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映画「東京五人男」  演出:斎藤寅次郎

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がれきの中での入浴中に風呂桶の底が・・・
花菱アチャコと横山エンタツ  


  終戦の翌年製作の喜劇映画。
  だから、野外ロケは、大空襲のがれきの東京そのものを映し出す。
  出演の俳優もエキストラたちも、やおら戦後を生きはじめた人たち。その心境はいかほどであったろうか。

  戦時中、工場労働に徴用されていた、気の合う五人の男たちが、東京に戻って来たところから話は始まる。



組0  この映画、庶民目線で出来ているところが良い。
  衣食住のすべてがモノ不足だが、目先は、なにしろ食料だ。みんな食うに困っている。ダイコンの配給も、サツマイモの配給も、食糧配給所の前はいつも長蛇の列。わずかな酒を呑むにも公営の国民酒場の前で500人の列。農家に出向いてイモと、持参した着物や貴金属との物々交換も日常茶飯事。強欲な農家は、ピアノまで要求する。(農家のじいさん役の高勢實乗に拍手。)
  悪い奴は、いつもどこにもいる。
  ヤミ商売のボスは、食糧配給所の所長や国民酒場のおやじと組んで、公的な配給食料や酒を横流ししている。彼らの秘密倉庫には、日本軍の軍需品まである。これに気付いた、東京五人男は、彼らをとっちめる、というお話。

  コメディのスピード感は、かったるい程にスローだが、終戦直後の世相を知るために、若い方には、ぜひ観ておいてほしい映画。とにかく終戦直後の食糧事情は、配給に頼るだけでは生きては行けなかった。
  砂糖袋が裂けて中から砂糖が飛び出すシーン。まわりにいた男たちが、急いで口に運び、甘い!と言い合うシーンが印象に残る。


下演出:斎藤寅次郎|1946年|84分|
原作:本木莊二郎|脚本:山下與志一|撮影:友成達雄|特殊技術:円谷英一|
出演:横山エンタツ(横山辰五郎)|花菱アチャコ(藤木阿茶吉)|古川ロッパ(古川六郎)|柳家権太楼(北村達兵衛)|石田一松(石田松男)|戸田春子(石田の女房お末)|田中筆子(藤木の女房お邦)|飯田ふさ江(配給所に勤める娘初江)|小高ツトム(古川の子供一郎)|鳥羽陽之助(軍需工場の社長)|石田守衛(食糧配給所の所長)|永井柳太郎(国民酒場の主人)|高勢實乗(強欲な百姓)|登山晴子(その百姓の娘)|豊原みのり(その百姓の娘)|光一(人相の悪い暴力団)|谷三平(人相の悪い暴力団)|江藤勇(髭の生えた検査員)|原文雄(窓口の係りの男)|藤間房子(耳の遠い老婆)|田邊よね子(子沢山の主婦)|山田長政(医者)|松川彩子(看護婦)|大庭六郎(校長)|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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