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映画「夢みるように眠りたい」  監督:林海象

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  私立探偵の魚塚(佐野史郎)が調査を始めたその案件は、謎多きものであったが、相棒と共に時空を超えた活躍で、なんとか解決に向かうのであった。

組1-0  依頼主の話は、さらわれた娘を探してほしいであったが、魚塚に提供された情報は、手がかりと言える程のものでは無かった。その僅かな手がかりを頼りに調査を進めたが、謎はさらに謎を呼び、魚塚と相棒は幾度も壁にぶち当たり、また奇術を使う不審な男たちと対決することになる。
組2-0  がしかし、依頼主にまるで誘導されるかのように、ふたりは、浅草の仁丹塔、花やしきの遊園地を巡る。そして昭和初期にタイムスリップし、活動弁士や楽団付きの無声映画が大賑わいの浅草六区の映画館にたどり着く。
  謎は徐々に解けていく。ふたりが映画館で観た無声映画は「永遠の謎」という。ただ、不思議にも、この映画にはラストシーンがない。
  最後のシーンは、姫が悪漢どもにさらわれて行こうとするまさにその時、助けに来た黒頭巾の若侍が登場する。しかし、映画はなぜか、ここで終わってしまう・・・。

  実は、魚塚の探偵事務所に調査依頼に来た古老は、戦前に製作したこの映画の監督であり、そして年老いた依頼主こそは、映画に登場する姫を演じる主演女優であった。 
  さてさて、私立探偵魚塚は、この最後の謎をどう解き、娘を探し当てるのであろうか。
  

  本作は、1970年代の唐十郎率いる紅テントや、68/71黒テントの影響がみてとれる。
  もし、本作が演劇だったとすれば、波乱万丈の大活劇がテント内で展開されたことであろう。
  だが、監督はその躍動感をあえて抑え込み、抒情詩的なまでの作品に、かつ無声映画風に仕上げている。そこに、製作当時の林海象の青臭さがある。これを愛でたい映画。
  見どころとしては、あのマツダ映画社長で弁士でもある松田春翠や、味ある俳優・大泉滉、そして篠田昌己・あがた森魚・遠藤賢司といったミュージシャンや、主演の佐野史郎・十貫寺梅軒の元状況劇場メンバーというように、俳優陣が多彩であるのも嬉しい。



英語タイトル:To Sleep so as to Dream
監督・脚本:林海象|1986年|81分|
撮影:長田勇市|
下出演:佳村萌(月島桔梗)|佐野史郎(魚塚甚)|大竹浩二(小林)|松田春翠(赤柿独楽天)|吉田義夫(松之肋)|深水藤子(月島桜)|大泉滉(手品師)|あがた森魚(手品師)|小篠一成(手品師)|中本恒夫(片岡兄弟)|中本龍夫(片岡兄弟)|十貫寺梅軒(回転屋)|遠藤賢司(駄菓子屋)|草島競子(櫛屋老婆)|若井恵理子(玉子屋娘)|剛州(電気館木戸番)|渡辺哲(悪漢)|木澤雅博(悪漢)|登日隆盛(悪漢)|石渡明廣(芸人)|篠田昌己(芸人)|森太津弥(警官)|杉本敏一(侍)|加茂克信(侍)|福原一臣(楽隊)|里村孝雄(楽隊)|伊藤イサム(楽隊)|高松正行(楽隊)|

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