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2017年11月 Archive

気になる映画 60  《これから上映の映画》

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「最低。」
監督:瀬々敬久
11/25~角川シネマ新宿ほか
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「二十六夜待ち」
監督:越川道夫
12/23~テアトル新宿
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「ニッポンの、みせものやさん」
監督:奥谷洋一郎
11/25-12/1 新宿K’cinema
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シネマヴェーラ的大映女優祭
11/4-12/1
シネマヴェーラ渋谷
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女優で観る
<大映>文芸映画の世界
11/25-12/22 神保町シアター
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女優 倍賞千恵子特集
11/4-12/1 横浜シネマリン






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映画「喜劇 駅前旅館」 監督:豊田四郎

上






 本作は1958年の製作。このころの日本映画は良く出来ている。
 脚本も演出も、俳優の技量も、娯楽性も、文句なしにハイレベル。
 ベテラン俳優の、さりげない一挙手一投足に、感情表現の絶妙な味があることにも注目してほしい。

 東京の「東玄関」上野駅の駅前旅館150軒や飲食店街は、多くの旅行客に親しまれ繁盛して来た。
 そして昨今、修学旅行の団体客が、毎日のように旅館街にどっと押し寄せてくる!

1-0_201711041139566da.png 戦後、修学旅行が再開され、さらに本格化したのが、この映画の時代、1950年代。
 戦前は、修学旅行は「国家神道教育」に通じる神社を目的地としていたが、戦後、これが自由化され、さらには修学旅行は誰もが行くものとして一般化された。
 よって修学旅行の行き先は、交通の利便性や社会見学先を考えると日本の「首都」東京になり、かつ団体客の受け入れ可能な宿泊旅館を考慮すると、自ずと上野であった。

 このことで、焼野原から復興してきた上野の駅前旅館街は一変した。
 大型の旅館は、黙っていても、各地の学校から予約が入るという、ウハウハ極楽状態。もう上野駅前で客引きする必要は無くなっていた。
 
 こんなことを背景に「喜劇 駅前旅館」は始まる。
 大型旅館の柊元(くきもと)旅館、ここのベテラン番頭の次平(森繁久彌)は、玄関で騒ぐ修学旅行生たちを目の前にして嘆く。「これは旅館じゃない、流れ作業の工場だ」
 40歳代の次平は客引きのプロ。次平を頼って来るリピーター一般客も多い。旅館一同の、宿泊客に対する丁寧なおもてなし。
 しかし、修学旅行生の団体客を相手にすると、旅館は、彼らの一日のスケジュールに沿って流れ作業のように動く。次平はこれを、もはや旅館業の工場化だという。

2-0_20171104114124f04.png 本作公開時の宣伝文句は、「舌三寸で客を引き、胸三寸で恋のせる、番頭家業の裏おもて」。
 旅館街のそばにある飲み屋の女将、お辰(淡島千景)の店に、次平や他の旅館の番頭たち(伴淳三郎、多々良純ら)の口達者な常連が集まる。お辰は前々から次平に気があるが、次平にその気があるのや無いのやら。

 くわえて、恋物語がもう二つ。
 はとバスの添乗員の小山欣一(フランキー堺)は、柊元旅館の可愛い女中、お京(三井美奈)が好き。ふたりのその先はいかに。
 もうひとつの話は、次平の昔の女、於菊(淡路恵子)が柊元旅館に客として現れる。さてこちらの展開は・・。

 そして、団体客の物語。
 関西女子高の修学旅行生を引率する老先生(左卜全)、同じく四国男子高の先生(藤村有弘)、同じく東北女子高の先生(若水ヤエ子)に、山田紡績の社員旅行を引率するおばさん社員(浪花千栄子)が、話に騒ぎを持ち込む。

 さらには、上野界隈のやくざの頭(山茶花究)が率いる一団が、客引きを巡って、あるいは旅館の女中の引き抜きや麻薬売買で騒ぎを起こす。
 さてさて、このあと、すったもんだのお話はどうなりますでしょうか、それは観てのお楽しみ。
 ちなみに、柊元旅館主人(森川信)、その妻(草笛光子)も話に味を添えています。
 
