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2018年07月02日 Archive

映画「ケンとカズ」  監督:小路紘史

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ケン(左)とカズ。


01-_20180701130306c6d.jpg ケンとカズの友情を描く、リアルで硬派な映画。
 べたべたした仲間付き合いではない2人は、いつも互いに、最低限の事しか言わない。

 2人は町工場のしがない自動車修理工だ。
 そんな日常の裏で、通りの陰で待つ男達に、2人は覚せい剤を売りに行く。
 ケン(カトウシンスケ)の先輩・藤堂は小さな組の組長で、この藤堂の誘いでケンはいつしか覚せい剤を売るようになった。

 カズ(毎熊克哉)はケンより、切れやすい。
 ケンの誘いでカズはここで修理工になったが、時折、工場長の胸ぐらつかんで脅すほどの剣幕。
 覚せい剤の客がカズに、カズの気に障ることを言おうものなら、客はぼこぼこにされる。やりすぎだと言ってそれを止めるのがケン。
 ケンとカズが、藤堂の島をうろつくヤクザを襲撃する時も、カズは抑えがきかない。

2-0_201807011304265b4.jpg 今じゃ、覚せい剤商売に付いちゃ、カズの方が主導権を握っている。(カズはもはや修理工の仕事に興味がない)
 カズは考える。藤堂との商売じゃ、せこせこ働いてもタカが知れてる。(藤堂に対して売上げ金をごまかしているようだ)
 カズは一歩踏み込む。極秘に、藤堂と争う、藤堂より大きな組から覚せい剤を仕入れようとする。

 ケンはそんなカズの行動に一応は付き合うものの、「やりすぎだ、俺はやらない、ひとりでやれ」とケンはカズに言う。
 カズは本気だ。互いに、いつもの口数の少なさが、沈黙に変わる。
 裏の世界は狭い。藤堂も敵対組も、カズとケンの行動を見ている。

 ある日、2人は殴り合いになる、口より先に手が出る。殴り殴ったあと、また互いに無口になり、ケンはその場から去って行った。


3-0_20180701130954a56.jpg ケンは早紀(飯島珠奈)と住んでいる。早紀は妊娠している。
 ケンの様子の変化を敏感に察した早紀は、我が子を思い心配だ。
 そして、ケンがカズについて行けなくなったのは、ケンが家庭を思うようになったからだ。

 カズは母親(神保明子)と住んでいる。
 その昔、母親は、幼いカズを虐待し続けた。
 しかし、「カズ、お前、マザコンだろ」そうケンは言った。図星だった。カズは母親をばばあと罵るが、心の底ではマザコンらしい。
 母親は育児放棄(ネグレクト)ではなかった。
 幼いカズを虐待したあと、母親はいつもカズを抱きしめ、私が悪かったと泣く日々だった。
 その母親が今じゃ認知症の症状。ばばあと罵るカズに、母親を施設に入れる金は無い。

 そしてその日、カズは藤堂に呼び出される。人気のない高架下。カズは既に痛めつけられている。
 追って、ケンも高架下に来た。やはり呼び出されたんだろう。そしてラストの見せ場・・・。

             

 修理工場には、ケン、カズの下に見習い工のテル(藤原季節)がいる。
 テルはケン、カズのあとについていくが、そのうち藤堂の息がかかる。

 このテルと、カズの母親の2人の役柄が、ドラマに奥行きを作っている。
 ラストの、ある1シーンがいささか冗長なのが残念。でも、辛口のいい映画です。

監督・脚本:小路紘史|2016年|96分|
撮影:山本周平
出演:ケン(カトウシンスケ)|カズ(毎熊克哉)|工場の後輩・テル(藤原季節)|ケンの彼女・早紀(飯島珠奈)|組長の藤堂(髙野春樹)|藤堂の子分の田上(江原大介)|カズの母親(神保明子)|ほか

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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