぐる回るのです。
下  中村登の1957年の映画「土砂降り」は、温泉マークのネオンサインを掲げた連れ込み旅館を営む家族の話であった。旅館の一階は家族の住居。その子たちは、人知れず、いかがわしい稼業の子であることを背負って生きた。 「波影」の柾木家で育った忠志も世津子も家業を背負う子たちである。「土砂降り」の記事はこちらからどうぞ。
  話し変わって、大飯原発。雛千代が育った泊だが、泊がある内外海半島の、小浜湾を挟んで西向かいが、大飯原発がある大島半島。なお、泊発電所は北海道にある北海道電力の原子力発電所。

監督:豊田四郎|1965年|106分|
原作:水上勉|脚色:八住利雄|撮影:岡崎宏三|
出演:若尾文子(雛千代 本名倉本かね子)|大空真弓(せっちゃんこと須賀世津子)|中村嘉葎雄=嘉葎雄(世津子の兄・忠志)|乙羽信子(世津子の母で柾木家の女将・まさ)|山茶花究(世津子の父で柾木家の主人・吉太郎)|浪花千栄子(柾木家のやり手婆・おうた)|
以下、柾木家の女郎たち|春川ますみ(さだ代)|木村俊恵(照子)|ロミ山田(市子)|岩倉高子(小花)|塩沢とき(松の)|石井トミコ(春子)|大川恵美子(悦子)|河美智子(文子)|
大辻伺郎(雛千代の郷里・泊の男・彦次)|深見泰三(隣りの女郎屋・かつらぎ楼の主人)|太刀川寛(若い水兵)|立原博(陸軍の兵卒)|水島着哉(若い男)|三島雅夫(雛千代の葬儀を執り行う泊の和尚)|柳家小せん(繁造)|沢村貞子(世津子が入学した学校の教師・小杉イネ)|田武謙三(女郎の周旋人・谷山)|

マークの1が小浜、2が泊、3が大飯原発。
地図

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金沢に行ってきた。 (その1)

  • Posted by: やまなか
  • 2015-03-08 Sun 06:00:00
  • 一話
  先日、金沢に行ってきました。
  その時のことを、2回に分けて書いてみます。今回は、その1です。

  うどん    石うす挽き手打そば処 「くら」   (地図中のマーク1)

1-80.jpg  泉鏡花記念館(鏡花の生家跡)の近くにある店で、かやくうどんを食った。
  関西うどんの類だが、関西に比べて出汁が少し濃厚で、出汁の甘みが控えめだ。麺は、へなへなで京都のうどん、そのもの。美味しいです。  
  油揚げは、前もって煮込んでやわらかにしたものではなくて、お稲荷さんを包む油揚げのように薄い。また、煮込んだ竹の子の薄切りが乗っている。これは初めて見た。蒲鉾が五枚と多いのは贅沢感が出て良い。
  小雨の降る寒い日だった。出汁を全部飲み干し身体が温まった。

  店がある辺りの川岸は、主計町茶屋街という明治からの色街があった小さな界隈で、庶民の歓楽街、遊郭の街、泉鏡花が育った街だった。
  住所:金沢市下新町2-10

  すし    金澤玉寿司 総本店   (地図中のマーク2)
22_201503061048239b2.jpg
  金沢の飲食街の中心地、片町の一角にあるすし屋。
  たまには回らないすし屋で食いたいと、ホテルで言ったら紹介してくれた店。地物の魚やエビや貝を食った。金沢はネタが良くてすし屋が多い街とのこと。たしかに多い。店のマークが築地玉寿司に似ているとよく言われるらしい。
  店内では、カウンターにいる常連さんのじいさんと40歳後半の若作りの玄人ねえさんのカップルの様子が、いかにもという雰囲気で見ていて面白かった。
  この店がある横丁をさらに奥へ行くと片町伝馬という、やはり飲食街が川沿いに続く。片町は奥が深い。
  住所:金沢市片町2丁目21-19

  バー    倫敦屋酒場   (地図中のマーク3)
    
2-80.jpg  金沢の観光ガイドブックにも載っていて、ホテルの真裏にある店だった。カウンター越しにマスターといろいろ話せて楽しい時間を過ごせた。
  カウンターに座ったその客は、地元放送局の会長さん。マスターと会長の会話から、金沢の文化的な側面を垣間見た。かつ、お二方の話からマスターについて知ったことは、この人は金沢の名士らしいし、小説家や映画監督や俳優などとの交流もあるらしい。本も書いている。だからといって、偉ぶるでもなく、また話は通り一遍じゃなくて ひと癖あって面白い。
  玉寿司に行ったと言うと、金沢のすし屋といえば小松弥助だろと言われた。小松弥助は、銀座のすし屋 「すきやばし次郎」の次郎さんも食べに来たらしい。ただし小松弥助は、私の財布には似合わない。(映画「二郎は鮨の夢を見る」の記事はこちらからどうぞ。)
  他にも、マスター愛用の包丁がすり減って小さくなって行く話や、長年使い込んだショットグラスもすり減り、縁が欠けたら金継ぎしている話や北陸新幹線金沢開業などなど話は尽きない。そんなことで金沢の夜は更けた。 
  住所:金沢市片町1丁目12−8

  美術館    金沢21世紀美術館   (地図中のマーク4)

21世紀  平日だというのに、来館者が多いのに驚いた。春休みということもあろうが、展示内容※は難しいものなのに、ファッションビルの中のショーウィンドウを見て歩くように、人々は気軽に観て回っている。若いカップルも多い。デートコース化している。
中1
  館は、緑に囲まれたオープンな立地。ガラスが多用されていて開放的で明るい。市民との交流ゾーンは、夜10時まで開けている。

