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2018年12月 Archive

美術館に行ってきた。 ~三菱一号館美術館「フィリップス・コレクション展」、出光美術館「江戸絵画の文雅 魅惑の18世紀」

「フィリップス・コレクション展」 三菱一号館美術館

 この展示作品の多くは、下記から見ることができます。
 https://mimt.jp/pc/gallery.html  (三菱一号館美術館の公式サイト)

 そのなかで、気に入った絵画を5点あげてみました。
 どれも持って帰りたい。 
 ほかには、クレーやカンディンスキーの絵が気になりました。
 色がくすんでいるのです。照明の影響なのか、絵の具の劣化か、元々こうなのかな?
(下記5点の色彩は、当然ながら本当ではありません、単なるデジタル画像ですから)

写真
101.0×74.0cm
こんな大きなルオーの絵を見たのは初で大感激。
男のスーツの紺色が奥深い色彩なのでじっと見
つめました。この紺と赤の対比も絶妙。
写真
65.1×50.2cm
ピカソは何点かあったが、これが一番。
絵を見つめるほどに、この女性が知り合いの様
に思えてくるから不思議。写実!
写真
59.4×72.7cm
絵の中のその場所に引き込まれます。
朝日か夕日か、その陽射し光の柔らかな色彩、そして道に長い陰
を引く青。道端の静かな空間が描かれている。
写真
36.2×50.2cm
セザンヌのこういう風景画が好き。
私の近所から見える遠景を、頭の中で、この絵風に置き換えてみることがある。
その時それが心地いい。
写真
46.0×50.2cm
この人、初めて見ました。
味がありますね。嵐のあとにまだ残る荒い風を頬に感じます。
絵が放つオーラ(良さ)は、やはり実物を見ないと分からない。


「江戸絵画の文雅 魅惑の18世紀」 出光美術館

出光2 趣向ががらっと変わりますが、18世紀の江戸絵画の文雅。
 池大雅、与謝蕪村、俵屋宗達、尾形光琳など名立たる画人の作が並んでいました。圧巻です。
 こういった絵画はたいてい、掛軸や屏風に収められています。(右図:池大雅「竹裏館図」116.1×29.2㎝)
 特に掛軸ですが、掛軸に仕立てること(表装)にも私は関心がいきます。
 絵に合った裂(きれ)の、柄や色合いの工夫具合で、作品の見栄えが違ってくる。表装は額縁の存在以上の影響を作品に与えます。
 そんな目で見て、与謝蕪村の「筏師画賛」(下図)がすごく良かった!
 ただこれだけ見ると、なんじゃという風ですが、表装と相まって素晴らしい作。(絵自体のサイズは27.2×66.8㎝)
 笠をかぶり蓑(みの)をまとっているから雨模様らしい。
 川の流れのしぶきや雨が冷たいのでしょうか、実物の作品をよく見ると、筏師の素足に表情がある。冷たそう!

出光

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映画「吹けば飛ぶよな男だが」  監督:山田洋次

上

 喜劇をベースに、阿呆なチンピラの恋と、その行方を語る映画。

1-0_20181128153126c70.jpg 主役「吹けば飛ぶよな男」を演ずる、なべおさみの想定外の熱演です。
 相方は、ど田舎からポッと出て来た、ちょっとポンな女、の役柄がぴったりの緑魔子。
 そして、もうひとりの相方、チンピラの手下役、佐藤蛾次郎が、寅さん出演以上のいい味。

 九州から片道切符で大阪駅に降り立った花子(緑魔子)。いかにも家出娘、の風。
 かたや、駅前雑踏で、ポルノ(ブルーフィルム)出演の女を物色中のやくざ数人。つまり、鉄(芦屋小雁)と、その配下に、主役の三郎(なべおさみ)にガス(佐藤蛾次郎)がいる。

 ま、いろいろあって、三郎は、堕ちてい行きそうな花子を、やくざのおもちゃにされそうな花子を、どうにも見過ごすことができず、大阪の街の片隅で、ガスとともに思案するが、そのうち三郎は花子に情が移り、そして恋・・。