監督:豊田四郎|1958年|109分|
原作:井伏鱒二|脚色:八住利雄|撮影:安本淳|
出演:生野次平(柊元旅館番頭):森繁久彌|柊元三治(柊元旅館主人):森川信|柊元お浜(柊元旅館内儀):草笛光子|柊元梅吉(柊元旅館中番):藤木悠|柊元お京(柊元旅館女中):三井美奈|柊元お松(柊元旅館女中):都家かつ江|高沢(水無瀬ホテル番頭):伴淳三郎|春木屋番頭:多々良純|杉田屋番頭:若宮忠三郎|小山欣一(添乗員):フランキー堺|お辰(辰巳屋女主人):淡島千景|於菊:淡路恵子|相田(関西女子高校先生):左卜全|広見(四国男子高校先生):藤村有弘|保健の先生(山田紡績):浪花千栄子|女の先生(東北女高):若水ヤエ子|カッパのボス株:山茶花究|カッパA:大村千吉|カッパB:西条悦朗|カッパC:堺左千夫|カッパD:水島直哉|辰巳屋小女:小桜京子|山田(紡績所長):谷晃|芸者:三田照子|女学生:市原悦子|

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人気の映画記事 ベスト10

  • Posted by: やまなか
  • 2017-11-08 Wed 06:00:00
  • 映画
 よく訪問いただいている人気の映画記事、ベストテンを更新しました。
 日本映画ベスト10、外国映画ベスト10、それぞれに、こちらからご覧ください。



一夜一話の “今日は日本のポップスだよ” 中山うり

1_201711082018025be.png



 今日の一枚は、シンガーソングライターの中山うりのミニアルバム「夏祭り鮮やかに」だよ。(2008年)


 何風でもなく誰風でもない、彼女のオリジナリティが素晴らしい!
 アルトの声域で、少しハスキーな丸い歌声。この歌声に乗せた歌詞に「詩」がある。そして身近な生活の中の夢想を拾い上げる。
 楽器はアコーディオンにトランペットも吹くが、巧くないところに味がある。
 彼女の、あたたかな音楽の世界に、ゆったりと身を任せながら聴いてほしい。

 さて、こんな彼女の音楽をどう料理するか、音楽プロデューサーやスタジオミュージシャン側の、アレンジや演奏の引き出しの豊かさが試される。こういう視点で聴くのも面白い。

 例えば、ジャンゴ・ラインハルト(1910-1953)風のフランス・スイングジャズのギターを入れてみたり、20世紀初めパリで流行した、アコーディオンを多用するフランスのポピュラー音楽(ミュゼット)やタンゴ風にしてみたり・・など古今東西の音楽スタイルを考えている。(もちろん、そんな曲調をもとに今風にアレンジする)

 これらのアレンジのスタイルは、作曲の時点で彼女があらかじめ想定している場合もあるだろうが、売るためにはプロデューサーが彼女の曲に、これらの曲調アレンジを当てはめることもあるんだろう。
 しかし周りのスタッフがアレンジする時、作りすぎる(飾り過ぎる)と、中山うりのオリジナリティは薄れてしまう。
 このミニアルバムの収録曲は、この辺りのバランスが巧みだ。

 彼女はもう9枚のアルバムを出しているが、近作はどうも、周囲が作りすぎているような気がする。
 ちなみに、このミニアルバムは、彼女の1stアルバム「DoReMiFa」(2007)、2ndアルバム「エトランゼ」(2007)、3rdアルバム「ケセラ」(2008)のうち、1stと3rdから選曲している。

 どうでもいいことだけど、中山うりは、Amazonだと「ジャズ」のジャンルに分類されているが、どうなんでしょう。
 それと、アルバム収録曲にある、フォークシンガー高田渡(1949-2005)作曲の「生活の柄」、これはアッパレ!
 そのうち、いつか、別のアルバムも紹介したいと思っています。