  ※ジャパン・アーキテクツと題打って、「3.11以後の建築」と、「ジャパン・アーキテクツ 1945-2010」。後者は、ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館副館長の監修による戦後日本において大きな役割を果たしてきた日本の建築家たちによる150を超えるプロジェクトの考察。
  展示の中では、とりわけ、ひとりでビルを建てる男 岡啓輔が面白かった。
  住所:金沢市広坂1-2-1

  石川国際交流サロン    郁文社 金沢展   (地図中のマーク5)

サロン  街を歩いていると、あちこちに古い民家がある。ここは、中に入れそうなのでのぞいてみた。
  大正末期に建築された民家らしい。格調高いお屋敷だ。書の展示をしていて、入り口に立っていると、どうぞと招かれた。日本を代表する書家の一人・高木聖雨という先生を中心に集う方々の書が、和室の各部屋に、先生の書は庭の見える床の間にあった。
  門外漢の私である。何が書いてあるのか分からなかったが、造形的に観て、心洗われるようないいものがあった。
  住所:金沢市広坂1-8-14

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金沢に行ってきた。 (その2)

  • Posted by: やまなか
  • 2015-03-10 Tue 06:00:00
  • 一話
  先日、金沢に行ってきました。
  その時のことを、2回に分けて書いています。今回は、その2。 
  既に掲載中のその1は、こちらからお読みください。

  うどん    百万石うどん 近江町店   (地図中のマーク6)

百万石  加賀百万石の台所といわれる近江町市場にある。
  魚屋や八百屋や乾物屋や洋品店などが雑多にひしめく、いわゆる市場の中にあって、百万石うどんの店内はガランとして奥に広い。長いカウンター一本で、丸見えの厨房にはおばさん五人が働いている庶民的な店。前日にも来たが午後二時だったせいか、売り切れで閉まっていた。今日は昼時に来た。
  店名にもなっている百万石うどんを頼む。出汁は、金沢風関西うどんの味。前掲記事「金沢に行ってきた。(その1)」で書いた店 「くら」 と同じ味だ。こちらの麺は腰がある柔らかさ。大きな海老天、なす天、大根おろしが乗っていた。麺の量は多めで良い。ここでも出汁を一滴残さず飲み干した。ああ、うまい。
  店名はうどんだが、右隣りの人はラーメン、左隣りの人はもりそばを食っていた。どちらも美味そう。 「くら」と同じくこの店も、観光客相手というより地元の人の店だ。そこがいい。
  住所:金沢市下近江町23
  「金沢に行ってきた。(その1)」の前掲記事は、こちらからどうぞ。

  金沢の立ち位置

新幹線  金沢は関西文化圏だ。この街の空気を吸って、関西出身の人間もそう思う。
  ちなみに、金沢駅にある旅行代理店の国内旅行チラシは、京都奈良大阪と西日本向けが圧倒的だった。特急サンダーバードで大阪まで3時間。
  ところが北陸新幹線金沢開業で、東京まで2時間28分。今後、金沢の地元は、東京を向くのだろうか。
  上記の百万石うどんの店がある近江町市場の前から、香林坊や飲食街の片町へと真っ直ぐ通る百万石通は、街のメインストリート。
中5  この通り界隈の両側はビルが立ち並び、金融機関・ホテルはもとより、国内外のファッションブランドや109など全国チェーンの商業施設ビルや飲食チェーン店が目白押し。東京に無いものは無い。これでは、金沢の人は今さら東京に出かけるまでもない気がするが、どうなんだろう。
  ちなみに、金沢駅駅ビルの新しいファッション街では、「新幹線がやってくる。新しいオシャレもやってくる」と言っている。行くんじゃなく、やって来るんだ。その辺の地方都市とは違う。さすがは、加賀百万石というべきか。

  一方、観光客の方は、「金沢にしか無いもの」を求めてやって来る。
  新幹線開通で金沢は、東日本方面からの観光客を大いに期待している。手ぐすね引いていると言った方がいい。
  地味だった金沢駅まわりの大変身や、街のあちこちに「新幹線が春を連れてやってくる」というポスターが目立つ。
  3月リニューアルオープンも目立つ。行きたかった泉鏡花記念館さえ、リニューアルオープンで休館中であった。
  そんな騒ぎのなか、片や、これまで独自の感性で静かに営んできた、個人営業のファッション系セレクトショップや飲食店の、この先の動向は気になる。ふらっと入った店で、そんなことを、金沢の街が居心地良くて住みついた若い店主から感じた。  

  茶屋街、歓楽街

橋  祇園に限らず、茶屋街は川岸にあるようだ。金沢で江戸時代からある、ひがし茶屋街は地図のマーク1の川向うに、にし茶屋街はマーク2の川向う、この橋を渡った先にある。
  前回の記事で書いた、すし屋やバーのあった飲食街の片町というところ。その大通り沿いのビルには、地下から最上階まで全部がバー、クラブ、パブ、といったのがあちこちにある。またこの片町界隈、大通りから横丁に入ったその先に、さらに連なって飲み屋街がある。地図中のマーク2の近くの、木倉町、新天地という街。表通りに比べて、庶民的、B級の店がぎっしり。特に新天地は、店の並びがもうバラックに近い簡易な造り。映画のセットのような雰囲気がある。これはすごい。片町は多彩で深い。

神社  ところで、先に書いたオシャレな百万石通。その途中に尾山神社(地図中のマーク7)がある。加賀藩祖前田利家公と正室お松の方を祀る神社。創建は明治6年。
  で、この神社の門前に尾山神社前商店街というのがある。この小さな商店街は百万石通からは直接見えない。さびれて久しい一角だが、横浜の黄金町のような下級の妖しい雰囲気だ。
  神社のそばに花街はある。例えば昭和33年まで東京の靖国神社のそばに富士見町と呼ばれる花街があった。そんな空気が今も漂っているようだ。
  要するに、その表情に起伏がある金沢の街が気に入った次第。
  若尾文子主演の映画 「女は二度生まれる」 にそれは描かれている。

