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2018年07月 Archive

映画「ケンとカズ」  監督:小路紘史

上
ケン(左)とカズ。


01-_20180701130306c6d.jpg ケンとカズの友情を描く、リアルで硬派な映画。
 べたべたした仲間付き合いではない2人は、いつも互いに、最低限の事しか言わない。

 2人は町工場のしがない自動車修理工だ。
 そんな日常の裏で、通りの陰で待つ男達に、2人は覚せい剤を売りに行く。
 ケン(カトウシンスケ)の先輩・藤堂は小さな組の組長で、この藤堂の誘いでケンはいつしか覚せい剤を売るようになった。

 カズ(毎熊克哉)はケンより、切れやすい。
 ケンの誘いでカズはここで修理工になったが、時折、工場長の胸ぐらつかんで脅すほどの剣幕。
 覚せい剤の客がカズに、カズの気に障ることを言おうものなら、客はぼこぼこにされる。やりすぎだと言ってそれを止めるのがケン。
 ケンとカズが、藤堂の島をうろつくヤクザを襲撃する時も、カズは抑えがきかない。

2-0_201807011304265b4.jpg 今じゃ、覚せい剤商売に付いちゃ、カズの方が主導権を握っている。(カズはもはや修理工の仕事に興味がない)
 カズは考える。藤堂との商売じゃ、せこせこ働いてもタカが知れてる。(藤堂に対して売上げ金をごまかしているようだ)
 カズは一歩踏み込む。極秘に、藤堂と争う、藤堂より大きな組から覚せい剤を仕入れようとする。

 ケンはそんなカズの行動に一応は付き合うものの、「やりすぎだ、俺はやらない、ひとりでやれ」とケンはカズに言う。
 カズは本気だ。互いに、いつもの口数の少なさが、沈黙に変わる。
 裏の世界は狭い。藤堂も敵対組も、カズとケンの行動を見ている。

 ある日、2人は殴り合いになる、口より先に手が出る。殴り殴ったあと、また互いに無口になり、ケンはその場から去って行った。


3-0_20180701130954a56.jpg ケンは早紀(飯島珠奈)と住んでいる。早紀は妊娠している。
 ケンの様子の変化を敏感に察した早紀は、我が子を思い心配だ。
 そして、ケンがカズについて行けなくなったのは、ケンが家庭を思うようになったからだ。

 カズは母親(神保明子)と住んでいる。
 その昔、母親は、幼いカズを虐待し続けた。
 しかし、「カズ、お前、マザコンだろ」そうケンは言った。図星だった。カズは母親をばばあと罵るが、心の底ではマザコンらしい。
 母親は育児放棄(ネグレクト)ではなかった。
 幼いカズを虐待したあと、母親はいつもカズを抱きしめ、私が悪かったと泣く日々だった。
 その母親が今じゃ認知症の症状。ばばあと罵るカズに、母親を施設に入れる金は無い。

 そしてその日、カズは藤堂に呼び出される。人気のない高架下。カズは既に痛めつけられている。
 追って、ケンも高架下に来た。やはり呼び出されたんだろう。そしてラストの見せ場・・・。

             

 修理工場には、ケン、カズの下に見習い工のテル(藤原季節)がいる。
 テルはケン、カズのあとについていくが、そのうち藤堂の息がかかる。

 このテルと、カズの母親の2人の役柄が、ドラマに奥行きを作っている。
 ラストの、ある1シーンがいささか冗長なのが残念。でも、辛口のいい映画です。

監督・脚本:小路紘史|2016年|96分|
撮影:山本周平
出演:ケン(カトウシンスケ)|カズ(毎熊克哉)|工場の後輩・テル(藤原季節)|ケンの彼女・早紀(飯島珠奈)|組長の藤堂(髙野春樹)|藤堂の子分の田上(江原大介)|カズの母親(神保明子)|ほか

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映画「我が家は楽し」(1951)  監督:中村登  出演:高峰秀子、笠智衆、山田五十鈴

上2
(左から)次女信子18歳(岸恵子)、長女朋子(高峰秀子)、三女光子、長男和男、
父・植村孝作(笠智衆)、母・なみ子(山田五十鈴)



 日本は、まだ連合国軍占領下(1945-1952)。
 戦後の混乱期をなんとか抜け出し、経済復興の糸口をつかもうとする1951年(昭和26年)のお話。
 人々はみな、一応に貧しかった。

