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映画 「トレインスポッティング」  1996年イギリス映画  監督:ダニー・ボイル

上
主人公のレントン


1‐0 ヘロインで至福の彼方に行っては、元気をもらってる若い奴ら。二十歳過ぎくらいだろうか。
 仕事に就かず組織にも入らず、かっぱらい万引きなどやってはヘロインを買う、サッカー好きでやんちゃな奴らの物語。みな、この先、どう生きればいいのか、それが見つからない。

 映画冒頭、主人公のレントン (ユアン・マクレガー)が、こんな独り言(ナレーション)をつぶやく。 
 人生に何を望む?
 出世、家族、大型テレビ、洗濯機、車、CDプレーヤー、健康、低コレステロール、保険、固定金利の住宅ローン、マイホーム、おしゃれ、友達、ローンで買う高級スーツ、日曜大工、・・・・・
 (でもやがて、みな年老いる)腐った体をさらすだけの惨めな老後、出来そこないのガキにも疎まれる、それが豊かな人生?
 俺はごめんだ。豊かな人生なんか興味ない。理由? 理由はない。ヘロインだけがある。

 ブツを手に入れると彼らは空き家に集まり、ヘロイン注射を繰り返す。時にはクラブで女の子をひっかける。何もない時は、バーカウンターで沈んでる。
 映画はそんな毎日を描いて行くが、これじゃいけないと、ひょうきんなスパッドは就職面接を受けたりもしてる。(このシーン笑える) レントンは自ら、ヘロインを絶とうとするが、やがて元の木阿弥。(禁断症状の幻想シーンあり) 


2‐0 ある日、 レントンは年下の彼女に言われる。「老けちゃうわよ。世の中、ずんずん変わって行くよ、何か始めなきゃ。」 
 そう、始めなきゃ。レントンはロンドンに出て仕事に就いた。不動産営業マン。お客に物件を案内する。なかなか板についている。

 スパッドは万引きで刑務所入りし、出所してヘロインでヘロヘロ。シック・ボーイはポン引きになった。アル中のベグビーはなにやら身を隠す。失恋したトミーは、初めてヘロインを試したが、不幸なことに注射針からエイズに感染し死んでしまう。

 シック・ボーイとベグビーは、レントンの貯金で2キロのヘロインを手に入れた。レントン、シック・ボーイ、ベグビーそしてスパッドの4人は、買い手が待つロンドンへ意気揚々と出かける。危ない奴らに1万6千ポンドで売れた。だが、レントンはその全額をバッグに詰めてそっと消えた。

 映画ラストに流れる、主人公のレントン 独り言。
 あれこれ言い訳を考えた。出し抜いただけだとか、どうせソリが合わないだとか。
 でも仲間を裏切ったのは事実だ。
 ベグビーなんかいい、シック・ボーイもどうせ裏切る、でもスパッドは別だ、あいつは根がいい。
 なぜ裏切った? 本当のところは俺がワルだからだ。
 だが変わろうと思う。これを最後に。足を洗ってカタギの暮らしをする。楽しみだ。
 あんたと同じ人生さ。
 出世、家族、大型テレビ、洗濯機、車、健康、低コレステロール、保険、住宅ローン、おしゃれ、友達、日曜大工、公園の散歩、会社、ゴルフ、洗車、家族でクリスマス、年金、税金控除、平穏に暮らす、寿命を勘定して・・・。


 この映画が持つコミカルな含みを楽しみましょう。観終えて思うに、レントンの家は、そう貧しくない様子。
 ヘロイン中毒ということに過剰に反応してしまうと、映画が言いたいことの半分しか見えてこないので、ご注意を。
 そもそも、この監督は独特の軽妙さが持ち味です。ちなみに下記に、これまでに記事にしたダニー・ボイル監督作品を3つ並べました。
 本作よりも、よりリアルでシリアスな青春映画をふたつ。ひとつは、同じくスコットランドの下層を描いた、ケン・ローチ監督の「SWEET SIXTEEN」。もうひとつは、パリ郊外の移民が多い公営団地を舞台にしたフランス映画「憎しみ」(監督:マチュー・カソヴィッツ)。(題名をクリックしてご覧ください)
 
【ダニー・ボイル監督の映画】  これまでに記事にした作品から。

 「シャロウ・グレイブ」  イギリスのサスペンス。思わぬ大金を前にして、3人の人生が狂っていくお話。 

 「普通じゃない」  B級風味をどうぞ。アクション、ダンス、ラストのアニメなど、エンターテインメントに気配りした、おとぎの映画です。

 「ミリオンズ」  イギリスがユーロ市場圏加入直前の頃の話。クリスマスから、1ユーロ=67ペンス。交換レート固定です。 E-dayが終わるとポンドは使用不可になります。・・・EMU経済通貨同盟からのお知らせ。てなところから始まる、大金と少年の話。

みんなサッカーが好き             ベグビー、シック・ボーイ、そしてレントン
下オリジナル・タイトル:TRAINSPOTTING
監督:ダニー・ボイル|イギリス|1996年|93分|
原作:アーヴィン・ウェルシュ|脚本:ジョン・ホッジ|撮影: ブライアン・テュファーノ|
出演:マーク・レントン(ユアン・マクレガー)|スパッド(ユエン・ブレムナー)|シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)|トミー(ケヴィン・マクキッド)|ベグビー(ロバート・カーライル)|ダイアン(ケリー・マクドナルド)|スワニー( ピーター・マラン)|レントンの父(ジェームズ・コスモ)|レントンの母(アイリーン・ニコラス)|ゲイル(シャーリー・ヘンダーソン)|マイキー・フォレスター(アーヴィン・ウェルシュ)|


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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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