2-0_20181128153413550.jpg 花子の妊娠。
 三郎が紹介した、花子の勤め先トルコ風呂の女将、お清(ミヤコ蝶々)が三郎に花子の妊娠を教えた。

 一方で、三郎とガスと、ソレとは理解していない花子とで始めた、ツツモタセ稼業に引っかかった客、独身の大学の先生(有島一郎)から、花子は隠れキリシタンの里生まれで、その教えから堕胎も、自殺もできないことを、三郎は教えられる。
 実は花子、強姦の末の妊娠であったし家出であったのだ。
 ああ、花子の苦悩!そして三郎はいかに・・。
 う~ん、あとは観てのお楽しみ。

 この映画、いわば、なべおさみ、緑魔子、佐藤蛾次郎が主役と言っていい。
 そして名脇役ミヤコ蝶々に有島一郎が脇を固める。
 ちょい役も、なかなかの布陣。
 大阪万博開催2年前の1968年、昭和43年の大阪の街をお楽しみください。

監督:山田洋次|1968年|89分|
脚本:森崎東、山田洋次|撮影:高羽哲夫|
出演:なべおさみ(三郎)|緑魔子(花子)|佐藤蛾次郎(ガス)有島一郎(先生)|ミヤコ蝶々(お清)|犬塚弘(不動)|芦屋小雁(鉄)|上方柳太(馬やん)|上方柳次(喜やん)|牧よし子(先生の家の老女中)|石井トミコ(不動の妻)|曽我廼家一二三(刑事)|佐山俊二(看守)|石橋エータロー(男)|安田伸(客引きの男)|石井均(トルコ風呂の助平男)|小沢昭一(弁士)|

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アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」  監督:湯浅政明 原作:森見登美彦

上

0-1_20181203111730e8f.jpg



 アニメ映画の、あの「千年女優」のように猛スピードで目まぐるしく展開します。
 原作の小説とはだいぶ違うそうですが、これはこれで十分楽しめますね。

 京都のお話です。
 大酒飲みの女子学生「黒髪の乙女」が、先斗町、木屋町の飲み屋街や、夜の下賀茂神社境内で開催の古本屋市や、京都の街頭で大暴れの大活躍。

0-2_201812031118498b8.jpg 脇を固めるは、あやかしの3階建て電車(自宅)の老人李白や、学園祭事務局長、パンツ総番長などおかしな大学生たち、飲み屋の常連酔客、古書収集マニア、古本市の神様らの大勢の登場人物たちが、自身の存在をかけて登場します。


 そして、「黒髪の乙女」に思い寄せる大学生(先輩)とは・・。そんで「ナカメ」とは・・。
(下記予告編へ続く)
 
 90秒予告編 公式URL 
 https://www.youtube.com/watch?v=tmeU9GFJW3I


監督:湯浅政明|2017年| 93分|
原作:森見登美彦|脚本:上田誠|キャラクター原案:中村佑介|キャラクターデザイン:伊東伸高|絵コンテ:湯浅政明、夏目真悟、大平晋也、チェ・ウニョン|演出:湯浅政明、許平康|総作画監督:伊東伸高|作画監督:濱田高行、霜山朋久、伊東伸高|フラッシュアニメーション:ホアン・マヌエル・ラグナ、アベル・ゴンゴラ|色彩設計:ルシル・ブリアン|美術監督:上原伸一、大野広司|撮影監督:バティスト・ペロン|


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美術館に行ってきた。 ~根津美術館「新・桃山の茶陶」

上






 時には、こういう展示を見て、心を洗うのも良い。
 まずは、美術館のホールにある、中国6世紀ごろの菩薩像や如来三尊像をみて気持ちの準備。
 いざ、突入。
 たくさん展示されている黄瀬戸、志野焼、瀬戸黒、絵唐津、織部焼、一点一点丁寧に見た。
(桃山の茶陶は1596年~1624年に降盛を極めたという)
 主な展示作品リストはこちらから。(根津美術館公式サイトより)

