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映画 悲しみのミルク

監督:クラウディア・リョサ|2009|ペルー | 原題:La teta asustada  The Milk of Sorrow

メイン1960年代の度重なる軍事クーデター、その中の68年クーデターで政権を取ったべラスコ政権は地主層を解体したが以後、農村地帯では地方権力が無い非常に不安定な状況が出現し各地でゲリラが勢力を付けていった。軍部はゲリラ討伐するが同時に農民の死者も多かった。そういう時代を生き体験した母はひとり娘に幼い頃から過度とも思えるくらいに女の生き方を、レイプに対する防御法を歌に託して伝え続けた。男は危険、世の中も危険と頭に叩き込まれた娘は、母の死後、身寄りもなく一人立ちするが臆病な立ち振る舞い。母の遺体を母の生まれた村に埋葬したいが金がなく、白人女性音楽家の洋館でメイドをする。静かな映画である。主人公の女優のまなざしが映画を支える。フィルメックスが選んだ映画、静かな田舎の映画というあたりで酔える人は満足する映画だろう。
おばあ


はなうーん、娘の純粋さがあまりに誇張されていて違和感がある。館に住む音楽家の女の、神経過敏なピアニストぶりがステレオタイプだ。そもそも話と、その展開が中途半端で結末も取って付けた感がいなめない。
下の写真にあるシーン、真珠のネックレスが壊れ真珠が散らばる、それを拾う主のピアニストと手伝う娘。娘がささやくように口ずさむフォークロア風即興歌に関心を持つピアニスト、貧富格差が激しくある女同士の関係がどう展開するのか、、、と思わせるが展開しない。母の遺体を運ぶため、長距離乗り合いバスの窓口で掛け合ったりするがこれもここで終わってしまう。うーん、、、例えば何か突拍子もない運び方を浮世離れした女だからこそ考え付く・・のかとも思った・・・が思い過ごしだった。こんなシーンを捉えて、喜劇的要素を若干含ませても良かったんじゃないかって感じが個人的にする。(逸話が映画を引き締めるかも)
村の結婚式のシーンが何ヵ所かに挿入されている。ここに少々コミカルな要素が見受けられるが、結婚式シーン自体はストーリーに絡んでこない。だが、音楽が良かった。集団結婚式シーンで流れる音楽、そして右の写真の結婚式シーンで流れる音楽、共に後ろに引きずるような元気なリズム、ペラペラでヒョロヒョロなリードギター、ペルーポップスらしい、特に後の曲が気に入った。ハイチのポップスに似てる。
式



真珠
ペルーの民族構成はメスティーソ45%(インディオと白人の混血)、先住民インディオ37%、ヨーロッパ系ペルー人15%、その他が3%と多様な人種から構成されている。その他とはアフリカ系ペルー人(奴隷の子孫)、中国系ペルー人(クーリーの子孫華人)と日系をはじめとするアジア系ペルー人など。
映画のピアニストは15%のヨーロッパ系白人、主人公の母は37%の先住民インディオの顔だ、主人公の娘は45%のメスティーソ。



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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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