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映画「ストラッター」  2012年  監督:カート・ボス、アリソン・アンダース

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ブレッドとクレオ

1-0_201504221313245c7.png  ブレッドがソングライティングし自ら歌うロックバンドは、ウェエストコーストのライブハウスで、そこそこ客が入る。
  この映画は、ロックで身を立てたいブレットと、風来坊の父親、そして包容力のある母親、この一家三人のお話。

  ブレットにはジャスティーンという彼女がいる。美人で感性豊か、ブレッドにインスピレーションを与えるミューズな女性らしい(映画に登場しない)。 
  日ごろブレッドは、街の楽器店で店員をしてる。その近所にマニアックなレコードショップがあって、ミュージシャンでもある店主のデイモンは、ブレッドあこがれの男だ。つまり、ブレッドはこの街で不自由なく生きている。

2-0_20150422131937910.png  そこにふたつの問題が起きる。
  ある日突然にジャスティーンはブレッドを振って、こともあろうにデイモンと一緒になった。
  友人たちはブレッドを慰めるが、ブレッドの落ち込みは激しかった。特に女友達のクレオが優しく慰めた。また、実家に転がり込んできたブレッドの様子を見て母親のルーは言った。ミューズなんかじゃなくて本物の女を愛しなさい。
  おまけに、バンドメンバーが次々に脱退しバンドは解散の憂き目に。

  もうひとつの事件は、遠い昔に若い女と駆け落ちしていた父親フランクがひょっこり出戻って来た。ブレッドは気にくわないが、帰って来たその日から、何事も無かったようにルーとフランクはなにやら仲良し。これも気にくわない。でもフランクは息子に近づこうとしていたし、ルーも息子とフランクとの間をなんとか取り持とうとしていた。
  失恋な気分の時には案外、曲が浮かぶものだ。ブレッドがピアノに向かって作曲しながら歌っている。そんな様子をみてフランクは、ギターを持ち息子に近づき一緒に演奏した。ブレッドに笑顔が戻る。実はフランクは有名じゃないがロックミュージシャン。

3-0_20150422135954ca4.jpg  こんなことがきっかけで、息子と父親のわだかまりが消え始めたころ、フランクはブレッドを乗せて車を走らせた。ルーは男ふたりを見送った。
  行先も分からずに乗せられて走った末に到着したのは、砂漠の真ん中のかしいだような一軒の家。その家から女とその息子が出てきた。つまり、父親が駆け落ちした女の家だった。じゃ、あれは弟か! ここでなぜか、四人がオールドタイミーなカントリーミュージックを演奏するシーン。ま、おざなりな会話があったんだろうということ。
  そして、この家の近くには父親フランクの元彼女たちが住んでいて、一巡り。ある女の前でフランク曰く、「この砂漠での生活が、俺には都会より性に合うんだ」、とか言い出す始末。

4-0.png  さて家に帰って、ブレットは新たな歩みをふたつ始めることになる。きっと、砂漠への小旅行でジャスティーンを忘れることができたのだ。
  ひとつは、フランクとブレッド、そして仲直りしたデイモンの3人でライブに出たこと。
  もうひとつは、ブレッドがクレオと付き合いを始めたこと。

  
  ロッカーを目指す男の青春映画。少しコミカルな仕立て。ロックに詳しくなくても充分楽しめる映画です。
  全体にさらっとシンプルな味わいですが、こんな風に作るとなると どうしてこれがなかなか難しいもの。

  ブレッドの両親が青春のころとは、1970年前後だろう。1971年の映画「バニシング・ポイント」の時代が、ちょうどその時期だ。この映画の中で、車が疾走するシーンに砂漠が出て来るが、「ストラッター」にも、たぶん同じ地域の砂漠地帯が出てくる。(「バニシング・ポイント」の記事はこちらからお読みください。)

  ちなみに映画中、何度も出てくる「グラム」という名のロックミュージシャンですが、グラム・パーソンズ(1946-1973)というカントリーロックの人(バンド名はフライング・ブリトー・ブラザーズ)。ブレッドやフランクはこの人の大ファン。砂漠に旅した際、彼の降臨を願うシーンがある。また、ブレットの元彼女ジャスティーンをミューズというのは、グラムのミューズはエミルー・ハリスだったというのをなぞっている。
  先に一夜一話で取り上げたドキュメンタリー映画「フェスティバル・エクスプレス」にグラムが登場している。この記事は、こちらからどうぞ。
中  最後になるが、ブレッドが務めた楽器店のあるじ(右写真)が、なかなかいい味を出していた。

  あと、どうでもいいことだが、今フライング・ブリトー・ブラザーズといっているが、当時はフライング・バリット・ブラザーズと皆、言っていた。また同様に、エミルー・ハリスも当時、エミリー・ハリスと呼んでいたような気がする。

下



オリジナル・タイトル:Strutter
監督・脚本:カート・ボス、アリソン・アンダース|アメリカ|2012年|87分|
撮影:カート・ボス|音楽:J・マスシス|
出演:フラナリー・ランスフォード(ブレット・ピアース)|エリーズ・ホランダー(映画館勤めのクレオ)|ダンテ・ホワイト=アリアーノ(デイモン・ウォルシュ)|クレイグ・スターク(ブレットの父・フランク)|テリー・グレアム(楽器店店主・アーチー)|ルアナ・アンダース(ブレットの母・ルー・ピアース)|サラ・アシュレイ(テッサ)|ビクトリア・ウィリアムス(モリー)|アリエル・ピンク(アリエル・ピンク本人)|ニック・ジョーンズ(ニック)|ライアン・アースキン(ジェームズ)|ジェイド・ゴードン(古着店の店員)|J・マスシス(本人・映画ラストで楽器店でギターを選ぶ男)|

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