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映画 「人生スイッチ」  アルゼンチン・スペイン合作   監督:ダミアン・ジフロン

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 ユーモアたっぷり、かつブラックな風味の小話6つから成る、いい娯楽映画。
 どれも監督自身の脚本で、どの話も外れが無く、シャキッと締まった展開です。一気に観れます。
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 一話目の「おかえし」は短い話だが、驚きの展開で、映画冒頭から観客の心をしっかりつかむ趣向が憎い。
 積年の恨み、といっても一方的なようだが、その恨みを一気に晴らそうとする話。

 二話は、「おもてなし」。
 ここでも恨みを持つ不幸なウェイトレスが登場。そこへ、なんと長年恨んできた男が店にやって来た。千載一遇のチャンスだが、ウェイトレスは何もできないでいる。それを見かねて料理人の女が・・・。

 三話は「エンスト」という題。パンクなんですが・・・。
 誰でも、ドライブ中にムカッとする車に遭遇するものだ。観客のそんなムカッと経験をスカッとさせてくれる話と思いきや、ちゃうちゃう。サスペンスです。6話中、一番ブラックな結末が控えています。笑えます。

 四話目は、「ヒーローになるために」という話。
 ヒーローといっても中年男の話だ。勤め人で、仕事は多忙だが働き甲斐はある男。だが、家庭をかえりみない。(観る人によっては身につまされる、大人の話)
 その日は、娘の誕生日。いつになく仕事を早く切り上げ、バースデーケーキを買うが、駐車違反で車をレッカー車に持って行かれ陸運局で金を払いそして凄い渋滞に巻き込まれる。パーティーは終わる寸前だった。妻の怒りがジワッと爆発。駐禁箇所ではなかったのに罰金をとられる不条理に男は怒り、さらには、こういう時、ことはすべてうまく行かず、不幸はいくつも重なり、夫婦は離婚へ。男は陸運局の窓口で器物破損、刑務所へ。だが、ことは思わぬ展開になるのでした。
 アルゼンチンの人は、警察とレッカー車運営会社との深い関係に苛立っているらしく、この四話で溜飲を下げるんだろう。
 ちなみに、男の仕事はビル爆破解体業。アルゼンチン映画の「ラテンアメリカ 光と影の詩」でもビル爆破シーンがある。好きなんだろうか、この国の人は。(「ラテンアメリカ 光と影の詩」の記事は題名をクリックしてご覧ください)

 五話は、「愚息」。
 大金持ちの愚息が、妊婦をはねる交通事故を起し、母子は死亡する。このひき逃げ事件を、マスコミは大々的に報道し始め、捜査が始まる。
 父親は、長年世話になっている弁護士と庭師に助けを求め、その上、検察官までも巻き込んで、「愚息の罪」を金で解決しようとするが、弁護士と庭師に足元を見られはじめる。(この推移に緊張感あり)
 だがさすがだ、大金持ちに成り上がっただけはある。父親の損得勘定と問題解決力に脱帽。

 六話は、「HAPPY WEDDING」。
 晴れの結婚式の最中に、新郎の浮気がばれる。浮気の相手も招待されていたのだ。突然の悲しみにくれる花嫁は、徐々に怒り狂いはじめ壮絶の域を超える。彼女は浮気相手の女と格闘の末、ウェディングドレスには血が飛び散り、式場は大混乱でウェディングケーキも滅茶苦茶。新郎はショック状態。医者も駆けつけた。しかし、意外や意外、新郎新婦は地獄から這い上がりパッピーエンドに。
 それにしても、両家の親たちや招待客は、呆れて帰らずに、ふたりを見守るのは偉いが、興味津々の傍観者とも言える。
 式場で演奏する楽隊の音が、ロマのブラスバンドのように聴こえて、グッド!


オリジナル・タイトル:Relatos salvajes
監督・脚本:ダミアン・ジフロン|アルゼンチン・スペイン合作|2014年|122分|
撮影:ハヴィエル・ジュリア
出演:一話:飛行機の乗客・イサベル(マリーア・マルル)|飛行機の乗客で音楽評論家・サルガド(ダリオ・グランディネッティ)|二話:ウェイトレス(フリエタ・ジルベルベルグ)|女料理人(リタ・コルテセ)|レストランの客・クエンカ(セサル・ボルドン)|三話:新車で飛ばしていた男・ディエゴ(レオナルド・スバラーリャ)|ディエゴにちょっかいを掛けたのはこの男・マリオ(ワルテル・ドナード)|四話:ビル爆破解体職人・シモン(リカルド・ダリン)|その妻・ビクトリア・マラムド(ナンシー・ドゥプラア)|五話:大金持ちの父親・マウリシオ(オスカル・マルティネス)|マウリシオ付きの弁護士(オスマル・ヌニェス)|マウリシオ家の庭師・ホセ(ヘルマン・デ・シルバ)|検察官(ディエゴ・ベラスケス)|六話:花嫁・ロミーナ(エリカ・リバス)|花婿・アリエル(ディエゴ・ヘンティレ)|


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