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韓国映画 「恋物語」  ~第17回東京フィルメックス上映作品

 第17回東京フィルメックスで上映された作品について、順次書いて行きます。今日はその第10回目です。
 いい映画です。
 なお、上映作品の「まとめ」記事は、こちらです。

「恋物語」  Our Love Story|韓国|2015|99分|
 監督:イ・ヒョンジュ (LEE Hyun-ju)

ユンジュと、右がジス
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ユンジュと、男友達
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 今年のフィルメックス上映作の中で、とても良い印象が残る、いい映画。
 「Our Love Story」とは、女性同士のLove Story。だから不快に思う向きは、この時点で脱落してしまうが、とてもうまく描けているLove Storyです。女性監督ならではの、心のこもった きめ細やかな描写。しかも、監督の長編第1作なのだから驚く。
 
 ユンジュと言う名の美大生と、ジスという女性とが、ソウルの街で出会い、恋をする。
 ユンジュにとって、これは初恋であり同時に初めての女性との関係であった。かつ、愛することの喜びを初めて知る。

 ユンジュは人付き合いのいい子で、大学の同僚男子にも、以前からの知り合いの男子にも好かれている。この以前からの男子は小説家の卵で、彼が結婚する前からの知り合い。彼は、プサンで相手と離婚しソウルに舞い戻り、ユンジュに会いに来る。だがユンジュはこれまで、男子から「好かれている」それ以上のことに発展したことはなかった。
 もちろん、ユンジュはジスとの愛を周囲に話すことはないが、唯一、小説家の卵の彼には、すなおに話せた。

 ジスが遠い田舎に帰郷することとなった。母を亡くして、父親をひとりにして置けなくなったからだ。
 娘を待ちわびていた父親は、中断していたいいなずけの男との交際を再度ジスに勧める。しかし、ジスは本音を言えない。
 
 ユンジュはジスが帰郷したあと、彼女の事がひと時も頭から離れず、卒業制作のオブジェ創作は進まないどころか、制作を放棄してしまう。よって、キャンパスにも行かなくなる。ジスへの思いが募るユンジュは、ついにジスの実家へ行くことにした。
 しかし、ジスはユンジュを冷たく扱う。それは、父親の前だから、実家の周囲の目を気にするから、さらには父親が願う結婚のことも考えるからか・・・。

 いつしか、ふたりは疎遠になって行く。距離の問題もある、それぞれ自身の抱える問題もある。愛の炎は消えかかっている。
 その後、ジスがソウルに出てきてユンジュに会いに来る。今度はユンジュの態度が冷たくみえる。平静を装おうとするジスは、ユンジュにしがみつく。
 さあ、これからのふたりに、どんな明日があるのだろうか・・・。
 映画は、陰のあるハッピーエンドを迎えます。

 なかなか言葉にできないような細やかさが、この映画にあります。イ・ヒョンジュ監督の素晴らしさです。ユンジュとジスの揺らぐ心の機微を上手にすくい上げています。また、脚本への緻密な配慮もうかがえます。是非、公開してほしい映画です。

【若手女性監督の、いい映画】  これまでに記事にした作品からです。 
 次のどちらの映画も、繊細で美しい。この「恋物語」と通底するテイストがあります。題名をクリックしてお読みください。 

 記憶が私を見る」 監督:ソン・ファン[製作:ジャ・ジャンクー] (2012年中国映画)
 理髪店の娘」  監督:シャーロット・リム (2009年マレーシア映画)
 

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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