 それでも植村の一家6人は幸せだ。
1_20180706171057b87.jpg 父親の植村孝作(笠智衆)は森永製菓の工場勤務の課長。仕事の出来るほうの人物ではないが実直で人当たりはいい。
 忘れ物の多い父さんだが、その穏やかな性格は一家のムードメーカーであり大黒柱。
 母親のなみ子(山田五十鈴)は良妻賢母、17歳で結婚し今年が結婚25周年。
 子供の病気や修学旅行費用などの出費で家計は赤字、母親はミシン仕事で家計を助けている。
 それでも家族の服も靴も雨傘も新調できずだが、家族はみな明るく我慢している。
 だが、お米が足りない。夕食の一家団らんの時、母親は、夫と子たちにはご飯をすすめ、自分はパンを食べてしのいでいる。(戦後の食糧不足は緩和されつつはあったが・・)
 そして、母親の奥の手は質屋であった。

 子供は4人一男三女。みな親思い、姉弟仲良し。
 次女の信子(岸恵子デビュー作)は18歳、高3で修学旅行目前。(戦時中途絶えていた修学旅行の再開まもなくの頃)
 長男は野球好きな小学生、三女はまだ幼子。
 さて、長女の朋子(高峰秀子)は無職、画家を目指している。
 朋子自身も就職を考え、叔母からも就職をすすめられているが、母親は絵の勉強をしなさいと言う。実は母親は若いころ画家を志していた。その叶わなかった夢を娘に託したい。(そして実際のところ、女性の勤め先はなかなか無い時代)

4_2018070619251916f.jpg 映画はこうして当時の、貧しいながらも、こうあれ、こうあってほしい理想の家族像を描くが、不幸も交える。
 朋子の絵の絵画展落選。朋子の彼氏内田三郎(佐田啓二)の結核による死亡(当時、疾患別死亡者数の順位で、結核は1位か2位と高い)
 父親の勤続25年の、永年勤続報奨金を、表彰の日の帰りにすられる。(ただし子たちへのプレゼントを買った残金だった。三女の玩具のピアノ、次女の旅行バッグ、長男のグローブ、長女へは敬愛する著名画家の画集)

 そして一番の困難は、この一家が住んでいる借家を追い出されることになったこと。(当時、手ごろな借家物件はとても少ない)
 だが、日ごろ行いの良い者は救われる。(のかも知れない)
3_201807061949200ed.jpg 叔母(なみ子の妹)の家に同居を許され一家が引っ越しする前日、一家と手伝いに来ていた叔母が、最後の夕食をとっていた時に、その朗報が届いた。

             

 この植村家は世田谷区か大田区辺りの私鉄沿線に住む、貧しいとはいえ、当時の中流層だろう。(植村家の家の向かいの洋館邸宅のレンガ塀が壊れているのは空襲によるだろうから、東京郊外ではなくて近郊と見た)
 一方、当時の都内の底辺の人々の戦後生活はどうだったろうか?
 それは、今井正監督の「どっこい生きてる」を観るのがいいかもしれない。映画「どっこい生きてる」の記事はこちらからどうぞ。

監督:中村登|1951年|91分|
原案:田中澄江|脚本:柳井隆雄、田中澄江|撮影:厚田雄春|
出演:植村孝作(笠智衆)|その妻なみ子(山田五十鈴)|朋子(高峰秀子)|信子(岸恵子)|和男(岡本克政)|光子(福井和子)|朋子の彼氏・内田三郎(佐田啓二)|なみ子の妹・福田かよ子(桜むつ子)|洋館邸宅に一人住む金沢老人(高堂国典)|朋子の画家仲間・小泉千代(楠田薫)|朋子が敬愛する大宮画伯(青山杉作)|勤め人で家主の馬場信太郎(増田順二)|その妻・夏子(水上令子)|叔母の紹介で朋子が務めた土建屋の社長(南進一郎)|永年表彰する森永製菓の社長(奈良真養)|ほか

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ポピュラー音楽!!  クラシック音楽





一夜一話の “今日はネオ・クラシック・ソウルだよ”  レデシー (Ledisi)

1_20180710111522f18.jpg





 レデシーの1stアルバム(だと思う)
 すごくかっこいいのです。アルバムタイトルは「Soulsinger」(2001年)。
 ネオ・クラシック・ソウルというまわりくどい売り文句ですが、21世紀のソウルサウンドだよ!
 
