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2017年10月29日 Archive

映画「ブロンクス物語 愛につつまれた街」 監督:ロバート・デ・ニーロ

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「犯人は誰だ」 幼いカロジェロが目撃証人となった。みな、街のギャングだ。
犯人である組のボス、ソニーは目の前にいる。横で父親はハラハラする。



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カロジェロ9歳














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この金は誰から貰った?と父は問う
     
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カロジェロはボスから目をかけられ、
賭博場のサイコロ振りで小遣いをもらう。

 ニューヨークはマンハッタン北辺の、ハーレム川の向こう、そこはブロンクス。
 時は1960年代。ブロンクスの、その一区画は当時イタリア系暴力団が支配する街だった。
 これは、この街に生まれ育った少年の成長を綴るお話。そして、人種差別の偏見を越えたラブストーリー。

 少年・カロジェロと両親が暮らす家は、通りに面した3階建ての3階。
 そして隣りの店は、街のギャングの溜まり場だ。地下室は賭博の場になっていた。
 こんな環境は、自ずと9歳のカロジェロに「街のスター」である、組のボスや組員たちへの好奇心や憧れをすり込んだ。

1-0_201710281144562a0.jpg 組のボス、ソニー(チャズ・パルミンテリ、本作の脚本を書いている)は、街の住人から表向き尊敬されつつも、人々を恐怖心で支配していた。
 一方、ソニーは気に入った人間には気配りする男。教養は無いものの、人生哲学を持っていて、刑務所では難しい本を読んでいたらしい。

 ある日、カロジェロは家の前にいて、ソニーが男を射殺する現場を目撃する。
 その直後、その現場で、駆け付けた刑事は容疑者たちを集め、幼いカロジェロを目撃証人にして犯人識別を始めた。

 通りに幾人かの人の目があったはずなのに、警察に対しカロジェロを目撃証人とした、街の人々。それでいて、事の行方は面白そうだと様子をうかがう街の野次馬。

 そんな人だかりの中、息子から事件の様子を既に聞いていた父親・ロレンツォ(ロバート・デ・ニーロ)は、息子がソニーを犯人と言わないかと気を揉んだ。だが、カロジェロは「ここに犯人はいない」と言った。
2-00_201710281202044d9.jpg この時からカロジェロが17歳になるまで、ソニーとは親子のような関係が続いた。(映画は主に、このふたりの様子を描いていく)

 ソニーは何かとカロジェロに便宜を払い可愛がった。だがカロジェロは悪の道へは行かなかった。
 それはソニーがカロジェロを、自分のような道に行かせたくなかったこと(つまりソニーのカロジェロへの恩返し)、くわえて正義感ある父親・ロレンツォの存在があったからこそだった。

 黒人女性ジェーン(タラル・ヒックス)との出会い。人種を越えた愛。
 ロレンツォは、ブロンクスを巡るスクールバスの運転手だ。
 高校生になったカロジェロ17歳は、父親が運転するバスに乗っていた時、同じ高校に通うジェーンに一目惚れしてしまう。ジェーンの方もそうだった。

 だが同じブロンクスでも、カロジェロが住む一画はイタリア人の街、ジェーンが住む街は黒人街。ふたつの街はいつもいがみ合っていた。ふたりの間に壁は無くても、ふたりの周囲はそうではなかった。
 イタリア人地区を通り過ぎようとする黒人たちが襲われることもしばしばであった。しかしカロジェロはこれには加わらない。どうして彼らを虐めるのかと。
 そんな街の雰囲気のなか、カロジェロが黒人女性と付き合うことは非難の的だった。
 悩んだカロジェロは父親に話すが、正義感ある父親ではあったが、反対した。
 ソニーにも話した。彼は反対しなかった上に、付き合うに値する女性かを判断する方法を教えてくれた。

 カロジェロの幼なじみの連中は、街の不良になっていた。ソニーはカロジェロに、あんな奴らに近づくなといつも言われるが、長年の付き合いもある。カロジェロは、彼らとつるむ時はつるんでいた。

 ある夜、彼らは車に乗って黒人街へ行き、拳銃と火炎瓶で一軒の店を襲撃した。
 彼らの襲撃は成功したかにみえたが、投げた火炎瓶を1人の黒人が投げ返し、彼らの車は炎上、彼ら全員が焼死した。
 
 実は、この事件の直前、彼らに誘われたカロジェロも、これから襲撃しようとする車に悶々としながらも乗っていた。
 その様子を見かけたのか、走る車にソニーの車が近づき、ソニーはカロジェロに降りろと命令した。
 そしていつもの小言、こいつらに近づくな。そしてカロジェロはソニーの車に乗せられ、その場を去ったのだ。結果、カロジェロはソニーのおかげで命拾いをした。

3-1_201710281215259e6.jpg ソニーが死んだ。
 かつて父親をソニーに殺された男が、ソニーを撃ったのだ。即死であった。
 葬儀に加わったカロジェロは、ソニーの手下たちの誰もが悲しまずにいることを、冷めた目で眺めていた。
 カロジェロは、葬儀が終わっても、棺の前にひとりいた。そして、眠るソニーに言った。「これからもジェーンと付き合っていくよ」 

 警察に嘘をつき悪者ソニーを救ったカロジェロの心の迷いに注目してください。
 父親はカロジェロに「大人になれば分かる」と言うが、これじゃ子供には分からないですね。それと脚本上、父親の存在が薄い。
 カロジェロがサイコロを振って、もらった多額の金をソニーに返すと父親が妻に言うシーン、稼ぎのいい仕事を紹介するとソニーから言われたが断ったと妻に言うシーン、この時、妻は残念がります。妻は正義より現実主義者のようで、可笑しいです。

 ちなみに映画では、40曲ほどの1960年代のポップスが流れています。シナトラやビートルズやボブ・ディランも聴こえてきます。
 曲は、場面に合わせて白人ポップスと黒人ポップスを使い分けています。例えば黒人街のシーンでは例えばジェームズ・ブラウンのソウルが流れます。
 カロジェロの父はスクールバスを運転しながらジャズを聴いてます。でも17歳のカロジェロはジャズが嫌いです。
 カロジェロの幼なじみは、黒人ポップスのドゥーワップを嫌っています。

 映画のサウンドトラック曲目リスト:http://www.imdb.com/title/tt0106489/soundtrack

下 12 左端オリジナルタイトル:A Bronx Tale|
監督:ロバート・デ・ニーロ|アメリカ|1994年|121分|
脚本:チャズ・パルミンテリ|撮影:レイナルド・ヴィラロボス|
出演:カロジェロ・アネロ(リロ・ブランカート・ジュニア)|ロレンツォ・アネロ(ロバート・デ・ニーロ)|ソニー(チャズ・パルミンテリ)|
カーマイン(ジョー・ペシ)|9歳のカロジェロ(フランシス・キャプラ)|ジェーン・ウィリアムズ(タラル・ヒックス)|ロジーナ・アネロ(キャスリン・ナルドゥッチ)|ジミー(クレム・カセルタ)|エディ(エディ・モンタナーロ)|ジョジョ(フレッド・フィッシャー)|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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