 当たり前だが、茶陶などの器は、手に取って見るもの、絵画のように離れて見るものじゃない。だから茶陶をよく見ようと近づいて、ショーケースのガラスに、思わず額をぶつける音が時々聞えたりするのが可笑しい。
 欧米人や和服姿の女性が多かったのも目を引いた。

 私がこの特別展に興味を持ったのは、かつて京都三条通沿いに、「瀬戸物屋町」という瀬戸物商の街があったことや、近年の発掘によって多数の茶陶破片が出土し、「瀬戸物屋町」が「桃山の茶陶」発展に果たした多大な役割が解明されたと知ったからだった。
 京都の町を描いた洛中洛外図屏風に当時の「瀬戸物屋町」の様子が描かれている。
 また、日本最古の絵地図:京都の町地図である「都記」にその名が記されている。


0_201812061011171eb.jpg

詳しくは下記の参考資料ふたつ・・・
 「三条「せと物や町」の成立と変遷」 ~(財)京都市埋蔵文化財研究所・京都市考古資料館  こちらからご覧ください。
 「三条せと物や町出土の茶陶」 ~(財)京都市埋蔵文化財研究所  こちらから

 両資料内に掲載の地図に、5か所の発掘現場の町名が記載されています。そのうちのひとつ弁慶石町には弁慶石※※が名所として建っています。
 また、有来新兵衛屋敷跡とあるのは、たぶん日昇別荘という上等そうな旅館です。

 京都へ行った折には是非、「瀬戸物屋町」を思い浮かべながら三条通を歩いてみてください。
 三条寺町からイノダコーヒ三条店のあたりです。

観光ガイドマップ風なのは、これがお薦め。
 「三条界隈」 ~京都市埋蔵文化財研究所  こちらから
 2ページ目です!(大きく拡大して見れます)

             

 桃山の茶陶が降盛を極めたというは1596年~1624年とのこと。
 本能寺の変は1582年。
 秀吉が市中の寺院を鴨川沿いへ強制移転し寺町通や御土居を作ったのが1591年。
 同じく秀吉は1590年に「天正の地割」で、「瀬戸物屋町」界隈を南北に通る道路、御幸町通と麩屋町通を新設した。
 これで「瀬戸物屋町」街の繁栄の基礎ができたのだろう。
 謎多き、聚楽第(建設期間1586年~1587年、1595年に破却)を見ていた「瀬戸物屋町」の商人たちは、御土居の七口のひとつ粟田口から続く三条通で、物流の玄関口の街で、大きな商いをしていたのだろうが、後世に言う「桃山の茶陶」の発展に尽くしているとは案外思ってもみなかったかもしれない。

※※弁慶石
 「増補 洛中洛外の群像 ~失われた中世京都へ」 瀬田勝哉(著) 平凡社ライブラリー
 これに詳しい。

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1年前・3年前・5年前の12月、一夜一話。(2017年12月・2015年12月・2013年12月の掲載記事)

  • Posted by: やまなか
  • 2018-12-14 Fri 06:00:00
  • 映画
1年前の12月に掲載した映画です。
  映画の画像をクリックしてお読みください。
  1年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2017年12月 Archive>

写真
「西陣の姉妹」
監督:吉村公三郎
三浦光子,宮城野由美子,津村悠子
写真
「雁」
監督:豊田四郎
高峰秀子、東野英治郎
写真
「天の茶助」
監督:SABU
松山ケンイチ、大野いと
写真
「川の底からこんにちは」
監督:石井裕也
満島ひかり
写真
「影」
監督:イェジー・カワレロウィッチ
ポーランド
写真
「黄金のアデーレ 名画の帰還」
監督:サイモン・カーティス
アメリカ
写真
荒唐無稽で波乱万丈なコメディ。
これまでに掲載してきた映画
厳選、33本!
写真
年末、京都へ行ってきた日記
祇園白川、下賀茂神社、和菓子屋


3年前の12月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
3年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2015年12月 Archive)

