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日本映画 「仁光の受難」  監督:庭月野議啓  ~第17回東京フィルメックス上映作品

 第17回東京フィルメックスで上映された作品について、順次書いて行きます。今日はその第6回です。
 いい映画です!
 なお、上映作品の「まとめ」記事は、こちらです。

「仁光の受難」  Suffering of Ninko|日本|2016|70分|
 監督:庭月野議啓 (NIWATSUKINO Norihiro)
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 これは、いい映画。今年のフィルメックス上映作品中、1、2を争う いい出来の映画。
 とにかく面白いエンターテインメント作品で時代劇、かつ妖怪譚。

 江戸時代の話。ある寺に仁光(辻岡正人)という若い坊主がいた。
 仁光は、寺の坊主達の誰よりも熱心な見習うべき修行僧であった。
 しかし彼には坊主として、ある致命的な欠陥があった。

 この寺の坊主が幾人かの集団となって、近くの町へ托鉢に出かけると、なぜか毎回、町の女は、待ってましたとばかりに仁光を目指して群がってくるのだ。
 (托鉢:僧の修行の1つ。家々を巡り、家の門(かど)に立ち経文を唱え、持った鉢に米や金銭の施しを受ける。)
 群がってくる女は、若いのだけでなく、年配の女もいる。みな争って、仁光の衣の袖を引き、手を握り、頬を撫でる。もちろん、仁光は押し黙ったまま、女達を振り払い避けるのである。決して仁光が自ら誘うのではない。受難(女難)である。
 こんなことで、仁光の噂は遠くの村落まで拡がって行った。
 寺の住職は、仁光に托鉢禁止を言い付けたが、町の女たちは、托鉢に来た坊主たちに仁光が来ない不平不満をぶつけた。
 一方、ひとり境内の掃除をしていた仁光は、境内の林間に幻想を見る。全裸の若い女が仁光を誘うのだった。

 立派な修行僧の仁光とて、はやり男であった。ついに、淫らな妄想が止めどなく心に沸き起こりはじめる。
 ある日彼は、ひとり修行の旅に出た。東海道を西へ上った。そして滝に入って厳しい修行(滝行(たきぎょう))もした。だが、山奥の森で女たちの幻想を見てしまう。街道の町では女が寄ってくる。
 
 仁光はひとりの浪人に出会う。人斬りの快感が忘れられない男だった。ふたりには通底するものがあった。
 そしてふたりは、ある村の頼みで、村の男を誘い精気を吸う山女を、成敗することになるのだが・・・。

 ここら辺で止めておきます。この映画、ぜひ日本での公開を望みます。
 映画には、曼荼羅や広重の絵などを使ったアニメや、一部VFXも挿入され、表現を豊かにしています。これらは、みな監督自らの制作だそうです。
 この「仁光の受難」は自主製作ですが、庄内映画村でも撮影しています。(自主映画、初!)
 クラウドファンディングで資金を集めたそうで、製作費は総額ゼロ3つに至ったとのこと。


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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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