 バックはドラムとベースにキーボードにギターに女性バックコーラス。
 曲によってはサックスが入る。
 まずは聴いてみて。(曲は「Soulsinger」)
 https://www.youtube.com/watch?v=9H1DB-v6gtU
 どうです、キビキビした歌声がいいでしょ。
 続けて聴けるのが、「Get Outta My Kitchen」、「Take Time」、「You Are My Friend」。(ただし「Soulsinger」以外は、URLクリックのたびに流れる曲が変わります、2nd以降の他のアルバム曲も流れるので要注意。)

 のちのレデシーと比べると、本アルバムでは声が若いですが、これがサラッとしていて、初々しくていい。ソウル的発声がまだまだとも言えるけど、これがいい。
 それと、ベースとドラムのセンスが抜群に良い。ベースはアコースティックベースもやる。(リズムセクションがちゃんと聴こえるワイドレンジな環境で聴いて欲しい)

 そしてキーボードに注目。こいつ、歌伴(歌の伴奏)の才能が最高密度で素晴らしい!
 エレクトリックピアノ(フェンダーローズ)に、押し潰したようなクラビネット・サウンドが、レデシーを支えてます。
 そのプレーは控えめだが、ココっ!というタイミングで短いフレーズが繰り出される。そのうえ、そのフレーズは強弱の抑えが効いていて、その一音が強、これがグッと来るのです。
 またmajor 7thのコードを奏でるフェンダーローズでは、ストリングスサウンドの世界を作り出す。
 女性コーラスのアレンジも巧い。レデシーのボーカルと絶妙に絡んでくる。

 ただ、残念なのは、このアルバムは再発されてないこと。掛け値なしに名盤なのにね。
 なお、4曲目、9曲目は下のリンクから聴けますが、上記のトラックに比べてちょっと劣る。


「Soulsinger」
1. Get Outta My Kitchen| 2. Soulsinger| 3. Take Time|
4. Stop Livin'In Ya Head (https://www.youtube.com/watch?v=yWcR0i1AuSo)|
5. Coffee| 6. You Are My Friend| 7. Hotel| 8. Dreaming Interlude|
9. Free Again (https://www.youtube.com/watch?v=IQs32QoDOQo)|
10. Groove On| 11. I Want'cha Babe| 12. I Want'cha Babe - Interlude| 13. Papa Loved To Love Me| 14. In My Life| 15. My Prayers| 16. Good Lovin'| 17. Snoring|

これまでに掲載したポピュラー音楽の記事は、こちらから


1年前・3年前・5年前の7月、一夜一話。(2017年7月・2015年7月・2013年7月の掲載記事)

  • Posted by: やまなか
  • 2018-07-15 Sun 06:00:00
  • 映画
1年前の7月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  1年前の7月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2017年7月 Archive>

写真
「飢餓海峡」
監督:内田吐夢
三國連太郎,伴淳三郎,左幸子
写真
「プープーの物語」
監督:渡邉謙作
上原さくら、松尾れい子
写真
「ジヌよさらば かむろば村へ」
監督:松尾スズキ
松田龍平,阿部サダヲ,松たか子
写真
「故郷」
監督:山田洋次
倍賞千恵子,井川比佐志,笠智衆

写真
「フローズン・リバー」
監督:コートニー・ハント
アメリカ
写真
「チャップリンからの贈りもの」
監督:グザヴィエ・ボーヴォワ
フランス
写真
「アデル、ブルーは熱い色」
監督:アブデラティフ・ケシシュ
フランス
写真
「初恋のアルバム 人魚姫のいた島」
監督:パク・フンシク
韓国

写真
CD紹介
“今日はスタンダード・ナンバー
の名曲だよ“ 小野リサ
写真
CD紹介
“今日はジャズピアノトリオだよ“
ユリ・ケイン
写真
CD紹介
“今日はシカゴ・ブルースだよ”
ココ・テイラー



3年前の7月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  3年前の7月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。(2015年7月 Archive)