  美術館    石川県立美術館   (地図中のマーク8)

中2  先の金沢21世紀美術館と正反対のイメージ、どっしりした典型的な美術館だ。
組1-0  明治の版画家の小林清親と、大正・昭和期の同じく版画家の川瀬巴水。どちらも好きな人だ。同時に観れたことは嬉しい。小林は浮世絵のスタンスから西洋の絵を見ていた、川瀬は西洋の眼で浮世絵を作った、そんな気がする。
  ほかに明治以降の浮世絵美人画が並んでいたが、小早川 清(1899-1948)が目を引いた。他の浮世絵の女は目を伏せていたりだが、この 「近代時世粧ノ内 四瞳」 の女は、こちらを見据えている。当時としては画期的、いいな。
  加えて、持って帰りたかった三つ目の作品は、鴨居玲の「1982年 私」だ。白いキャンバスに向かう画家本人が凄い。
  住所:金沢市出羽町2−1






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映画 「ラブ・ジョーンズ」  監督:セオドア・ウィッチャー

上

  シカゴを舞台に、ほんとは好きなのに、なかなかすなおになれない同士のラブストーリー。

組1-0  男と女のそもそもの違い、浮気と嫉妬、巡り合わせの悪さ、自分勝手、疑心暗鬼、そんな類のことで すれ違い悩む恋を映画は描きます。恋愛がうまくいかない事例図鑑になるかもしれません。
  このふたりの、それぞれの友人たちがいいです。こういう人間たちが自分のまわりにいれば幸せかもしれません。

  ダリウスは、The Sancutuaryという名のポエトリー・リーディングの店で、自作の詩を即興交えて朗読しています。ウッドベースとサックスをバックにして、店で評判の詩人。加えて彼はジャズやソウルが好きで、小説家を目指してます。
  ニーナは、フォトグラファー志望。今はアシスタント。ある男と同棲していたが別れ、引っ越しするところから話は始まり、The Sancutuaryの店でダリウスと出会うところから話は展開します。
  
  これを大人の映画と言う人は同世代的な親近感を感じるでしょうし、それより年上の人には、やはりまだまだ初々しい恋愛にみえるかもしれません。 ま、どちらにしろ、このふたり、うまく行くようでうまくいかない。彼らの友人達は(映画を観てる方も)、どうしてそうなのよと言いたいところだが、でも友人たちはヘタに口出ししない。ただ、言う時はズバッと言う。

  映画で流れる音楽がいいです。
  チャーリー・パーカー、エリントンやコルトレーンからThe Lincoln Center Jazz OrchestraやCassandra Wilsonのジャズ、The Isley Brothersやらのソウルやレゲエ。どれもまっとうな音楽を取り上げてます。
  映画冒頭、まだレコードショップと言える店でニーナとダリウスは二度目の出会いをします。このときダリウスがニーナに聴かせたくてかけるLPレコードがチャーリー・パーカー。彼の友人でもある店の女性が、これを見てニヤリとします。

  ニーナがライトテーブルに並べたポジフィルムをチェックしているシーンは、懐かしいアナログ時代の光景です。ペンタックスのカメラがスタジオ撮影で活躍していた頃。

  さらっと観れるでしょう。気晴らししたい時にでもどうぞ。

下オリジナル・タイトル:Love Jones
監督・脚本:セオドア・ウィッチャー|アメリカ|1996年|108分|
撮影:アーネスト・ホルズマン|音楽監修 :ダリル・ジョーンズ|
出演:ダリウス(ラレンツ・テイト)|ニーナ(ニア・ロング)|イザイア・ワシントン |リサ・ニコル・カーソン|ビル・ベラミー|レナード・ロバーツ|バーナデット・L・クラーク|カーリ・ケイン|







映画 「彼女を見ればわかること」  監督:ロドリゴ・ガルシア

上





  ロサンゼルスに住む5人の女性の5つの話。
  大人の女の愛の話。物憂げなストーリーですが、いい映画です。




1-1  第 1 話 「こちらドクター・キーナー」

  医師のキーナー(グレン・クローズ)は、認知症の母とふたりっきりで、静かな生活を送っている。
  でも最近、彼女の心は落ち着かない。ある男に熱い片思いなのだ。電話が鳴るたびに、ときめき落胆する今日この頃。
1-2_20150312120924770.jpg  ある日、訪問して占いをするタロット占いの女 (クリスティーン:キャリスタ・フロックハート)を、自宅に呼んだ。
  それは気晴らし気まぐれであったから、はじめ、占い師を小馬鹿にしていた。しかし占いの結果は、あまりにも正確にキーナーの心の内を言い当て、これから先のことについて予言した。
  心が大いに揺らいだキーナーは、クリスティーンという、この占い師が異界から来た女に見えた。