写真
「喜劇 にっぽんの
       お婆あちゃん」

監督:今井正  ミヤコ蝶々
写真
「どついたるねん」
監督:阪本順治
赤井英和、相楽晴子
写真
「しとやかな獣」
監督:川島雄三
若尾文子、伊藤雄之助
写真
「青春神話」
監督:ツァイ・ミンリャン
台湾
写真
「マッチ工場の少女」
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド
写真
「ミスター・ロンリー」
監督:ハーモニー・コリン
イギリス
写真
「袋小路」
監督:ロマン・ポランスキー
イギリス
写真
第16回東京フィルメックス、
<まとめ>
    
写真
「コインロッカーの女」
第16回東京フィルメックス上映
韓国
写真
「最愛の子」
第16回東京フィルメックス上映
中国
写真
「人生タクシー」
第16回東京フィルメックス上映
イラン
写真
「酔生夢死」
第16回東京フィルメックス上映
台湾

5年前の12月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
5年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 (2013年12月 Archive)

写真
「集金旅行」
監督:中村登
佐田啓二、岡田茉莉子
写真
「土砂降り」
監督:中村登
佐田啓二、岡田茉莉子
写真
「裸足のピクニック」
監督:矢口史靖
芹沢砂織
写真
「立候補」
監督:藤岡利充
ドキュメンタリー映画
写真
「セクシー地帯」
監督:石井輝男
三原葉子
写真
「阿修羅城の瞳」
監督:滝田洋二郎
宮沢りえ
写真
「天使の入江」
監督:ジャック・ドゥミ
フランス
写真
「我らの生活」
監督ダニエレ・ルケッティ
イタリア
写真
第14回東京フィルメックス
<まとめ> 計10本
    

写真
写真展「ジョセフ
      ・クーデルカ展」

東京国立近代美術館
写真
絵画展「生誕130年 川瀬巴水展」
~郷愁の日本風景
千葉市美術館
写真
箱根の「にごり湯」めぐり
芦の湯温泉「きのくにや」
仙石原温泉「パウエル」
写真
信州の「湯田中・渋温泉郷」めぐり
渋温泉と湯田中温泉

7年前の12月に掲載した映画です。
映画の画像をクリックしてお読みください。
7年前の12月の掲載記事全文をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。<2011年12月 Archive>

写真
「流れる」
監督:成瀬巳喜男
山田五十鈴、高峰秀子
写真
「恋の花咲く 伊豆の踊子」
監督:五所平之助
田中絹代
写真
「てなもんやコネクション」
監督:山本政志
新井令子、ツェ・ワイ・キット
写真
「生きてるうちが花なのよ
 死んだらそれまでよ党宣言」

倍賞美津子、原田芳雄
写真
「サウダーヂ」
監督:富田克也
鷹野毅、伊藤仁、田我流
写真
「われに撃つ用意あり」
監督:若松孝二
原田芳雄、桃井かおり
写真
「イン・ザ・スープ」
監督:A・ロックウェル
アメリカ
写真
「夢の旅路」
監督:マイケル・D・ジャコモ
アメリカ
写真
「サンタクロースの眼は青い」
監督:ジャン・ユスターシュ
フランス
写真
「ミリオンズ」
監督:ダニー・ボイル
イギリス
写真
「ベッドかざりとほうき」
監督:R・スティーヴンソン
アメリカ
写真
「つめたく冷えた月」
監督:パトリック・ブシテー
フランス
写真
「ロスト・チルドレン」
監督:ジャン=P・ジュネ
フランス
写真
「名前のない少年、
      脚のない少女」

ブラジル
写真
「無言歌」
監督:ワン・ビン
香港







映画「天使の分け前」  監督:ケン・ローチ

写真
皆、有罪判決で、裁判所の命令により、刑罰として社会奉仕の無償労働を強いられた、ワルな若者たち。
先頭を歩くのが、主人公のロビー。
その左、ロビーと並んで歩く太っちょが、保護観察所の指導員ハリー。
                  

0-1_20181210102032cfc.png ケン・ローチ監督による娯楽映画です。
 イギリスの下層の青年たちの非行を描く、ケン・ローチ風の物語設定ですが、本作「天使の分け前」は、 ハッピーエンドで終わるハートフルなコメディ作品となっています。