「夏祭り鮮やかに」
1. 夏祭り鮮やかに  (作詞:toto 、作曲:中山うり)
2. カーニバルの午後  (作詞作曲:中山うり)
3. 月とラクダの夢を見た  (作詞作曲:中山うり)
4. 生活の柄  (作詞:山之口獏、作曲:高田渡)
5. 夏祭り鮮やかに - インストルメンタル・バージョン
6. 月とラクダの夢を見た - 3トラックの別バージョン

映画「あらくれ」(1957) 主演:高峰秀子 監督:成瀬巳喜男

上

 明治に生まれ、大正の時代を生きる女、お島(高峰秀子)の話。

1-0_20171112165819fbe.jpg お島は「あらくれ」な女、世間・風習に逆らって荒々しく振る舞い生きる女だと映画は言う。
 夫に盾突き、取っ組み合いの夫婦喧嘩をしたり、夫の浮気相手の女と組んずほぐれつの格闘をする。そして大抵、お島は勝つ。
 たしかに時として、お島は乱暴を働く女だが、果たして「あらくれ」な女だろうか。
  
 お島は、養女として育てられた。
 年ごろになった頃、養子先の家が一方的に決めた縁談を嫌い、祝言当日にお島はその家を飛び出した。
 そののち東京に出て、病で妻を亡くした缶詰屋の鶴さん(上原謙)と結婚。だが鶴さんの浮気が続き、夫婦仲は破綻、ついに離婚。

 離婚したはいいが、世間にお島の居場所はない。
 実家を出たきりの実兄を頼って、お島は見知らぬその地へ行くが、そこの旅館の女将に金を借りた兄が行方不明になる。お島は、仕方なく、その旅館の女中として働き始めた。

 旅館の若旦那、浜屋(森雅之)の妻は病弱で、静養のため実家にいた。そんなことで若旦那はお島に恋してしまう。
 やがて妻の身体が回復し実家から妻が帰って来る。板挟みになった若旦那は、お島を妾にして関係を続けようとするが、お島はこれを嫌い、再び東京へ出た。

2-0 縫製の店で働き始めたお島は、職場の男、小野田(加東大介)と所帯を持ち、洋服仕立て屋を始める。
 しかし、一緒になってお島は小野田に商才が無いことに気付き始める。そのうえ小野田は、女(三浦光子)とねんごろになり、家まで持たせる始末。
 業を煮やしたお島は、店の若い職人(仲代達矢)と小僧を連れて温泉地へ出かけた。それは、3人で新しく店を開こうという相談のためであった。

 
 たしかに、お島は男勝りで才覚がある。
 一方、登場する男たちは皆、器が小さく、お島が抵抗しようとすると、世間体を持ち出し、女を見くだす態度をとる。
 映画は、そんな男尊女卑がまかり通る時代に生きる女の自活を描こうとしている。

 がしかし、観終わってみれば、高峰秀子の演技は印象に残るが、男たちの人物像がどれも紋切り型で、結果、相対するお島の人物像も平板になってみえる。よって作品としてはいささか凡庸な印象だ。
 本作は原作と趣が少々違うかも知れない。

監督:成瀬巳喜男|1957年|121分|
原作:徳田秋声『あらくれ』1915年(大正4年)|脚色:水木洋子|撮影:玉井正夫|
出演:お島(高峰秀子)|缶詰屋の主・鶴さん(上原謙)|田舎の旅館の若旦那・浜屋(森雅之)|洋服の仕立て職人・小野田(加東大介)|お島の実父(東野英治郎)|お島の実母(岸輝子)|お島の兄・壮太郎(宮口精二)|お島の姉・おすず(中北千枝子)|お島の養父・喜助(坂本武)|お島の養母・おとら(本間文子)|作太郎(谷晃)|植源の隠居(林幹)|植源の隠居の息子・房吉(田中春男)|鶴さんの幼なじみで小野田の女になった女・おゆう(三浦光子)|浜屋の妻・お君(千石規子)|精米所の主人(志村喬)|お島の伯母(沢村貞子)|お島の店の職人・木村(仲代達矢)|ほか

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1年前・3年前・5年前の11月、一夜一話。(2016年11月・2014年11月・2012年11月の掲載記事)