2-2.png  第 2 話 「レベッカにつての妄想」  

  銀行支店長のレベッカ39歳(ホリー・ハンター)は、独身。銀行支店長といえば、富裕層。妻子ある男と、幸せな不倫関係が続いている。
  彼女の3つのエピソード。そのひとつ。
  ある日、彼に妊娠を告げたが、彼はふたりの大人の関係を無言で言い、ドアを閉め帰って行った。後日、中絶手術を受ける。
2-1_201503121213183f2.jpg  ふたつ目。銀行の駐車場でレベッカは、気の触れたホームレスの女と出会う。この女、レベッカを見るなり、レベッカの本性を見抜いた。それは魔女のような物言いだった。レベッカは、心を射ぬかれる。3つ目の話。気まぐれで、部下の副支店長と一夜だけの夜を過ごす。翌日、オフィスで副支店長にあらためて一夜限りだとを念を押す。レベッカは冷めた女であった。そして、ホームレスに言われた自身の魔性を、密かに正当付けていた。でも一方でレベッカは、中絶の葛藤と悲しみに沈んでいく素直な女でもあった。
  ちなみに、中絶手術室のドアを開けて入って来たのは、第1話のキーナーだ。一部でタブー視される人工中絶の仕事。キーナーも、影を持つ女のようだ。(中絶の合憲性が認められるアメリカだが、中絶の是非をめぐる世論はいまだ国内を二分している。)


3-2.png  第 3 話 「ローズに 誰かを」

  思春期を迎える息子と2人暮らしのローズは、向かいに引っ越してきたアルバートに魅かれていく。
3-1_2015031212225324b.jpg  ローズは教師、アルバートはサーカスで育った身寄りのない小人症の男。異形で差別されるような境遇の男に、憐みからではなく正面から向き合おうとするローズは、アルバートの心の優しさに魅かれていく。ローズの心に花が咲く。
  5 話の中では一番ハッピーなお話。  



4-1_20150312122647000.jpg  第 4 話 「おやすみリリー、おやすみクリスティーン」

  1 話で登場したタロット占いのクリスティーンの私生活。
4-2.png  彼女のパートナーは、リリー。がんか何かの難病。死期が近そう。リリーの前では、タロットは無力だ。
  リリーは、クリスティーンに、見初め合ったあの時の話を語らせる。それでリリーは穏やかになれる。クリスティーンは涙し沈んでいく。
  残り少ない時間を大切にしたい。そうクリスティーンは思っている。


5-1_2015031213042830f.jpg  第 5 話 「恋はキャシーを待っている」

  キャシー(エイミー・ブレネマン)は刑事。彼女の妹・キャロル(キャメロン・ディアス)は全盲だ。
  キャロルは、あれこれ物語を考えるのがうまい。姉が担当の事件を推理するのも、ふたりの間で楽しみにもなっている。なかなか鋭い推理をするとキャシーは思っている。
  キャロルには彼がいる。デート前にキャシーは妹にお化粧をしてやる。(その彼とは2 話で登場の副支店長)
5-4.png  そしてキャロルは、彼のひとり娘の家庭教師をしている。この子も全盲だ。
  この子はキャロル以上に洞察力がある。父親とキャロルの関係を見抜き、ある日、父親の冷たい性格をキャロルに打ち明ける。
  家庭教師を終えてマンションのエレベータ前で待つキャロル。そこへ、上がって来たエレベータから出て来る副支店長。彼は彼女に何も言わず気付かれぬようそっとその場をすり抜ける。キャロルは気付かず・・・エレベータに乗る。でも、乗って確信した。彼の匂いだ。
  一方、仕事一直線の姉のキャシーに彼氏ができた。仕事で一緒になった検死官サム。キャロルはこのことをまだ妹に言っていない。  

  以上のこの 5 話はどれも、図のような対比の構図になっています。
  赤矢印が、影響を与えるその方向を示しています。

キャプチャ104オリジナル・タイトル:Things You Can Tell Just by Looking at Her|
監督・脚本:ロドリゴ・ガルシア|アメリカ|1999年|110分|
撮影:エマニュエル・ルベツキ|
出演:第1話・・・女医・エレイン・キーナー(グレン・クローズ)|占い師・クリスティーン・テイラー(キャリスタ・フロックハート)
第2話・・・支店長・レベッカ・ウェイノン(ホリー・ハンター)|ホームレスのナンシー(ペネロペ・アレン)|キーナーともうひとりの医師・デビー(ローマ・マフィア)|レベッカの彼氏・ロバート(グレゴリー・ハインズ)|副支店長のウォルター(マット・クレイヴン)|
第3話・・・ローズ(キャシー・ベイカー)|小人症のアルバート(ダニー・ウッドバーン)|ローズの息子ジェイ(ノア・フレイス)|
中第4話・・・占い師クリスティーンのパートナーのリリー(ヴァレリア・ゴリノ)|
第5話・・・刑事のキャシー・フェイバー(エイミー・ブレネマン)|その妹で盲目のキャロル・フェイバー(キャメロン・ディアス)|検死官サム(ミゲル・サンドバル)|ウォルターの娘ジェーン(ミカ・ブーレム)|キャシー刑事の高校時代の同級生だったカルメン・アルバ・・自殺死体(エルピディア・カリージョ)|


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1年前の3月、一夜一話。   2014年3月掲載記事

  • Posted by: やまなか
  • 2015-03-16 Mon 06:41:45
  • 映画
 昨年3月の掲載記事の全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  2014年3月 Archive

 掲載記事タイトル・リスト
   映画レビューを ご覧になるには、下記の映画タイトル名をクリックしてください。

1老人の恋 紙の力士     2日本の裸族     3FM893MHz.jpg
「老人の恋 紙の力士」      「日本の裸族」           「FM89.3MHz」
監督:石川均             監督:奥秀太郎          監督:仰木豊

4「33号車応答なし」     5幻の光
「33号車応答なし」         「幻の光」
監督:谷口千吉            監督:是枝裕和
池部良、司葉子           江角マキコ、浅野忠信、内藤剛志

2013061119521223f_20150310154208005.jpg              20131112121758ff8_201503101543448ed.png
特集 「やはり、大人の映画ってある。」      特集 「静かな映画  邦画編」
 
