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映画「三文オペラ」 1931年ドイツ映画 ~映画音楽に魅せられて

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 20世紀初頭のロンドン、当時は貧民街だったソーホーでのお話。
 この街の闇のボス・メッキーが、ポリーという娘に一目惚れしたことがすべての始まりであった。

中1 気の短いメッキ―は、惚れたその夜に、さっそく結婚式を敢行する。メッキ―にとっては何回目かの結婚式。だから、彼の手下たちは手慣れたもので、結婚式に必要な式の飾り付け、酒や料理、そしてウェディングドレスを店から盗み集めてくる。牧師も拉致してきた。式場はテムズ河畔の倉庫街。さらにメッキ―はブラウン警視総監に招待状を送った。メッキ―とブラウンは戦友で大の親友なのだ。式は和やかに楽しく、ポリーは幸せでいっぱいであった。

 ところが翌日、これを聞いた花嫁ポリーの両親は、相談もなく身勝手な結婚をした娘と、その娘を盗んだメッキ―に対して激怒した。
 ポリーの父親は、この街で乞食王と呼ばれるピーチャムという名の男。彼は、最下層に落ちた人々や既に乞食の人々に対し救済を名目にして、乞食就業の案内・指導や乞食衣装貸与などのコンサルサービスビジネスを展開し、乞食からマージンを巻き上げているなかなかの実業家だ。そのピーチャムがロンドン警視総監のブラウンに詰め寄った。極悪人メッキ―をいつまで、のさばらせておくのだ、なぜ逮捕しないのか。ヤツがあの売春宿に立ち寄ったところを待ち伏せすれば、容易に逮捕できる。逮捕しろ!
 ブラウンは、メッキ―が親友であることの弱点を突かれ、たじろぐ。さらには時期が悪かった。ロンドンで行われる大きな祭事である聖十字架祭が迫っていた。この祭りには女王の馬車行列もある。祭りが滞りなく行われるための警備は、ロンドン警視庁としては最重要任務であった。
 それを見越して狡猾なピーチャムは、メッキ―逮捕に踏み切らなければ、聖十字架祭の日にロンドン中の乞食を集めて行列行進を行うぞと、ブラウンを脅すのであった。

2-0_201508211225292e3.jpg さて早耳のメッキーは、まずは身を隠す。そして、計画していた銀行強盗の事案をポリーに託す。
 だが、たじろがないメッキ―は売春宿に寄った。そこで長年の愛人ジェニーに会う。宿はすでに警察によって密かに包囲されていて、ジェニーはメッキ―が来たら合図を出すことを警察から指示されていた。そして彼女は合図を送る、と同時に彼を逃がす。
 しかし結局、メッキ―は逮捕され留置所へ。だが看守は彼の手下。そこへジェニーも現れて、メッキ―は無事脱獄する。
 一方、あとを託されたポリーは賢い女であった。若い女であったが、荒くれの手下をすぐさま掌握し、銀行強盗ではなく銀行の経営を乗っ取ったのである。もちろん、頭取は愛する夫メッキ―とした。

3-1_20150821122707965.png さて、夫の脱獄を知らぬポリーは、多額の保釈金をブラウン警視総監に送っていた。また、娘夫婦が大銀行の経営者となったことを知らぬピーチャムは、ブラウンがメッキ―を脱獄させたと決めつけ、ついに聖十字架祭の日に、無数の乞食たちに前代未聞の大行進を実行させた。その直後、ピーチャムは事の次第を知り、娘のバラ色の将来を壊してはならない、乞食の行進は中止だと叫ぶ。そして街中に展開した行進を止めようとするが、もうすでにそれは無理であった。乞食たちは自らの意志で「軍事独裁政権の犠牲者」などというプラカードを掲げ、行進は反権力のデモと化していった。一時は女王の馬車と対峙する場面もあった。(その後このデモがどう収束していったかは映画は語らない)

 場面は変わり、場は銀行の中。それぞれにさまざまに安堵するメッキ―、ポリーそして銀行員の装いの手下たち。そこへブラウン警視総監が現れ、首になる前に辞職だと言う。すかさずメッキ―は、彼にこの銀行の経営に携わってくれと言う。さらに、ピーチャムが登場。メッキ―たちに謝罪するとともに、自分の事業アイデアを皆に披露し、銀行経営の一員にしてくれと言う。(終)

 で、映画音楽に魅せられて。
 とはいっても、この音楽は1928年ごろにクルト・ヴァイルが作曲した音楽。
 とりわけ「マック・ザ・ナイフ」(メキメッサーのモリタート)だ。下記のこの歌です。いいですね。
 https://www.youtube.com/watch?v=BwAd83U8yfg
 意識して聴いたのは、68/71黒テント、歌ったのは斎藤晴彦。1974~75年ころだった。ジーンときました。
中2 また、アンサンブル・モデルンという現代音楽を得意とする楽団が演奏するCDが気に入っている。 

デモ化した大行進
下オリジナル・タイトル:Die Dreigroschenoper|Beggar's Opera|
監督:G・W・パブスト|ドイツ|1931年|108分|
戯曲:ベルト・ブレヒト(1928年にベルリンで初演)|作曲:クルト・ヴァイル|原作戯曲「ベガーズ・オペラ(乞食オペラ)」:ジョン・ゲイ(1728年作)|
撮影:フリッツ・アルノ・ワグナー|
出演:ルドルフ・フォルスター:Mackie Messer|カローラ・ネイベル:Polly|ラインハルト・シュンツェル:Tiger Brown|フリッツ・ラスプ:Peackum|バレスカ・ゲルト:His Wife|ロッテ・レーニャ:Jenny|ウラジミール・ソコロフ:Jailer|

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