  • Posted by: やまなか
  • 2017-11-15 Wed 06:00:00
  • 映画
1年前の11月に掲載した映画です。
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  1年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。  <2016年11月 Archive>

写真
「あん」
監督:河瀬直美
樹木希林
写真
<カ行> の洋画
これまでに記事にした洋画
2016.11.15 現在
写真
「エル・スール」
監督:ビクトル・エリセ
スペイン
写真
「橋の上の娘」
監督:パトリス・ルコント
フランス
写真
第17回東京FILMeX上映作品
3作品:スリランカ、韓国、中国
       
写真
第17回東京FILMeX上映作品
「マンダレーへの道」
台湾/ミャンマー
写真
今日はジャズ・ボーカルだよ。
ダイアナ・クラールと
ナット・キング・コール
写真
最近、読んだ本、3冊。


3年前の11月に掲載した映画です。
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  3年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2014年11 Archive)

写真
「鴛鴦歌合戦」
監督:マキノ正博
片岡千恵蔵、市川春代
写真
「箱入り息子の恋」
監督:市井昌秀
星野源、夏帆
写真
「穴」
監督:市川崑
京マチ子,船越英二,山村聡
写真
「顔役」
監督:勝新太郎
勝新太郎,山崎努,藤岡琢也
写真
「タラデガ・ナイト
      オーバルの狼」

アメリカ
写真
「記憶が私を見る」
監督:ソン・ファン
製作:ジャ・ジャンクー|中国
写真
「グロリア」
監督:ジョン・カサヴェテス
アメリカ
写真
「バニシング・ポイント」
監督:R・C・サラフィアン
アメリカ
写真
「呼吸」
監督:K・マルコヴィックス
オーストリア
写真
東京フィルメックス2014
「扉の少女」
韓国
写真
東京フィルメックス2014
「生きる」
韓国
写真
美術展「楽園としての芸術」
障害ある人たちによる作品展
(東京都美術館)
写真
美術展「オープン・スペース
          - 2014」

( 東京オペラシティ内 ICC)
写真
京都のはなし
うどん


5年前の11月に掲載した映画です。
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  5年前の11月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2012年11月 Archive)

写真
「宇宙大戦争」
監督:本多猪四郎
特撮: 円谷英二
写真
「野良犬」
監督:黒澤明
三船敏郎、志村喬
写真
「暁の追跡 」
監督:市川崑
池部良、杉葉子
写真
「Love Letter」
監督:岩井俊二
中山美穂
写真
「ヒポクラテスたち」
監督:大森一樹
古尾谷雅人、伊藤蘭
写真
「ドント・ルック・バック」
ドキュメンタリー映画
アメリカ、イギリス
写真
「トニ」
監督:ジャン・ルノワール
フランス
写真
「ヘンリー・フール」
監督:ハル・ハートリー
アメリカ
写真
「ウェルカム・トゥ
       ・コリンウッド」

アメリカ
写真
「鬼火」
監督:ルイ・マル
フランス
写真
「恋の邪魔者」
監督:パトリス・ルコント
フランス
写真
「おばあちゃんの家」
監督:イ・ジョンヒャン
韓国
写真
「天使の眼、野獣の街」
監督:ヤウ・ナイホイ
香港
写真
「灯台守の恋」
監督:フィリップ・リオレ
フランス



映画「スワロウテイル」 映画音楽に魅せられて 主演:CHARA 監督:岩井俊二

上

 日本のどこか、海沿いの都市、その市街の外れにある、円都(イェンタウン)と呼ばれる無法のバラック集落地区に、中国系不法移民たちが住んでいる。

1-0_201711171315104b1.png 映画冒頭で私たちはたちまち、この移民たちの日常世界に引き込まれる。
 それは、中国語をベースに片言の日本語・英語が混じる無国籍風のセリフ、かつシーンの様子も、いかにも無法地域らしく怪しげで素晴らしいからだ。ロケ地選択と美術の仕事の勝利だろう。

