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映画 「雷魚」 (黒い下着の女 雷魚)    監督:瀬々敬久

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1-0_20160808170350b71.png 映画の舞台は、利根川沿いにJR成田線が走る、千葉県香取市小見川あたり。
 細い運河があちこちに流れ、埋め立て地には大きな敷地のプラント工場ある。どこも、人けのない荒んだ風が吹く風景。

 紀子は孤独な女であった。
 そして、この女は慢性膵臓炎と、その上、椎間板ヘルニア、ふたつの持病を抱え、これまで幾度も入退院を繰り返してきた。 
 現在もまた入院中だが、夫さえ見舞いに来ない。
 紀子は不倫相手の男に電話したが、その男も冷たかった。今や不倫の関係も途絶えてしまったようだ。女は病床でひとり沈んでいる。

 駅前の、その電話ボックスにテレクラの広告があった。それを見て、紀子は電話した。
 その少し前、勤め先へ欠勤の電話をする柳井という男がいた。
 休みをとった柳井は、テレクラで会った女の電話番号を書き連ねた手帳片手に、あちこちに電話をかけたが今日の相手が見つからない。その後いつものテレクラに行き、誰かからの電話を待っていた。そこへ紀子からの電話がかかって来た。柳井の車に乗った紀子はラブホへ向かった。

紀子はホテルを出て、柳井の車でここまで来た。
2-0_20160808170635584.png そして、ことが終わったあと、紀子はシャワーを浴びていた。そこへ柳井が入って来た。彼女は隠し持っていたナイフで、いきなり男をめった刺しにした。バスルームの床は多量の血でヌルヌルになった。そして、女はシャワーホースで、弱った柳井の首を絞めた。

  紀子はホテルを出て荒地に着いた。そこで柳井の車を捨て、車内に付いた指紋を拭きとった。その様子は落着き手慣れている。実は殺しは二回目であった。前回も偶然に出会った男だったらしい。

 紀子は容疑者として警察に連行され事情聴取を受けたが、とりあえず帰される。
 なぜなら、男女ふたりの目撃者が別室から紀子を見て面通しをしたが、それぞれが目撃した女は彼女ではない、ということになったからであった。

 署から出て来た紀子は、竹原という男に声をかけられた。目撃者として署に呼ばれた二人のうちのひとりだ。
 「人を殺すってどんな感じですか?」 竹原はガソリンスタンドで働いている。紀子が乗った車がラブホに向かう途中、そのスタンドで給油していた。その時、竹原は紀子を間近で目撃したが、署でそれを否定した。

 紀子は竹原をラブホに誘い出した。竹原は言った。「俺を殺したいんだろ?」 その時一瞬、紀子の目は大きく見開いた。
 彼女がシャワーを浴びに行ってから時間が経つのが気になって、竹原がバスルームを覗くと、紀子はシャワーフックにかけた紐で首を吊っていた。竹原が慌てて首の紐をはずすと、女の息はまだあった。
 紀子は焦点が合わぬ目で、ぼんやり竹原を見た。竹原は「それ」を理解して、次の瞬間、紀子の首を紐で締め上げた。
 竹原は紀子の死体を車で運び、運河に浮かぶ小舟に乗せ、ガソリンをかけ、火を放った。


3-1監督:瀬々敬久|1997年|国映=新東宝|75分|
原案 瀬々敬久|脚本 井土紀州 、 瀬々敬久|
撮影 斉藤幸一|スチール 佐藤初太郎 、 本田あきら|
出演:高原紀子(佐倉萌)|ガソリンスタンドの店員・竹原和昭(伊藤猛)|テレクラで出会った男・柳井裕幸(鈴木卓爾)|美智子(穂村柳明)|目撃者のひとり、知的障害のある女・節子(のぎすみこ)|田中(外波山文明)|安藤刑事(佐野和宏)|坂田刑事(岡田智弘)|洋子(河名麻衣)|パジャマの男(佐々木和也)|看護婦(吉行由実)|子供服の店員(泉由紀子)|

【 瀬々敬久監督の映画 】
 これまでに記事にした作品です。クリックしてご覧ください。

 アナーキー・インじゃぱんすけ 見られてイク女」 (1999年)
 HYSTERIC (ヒステリック)」 (2000年)  ヘヴンズ ストーリー」 (2010年)


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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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