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映画「喜劇 駅前温泉」 監督:久松静児

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  今の感覚からすると、この映画はとてもデフォルメされてる。
  つまり、誰にでも分かりやすいように話は誇張されていて、かつ、だからそれで笑える仕立て。まるで旅回り一座の舞台のようだ。そう理解して観ないと、面白くない映画です。これがこの映画を観るお作法。

  舞台は福島の温泉街。時は高度経済成長を背景にしたレジャーブームの時代。温泉施設の新旧交代が進む。客はみな新築のホテルに流れていく。
  そんな中、福屋の主人徳之助(森繁久彌)と極楽荘の主人孫作(伴淳三郎)をはじめ、旧に属する温泉旅館は焦っていた。
  自称、白虎隊の末裔で元軍人の徳之助と、浴客の垢すり・肩もみをする三助から立身出世した孫作は犬猿の仲。そして、徳之助と孫作は、温泉観光協会の元会長、現会長。

左から夏木陽介・司葉子に
池内淳子・フランキー堺・淡島千景
1-0_20150618122144d97.png  一方で、徳之助の娘・夏子(司葉子)と孫作の養子・高見幸太郎(夏木陽介)は熱い恋仲。だが、ふたりとも親には秘密。高見は東京に出てホテルマンの修行をしたい、夏子は彼に付いて行きたい。このふたりを陰で応援するのが、協会事務局の次郎(フランキー堺)と、美容室をやってる景子(淡島千景)や夏子の友人で芸者の染太郎(池内淳子)だ。

2-0_20150618131958630.jpg  アイデアマンの孫作は、なんとか客を増やそうと策を練る。若い女の(今で言う)あん摩マッサージ指圧師に水着を着せて、男風呂にいる浴客らにサービスを始めて地元新聞に記事を書かせる。温泉街の芸者やあん摩屋はただでさえ、客足が減っているのに客を盗られた、自分たちの職域を侵したと怒り出す。
  そして、さらに話は進む。ある日、高見幸太郎が実の子(孫作と仲居として働いていた女との間にできた子)であることが分かり、孫作の妻・とよ(森光子)は寝耳に水。片や、美容室の景子の旧友、恵美子(淡路恵子)という女がひとりこの町に現れ福屋に宿を取り、宿の主人徳之助と危ない関係になる・・・一歩手前で、恵美子の夫・三平(三木のり平)が登場し、てんやわんや。そして、さてさて、夏子と幸太郎のふたりの愛は、いかになりますやら。

  ともあれ、森繁と伴淳三郎の犬猿の仲と、それぞれの子である司葉子と夏木陽介の愛が話の幹。これにフランキー堺が中心となって、幾多のエピソードが絡んでいく。このたわいないエピソードを支えるのが、手練れの俳優陣。森光子、沢村貞子、菅井きん、三原葉子、柳家金語楼、左卜全たちだ。これらの俳優の出演を楽しむと同時に、観客も温泉客となって昔の宴会の様子を楽しめれば、映画は楽しになる。さらには、三助コンクールなるドタバタシーンは、そのうち誰かが風呂に落とされるぞ、あぁあ、よーやるわ・・・と笑って、大衆映画の醍醐味を味わえれば、最高という次第。  

  「喜劇 駅前団地」
    これまでに取り上げた駅前シリーズは、これです。
    「喜劇 駅前団地」のほうが写実的です。こちらから、どうぞ。

      
監督:久松静児|1962年|103分|
脚本:長瀬喜伴|撮影:岡崎宏三|
出演:福屋の主人・徳之助(森繁久彌)・・・妻を亡くしひとり身|徳之助の娘夏子(司葉子)|極楽荘の主人・孫作(伴淳三郎)|その妻とよ(森光子)|孫作の娘洋子(原田毬子)|協会事務局・次郎(フランキー堺)|美容室の景子(淡島千景)|姉芸者金太郎(沢村貞子)|金太郎の妹芸者染太郎(池内淳子)|あん摩屋主人きよ(赤木春恵)|景子の旧友・恵美子(淡路恵子)|その夫三平(三木のり平)|高見幸太郎(夏木陽介)・・・実は孫作の子|三助コンクールに飛び入りの且那(柳家金語楼)|京子(旭瑠璃)|駐在巡査(織田政雄)|芸者〆子(五月みどり)|芸者まる子(神楽坂まん丸)|芸者ぼたん(村松恵子)|女のあん摩・ゆかり(三原葉子)|同・ひとみ(西岡慶子)|番頭源造(立原博)|番頭栄吉(どんぐり三太)|番頭銀作(小林十九二)|番頭善太郎( 田辺元)|番頭亀次(皆川一郎)|万引する母親(菅井きん)|その娘(久保一美)|女中お花 (長谷川万里子)|女中お雪(川内まり子)|お京ちゃん(水町千代子)|観光協会理事(安達国晴)|客A(左卜全)|客B(立岡光)|芸者A(千草恵子)|芸者B( 笠井三代子)|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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