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映画 「ボンボン」  アルゼンチン映画  監督:カルロス・ソリン

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 真面目で控えめ、お人好し、そして世渡りがうまくない男・ビジェガス、52歳。
 この男が主人公の、少しビターでハッピーエンドな、大人のおとぎ話。

1‐0 お話の舞台は、アルゼンチン南部のパタゴニア地方。見渡す限りの荒野が続く。
 ビジェガスは、妻と別れて20年。以来、独身。
 そして、それ以来20年間、ビジェガスはガソリンスタンドに住み込みで働いてきた。そのスタンドは、荒野の中にポツンとある。この物語は、会社都合でビジェガスがスタンドを解雇されたことから始まる。

 ビジェガスは娘の家に転がり込んだ。だが、娘の夫は何やら精神的な疲れを抱え呆然自失、その上、幼い子供の世話で、娘は苛立っている。収入がないビジェガスは居場所が無い。自作のナイフを作って売り歩くが、まったく売れない。

 そんな折、ビジェガスは車の故障で立ち往生の若い女性に出会った。暇だけは十分あるビジェガスは、150キロ先の女性の家まで故障車を自分の車で牽引して行った。そして、車を修理したお礼にと、一匹の犬を譲り受けた。
 ドゴ・アルヘンティーノというアルゼンチン原産の獰猛そうな大型犬だ。それも血統書付。この家のあるじは、この犬種のブリーダーを夢見た矢先に亡くなったらしい。

2‐0 実は未亡人とその娘はこの犬を持て余していた。夫人の善意な発案なのだが、お人好しのビジェガスはうまい具合に犬を押し付けられた格好。犬の名はボンボン。ビジェガスは夢のカケラをもらった。(しかし、それはあとで知ること。)
 今は、金に困っている、犬を飼う余裕すらない。と思いながらも、ボンボンを連れて家に帰ると、案の定、娘は頑なに犬を拒んだ。つまり、ビジェガスは犬とセットで拒まれたわけ。いわば要らないもの同士。

 だが事は、意表を突く展開に。
 失業手当で支給された小切手を現金化しようとしたビジェガスは、銀行の前で支店長の男に出会う。この男はボンボンを一目見て、とても素晴らしい犬だと言った。この犬種の愛好家らしい。そして、ブリーダーや犬のコンクール優勝経験がある男を紹介された。

 さっそく、コンクールに向けてボンボンの訓練が始まった。ビジェガスも寝床が確保でき、娘の家を出た。
 ビジェガスの人生に吹く風の向きが、変わり始めた。さらには、ビジェガスの前に彼女となる女性が現れた。



3‐0 観たあとに、じんわりとした幸せな温かさが残る映画。
 だが、一方、監督はパタゴニア地方に住む人々の不幸せにも目を配る。
 それは、ビジェガスの娘の家庭、ドッグトレーナーの娘、ビジェガスが働いたガソリンスタンドの元従業員たち、荒野のバラックに住まう煉瓦工場の作業員たち。

   
 ドゴ・アルヘンティーノという犬種
 ジャガーやピューマといったネコ科の大型野生獣を倒せる勇敢なハンティング・ドッグを作るため、約80年前にアルゼンチンで作出された最強の獣猟犬。護衛犬や軍用犬、警察犬などとしても優秀。
 とても迫力があり、見た者を圧倒させる迫力の持ち主。飼い主に対しては忠誠を誓うが、一度噛みつくとなかなか放さないので、他の犬や家族以外の子供と会う際は注意が必要。犬種図鑑より。http://breeder.aikenonline.jp/manual/(外部リンクです)

 【カルロス・ソリン監督の映画】  ・・・これまでに記事にした映画です。
   「エバースマイル、ニュージャージー」 (1989年製作)
   この映画も舞台はパタゴニア地方。喜劇映画です。この記事は、こちらからご覧ください。 

トレーニングを受けるボンボンとビジェガス
下オリジナル・タイトル:El Perro
英語タイトル:Bombo'N: El Perro
監督:カルロス・ソリン|アルゼンチン|2004年|97分|
原案:カルロス・ソリン|脚本:サンティアゴ・カロリ 、 サルバドール・ロッセリ 、 カルロス・ソリン|
撮影監督:ユーゴ・コラス|
出演:ココことファン・ビジェガス(ファン・ビジェガス本人)|ドッグトレーナーのワルテル・ドナ-ド(ワルテル・ドナード本人)|ビジェガスの娘(マリエラ・ディアス)|ビジェガスの彼女となる歌手のスサーナ(ロサ・ヴァルセッキ)|ほか
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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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