写真
「心中天網島」
監督:篠田正浩
岩下志麻、中村吉右衛門
写真
「クレージーの大爆発」
監督:古澤憲吾
植木等、ハナ肇、谷啓
写真
「百円の恋」
監督:武正晴
安藤サクラ
写真
「ジ、エクストリーム、
        スキヤキ」
監督:前田司郎
写真
岸部一徳の出演映画
教祖誕生、Beautiful Sunday
いつか読書する日、他
写真
「8 1/2」
監督:フェデリコ・
     フェリーニ
写真
「キャデラック・レコード
音楽でアメリカを変えた人々
         の物語」
写真
フランス映画、1960年代。
      いい映画14本。
小さな兵隊、ラ・ジュテ、他
写真
「ドイツ零年」
監督:ロベルト・
     ロッセリーニ
写真
「宇宙人ポール」
監督:グレッグ・モットーラ
アメリカ
写真
最近読んだ本、3冊
写真
福島 高湯温泉に行ってきた


5年前の7月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  5年前の7月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。(2013年7月 Archive)

写真
「珍品堂主人」
監督:豊田四郎
淡島千景、森繁久彌
写真
「兄貴の恋人」
監督:森谷司郎
内藤洋子、酒井和歌子
写真
「ロボジー」
監督:矢口史靖
ミッキー・カーチス
写真
「狐と狸」
監督:千葉泰樹
加東大介、小林桂樹ほか
写真
「大阪ストーリー」
大阪の在日韓国人一家の
ドキュメンタリー映画
写真
「乙女ごころ三人姉妹」
監督:成瀬巳喜男
細川ちか子、堤真佐子
写真
「あの夏、いちばん
       静かな海」

監督:北野武
写真
「ツレがうつになりまして」
監督:佐々部清
宮崎あおい、堺雅人
写真
「事件記者」
監督:山崎徳次郎
シリーズ映画10本の第一作
写真
映画ピックアップ
「女が、自分の道を歩む時」
邦画/洋画18本
写真
「マーサの幸せレシピ」
監督:S・ネットルベック
ドイツ
写真
「夜霧の恋人たち」
監督:F・トリュフォー
フランス
写真
「スタンリーのお弁当箱」
監督:アモール・グプテ
インド
写真
「愛おしき隣人」
監督:ロイ・アンダーソン
スウェーデン

映画「幸福(しあわせ)」   監督:アニエス・ヴァルダ

上2










 夫婦の幸せ、我が子がいる幸せ、そして、めぐりあわせが良い幸せを描く映画です。
 
 万が一、不幸に見舞われても、その悲しみの深みに沈みこまぬうちに、新たな幸せが向こうからやって来るという運の人がいる。
 言い換えれば、悲痛に生きる人がいる一方で、楽しくうまく生きる人がいる、そんな人の明るい幸せを描いていきます。
 あわせて、相手の幸せを壊さない寛大な心の持ちようが話をつなぎます。

1-0_20180715113543228.jpg




 フランソワとテレーズの若夫婦には可愛い子がふたりいる。
 町の木工所に務めるフランソワ、自宅でドレス縫製の注文を受けるテレーズ。
 豊かではないが何の不自由もない、絵に描いたような、幸せな家庭。

2-0_20180715142010a40.jpg


 そんななのに、フランソワはエミリーと出会い、この2人は一瞬にして互いに一目惚れ、デートを重ねる。
 この愛人エミリーを前にしてフランソワは、愛妻テレーズとの幸せを語り、エミリーはそれを恨まず離婚してとも言わず、フランソワの家庭の今の幸せを十分承知している。



3-0_20180715142348044.jpg そんなある日、フランソワとテレーズは我が子を連れて、大きな池のある緑地にピクニックに出かけた。
 そこでフランソワは、愛人の事を打ち明けた。
 フランソワは妻の反撃を身構えたが、意外にも、「あなたが幸せならそれでいい」と、テレーズは言った。安心した“幸せフランソワ”は、妻の膝枕でちょっと昼寝をした。
 しばらくして目覚めたフランソワは妻の姿がないのを知る。子たちを連れて緑地のあちこちを探すが妻を見つけられない。

 そして池から妻の水死体が上がる。自殺だろうか、映画は池の水面に垂れ下がる木の枝にしがみつこうとする溺れるテレーズの映像を一瞬みせる。事故かもしれない。

 葬儀が終り、フランソワは残された幼い娘・息子との寂しい生活が始まる。
 しかし、親戚がこの父子を温かく見守り助けてくれる。

 そんな折、フランソワは子供を連れてのピクニックに、エミリーを誘った。
 そしていつしかエミリーは、フランソワの家の、一つ屋根の下で妻として母として暮らし始めるのであった。