10マルコヴィッチの穴     11キッチン・ストーリー     12エバースマイル、ニュージャージー
「マルコヴィッチの穴」       「キッチン・ストーリー」      「エバースマイル、ニュージャージー」
監督:スパイク・ジョーンズ     監督:ベント・ハーメル      監督:カルロス・ソリン  
アメリカ                ノルウェー              アルゼンチン

13「インポート、エクスポート」     14「コーヒーをめぐる冒険」     15パラダイス 神
「インポート、エクスポート」    「コーヒーをめぐる冒険」     「パラダイス 神」
監督:ウルリッヒ・ザイドル     監督:ヤン・オーレ・ゲルスター   監督:ウルリッヒ・ザイドル
オーストリア              ドイツ                  「パラダイス3部作(愛/神/希望)」より

16「アンビリーバブル・トゥルース」       17パラダイス 愛、希望
「アンビリーバブル・トゥルース」   「パラダイス 愛、希望」
監督:ハル・ハートリー         監督:ウルリッヒ・ザイドル 
アメリカ                   「パラダイス3部作(愛/神/希望)」より

 昨年3月の掲載記事の全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  2014年3月 Archive


映画 「川下さんは何度もやってくる」   監督:いまおかしんじ  2014年製作

上

  生活は貧しく頼り甲斐いないが、仲間に思いやりある、あったかい男たちの、おバカでお下劣で物悲しい喜劇映画です。

  先輩の川下(佐藤宏)の通夜。ことは、その夜更けに起こった。
  コップ酒片手にひとり、寝ずの番をしていた今西は、突然のことに驚いた!
  先輩が棺桶から、むっくり起き上がったのだ。
  そして叫んだ。 「セックスがしたい!」
  マジかよと思いつつも、現前の事実を飲みこんだ今西は、川下を連れ、真夜中の街へナンパに出かけるのであった。

  そんなことで始まるが、この映画、エロは極力抑え、川下、今西ら30代後半の男三人のショボさを愛情持って描いている。
組1-0  とりわけ、川下役の佐藤の怪演ぶりは最高だ。この人の演技は、映画撮影の枠に収まらない。そして、セリフの数より豪快な笑いのほうが多い。

  とにかく、川下は、車の中の練炭自殺だったが、風俗じゃない女と「セックスしたい」という未練がこの世に残った。
組2-0  話を通夜の夜に戻そう。
  ナンパに出かけたが、夜更けに女はいなかった。
  川下は今西に言った。「以前入院していた時の看護師(倖田李梨)に、今、も一度会いたい!」 というわがままで、この真夜中に今西は、看護師の住むマンションのチャイムを鳴らし女を呼び出した。彼女、川下にまんざらじゃない様子。結果、車の中で、口でしてくれた。
  ことが済んで川下は家にもどり、自ら棺桶に収まって、通夜の夜は明けた。

  一年経った、命日の日。川下は、ふたたび今西らの前に現れた。
  三回忌にも川下は現れた。もちろん、この世にナンパしに。
  そのたびに、互いに再会を喜び、酒を呑みバカを言い合い風呂にも入りカラオケをし、そして川下お目当てのナンパをした。例のあこがれの看護師ともセックスできた。
  川下は、あの世に帰って行く。来年もきっと現れる。「川下さんは何度もやってくる」 のだ。
  
  ナンパされたその子(星咲優菜)は、舞踏家の田中泯(たなか みん)に心酔する女、という設定は意表を突く。真夜中の街頭で、顔を白く塗ってみんなで舞踏するシーンは、いい。
  看護師の女性の言う事から推測すると、川下が生前、入院していた病院は精神科らしそうだ。自室に多量の薬が残されていた。
  もうひとつ、今西らは映画を作る志を抱く男たちらしい。このふたりに、「いい映画を作れよ」という川下のセリフを吐く時だけ、俳優・佐藤宏がマジに見えるのが可笑しい。
  とにかく、佐藤宏の映画である。楽しんでほしい。ただし、男性本位の話です。  
  
下
  
監督・脚本:いまおかしんじ|2014年|82分|
撮影:道川昭如
出演:水澤紳吾|佐藤宏|櫻井拓也|倖田李梨|星咲優菜|守屋文雄|

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気になる映画 46

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ラテン!ラテン!ラテン!                春爛漫
Action Inc.が届けたラテン映画             歌と踊りの銀幕祭典
10年間の軌跡                       3/15-5/16 ラピュタ阿佐ヶ谷
4/25-5/15 新宿 K's cinema

3_201503102127103d5.png          4_201503102133589df.png
「JIMI 栄光への軌跡」                 「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」
4/11- ヒューマントラスト渋谷             5/30- シネクイント、角川シネマ有楽町
     有楽町スバル座、武蔵野館

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団令子                           「正しく生きる」
昭和の銀幕に輝くヒロイン                3/7- イメージフォーラム
3/22-5/23 ラピュタ阿佐ヶ谷


映画人気ランキングを更新しました。 (上位人気8作)

  • Posted by: やまなか
  • 2015-03-22 Sun 05:26:57
  • 映画
  多くの訪問をいただいている、映画記事の上位ランキング (上位人気8作) を更新しました。 
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映画 「ヴィクとフロ、熊に会う」  監督:ドゥニ・コテ  2013年カナダ映画

上2         
組1-0

  カナダのフランス語圏にある森が、映画の舞台です。
  主人公のヴィクトリアは、終身刑の女61歳。 
  その彼女は仮釈放になったその日、森の外れの一軒家を訪れた。そこは父親がひとり住む家だった。
  カナダでは、終身刑の人が仮釈放可能になるまで最短で25年かかるのだそうだ。だからヴィクトリアは、36歳より以前に服役したんだろう。はるか遠い昔だ。
  父親は、意思疎通がまったくできない寝たきり状態になっていた。そして、この父親の介護に努めるというのが、仮釈放の条件でもあった。そんなことで、彼女は父親の介護を始めた。
  もちろん、ヴィクトリアの仮釈放は保護観察付である。保護司のギョームという若い男が定期的に家を訪れる。

