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台湾映画 「台北ストーリー」(旧題名:幼なじみ) 監督:エドワード・ヤン  ~第17回東京フィルメックス上映作品 (特別招待作品 フィルメックス・クラシック)

 第17回東京フィルメックスで上映された作品について、順次書いて行きます。今日はその7回目。 
 今回の映画 「タイペイ・ストーリー」は、1985年製作のエドワード・ヤン監督による映画で、フィルメックスの招待作品です。
 なお、上映作品の「まとめ」記事は、こちらです。

「台北ストーリー」 (幼なじみ)  Taipei Story|青梅竹馬|台湾|1985|120分|
 監督:エドワード・ヤン  (Edward YANG|楊德昌)
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 1985年ごろの台北の街での話。
 その頃、台北では新しい経営がビジネスチャンスを求めて競い合い、また大きな資本を持つ企業は企業買収を進めていた。
 もちろん一方で、家業を継いで昔ながらの商売を続ける人々も多くいた。

 チン(ツァイ・チン)と、ロン(ホウ・シャオシェン)は台北の街中で育った幼なじみ。
 チンは、ビルを手掛ける建築設計事務所にいて、設計技師の社長のもとで、秘書兼マネジャ的な仕事をしている。
 有能なチンは高収入でオシャレな身なりで、独身。実家を離れてマンションで一人住まいをしている。社長はチンに好意を抱いていて、彼女もまんざらではない。
 しかし、ある会社がこの事務所を買収することになる。この会社はチンに継続雇用の意向を示し、新たに秘書の仕事を勧めたが、チンはきっぱり断った。

 一方、ロンは古くからの問屋街にある布問屋の息子。最近までアメリカに行っていた。向こうの台湾人コミュニティでの商談だったのだろう。ロンは若い頃、野球をやっていた。小柄で大人しそうに見えるが腕力がある。ワルな連中とも付き合っている。

 この間、互いにさしたる連絡も取っていなかったふたりが、久方ぶりに会った。幼なじみではあるが、これまで別々の世界に生きて来たふたり、ではあったのだが・・。
 急な失職と、いい勤め先も見つからないチンは情緒不安定で、とりあえず一時、実家に戻っていた。ロンはロンで商売がうまく行かない様子。そして、ふたりは結ばれる。しかし翌日には、互いにそんな仲ではなくなっている。チンとロンのこんな宙ぶらりんな関係がその後も続く。

 自暴自棄気味なチンは、暴走族の若い子たちに交じって遊ぶようになる。そんな折、建築事務所の元社長から、離婚したからという連絡が来た。

 ある夜遅く、チンがマンションに帰ってくると、マンション前に暴走族の1人が彼女の帰宅を待っている。男はチンが好きになったらしい。チンは怖がって帰れず、ロンに助けを求める。
 タクシーで駆けつけたロンは、その男を脅し殴って退散させ、チンは無事に部屋に戻れた。ところが、ロンがタクシーに乗車し帰ろうとすると、暴走族の男がバイクでタクシーについて来る。山間部の暗い道までも、男はまだ執拗について来る。
 ロンはタクシーを降り、その男と取っ組み合うが、ロンは男のナイフで腹部を刺されてしまう。

 深夜、ロンは人けの全くない山の夜道をふらふら歩きだすが、結局、出血多量で意識不明となってしまう。翌朝、ロンは警察に発見され救急車も来たが、救急隊員に急ぐ様子はない。既に死亡しているのだろうか。
 チンに電話が来た。彼女が以前から頼りにしている年配女性からで、あなたに相応しい仕事があるとのこと。チンは言われた場所に行ったが、そこは内装前のビルの広い一画だった。
 「ここが新しく立ち上げる会社のオフィスになるのよ。」 その会社とは、そう言うその女性が社長となって起業する、IT系の会社だそうだ。そんな話を聞き流しながら、チンは窓の外をぼんやり眺めているのであった。

 この映画に出てくる幾つかのエピソードも含め、どのストーリーもメリハリがない。中途半端さを拭えない。時代の変わり目の、真っただ中に生きるとは、案外そういうことなのかもしれない。

 上映時間:110分|
 脚本:エドワード・ヤン、チュー・ティエンウェン、ホウ・シャオシェン|撮影:ヤン・ウェイハン|
 出演:ホウ・シャオシエン|ツァイ・チン|ウー・ニェンツェン|クー・イーチェン|ほか

 【エドワード・ヤン監督の映画】 これまでに取り上げた作品です。タイトル名をクリックして記事をお読みください。

 「牯嶺街少年殺人事件」(クーリンチェ少年殺人事件)(1991年)、 「ヤンヤン 夏の想い出」(2000年)

 【ホウ・シャオシェン監督の映画】

 「憂鬱な楽園」(1996年)、 「童年往事 時の流れ」(1985年)、 「冬冬の夏休み」(1984年)、 「風櫃の少年」(1984年) 

【 一夜一話の 歩き方 】

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