 この映画は、まるで何事もなかったかのように「幸福」を享受する“幸せフランソワ”についての、寓話なのかもしれない。

オリジナルタイトル:Le Bonheur
監督・脚本・台詞:アニエス・ヴァルダ|フランス|1964年|80分|
撮影:ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ|挿入音楽作曲:モーツァルト|
出演:フランソワ(ジャン=クロード・ドルオー)|その妻テレーズ(クレール・ドルオー)|息子ピエロ(オリヴィエ・ドルオー)|娘ジズー(サンドリーヌ・ドルオー)|愛人エミリー(マリー=フランス・ボワイエ)|ポール(ポール・ヴェキアリ)|ほか

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一夜一話の “今日はロックのライブだよ”  オールマン・ブラザーズ・バンド

1_20180718101609836.jpg




 今日選んだのは、オールマン・ブラザーズ・バンドの1971年のライブアルバム、「フィルモア・イースト・ライヴ」(原題:At Fillmore East)。
 なかでも、アルバム1曲目の「Statesboro Blues」を聴いとくれ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dWy3Q30Cn2A

 この曲、当時から聴いてるが、やはりガツンと来るこの、わくわく感・爽快感が抜群。
 のびのび縦横無尽のスライドギター、ガッツあるボーカル、よろし。
 もし、内にモヤモヤしたのを抱えてるなら、吹き飛ばしてくれる。
 とにかくライブコンサートの臨場感が満喫できるアルバムです。

 この曲のライブ録音は、例えば「American University 12/13/70」や「Live at the Atlanta International Pop Festival」(1970)なんかでも聴けるが、出来は「フィルモア・イースト・ライヴ」の方に軍配は上がる。
 でも、ライブにしちゃ演奏がちょっとまとまりすぎるかな、と思う向きには、この2枚がいいかも。

 「フィルモア・イースト・ライヴ」には7曲収録されている。
 試聴は下記からできます。
 https://www.bol.com/nl/p/the-allman-brothers-band-at-fillmore-east/1000004000061065/
 元気あるブルース、ムーディーなブルースから、ちょいと浮遊感ある曲まで曲想は豊か。
 デュアン・オールマンのスライドギターが表看板だが、グレッグ・オールマンのオルガンが持ち歌の多彩さを作り出している。


「The Allman Brothers at Fillmore East」
1. Statesboro Blues| 2. Done Somebody Wrong| 3. Storm Monday| 4. You Don't Love Me| 5. Hot 'Lanta| 6. In Memory Of Elizabeth Reed| 7. Whipping Post|

これまでに掲載したポピュラー音楽の記事は、こちらから


映画「アメリカン・ビューティー」  監督:サム・メンデス

上2
バーナム一家の朝の出勤通学。高校生の娘ジェーン、父親バーナム、母親キャロリン。


 アメリカの中流の人々の不幸せと、わずかな希望を描く映画。
 高校生の一人娘がいるバーナム家の家庭内不和を題材に、娘の女友達アンジェラと、バーナム家の隣に越して来た、さらに家族バラバラの一家とが、引き金になって始まる「愛と悲劇」を、喜劇風に描きます。

1-0_20180720135558bc5.jpg 主人公は、高校生の娘がいる中年夫婦の夫、レスター・バーナム。
 このレスターのモノローグで映画は始まる。

 僕はレスター、今年42歳。1年経たぬうちに僕は死ぬ。
 だが、今はそんなことを知らない。
 しかし、ある意味で僕はもう死んでいた。見てくれ、僕は朝からバスルームで(息子を)シゴいてる。これが一日で最高の時、あとは地獄へ一直線だ。
 庭でバラの花を切っている、あれが妻のキャロリン。彼女を見てるだけで疲れてくる。昔は幸せな夫婦だった
 これが一人娘のジェーン。典型的なティーンエージャー(高校生)。怒りに満ち情緒的不安と混乱の青春。(親と口をきかない)
 2人とも僕を人生の敗残者だと思っている。
 それは正しい。僕は何かを失った。何を?と聞かれると困るが、昔はこんなじゃなかった。
 とにかく、この脱力感から抜け出せないでいる。しかし今からでも元に戻れる・・。

2-0_20180720141847b86.jpg 家庭内不和がマンネリ化している、言い換えればそれぞれの不幸が均衡状態にあるバーナム家に、次々に出来事が起こる。

