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映画 「花嫁と角砂糖」  監督:レザ・ミルキャリミ  2011年 イラン映画

上                  

組1-0  五人姉妹の末っ子パサントの結婚準備が始まった。
  親戚一同総出だ。四人の姉たちとその夫や子供たちが、わさわさ集まってくる。
  もちろん、パサントの母親や同居している大叔父も準備を手伝う。
  耳が遠い大叔母は体調が優れず、いつものようにひとり椅子に座っている。
  大叔父が砂糖の大きな塊を欠いて、式で使う角砂糖を作っているシーンから映画は始まる。

組2-0  パサントの父親はいない。
  映画は多くを語らないが、パサントのこの結婚は父親が決めたのだろう。母親はこれに従わざるを得ず、その表情は硬いようにみえる。大叔父は、この結婚にいまだ反対だ。四人の姉たちは、妹を大いに祝福している。 
  当のパサントは、終始にこやかだし、恥ずかしがっている。
  

  姉たちのそれぞれの子らは、家の中や庭を、喜々として走り回っている。子たちのシーンは、映画を明るく活気あるものにしている。
  夫たちは、互いにいがみ合う関係もあるようだが、サッカーのテレビの前にたむろっている。彼らの中には、庭にある小屋の土間を密かに掘り起こしている輩もいる。
  家の中でごろごろしてる、そんな男たちの様子を姉たちは窓越しに眺め、互いに日ごろ溜まった愚痴を言い合う。

  そんな中、なんと、大叔父が気道に角砂糖を詰まらせ亡くなってしまう。
  一族は、一転して一同、葬儀の準備に追われることになる。



組3-0  そして気になるシーン。
  兵役中のいとこの青年ガセムが、葬儀に参列するため一時帰宅し、この家に駆けつけた。
  ここへ来て、彼はパサントの結婚を初めて知る。
  パサントとガセム、互いに無言で向き合い見つめ合う。


組4-0  葬儀は無事に終わった。
  気丈なパサントの母親が全てを仕切った。
  夜、全員で食事をとっている。誰もがいま思っているのは、パサントの結婚のこと。
  彼女は言った。「結婚のことは、40日間の喪が明けたら、きちんと決めるわ。」

  
  結婚式に集まった一族郎党の群像劇。
  人々が、それぞれに人生を背負い、ここに集う様をうまく描いている。
  これで、イランの家庭料理の匂いがスクリーンから伝われば、観客は映画の中の人になれる。

オリジナル・タイトル:YE HABE GHAND     英語タイトル:A CUBE OF SUGAR
監督:レザ・ミルキャリミ|イラン|2011年|114分|
脚本:レザ・ミルキャリミ 、モハマド・レザ・ゴーハリ|撮影:ハミド・コズィ・アブヤネ|
出演:サイド・プールサミミ|ナガール・ジャワヘリアン|レザ・キヤニアン|ソヘイラ・ラザウィ|ファラッド・アスラニ|パリヴァシュ・ナザレフ|

 イラン映画 
   これまでに、一夜一話に掲載したイラン映画を4本。 (題名をクリックしてご覧ください。)

   「別離」 2011年               「ペルシャ猫を誰も知らない」 2009年
   「少女の髪どめ」 2001年         「少年と砂漠のカフェ」 2001年

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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