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映画 「荒野のダッチワイフ」  監督:大和屋竺  別題 「恐怖人形」

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1967年ごろの新宿の街
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  1967年の映画。ピンク映画に分類されるらしい。
  映画の舞台は、新宿の街。
  大島渚の「新宿泥棒日記」が1969年だから、ま、あんな新宿が映画製作の背景にあるんだろう。
  (「新宿泥棒日記」の記事はこちらから、どうぞ。)
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  あんな新宿それは、極ありていに言えば、ヒッピー、アングラ、サイケ等々アンダーグラウンドと言われた音楽演劇美術ファッションなどの文化潮流と、70年安保直前の政治闘争が、既存の歓楽と交錯した街、新宿。
  特にこの映画には、ジャズ喫茶ピットインや、フリージャズピアニスト山下洋輔らや、唐十郎率いる状況劇場なんかが絡んでいるようだ。

  さて、この映画、射撃シーン撃ち合うシーンはもとより、そうでないシーンでも登場人物が拳銃を握りしめていることが多い。女を抱いていても拳銃を手離さなかったり。

  そんなことを発端にして思うが、この映画の基層には、1950年代のころ買ってもらったピストルを握りしめて月光仮面のTV番組を観る少年の「夢中の楽しさ」があるように思う。
  それを密かに映画の根底に据えてその上に、日々新宿で飲み食いしながら吸収した、猥雑な街・大衆の街の様子、ヤクザや女やお店や1960年代の空気、さらにエロを加え、それらをジッパヒトカラゲにしてシュールな物語に仕立て、かつ当時風のスタイリッシュな映像表現で全体を包んで、まとめ上げた、そんな風に思える。

10-0.png  だが、映画はスタイリッシュになりきれないでいる。
  演出・演技が、当時の邦画アクションの野暮ったさ、というより、月光仮面のような少年向け映画のようで、でもこれはこれでいいとしても、演技が場末っぽく、でもこれはこれでいいとして・・・。
  要するに、それに挫けずにこの映画の感性を乗り越えると、ダサかっこいいパラダイスが見えて来て、最後まで楽しく観ていられるでしょう。こういうのをカルト映画というんでしょうか。
  

下80  手下役で出演している、状況劇場にいた若き大久保鷹が見れるのは一見の価値あります。
  音楽を担当している山下洋輔クァルテットの演奏が冴えないのは誠に残念です。








別題:「恐怖人形」
監督・脚本:大和屋竺|1967年|85分|
撮影:甲斐一|音楽:山下洋輔クァルテット|
出演:港雄一|山本昌平|麿赤児|大久保鷹|渡みき|津崎公平|辰巳典子|山谷初男|

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