組2-0  そこへまもなく、フロレンスという40歳過ぎの女がこの家に来た。
  ヴィクトリアとフロレンスは刑務所で知り合った仲。フロレンスは先に出所していたのだ。久しぶりに愛し合った一夜だった。そして実は、フロレンスがこの家に来たもうひとつのわけは、誰かに追われて身を隠すためであった。それはヴィクトリアの知らぬところだった。この日から、ふたりっきりの生活が始まる。

  というのは、服役中のヴィクトリアに代わって、これまで父親の介護をしてくれていた近隣の父子が、見るに見かねてヴィクトリアの父親を引き取ったのだ。この父子は、静かなこの地に現れた不埒な女たちに、冷たい視線を投げかける。
組3-0  そもそも、父親の介護が仮釈放の条件であったはず。また監察下の受刑者は犯罪者との接触は禁じられている。保護司のギョームはフロレンスの過去を知っていたにもかかわらず、この状態を黙認しヴィクトリアの仮釈放を取り下げず許した。

  ともあれ、人付き合いの嫌いなヴィクトリアは、愛しいフロレンスとふたりだけの日々を楽しんでいた。  
  そんなある日、見知らぬ女がヴィクトリアの前に現れた。実はそれは怨みを晴らすべくフロレンスを追いかけていた女であった。女は連れの男とフロレンスを森の中でリンチした。フロレンスとの愛のもつれなのか。
  そして、しばらく経ってさらに、その日が来た。
  森を散策していたフロレンスとヴィクトリアは、熊の罠に足をとられ倒れ込む。金属製のギザギザの歯型が付いた強力な罠だ。苦痛に耐えきれぬふたり。そこへ、例の女が現れる。ヴィクトリアに「あんたには怨みはないけどね」と言い、女はその場を立ち去った。

  森に大勢の警察が来ている。ふたりの遺体が運ばれていく。現場検証が始まった。
  村人が数人その様子をうかがっている。ヴィクトリアの父親の介護をしていた父子もその中にいる。
  そんな彼らの脇を通って、フロレンスとヴィクトリアの霊魂が並んで静かに歩き去って行くのが見えた。

組4-1  話の展開はこのように至ってシンプルだ。   
  筋を楽しむよりも、話の過程のあれこれが、この映画の味わうところだろう。  
  要すれば、異なるものへの嫌悪と寛容。受刑者に対する冷たい視線、介護しないだろうという先入観、同性愛に対する反感、物言わぬ植物状態の人間の存在、損得なしに他人の親を介護するこころ、保護司ギョームの同性愛に対する寛容と当事者意識。それらを包み込むカナダの森。
  ちなみに同性愛だけを注視して観てもいいが、この映画を美味しく味わう方法ではないだろう。

  それにしても、実はこの映画の一番の魅力は、観て感じるその感触だ。
  つまり粗暴で直截的な感触が光る。
  一夜一話の中から、同類の感触の映画を拾い上げてみると・・・・・・・
  レズのカップルのイギリス犯罪映画 「バタフライ・キス」 が一番近い感触を持っている。
  また、オーストリア映画の「パラダイス 愛」の直截的な独特の感触もこれに近い。
  ドキュメンタリー映画にも表現の味がある。ワン・ビン監督の「石炭、金」に通底するものがある。
  「バタフライ・キス」の記事は、こちらからお読みください。「パラダイス 愛」 は、こちらから。「石炭、金」 は、こちら
  
下1 上








オリジナル・タイトル:Vic + Flo ont vu un ours|
英語タイトル:VIC+FLO saw a bear|
監督・脚本:ドゥニ・コテ|カナダ|2013年|95分|
撮影:イアン・ラガルド|
出演:ヴィクトリア(ピエレット・ロビテーユ)|フロレンス(ロマーヌ・ボーランジェ)|ほか


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映画 「午前中の時間割り」  監督:羽仁進  1972年

上


草子と、その後ろが、玲子。               
組1-0











左が草子、右、玲子

  草子と玲子とは、とても親しい女友達。玲子と親二は、初々しい恋人同士。
  主人公のこの三人、1972年のその当時、高校三年生だ。

  映画は、この「1972年」に意味を感じて製作されている。
  それは、1960年安保闘争から始まる学生運動、そのムーブメントが ’70年安保闘争で挫折し、急速に衰退して行った1972年。
  その時、大人の入り口に立つ高校三年生とは、1960年代の混沌の時代以後の新世代、団塊の世代を兄姉とする子たちだ。さらには、終わってしまった’70年安保闘争を心のどこかに意識する高校三年生にとっては、「遅れて来た世代」と言える。 とにかく青春真っただ中の、草子、玲子、親二とは、そんな子たちなのだ。

組2-0  1972年の製作当時、監督は44歳にして、そんな「同時代の空気」を共有しながら、時代と若者に対し、同じ高さの目線、誠実な構えで、いたかったのだろう。
  だから監督にとって、草子(国木田アコ)と玲子(シャウ・スーメイ)の自然なその表情、特にふたりの「カメラ目線」が必要だった。
  そのため、親しい間柄で撮り撮られの、気取らず構えずの8ミリ映像が多用されている。インディペンデントな映画だが、奇をてらう新しさをその趣旨とする前衛的、実験的な映画じゃないことを感じ取って欲しい。
  監督のその感性は、ナイーブでやわらかい。 