2-0_201711171316336f7.png 映画は、この円都(イェンタウン)での物語を第一章にして、次に円都の暮らしから離脱する主人公らの新たな展開を第二章にする二部構成。
 映画全体を通して思うに、正直言って脚本が弱い。
 弱いが、これを補って余りあるものにしているのは、なんと言ってもCHARA自身の魅力と彼女の歌。
 加えてやはり、映像イメージが牽引する無法の街のシーンの作りだ。

 ミュージシャンで女優のCHARAの魅力とは、少女っぽい舌足らずな中国語のセリフかも知れない。
 歌は、恥ずかし気に歌いだす「マイウェイ」もいいが、映画ラストに流れる「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」がいいですね。
 当時、この歌はヒットしてよく流れていました。曲の冒頭の、哀愁のある儚げなシンセサイザーの音色がいいし、もちろんCHARAのウィスパーボイスが魅力的です。
 映画製作の1996年はバブル崩壊の直後。そんな厭世的な気分が映画の背景にあるような気がします。 

 
監督・原作・脚本:岩井俊二|1996年|149分|
撮影:篠田昇|音楽:小林武史|主題歌:YEN TOWN BAND|美術:種田陽平|
出演:ヒオ・フェイホン(三上博史)|グリコ(CHARA)|アゲハ(伊藤歩)|リョウ・リャンキ(江口洋介)|マオフウ(アンディ・ホイ)|ラン(渡部篤郎)|鈴木野(桃井かおり)|シェンメイ(山口智子)|レイコ(大塚寧々)|星野(洞口依子)|医者(ミッキー・カーチス)|葛飾(渡辺哲)|須藤(塩見三省)|浅川(武発太郎)|アーロウ(シーク・マハメッド・ベイ)|ホァン(小橋賢児)|ワン(翁華栄)|アゲハの母・ユリコ(藤井かほり)|デイブ(ケント・フリック)|金髪男(ローリー寺西)|本田(田口トモロヲ)|楠木(鈴木慶一)|監査官(山崎一)|亀和田(北見敏之)|パンク男(光石研)|ロリータ店長(酒井敏也)|インタビュアー(クリス・ペプラー)|藤田(陰山泰)|ツェン(顧暁東)|ニハット(アブラハム・レビン)|チュンオン(楊錠宇)|クラブの客(浅野忠信)|少女アゲハ(鴨川寿枝)|YEN TOWN BAND(ブライアン・バートン―ルイス、カーク・D・ハバード、カレブ・ジェイムズ、アリ・モリズミ・MTV、 C.J.、ダニエル・グルーンバウム)|

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気になる映画 61  《これから上映の映画》

写真
「泳ぎすぎた夜」
監督:五十嵐耕平、D・マニヴェル
2018春 イメージフォーラム
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大映女優祭 48作品上映
大映創立75年記念企画
12/9-1/12 角川シネマ新宿
写真
市川準監督 傑作選ベスト5
ベスト1 大阪物語、ベスト2 BU・SU
12/2-8 目黒シネマ
写真
追悼 松本俊夫
ロゴスとカオスのはざまで
12/9-22 イメージフォーラム
写真
「花咲くころ」|2013年グルジア
岩波ホール創立50周年記念
来年2/3-3/16 岩波ホール
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「皆殺しの天使」ほか
ルイス・ブニュエル監督特集
12月 イメージフォーラム
写真
「デヴィッド・リンチ:アートライフ」
出演:デヴィッド・リンチ
来年1/27-シネマカリテ・アップリンク他
写真
東南アジアの都市生活
短編ドキュメンタリー作品上映&トーク
12/9 国際交流基金ホール
12/7 京大東南アジア地域研究研究所
稲盛財団記念館
写真
東南アジア映画特集
12/9,16,23 2018/1/6 
東京外大 アゴラグローバルプロメテウスホール



中国映画「相愛相親」,「天使は白をまとう」,「氷の下」 ~第18回東京フィルメックス上映作品

 これら3作品の中では、「相愛相親」がいい出来です。

『相愛相親』   Love Education|相愛相親|【特別招待作品】
中国、台湾|2017|120分|監督・主演:シルヴィア・チャン(Sylvia CHANG)|
10_2017112210015589f.jpg
 女性監督(兼主演)によるホームドラマ、女性目線の映画です。
 喜劇的な場面があり、女性観客の間から時折クスクス笑いが聞こえました。
 また、シーンの切り返しに独特のリズムがあって、これが心地良い印象を与えています。 

