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台湾映画 「マンダレーへの道」  ~第17回東京フィルメックス上映作品

 第17回東京フィルメックスで上映された作品について、順次書いて行きます。今日はその第2回。
 本作は台湾製作の映画ですが、内容は漢民族系ミャンマー人の話です。
 なお、上映作品の「まとめ」記事は、こちらです。

「マンダレーへの道」  再見瓦城|The Road to Mandalay|台湾、ミャンマー、フランス、ドイツ|2016|108分|
 監督:ミディ・ジー (Midi Z)
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 ミャンマー連邦共和国(旧ビルマ連邦)には漢民族もいる。監督もその1人で、このストーリーは、彼の兄姉がかつて隣国タイへ違法に入国し、不法滞在し働いた(不法就労)経験をもとに描かれている。(監督は現在台湾で映画製作をしている)

 ミャンマーからタイに来た男女のラブストーリーと別れを描く作品。
 映画は主人公の女性・リャンチンが、不法入国を斡旋する人びとの案内で、密かにタイへ越境するところから始まる。
 そしてリャンチンは、バンコクで働いている知り合いの女性達が住むアパートへ転がり込む。不法入国した彼女たちは、パスポートも労働許可証も持ってはいない。許可証を持っていないと基本、どこも雇ってはくれない。
 知り合いの女性が越境した頃には、労働許可証が無くても、比較的いい職場(企業)で働けたが、その後、タイ政府は近隣諸国からの不法入国者の不法就労に対する規制を厳しくした。リャンチンは、その知り合いの女性の紹介で幾つかの就職先を回ったが、結局、リャンチンは街場の食堂で皿洗いのくちを得た。働ける職場は限られている。当然、労働条件や給料のことを言っても始まらない。少額でも、親へ送金できる。実家はそれでも大いに助かるのである。

0_20161127130458e5e.jpg その頃、グオがリャンチンを訪ねて来た。彼は、リャンチンが幾人かと共に越境した時のひとりであった。彼はその時からリャンチンに好意を寄せていた。グオにはタイで生活している姉がいて、だから彼のタイでの生活基盤は安定しているし、また就労に関する知恵もあった。
 そんなことでグオは既に郊外の大きな工場で働いている。彼はリャンチンに、「工場は、こんな食堂より給料がいい、残業代も出るし労働許可証が無くても大丈夫」と言って、半ば嫌がるリャンチンを説得した。(彼女は都会で働きたい)
 その工場では多くの不法滞在者が働いていた。確かに不法滞在者が働く先としては良いとは言え、長時間労働を強いられる厳しい職場であった。

 リャンチンは不満であった。それは労働の厳しさではなく、リャンチンはやはり都会の企業で働きたいという思いが消えなかった。今度はリャンチンが彼を説得し、不法滞在の仲間から聞いた労働許可証発行のブローカーの話に乗った。しかし、発行された許可書はどこにも通用しないまったくのニセモノだった。

 この頃からリャンチンとグオは疎遠になって行く。グオは工場で貯めた金を持ってミャンマーに帰国し故郷で商売をしたい。一緒に帰って結婚しようと言う。一方、リャンチンは台湾で働く夢を抱き始めていた。
 彼女は今度はパスポート発行ブローカーと接触し、パスポートを得る。盗まれたパスポートをもとに、パスポート再発行という役所での手続きで、他人に成りすましパスポートを得る手法。当然、ブローカーは担当役人と組んでの仕事だ。
 しかし、パスポート発行には大金が要る。彼女は高級ホテルで身を売り金を得る。
 そしてラスト。彼女が寝ている部屋にグオが忍び込む。思い詰めた彼は、リャンチンの前で自殺してしまう。
 
 ラストがいささか突飛。総じて悪くはないのですが、話を次へ次へと展開させようとする脚本が消化不良気味で人物描写が弱いのが残念。
 アピチャッポン・ウィーラセタクン監督のタイ映画 「ブリスフリー・ユアーズ」 (2002年)に、不法にミャンマーから越境してきた男とタイ女性とのラブストーリーがある。ここでも労働許可証を得るために苦労する話が出てくる。
 「ブリスフリー・ユアーズ」の記事はこちらからお読みください。

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