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映画 「殺人の追憶」  監督:ポン・ジュノ

上
パク刑事と、ソウル市警のソ刑事

組1‐0  1986年、韓国は全斗煥大統領による独裁政権時代の話。
  ここは、ソウル近郊、京畿道ファソン。のどかな農村地帯だ。

  この地で、殺人事件が起きた。
  広い畑の中を貫く道路の側溝で、若い女性の全裸死体が発見された。
  地元警察の刑事パク(ソン・ガンホ)と、その相棒のチョ刑事が現場検証するところから話は始まる。
  そしてその後、同様の殺人事件が3件も連続して起こった。どの事件も若い女が被害者。ひとり道を歩いているところを襲い、強姦し手足を縛って死に至らしめる。

  さて、これに対し警察の対応だが、刑事ふたりは第六感で目星を付けた男を連行し、誘導尋問、拷問して自白を得ようとするが、全くうまく行かない。なんと前近代的な捜査であろうか。この様子を映画は悲しくも喜劇的にみせる。
組2-0  刑事たちによって、容疑者扱いされたその犠牲者はふたり、共に村の住人だ。ひとりは精神障害を持つ男、もうひとりは林で女性下着を並べて自慰行為をしていた砕石工場の男であった。

  そんな捜査姿勢を端から、あきれ返ってみている男がいる。捜査応援のためソウル市警から派遣されてきたソ・テユン刑事(キム・サンギョン)だ。しかし、捜査が混迷を極め始めて、ソ刑事も本格的に捜査チームに加わった。
  そしてソ刑事の手によって浮上した三人目の容疑者は、最近村に越してきた若い男であった。謎めいた男だ。
  だが証拠がない。結局、被害者から採取したDNA鑑定は白となり、事件は迷宮入りとなった。

  その後、パクは警察を辞め民間企業に就職した。
  時は過ぎ2003年のある日、パクはあの連続殺人の最初の事件現場にいた。そこを女の子が通りかかる。
  彼女は不思議そうに言った。「何日か前にも、おじさんと同じように、ここで側溝を覗き込んでいる大人がいた」と。
  それを聞いてパクは確信した。犯人は、まだどこかにいる!

  話の筋は驚くほどの出来ではないが、映画の語り口が素晴らしい。
  たぶん、誰もがその語り口に引き込まれるだろう。130分の上映時間は決して長いとは感じない。

下オリジナル・タイトル:Memories of Murder
監督:ポン・ジュノ|韓国|2003年|130分|
脚本:ポン・ジュノ 、 シム・ソンボ|撮影:キム・ヒョング|
出演:パク刑事(ソン・ガンホ)|ソウルから応援派遣されたソ・テユン刑事(キム・サンギョン)|チョ刑事(キム・レハ)|新しく赴任した捜査課長(ソン・ジェホ)|元の捜査課長(ピョン・ヒボン)|ギオク女性警官(コ・ソヒ)|パク刑事の恋人で元看護婦(チョン・ミソン)|ペク・クァンホ、焼肉屋の息子で精神障害のある第1の容疑者(パク・ノシク)|チョ・ビョンスン、第2の容疑者(リュ・テホ)|パク・ヒョンギュ、第3の容疑者(パク・ヘイル)|



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