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イラン映画 「ザーヤンデルードの夜」 監督:モフセン・マフマルバフ  ~第17回東京フィルメックス上映作品(特別招待作品 フィルメックス・クラシック)

 第17回東京フィルメックスで上映された作品について、順次書いて行きます。今日はその9回目です。
 本作品は1990年に発表されたもので、フィルメックスの招待作品です。
 なお、上映作品の「まとめ」記事は、こちらです。

「ザーヤンデルードの夜」  The Nights of Zayandehrood|イラン|2016|63分|
 監督:モフセン・マフマルバフ(Mohsen MAKHMALBAF)
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 1979年のイラン革命(イスラム革命)の直前直後を描く映画。
 革命は、他国勢力の影響下ではなく、イラン人民による革命で、かつ、結果イスラムの力によるものであった。
 その後、イスラム政権による国家運営となって、イスラム教下での女性差別、自由主義者や左翼、非イスラム教者への弾圧が行われた。
 
 映画に登場する大学教授は自由主義思想の人で、慎重に言葉を選びながらも、聴く者によってはラディカルな講義をしていて、学生からは一定の支持があった。しかし、革命が始まる前夜の頃から、彼をあからさまに非難する学生が増えて行った。そしてついに、彼らによって講義は妨害される。
 ある夜、教授は妻と連れだって歩いている所へ一台の車が突っ込み、走り去った。妻は死亡し、教授は車椅子の生活となってしまう。あれは事故だったのだろうか。
 教授にはひとり娘がいて、彼女は救急病棟で看護師として働いている。運ばれてくる患者の多くは、薬による自殺未遂だ。その中の一人の男が彼女を好きになる。映画は、この男を登場させて、革命前後ころの社会的弱者を描いている。
 一方、かつて彼女から離れて行った元彼が離婚し、彼女の前に再び現れる。二人の男からの求愛に彼女は悩むのであった。(この結婚相手のことに教授は父親として娘に介入する。) 革命後、教授は大学に復帰し、あらたに講義を始めるのであった。

 監督は当時、革命に加わったとのことだが、その後の経緯と現状の中で、監督は大きな戸惑いを感じ続けているのだろう。
 この映画は本来、100分の尺があったらしいが、25分の検閲カットののち、1990年にテヘランで初上映。その後、上映禁止、ネガ没収となった。近年失われていたネガの一部が発見、修復され今に至る(2016年に修復版公開)。本作の上映時間は63分だから、100分のうち37分が消えてしまった作品。だから、映画の語ることが、正直イマイチ分からない。
 消えてしまったシーンが語る内容は、この映画の中の教授が、革命前に講義した内容と重なっているように思える。

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