  ところで、今回この映画をあらためて観て思うに、1972年。あのころは、どういう時代だったろうか。本作のバックグラウンドを思い返してみる。
  ’70年安保、その1968年~1971年の怒りの時が過ぎると、一部の若い人々を中心とする反体制的気運は萎え、虚脱感と無気力が彼らの手元に残った時代。
  それと同時に、一般の人々も、なにやら共になって、そんなどんよりした同時代の空気を呼吸したかのような、そんな時代。経済も低調であった。

  一方、アメリカから来たヒッピー文化をはじめとする反体制的雰囲気を取り込んだファッション、ロックミュージックやらの文化が商品化され、世の中一般に浸透して行った時代。つまりジーンズ、ロングヘアなど、見てくれのカウンター・カルチャーっぽさが、若者の間では最先端でかっこいいと思われた時代でもあった。

  そんな同時代が織りなす雰囲気が誘ったのだろう、一言で言えば、若い人のヤンチャがちょっとかっこよく思えた時代。
  そのヤンチャとは、無気力な気分で、反体制的雰囲気をなぞって真似て、世間の既成概念を破ってみようする行動とでも言おうか。今からみると、それは結構幼く、また、古くさい「世の縛り」がまだあった。

  1971年の映画 「あらかじめ失われた恋人たちよ」 は、そんな時代の気分をいち早く先取りしていた。
  それは、やっちゃいけないことを羽目を外してやってしまう、その人個人の小さな無鉄砲さだ。
  例えば、教師や親や受験や故郷や世間への挑発・反抗、高校生の飲酒喫煙、男の放浪・女の一人旅、ひとり勝手なオフザケ路上パフォーマンス、無賃乗車、場当たり的な人生選択、同棲ごっこ、万引きや盗みやら・・・、期待される良い子でいることへの自問自答と自分自身への反発が原動力の、向こう見ずな行動。映画に登場する草子に象徴される 「午前中の時間割り」とは、そういうことだ。

下0  思えば、1970年代前半あの時代は、矮小の時代だ。
  戦中生まれのツワモノや団塊世代が飛び跳ねた、ゴツゴツ手触り感ある60年代と、スマートで狡猾でバブルを準備する80年代前半との、狭間に位置した、なんとも頼りなげな感傷の時代だった。けれど、人はみな、懸命に生きた。「午前中の時間割り」とは、そういうことだ。

  映画 「あらかじめ失われた恋人たちよ」 の記事はこちらから
  ヤンチャといえば、状況劇場の唐十郎もヤンチャだったし、チェコの映画「ひなぎく」も姉妹のヤンチャの映画であった。
  「ひなぎく」の記事はこちらから
  ちなみに、1979年の桃井かおり主演の映画 「もう頬づえはつかない」 は、70年代の残り香だ。この記事は、こちらからどうぞ。

監督:羽仁進|1972年|101分|
脚本:中尾寛治、浜田豊、荒木一郎、羽仁進|撮影:佐藤敏彦|
出演:国木田アコ(今木草子)|シャウ・スーメイ 蕭淑美(山中玲子)|秦野卓爾(下村親二)|沖至(沖)|吉田まさ子(草子の叔母)|矢部正男(玲子の父)|板津正二(刑事)|和田周(浜口先生)|蜂尾和彦(沼田さん)|野沢房良 (高野さん)|

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映画 「フェスティバル・エクスプレス」  1970年のロックコンサート・ドキュメンタリーフィルム

上
      上2
                   上3


1-0.png  1970年に、コンサート巡業のために仕立てられた特別専用列車“FESTIVAL EXPRESS”が、カナダを東から西に向かって突っ走った。
  乗っているのは、ジャニス・ジョプリン、ザ・バンド、ザ・グレイトフル・デッド などのロックミュージシャン。
  最高級の食堂列車を連結し、車内でジャムセッションができるように十分な環境も整えられていた。そして、沿線各地で大規模な野外ロックフェスティバルが催された。

2-1-0.png
  コンサートはどこも大盛況であったが、無料で会場に入ろうとする大勢の観客たちと地元警察が各所で衝突した。
  一方、FESTIVAL EXPRESSの車内では、ミュージシャンたちの楽しげなセッションが昼夜行われていた。
  そして、酒やドラッグが大量に消費されていくミュージシャン同士の内輪のお祭りでもあった。ドラッグの効果で、FESTIVAL EXPRESSは、実際の速度の数倍の速さで走っていたらしい。
  
  1970年の撮影後、散逸していたフィルムを集め、各種の利害関係をクリアし、さらに参加したミュージシャンたちの当時を振り返ってのインタビューを加えて、33年たった2003年に、やっと公開された。
  インタビューのなかで、1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルよりも、意義のあるコンサートという発言もあった。

  う~ん、ザ・バンドのライブシーンが一番かっこいい!
  また、ジェリー・ガルシアが、ジャニス・ジョプリンに愛の告白をしているシーンが笑える。 

オリジナル・タイトル:Festival Express
監督:ボブ・スミートン|イギリス・オランダ合作|2003年|90分|
出演:ジャニス・ジョプリン(1970年10月4日死去)|ザ・バンド|ザ・グレイトフル・デッド|バディ・ガイ|マシュマカーン |フライング・ブリトー・ブラザーズ|シャ・ナ・ナ|



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「色で読む中世ヨーロッパ」 「二つの戦後・ドイツと日本」 「戦後の「タブー」を清算するドイツ」  ・・・最近読んだ本。

  • Posted by: やまなか
  • 2015-03-28 Sat 06:00:00
  • 書評
上

  最近読んだ本から、三冊ピックアップしてみました。


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色で読む中世ヨーロッパ  (講談社選書メチエ)  徳井 淑子(著)

