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映画「タラデガ・ナイト オーバルの狼」  監督:アダム・マッケイ

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  分かりやすい喜劇映画です。お気楽にどうぞ。

組0-0  タラデガ・スーパースピードウェイ は、アラバマ州タラデガにあるオーバルトラック。(楕円形コース)
  1周2.66マイル(4,280m)、観客席数は14万余。ここで行われるカーレース(NASCAR)が、お話の舞台。
  レースの速度は時速300kmにも達し、世界でも有数の超高速レース。単純計算で、タラデガのトラック1周4,280m を1分かからないで走る。なにしろ速い!

  まずは、「2人の男と1人の女の物語」。
  ボビーは、幼いころから自動車が好きだった。それで、レーシングチームのピットスタッフとして働いている。同じスタッフの一員で同僚のノートンとは大の親友。
  だが、このチーム、レース最下位を更新中。あるレース中にドライバーがレースを拒否し急きょ、ピットスタッフのボビーが、にわかドライバーに。しかし、レースの結果は、なんと堂々の2位! この時からボビーの人生が変わった。
組1-0  継いでノートンもレースドライバーとなり、ふたりはチームを組んでレースに出場。合言葉は、シェイク&ベイク。
  ふたりペアの狙いは、ドラフティング戦術である。まず、ふたりはそろって2位と3位のポジションを獲得する。そして、2位を走るノートンの役割は、3位のボビーのマシンにかかる空気抵抗を弱める役目。前方ノートンのマシンに吸い寄せられるように、勢いを増すボビーのマシン。次の瞬間、ノートンがボビーに道を譲る。ここでボビーは、一気に首位のマシンを抜き去り、優勝する。これで、ノートンは優勝を重ね、スターとなって行く。


組2-0  大勢のファンの中で抜きんでて色っぽい女がいた。ボビーに 「あたしを運転して!」 ふたりは、すぐに結婚。二人の息子と大邸宅で優雅な生活。独身のノートンも家族の一員のようだった。
  ところが、ボビーのレース事故が原因で夫婦生活は破たん。追い打ちをかけるように、ボビーはノートンに妻を奪われる。
  役目とは言え、万年2位の下積みを強いられてきたノートンの恨みも遠因にはあったろう。


組3-0  さてここで今一度、ボビー夫婦がまだ円満であった頃に話を戻そう。
  これまでの、「2人の男と1人の女の物語」に、1人の男が登場する。
  その名は、ジャン・ジラール。ヨーロッパでは著名なフランス人ドライバーであった。ボビーに挑戦してきたのである。
  当初、ボビーもノートンも、ジャン・ジラールを馬鹿にしていたが、強い、実に強かった。どのレースも優勝を奪われた。焦ったボビーは、あるレースで無理をし、稀にみる大事故を起こしてしまう。先に言ったボビーの事故とはこれだった。
  何回も激しく横転を繰り返したマシンから、やっと這い出たボビーは、パンツ一枚になってコースに走り出した。レーススーツに火が着いた妄想の中を走っている。さすがのボビーも、大事故の恐怖から抜け出ることが出来なかった。
  試しにレースに出てみたが、時速40キロしか出せないのだ。
  妻を奪われ、自分が建てた大邸宅から追い出され、レース界から足を洗い、母親の家に居候のボビーは、いま宅配ピザの配達人をしている。
  そんな日々、配達先で実の父に会う。30年以上会っていない行方不明の父親であった。父親・リースは、ボビーの心から恐怖心を取り除こうと苦心する。、ピューマを入れた車に乗せようとしたり、コカインを仕込んだ車を運転させてパトカーに追われれば、自ずとスピードへの恐怖もなくなるだろう・・・という暖か~い親心。父親との出会いは、実は母親の仕組んだことであった。


組4-0  さてさて、「2人の男と1人の女 + 1人の男」の物語に、重要な1人の女が加わる。
  スーザンだ。かつて、ボビー&ノートンが所属したチームのアシスタントをしていた無口な女性。
  しょげ切ったボビーの前に現れた彼女は言った。
  「私は今まで口を閉ざしてきたけど、もう黙ってられない。
  あなたは間違ってる。レースはあなたの命。レーサーは行動する人、黙って考える人じゃない。
  コースに出てエンジンふかして勝負にいどむ。スピードと混沌の中で格闘するの!
  恐怖を力に変えてレースに勝って! それが男よ!」
  それまで黙って聞いていたボビーは言った。 「前の君と違う。君とやりたい。」

  スーザンの後押しもあって、ボビーはスポンサー無しでレースに出ることになる。
  今はガソリンスタンドで働いている、かつてのピットスタッフたちが集まって来た。あの忌まわしき男・ジャン・ジラールもボビーに挨拶に来た。意外にもジャンは、レース界を去りたがっていた。そのためには、踏ん切りが必要。ジャンは言った。「俺に勝ってくれ」と。 さらには、かつての朋友・ノートンも、妻を連れてレース場に現れる。これで役者がそろった。

組6-0  このレースは激しかった。ノートンのレースチームは、ボビーを亡き者にしようと汚い作戦に出た。その指示がノートンに伝えられるが、この時、ノートンはボビーを助けようと、かつての連勝作戦のドラフティングを始める。シェイク&ベイク! 久々の合言葉でふたりは、首位を走るジャン・ジラールに追いついた。
  ところが、レースの壁に接触した他マシンのあおりを受けて、先頭を行くジャンとボビーの2台以外のマシンは、全車事故に巻き込まれていく。NASCAR史上、驚くべき事故が発生。
  結果、ボビーはジャンと まさに一騎打ち。並行して全速力で走る2台のマシン。互いにマシンの側面で押し合う。ついに2台は宙に舞い上がり、共に死ぬほど横転を繰り返した。
  這い出したボビーとジャンは、にらみ合う。そしてふたりは、ゴール目指してコースを走り出した。タッチの差でボビーが1位になる。ふたりは感極まって抱き合った。
  もちろん、マシンを離れた2人はルール違反で失格。だから、3位だったノートンが優勝した。なんというレースか!
  喜ぶノートンは、ボビーに今までのことを謝った。そして、ボビーとスーザンは、抱き合い愛を確かめ合うのであった。
  
  息子のレースを初めて観戦をしていた父親が、レース後にボビーとスーザンを迎えようと待ち構えていた。
  よく出来た娯楽映画です。

下00オリジナル・タイトル:Talladega Nights: The Ballad of Ricky Bobby
監督:アダム・マッケイ|アメリカ|2006年|121分|
脚本:ウィル・フェレル、アダム・マッケイ|撮影:オリヴァー・ウッド|
出演:リッキー・ボビー(ウィル・フェレル)|フランス人ドライバーのジャン・ジラール(サシャ・バロン・コーエン)|親友・カル・ノートン(ジョン・C・ライリー)|カーリー・ボビー(レスリー・ビブ)|ルシウス・ワシントン(マイケル・クラーク・ダンカン)|助手のスーザン(エイミー・アダムス)・・・のちにボビーの彼女となる|ボビーの母親・ルーシー・ボビー(ジェーン・リンチ)|ボビーの父親・リース・ボビー(ゲイリー・コール)|ラリー・デニット(パット・ヒングル)|ラリー・デニット・Jr(グレッグ・ジャーマン)|デニット夫人(モリー・シャノン)|ハーシェル(デヴィッド・ケックナー)|

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やまなか

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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