 仕事に就かず(就けず)、無為な日々を送るワルな青年7人が、裁判所からそれぞれ有罪判決を言い渡され、刑罰として40時間以上300時間以内の社会奉仕(ペンキ塗り作業などの無償労働)をすることが決まった。
 彼らの犯罪内容はそれぞれだ。繰り返す暴力沙汰や、アルコール/薬物依存による万引き常習、歴史的記念碑(銅像)への悪戯、列車運行の妨げなど、だった。

 そんな彼らの奉仕活動を現場でまとめ監督するのが、保護観察所の指導員ハリー。
 ハリーは彼らに寄り添う気持ちがある優しい男であった。
 特にハリーの心を引いた青年は、ロビーだった。
 なぜならロビーの彼女レオニーが出産間近であったからだ。暴力沙汰を繰り返すロビーが「父親になる」ことは、ロビーが悪から更生する絶好の機会だと、ハリーが考えたからだった。

0-2_20181210102455571.jpg しかし、これを妨げるのは、ロビーとレオニーそれぞれの父親同士の、古くからの憎しみ合いの因縁であった。

 つまり、正式に夫となるロビーを排斥しようとする、レオニーの家族側の暴力にロビーはさらされるが、これにロビーが暴力で応えれば、もう奉仕活動の刑罰では済まされない。
 レオニーとハリーは、いらつき憤るロビーを制した。そして男の赤ちゃんが生まれる。二人はルークと名付けた。

 ここに来てついに、レオニーの父親がロビーに相談を持ち込んだ。
 お前との喧嘩はお前がいればこれからも続く、5000ポンド渡すから、レオニーと別れ、赤ちゃんを置いて、黙ってこの街を去れと。
 そう、この街にいても、しょうがない、そうロビーも思った。(できれば三人でこの街を出たい・・)

 そんなある日、ハリーは自身の休日を利用して、ロビーら社会奉仕のメンバーを、ウィスキー工場見学やテイスティング会へ連れ出した。(その時のシーンが上の画像)
 ハリーはスコッチウィスキー愛好家で、皆も試飲を楽しんだ。

 話はここから急展開しだす!
 ロビーを幸運に導いたのは、結果的には、社会奉仕活動メンバーの中の一人の女の子だった。
 彼女は万引き常習犯で、何を盗んだことがロビーを幸せに導くことになったのか。
 それは、(1)にスコッチウィスキー工場の売店で、ウィスキーのミニボトルを多量に盗んだこと、(2)に世界的に貴重なスコッチウィスキーを貯蔵樽ごと、競りに出された競売会場で、そのウィスキー貯蔵庫を紹介したオークション資料を盗んだこと。
 もちろん万引きの彼女は、ロビーのためにとは、さらさら思ってのことではなかった。

 ロビーは、持ち帰ったミニボトルを皆であれこれ試飲するうちに、それぞれのスコッチウィスキーの味と香りに魅了された。そう、ロビーは、その違いが分かる自分自身に気付いたのだ。
 そして彼は、図書館まで出かけてスコッチウィスキーのテイスティングの本を読みあさった。
 さあ、ここからは観てのお楽しみ。
 ロビーが思い浮かんだ「ある計画」に乗った3人は、大金を得て、ロビーは職も得た。
 そして、ロビー、レオニーと赤ちゃんの3人は、意気揚々と街を去っていったのでした。
 その時、レオニーはロビーに、にこやかに言った。
 「そんなヤンチャな、あんたが好きよ!」 (終)

オリジナルタイトル:THE ANGELS' SHARE
監督:ケン・ローチ|イギリス= フランス= ベルギー= イタリア|2012年|101分|
脚本:ポール・ラヴァティ|撮影:ロビー・ライアン|音楽:ジョージ・フェントン|
出演:ロビー(ポール・ブラニガン)|ハリー(ジョン・ヘンショウ)|アルバート(ガリー・メイトランド)|ライノ(ウィリアム・ルアン)|モー(ジャスミン・リギンズ)|タデウス(ロジャー・アラム)|レオニー(シボーン・ライリー)|ロリー・マカリスター(チャーリー・マクリーン)|

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プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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