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映画「嵐」 1956年  監督:稲垣浩  主演:笠智衆

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  笠智衆の映画。地味な映画です。

  大正時代の話。妻に先立たれたフランス文学者、水沢(笠智衆)には三男一女、四人の幼子がいた。 
  大学教授として働き盛りの水沢に、四人の子を男手ひとつで育てる余裕は無かった。よって、太郎と次郎、三郎、そして末っ子の末子をそれぞれ親類縁者に預けていた。  
  だが、フランスから帰国した水沢は決心する。我が子は手元で育てたいと。そこへ、馴染みの出版社から、フランス文学大辞典の話が舞い込んだ。長期プロジェクトだ。水沢はライフワークに値すると言った。そして自宅で出来る仕事である。水沢はさっそく、大学に退職願を出すと同時に、まずは太郎と次郎を引きとった。親子三人の生活が始まった。
  その後の大正9年、一軒家に移り、ばあやのお徳(田中絹代)を雇い、末子を、しばらくして信州の郷里に預けていた三郎を引きとった。四人四様の性格と子供なりの生きざまを感じ取り、自身も親として成長するのであった。
0-2.png  時は経ち、一郎は父の故郷信州に行き廃屋同然だった実家を再建し農業を始める。次郎と三郎は画家の卵になっていた。水沢自身、若いころに画家の道も考えたらしい、その血を受け継いだようだ。末っ子の末子(雪村いづみ)も、しっかりした女学生になった。

  実になんと言う事のない話で、誠に実直。
  見どころは、笠智衆。彼のための映画。こんなストーリーで、客の気を最後まで引き付けて置けるのは、笠ならではだろう。
  小津にロボット化されていた笠が、本作では実に伸び伸び楽しげだ。彼のしなやかなで滋味な演技を堪能できる。
  付け加えて、昔の東京の風景が爽やかに映っていて、いい感じ。そして、爽やかついでに、雪村いづみ当時19歳が爽やかです。たまには、こういう映画も観てみよう。

  ◆稲垣浩の映画 一夜一話から
   「ゲンと不動明王」 1961年作品 こちらからどうぞ

下監督:稲垣浩|1956年|108分|
原作:島崎藤村|脚色:菊島隆三|撮影:飯村正|
出演:水沢信次(笠智衆)|水沢太郎(山本廉)|水沢次郎(大塚国夫)|水沢三郎(久保明)|水沢末子(雪村いづみ)|お徳(田中絹代)|誠心堂主人石井(加東大介)|水沢が住みこんだ宿・桜館主人北川(清水元)|宿の女中お咲(中北千枝子)|水沢の義妹しづ江(東郷晴子)|水沢の兄(山田巳之助)|八代教授(江川宇礼雄)|雑誌記者宮口(今泉廉)|郷里の青年森(松尾文人)|森の妹(香川悠子)|特高刑事(谷晃)|お霜婆さん(馬野都留子)|医者(稲葉義男)|芸者年丸(上野明美)|芸者A(黒岩小枝子)|芸者B(泉千代)|少年時代の太郎(武田昭)|少年時代の次郎 (鈴木映弘)|少年時代の三郎(平奈淳司)|少女時代の末子(中村葉子)|失業者の男(菅大作)|失業者の子供(市川かつじ)|



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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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