 レスターがクビになる。人員整理だ。開き直ったレスターは、幹部の不倫スキャンダルなどを盾に会社からまとまった金を手にした。
 同時進行で、レスターは娘の女友達アンジェラに一目惚れ。これを激しく嫌がる娘のジェーン。しかし、当のアンジェラはそうでもない。
 レスターの妻キャロリンは、勤め先の不動産販売の競合会社社長バディと恋仲に。バディは妻と離婚訴訟中。
 このふたりのデートの現場に、偶然にレスターは遭遇する。レスターがバイトを始めたハンバーガーショップ(ドライブイン店)に客としてきたのだった。


3-0_2018072014314654e.jpg 隣家に越して来たフィッツ家の主は、元海兵大佐の硬派。息子を愛するあまり虐待をしてきた。
 この息子のリッキーはジェーンを盗撮している。彼はジェーンやアンジェラが通う同じ高校の高校生。そして裏で麻薬・マリファナの売人をして稼いでいる。
 アンジェラは変人リッキーを毛嫌いするが、ジェーンはそうでもない。
 レスターは、リッキーが提供した最高級のマリファナが縁でお友達となった。

 この一見散らかったエピソードが徐々に一点に収束し始める。
 その一点を作ったのがフィッツ大佐だった。
 我が息子リッキーが、レスターの家でレスターと和んでいるのを窓越しに盗み見したフィッツ大佐は、ふたりがゲイの関係だと勘違いしてしまった。
 そこまではそれでよかった。がしかし、フィッツ大佐は長年隠し通して来た、その一線を越えてしまう。
 雨降る夜、フィッツ大佐はガレージにいるレスターにやおら近づき、不意にキスをした。驚くレスター。
 フィッツ大佐も驚きを隠せずに家に戻った。(レスターはゲイじゃなかった)
 そしてフィッツ大佐は自身の秘密を消すべく、即、行動に出た・・。

 銃声を聞いたレスターの妻キャロリンが駆け付けた。不倫をしてしまったキャロリンは悔いて、家に戻れず家の前に駐車した車の中にいたのだった。
 同時にジェーンとリッキーが駆け付けた。ふたりはジェーンの部屋にいた。この夜、ふたりは駆け落ちを決めていたのだった。

オリジナルタイトル:American Beauty
監督:サム・メンデス|アメリカ|1999年|122分|
脚本:アラン・ポール|撮影:コンラッド・L・ホール|
出演:レスター(ケヴィン・スペイシー)|その妻キャロリン(アネット・ベニング )|娘ジェーン(ゾーラ・バーチ)|娘の友達アンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)| 隣りに越して来たフィッツ大佐(クリス・クーパー)|その息子リッキー(ウェス・ベントリー)|不動産会社社長バディ(ピーター・ギャラガー)|ほか

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一夜一話の “今日は1946年のジャズボーカルだよ”  サラ・ヴォーン

1




 今日は何か、シットリしたのが聴きたくて、若きサラ・ヴォーンの「The Divine Sarah ~the early years」というアルバムを取り上げた。(1946~47年録音)

 さっそくに、おすすめの「I Can Make You Love Me If You'll Let Me」を聴いてみよう。
 https://www.youtube.com/watch?v=QkjCDmnd5W4
 どうです、ラグジュアリーなムード満点。落ち着きます。

 この歌くらいのテンポの曲が、このレコードの大半ですが、次の「My Kinda Love」は少しリズミカル。
 https://www.youtube.com/watch?v=A215A5ypvSs

 そして「I Am Through With Love 」も、いい曲です。
 https://www.youtube.com/watch?v=oMfPIsYZBrE
 ビリー・ホリデー?、なんて間違っても言わないでね。

 おすすめのラストは「Body&Soul」、これもいい曲だな!
 https://www.youtube.com/watch?v=vUCo1kS7SrA

 古いのは聴かないって、損するよ。


「The Divine Sarah ~the early years」  MUSICRAFT RECORDS 1980
 <A面>If You Could See Me Now|I Can Make You Love Me If You'll Let Me|You're Not The Kind |My Kinda Love |I've Got A Crush On You |I Am Through With Love |Everything I Have Is Yours|
 <B面>Body And Soul|I Cover The Waterfront|I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You|Tenderly|Don't Blame Me|The Lord's Prayer|Motherless Child|

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プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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