  12世紀から15世紀ごろの、中世ヨーロッパの人々のこころを知ることができる本。
  色彩に関する関心は12世紀になって一挙に強まったらしい。白、黒、赤、青、緑、黄。それぞれの色に意味と思いを込めた。
  映画「マスク」のマスクがなぜ緑なのかも、理解できる。また、ユダヤ人のしるしとして、なぜ黄色を選んだかも分かる。この本を読んだのちに、美術館に行くと見る目が変わるかもしれない。その色を選んだ画家の意図が理解できるので、作品解釈の幅が広がるだろう。
  第6章の子供と芸人に関する記述もおもしろい。
  

<目 次> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1章 色彩文明の中世     第5章 忌み嫌われた黄
第1章 中世の色彩体系     第6章 子どもと芸人のミ・パルティと縞
第2章 権威と護符の赤      第7章 紋章とミ・パルティの政治性
第3章 王から庶民までの青   第8章 色の価値の転換
第4章 自然感情と緑       終1章 中世人の心性


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二つの戦後・ドイツと日本  (NHKブックス)   大嶽 秀夫(著)

  戦争が終わるまでのことは、終戦記念日だけに限らずよく語られ耳にするが、その後のことについては、あまり語られない。歴史に関心があることと、現代の政治に関心があることの、不連続、切れ目、断層なのか。
  ナチスドイツにいての終戦時の国際環境をまず知る。および連合軍のドイツと日本に対する占領政策は違ったことを、次に知る。加えて、ヨーロッパと東アジアにおいての東西冷戦の構造の違いを知る。これらの状況のなか、吉田茂、西ドイツ初代首相のアデナウアーふたりが持つ政治思想およびその政策と対応の違いを知る。そして、「戦後のドイツ」の安全保障と再軍備とその道筋を知る。
  まずは、こういうことをしっかり頭に入れておきたい。
  210ページほどの本だが、一回読んだだけでは全部を理解できないほどに、その内容は多い。
  だからこそ、しっかり頭に入れておきたい。議論や政治信条の選択は、それからでも遅くはない。一足飛びはいけない。


<目 次> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第1章 ドイツの降伏と占領        第5章 冷戦と日独の経済復興      
第2章 日本の降伏と占領         第6章 ドイツの講和と安全保障
第3章 占領改革の日独比較       第7章 日本の講和と安全保障    
第4章 二つの憲法・二つの政治思想  終1章 世界の中のドイツと日本


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戦後の「タブー」を清算するドイツ  三好 範英(著)  亜紀書房

  上記の「二つの戦後・ドイツと日本」で基本を押さえたつもりだが、その内容は1960年までの経緯だ。だから、その後の「戦後のドイツ」が分からない。分かる本がなかなか見当たらない。やっと見つけたこの本。著者は読売新聞の記者で中道右派な方。セカンドオピニオンのつもりで読んだ。だが、東西ドイツの各方面の人々への取材からなる、戦後ドイツの状況(東西分断から統一後までの国内外の状況)はよく理解できる。そして、再軍備を著者は語る。しかし、この本も2004年発行なので著述もそこまでである。「戦後ドイツ」の実情を知ることはなかなか難しい。
  

<目 次> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1章 「戦後」の終焉             第3章 ドイツ統一の「負の遺産」     
第1章 移民政策の隘路            第4章 「人道介入」するドイツ軍
第2章 「過去の呪縛」から解き放たれて  終1章 「普通化」の次に来るもの     



2年前の3月、一夜一話。   (2013年3月掲載記事)

  • Posted by: やまなか
  • 2015-03-30 Mon 06:00:00
  • 映画
 2年前の3月掲載記事の全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  (2013年3月 Archive

 掲載記事タイトル・リスト
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1億万長者     2任侠外伝 玄海灘     3荒川アンダー ザ ブリッジ
「億万長者」             「任侠外伝 玄海灘」      「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」
監督:市川崑            監督:唐十郎            監督:飯塚健     
久我美子、山田五十鈴      李礼仙、根津甚八        林遣都、桐谷美玲
    
4絶唱     5河内カルメン     6白い息」/「ファの豆腐  
「絶唱」                「河内カルメン」          白い息・・・「ファの豆腐」・「冬の日」
監督:滝沢英輔           監督:鈴木清順          監督:久万真路、黒崎博  
浅丘ルリ子、小林旭        野川由美子            菊池亜希子、長澤まさみ


7題2ボクと空と麦畑さすらい女と女と井戸の中旅芸人の記録ハッピー・ゴー・ラッキーちいさな哲学者たちヤンヤン 夏の想い出アメリカン・スプレンダーロビンソンの庭ローズ・イン・タイドランドBIUTIFUL ビューティフルレモニー・スニケットの世にも不幸せな物語腑抜けども、悲しみの愛を見せろ昼間から呑むアナザー・デイ・イン・パラダイス芝居道

三年前の今月は、16本の邦画・洋画を掲載しています。 全文の記事は、こちらからご覧になれます。
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11Bubble/バブル       12道中の点検     13エイプリルの七面鳥
「Bubble/バブル」           「道中の点検」          「エイプリルの七面鳥」
監督:スティーヴン・ソダーバーグ  監督:アレクセイ・ゲルマン  監督:ピーター・ヘッジス
  
14GO!GO!L.A.     15アンジェラ     16ゲンスブールと女たち   
「GO!GO!L.A.」       「アンジェラ / Angela」     「ゲンスブールと女たち」
監督:ミカ・カウリスマキ      監督:レベッカ・ミラー      監督:ジョアン・スファール
  
17セカンド・サークル       18ブルーバレンタイン  
「セカンド・サークル」         「ブルーバレンタイン」
監督:アレクサンドル・ソクーロフ  監督:デレク・シアンフランス
  

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やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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