 中年の主人公が母親の遺骨を、父親が眠る故郷の墓に埋葬しようとするが、故郷に住む父親の先妻に断固反対される話です。

 父親はその昔、先妻を故郷に残し出稼ぎに出た切り、故郷へ帰らず、都会で知り合った女性と結婚。この女性が主人公の母親でした。
 この間永い間、先妻は夫が帰って来るのを辛抱強く待ちました。そして遺骨となって帰って来てからは墓守をして来たわけです。だから故郷の村人たちは先妻の肩を持ちます。

 こんな筋書きを飾るエピソードが三つ。
 ひとつが、埋葬騒動を番組ネタにしようとするテレビ局。
 ふたつめは、主人公の娘。娘は当初、この内輪もめを客観視していましたが、そのうちに、孤独に生きる先妻に興味を持ち始め彼女に近づいていきます。
 もうひとつは、主人公の夫。尻に敷かれても、おっとりした夫。この俳優、いい味を出していますが俳優ではない。
 (本業は映画監督で名はティエン・チュアンチュアン。「青い凧」「ジャスミンの花開く」「ルアンの歌」「五月の恋」などで知られる人物)
 もちろん主人公を演ずる監督のシルヴィア・チャンもいいですね。

 ちなみに映画に出てくるシーンですが。
 TSUTAYAがやっている書店を中心にした生活提案型の店舗のような店、あちらの新幹線、モダンなマンションの部屋などなど、どれも日本と変わらない。いわゆる中国っぽいと思えるシーンは、先妻の住む古風な家屋くらいでしょうか。
 映画は、現代の中国の都会に住む家族の様子がよくわかります。
写真
娘は彼氏と家出し先妻の家へ。
彼氏はミュージシャン。
写真
その昔は夫が好きだった。
そんなことさえ忘れていた妻。

『天使は白をまとう』   Angels Wear White|嘉年華|【特別招待作品】
中国|2017|107分|監督:ヴィヴィアン・チュウ(Vivian QU)|
20_20171122211358201.jpg
 ふたりの少女が主人公のお話です。
 家出をし各地を転々としたのち、この海辺のリゾート地へ流れ着いた16歳の少女(左写真)。
 彼女は小さな(ラブ)ホテルで住み込みの従業員をしている。

 もうひとりは、私立名門校の小学生の女の子。母親と二人住まいだが、母は娘の面倒を見ない女。
 この子は同級生と一緒に、地元の名士に誘われホテルで一泊し援助交際をしたが、16歳の従業員が従業員としてこのことを目撃する。

 のちにこれが発覚し事件となり、地元警察が動き出して、小学生の少女二人は親同伴で病院にて検査を受けることになる。
 名士関係者やホテルのオーナーはもみ消しを図るが、噂は広がる。
 名士は少女の親に金で働きかける。今後の教育費の面倒をみると。
 ついに警察も名士の味方をする。事件は無かったことになってしまう。そして少女たちは・・。

 脚本が練れていない。物語を巧く物語れていないのだ。
 また、二人の少女の心の様子が描き切れていない。俳優のだんまりだけでは伝わらない。ただし、小学生役の少女の目つきは、多部未華子のように鋭い。
 根底にある社会批判がぬるいのは、致し方ないか。 
21.jpg22_2017112222075398f.jpg
『氷の下』   The Conformist|氷之下|【コンペティション対象作品】
中国|2017|126分|監督:ツァイ・シャンジュン(CAI Shangjun)|
3_20171121202032022.jpg
 う~ん辛い。

 コワモテ風を狙っているようだが、脚本が空中分解している。
 それを知ってか、126分間、客を飽きさせないようにと、あるいは驚かそうと、次から次へと肩に力が入った映像が出てくる。
 カメラは頑張っていたが、私は映画の終わるのが待ち遠しかった。









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プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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