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映画 「彼女を見ればわかること」  監督:ロドリゴ・ガルシア

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  ロサンゼルスに住む5人の女性の5つの話。
  大人の女の愛の話。物憂げなストーリーですが、いい映画です。




1-1  第 1 話 「こちらドクター・キーナー」

  医師のキーナー(グレン・クローズ)は、認知症の母とふたりっきりで、静かな生活を送っている。
  でも最近、彼女の心は落ち着かない。ある男に熱い片思いなのだ。電話が鳴るたびに、ときめき落胆する今日この頃。
1-2_20150312120924770.jpg  ある日、訪問して占いをするタロット占いの女 (クリスティーン:キャリスタ・フロックハート)を、自宅に呼んだ。
  それは気晴らし気まぐれであったから、はじめ、占い師を小馬鹿にしていた。しかし占いの結果は、あまりにも正確にキーナーの心の内を言い当て、これから先のことについて予言した。
  心が大いに揺らいだキーナーは、クリスティーンという、この占い師が異界から来た女に見えた。


2-2.png  第 2 話 「レベッカにつての妄想」  

  銀行支店長のレベッカ39歳(ホリー・ハンター)は、独身。銀行支店長といえば、富裕層。妻子ある男と、幸せな不倫関係が続いている。
  彼女の3つのエピソード。そのひとつ。
  ある日、彼に妊娠を告げたが、彼はふたりの大人の関係を無言で言い、ドアを閉め帰って行った。後日、中絶手術を受ける。
2-1_201503121213183f2.jpg  ふたつ目。銀行の駐車場でレベッカは、気の触れたホームレスの女と出会う。この女、レベッカを見るなり、レベッカの本性を見抜いた。それは魔女のような物言いだった。レベッカは、心を射ぬかれる。3つ目の話。気まぐれで、部下の副支店長と一夜だけの夜を過ごす。翌日、オフィスで副支店長にあらためて一夜限りだとを念を押す。レベッカは冷めた女であった。そして、ホームレスに言われた自身の魔性を、密かに正当付けていた。でも一方でレベッカは、中絶の葛藤と悲しみに沈んでいく素直な女でもあった。
  ちなみに、中絶手術室のドアを開けて入って来たのは、第1話のキーナーだ。一部でタブー視される人工中絶の仕事。キーナーも、影を持つ女のようだ。(中絶の合憲性が認められるアメリカだが、中絶の是非をめぐる世論はいまだ国内を二分している。)


3-2.png  第 3 話 「ローズに 誰かを」

  思春期を迎える息子と2人暮らしのローズは、向かいに引っ越してきたアルバートに魅かれていく。
3-1_2015031212225324b.jpg  ローズは教師、アルバートはサーカスで育った身寄りのない小人症の男。異形で差別されるような境遇の男に、憐みからではなく正面から向き合おうとするローズは、アルバートの心の優しさに魅かれていく。ローズの心に花が咲く。
  5 話の中では一番ハッピーなお話。  



4-1_20150312122647000.jpg  第 4 話 「おやすみリリー、おやすみクリスティーン」

  1 話で登場したタロット占いのクリスティーンの私生活。
4-2.png  彼女のパートナーは、リリー。がんか何かの難病。死期が近そう。リリーの前では、タロットは無力だ。
  リリーは、クリスティーンに、見初め合ったあの時の話を語らせる。それでリリーは穏やかになれる。クリスティーンは涙し沈んでいく。
  残り少ない時間を大切にしたい。そうクリスティーンは思っている。


5-1_2015031213042830f.jpg  第 5 話 「恋はキャシーを待っている」

  キャシー(エイミー・ブレネマン)は刑事。彼女の妹・キャロル(キャメロン・ディアス)は全盲だ。
  キャロルは、あれこれ物語を考えるのがうまい。姉が担当の事件を推理するのも、ふたりの間で楽しみにもなっている。なかなか鋭い推理をするとキャシーは思っている。
  キャロルには彼がいる。デート前にキャシーは妹にお化粧をしてやる。(その彼とは2 話で登場の副支店長)
5-4.png  そしてキャロルは、彼のひとり娘の家庭教師をしている。この子も全盲だ。
  この子はキャロル以上に洞察力がある。父親とキャロルの関係を見抜き、ある日、父親の冷たい性格をキャロルに打ち明ける。
  家庭教師を終えてマンションのエレベータ前で待つキャロル。そこへ、上がって来たエレベータから出て来る副支店長。彼は彼女に何も言わず気付かれぬようそっとその場をすり抜ける。キャロルは気付かず・・・エレベータに乗る。でも、乗って確信した。彼の匂いだ。
  一方、仕事一直線の姉のキャシーに彼氏ができた。仕事で一緒になった検死官サム。キャロルはこのことをまだ妹に言っていない。  

  以上のこの 5 話はどれも、図のような対比の構図になっています。
  赤矢印が、影響を与えるその方向を示しています。

キャプチャ104オリジナル・タイトル:Things You Can Tell Just by Looking at Her|
監督・脚本:ロドリゴ・ガルシア|アメリカ|1999年|110分|
撮影:エマニュエル・ルベツキ|
出演:第1話・・・女医・エレイン・キーナー(グレン・クローズ)|占い師・クリスティーン・テイラー(キャリスタ・フロックハート)
第2話・・・支店長・レベッカ・ウェイノン(ホリー・ハンター)|ホームレスのナンシー(ペネロペ・アレン)|キーナーともうひとりの医師・デビー(ローマ・マフィア)|レベッカの彼氏・ロバート(グレゴリー・ハインズ)|副支店長のウォルター(マット・クレイヴン)|
第3話・・・ローズ(キャシー・ベイカー)|小人症のアルバート(ダニー・ウッドバーン)|ローズの息子ジェイ(ノア・フレイス)|
中第4話・・・占い師クリスティーンのパートナーのリリー(ヴァレリア・ゴリノ)|
第5話・・・刑事のキャシー・フェイバー(エイミー・ブレネマン)|その妹で盲目のキャロル・フェイバー(キャメロン・ディアス)|検死官サム(ミゲル・サンドバル)|ウォルターの娘ジェーン(ミカ・ブーレム)|キャシー刑事の高校時代の同級生だったカルメン・アルバ・・自殺死体(エルピディア・カリージョ)|


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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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