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映画「ロスト・イン・トランスレーション」 監督:ソフィア・コッポラ

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 所用で東京に来たアメリカ人ふたり。結婚生活25年の50歳過ぎの男と、結婚2年目の若い女との、通りすがりの恋を描く。

 この映画は、欧米人向けの映画だ。
 欧米人にとって、ドラマの舞台が、「東洋の日本(東京)」だということが、ある種の不可思議さ・異次元さ、同時に不安なイメージを醸し出すのだろう。映画は何と言うことも無いラブストーリーなのだが、「東洋が舞台」であることで、話はがぜん異彩を放ち輝きを増すのだ。(東京の不可思議さ異国感を強調するため、日本語セリフに、敢えて英文字幕は付けていない・・Lost in Translation 監督の意図らしい)
 つまり、何を言ってるか皆目不明の異言語の海に、男女ふたりのアメリカ人が浮かんでいる映画なのだ。 

 それだから、この映画には日本人が観る場合の、その立ち位置が用意されていない。だから、観ていて居心地が悪い。それは、欧米人が見る観点で製作された映画を、それと真逆のベクトル、JAPANの視線から観るため、摩擦が生じるからだ。
 それを何やら不可思議とプラスに感じるか、あるいはそのまま居心地悪く感じるか。 はたまた何も感じないか。何も感じないならば、この映画、よくある不倫ドラマにしか見えないかもしれない。

2-0_20150915125229d12.jpg ボブ(ビル・マーレイ)は、ハリウッドの有名俳優でウィスキーのCM撮りのため東京に来た。妻は夫思いで小さな子がいる。しかし、ボブの心は冷めている。妻は、ボブが泊まるホテルの部屋にまで、生活の細々したことをアメリカからFAXで相談してくる。
 東京でボブは、CMやTV出演の仕事をベテランとしてそつ無くこなすが、内心、日本のマスコミ広告業界の対応に驚き、いい印象が持てない。(監督の日本滞在経験時の印象か?) おまけに時差ボケで眠れない。
 午前4時半。夏なんだろう、もう夜明けだ。新宿の高層ビルにあるホテルの一室。

 シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は、カメラマンの夫に付いて来日した。夫は撮影の仕事で忙しく部屋を出て行った。シャーロット夫婦の部屋はボブと同じフロアー。ひとりポツンと部屋に残された彼女は、することもない。こんな時、夫婦の今後に漠然とした不安がこみあげてくる。

3-0 そんなふたりが、ホテルのバー・ラウンジで出会う。街に出る。話す話は、たわい無い。だが、ボブはもうすぐアメリカに帰る。
 年の差の無い出会いであったが、別れは互いに分別があった。

 異文化が接する現場では、互いの気質や個人に潜む粗暴さが露わになることがある。この映画では日本側のそれが表現されていて、観ていて居心地が悪い向きもあるだろう。当然だが、アメリカ側のそれは無く、誠に紳士的なビル・マーレイであった。

 実は。この映画を取りあげた最大の理由は、エンディングで、かつてあったロックバンド「はっぴいえんど」の『風をあつめて』が流れるから。
 
オリジナル・タイトル:Lost in Translation|
監督・脚本:ソフィア・コッポラ|2003年|アメリカ・日本|102分|
撮影:ランス・アコード|
出演:ビル・マーレイ(ボブ・ハリス)|スカーレット・ヨハンソン(シャーロット)|ジョヴァンニ・リビシ(ジョン)|アンナ・ファリス(来日している映画女優のケリー)|マシュー南(ボブがテレビ出演した番組司会者マシュー南)|田所豊(ボブを見下すようなCMディレクター)|林文浩(シャーロットの友人チャーリー)|竹下明子(一方的なCMディレクターに苦労する通訳)| キャサリン・ランバート(バー・ラウンジのジャズ歌手、ボブと一夜を過す女)| 明日香七穂(ボブの部屋に来た暴れるコールガール )|ほか

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