Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画 「その怪物」   監督:ファン・イノ

映画 「その怪物」   監督:ファン・イノ

上




1‐0











 韓国風味の滑稽さを含んだサスペンス・スリラーで、ちょっとバイオレンス。

 ストーリー自体は特に何か言うほどではないが、一気に観終えてしまえる娯楽性があり、また日本映画にない「力強く太い感触」が魅力。
 それは、サスペンスシーンやバイオレンスシーンが力強いのではなくて、映画の語り口がなんとも力強く太いのだ。同じ肉でも、薄切りと厚切りじゃ味わいが違う、そんな感じとでも言おうか。観てのお楽しみ。

 主役3人のひとり・女優キム・ゴウンが、実はこの「力強く太い感触」のエンジンです。
 一見、さらっとしていて華奢で、何でもない風に見える、この人の女優力、存在感に注目したい。
 本作と同じく「力強く太い感触」がある、2015年の韓国映画 「コインロッカーの女」 では、キム・ゴウンの魅力が全開している。(題名をクリックして「コインロッカーの女」の記事をご覧ください)
 ちなみに、主役3人のうちの2人、殺人鬼テス役のイ・ミンギや、子役のアン・ソヒョンもがんばってはいるが、この2人の魅力に寄り添う視点だけで、この映画を観ると、平凡なサスペンス・スリラーにしかみえないと思われる。

 
 知的障害を持つポクスン(キム・ゴウン)とその妹は、韓国の田舎で仲良く暮らしている。 
 両親はいない、祖母に育てられた姉妹だが、その祖母は他界した。ポクスンは10歳から露店で野菜を売って生活してきた。妹は頭がよく、ソウル大学に入学予定。貧しいが幸せな姉妹。

 イクサンという男は、自分の道を失い、チンピラになっている。金に困っていて、親戚筋の社長に相談に行くが、逆に社長から頼まれごとを引き受けることになる。その頼まれごととは、社長の会社の女性社員が、社長の弱みを握り、社長をゆすっているらしい、それでイクサンが、女が要求する金をその家へ届け、引き換えに社長の弱みを撮ったスマホを回収することになった。

 イクサンという男は、自分の手を汚さない。彼は、疎遠にしていた義弟のテス(イ・ミンギ)を呼び出し、頼まれごとを代行させようとした。このテスという男は、実は殺人鬼である。それはイクサンと母親以外は知らない。
 テスは、女性社員をその家で殺してしまうがスマホは見つからない。テスは、社員の幼い妹・ナリ(アン・ソヒョン)を拉致して、自身が住む田舎の一軒家へ帰る。この一軒家が、ポクスンの家に近いことから、物語は頭をもたげてくる。

 ナリがポクスンの家に逃げ込み、これが元でポクスンの妹は殺される。姉を殺されたナリ、妹を殺されたポクスン。いつしかふたりは実の姉妹のようになっていく。そして、そのふたりを追い、殺そうとする執拗なテス。
 イクサンは、テスが指示に従わず、スマホも回収できていないことに苛立っていた。そして、テスを殺そうとするがうまく行かない。そこでイクサンは、母親(テスにとっては義母)を利用して、テスをソウルにある母親の店に呼び出す。店には客を装った殺し屋たちがいる。
 テスはナリを再び拉致し、コインロッカーに隠していたスマホを回収し、車で義母の店へと向かう。それを追うポクスン。ここで本格的にバイオレンスのスイッチがオンになります。さて、このあと、どうなりますやら。

 ポクスン役のキム・ゴウンの血まみれシーンは迫力ありますが、疾走するシーンも、いいですね。「コインロッカーの女」でも同様なシーンがありました。

中オリジナル・タイトル:몬스터
映画タイトル:Monster
監督・脚本:ファン・イノ|韓国|2014年|114分|
撮影:キム・ギテ|
出演:テス(イ・ミンギ)|ポクスン(キム・ゴウン)|テスの兄・イクサン(キム・ルェハ)|ケ(キェ)・ナリ(アン・ソヒョン)|ポクスンの妹・ウンジョン(キム・ボラ)|ほか

【 一夜一話の 歩き方 】

最新の記事はこちら。      直近の記事100 リストは、こちらから (All Archives)

邦画評だけ見る (直近掲載の50作品)   洋画評だけ見る (直近掲載の50作品)  

TOPページ (映画記事の人気ランキング、新作映画みました、映画の特集)

邦画の題名リスト    ◆洋画の題名リスト

邦画の監督名リストから記事を探す   ◆洋画の国別リストから記事を探す

一話 (京都、旅行、美味など)      書評   美術

クラシック音楽    ポピュラー音楽              





関連記事
スポンサーサイト

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://odakyuensen.blog.fc2.com/tb.php/1475-134a9ad4
Listed below are links to weblogs that reference
映画 「その怪物」   監督:ファン・イノ from 一夜一話

Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画 「その怪物」   監督:ファン・イノ

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

RSSリンクの表示
Tree-CATEGORY

Return to page top