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一夜一話の “ 今日はサンバの詩人だよ。 ” カルトーラ

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 今日の一枚は、サンバのシンガーソングライター、カルトーラだよ。(1908 - 1980)
 サンバといえば、サンバ・カーニバルの派手さを思い浮かべる向きもあろうが、カルトーラは詩人だ。

 このライブアルバムは、カルトーラのファンが集まって、彼を温かく包み込んでいる様子が目に浮かぶ。
 カルトーラの声は、ややかすれて美声ではないが、スラーの旋律では、その声が柔らかく伸びる。
 歌は巧くはない。しかし、彼が作り出す、物悲しくも美しい哀愁のメロディー、それはサウダージ、これがなんとも素晴らしい!につきる。
 一度、いいなと思うと、たぶん、病み付きになる。

 伴奏は、主にマンドリンが旋律を、ギターの5弦6弦が低域を担い、カヴァキーニョがリズムを刻む。(カヴァキーニョはウクレレのような形のブラジルの弦楽器)
 ここで重要なことは、このアルバムの全曲がバラードのように聴こえるが、注意して聴くと、実はゆったりした「サンバ」なのだ。つまり、カルトーラは、「サンバ」の作曲家であり同時に詩人なのだ。
 タメ(溜め)をきかせたギターの低音フレーズが、何とも言えぬ心地良いサンバのノリを作りだし、他の楽器のコード・カッティングがリズムを華やかにしている。よって、サウダージな歌を聴きながらも、からだの方はリズムを感じて自然と揺れはじめる。 
 このライブは1978年、その2年後、彼はサウダージを残して他界した。

2-50.png 同じくカルトーラのこちらのアルバム「Pranto de Poeta」は、いろんなパーカッションが楽しく入り、バックコーラスもついたスタジオ録音。
 誰が聴いても、サンバなアルバムです。そういう意味では、上のアルバムより分かりやすいかもしれないが、サウダージ感は薄まる。
 「愛するマンゲイラ」「わが人生の冬」の2曲が、両アルバムに入っている。(下記収録曲リスト中、※印)
 聴き比べてみると、上のアルバム「ライブ」では、どちらの曲もバラード曲のように聴こえるけれど、やっぱりサンバだ、と分かる。
 
 カルトーラの歌は、映画でも取り上げている。
 ブラジル映画 「セントラル・ステーション」(1998年)のラストで、また、同じくブラジル映画 「リオ、アイラブユー」(2013年)でも聴ける。(それぞれの映画記事は、題名をクリックしてお読みください) 

カルトーラ:「ライブ」  1978年録音  ディスク・ユニオン REMMI-1774 (RUI MIFUNE)
CARTOLA:「LIVE」

1. Alvorada (夜明け)   (Cartola - Carlos Cachaça - Hermínio B. de Carvalho)
2. O mundo é um moinho (人生は風車)   (Cartola)
3. Sim (そうさ)   (Cartola - Oswaldo Martins)
4. Acontece (アコンテセ)   (Cartola)
5. Amor proibido (禁じられた愛)   (Cartola)
6. As rosas não falam (沈黙のバラ)   (Cartola)
7. Verde que te quero rosa (愛するマンゲイラ)   (Cartola - Dalmo Castelo)
8. Peito vazio (からっぽな心)   (Cartola, Elton Medeiros)
9. Alegria (歓び)   (Cartola)
10. O inverno do meu tempo (わが人生の冬)   (Cartola - Roberto Nascimento)
11. O sol nascerá (日は昇る)   (Cartola - Elton Medeiros)

CARTOLA:「Pranto de Poeta」  1978 - 1979年録音

1 - Autonomia      2:41 (Angenor de Oliveira (Cartola))
2 - Nós dois   2:40 (Angenor de Oliveira (Cartola))
3 - O inverno do meu tempo (わが人生の冬)    2:40 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Roberto Nascimento)
4 - Grande Deus    3:10 (Angenor de Oliveira (Cartola))
5 - Ciência e arte   3:05 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Carlos Cachaça))
6 - Tempos idos    3:38 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Carlos Cachaça))
7 - Pranto de poeta      3:32 (Guilherme de Brito - Nelson Cavaquinho)
8 - Fita meus olhos      2:47 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Osvaldo Caetano Vasques (Baiaco))
9 - Verde que te quero rosa (愛するマンゲイラ)    3:13 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Dalmo Castelo)
10 - A mesma estória     2:49 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Elton Medeiros)
11 - Fim de estrada       2:16 (Angenor de Oliveira (Cartola))
12 - Que é feito de você       2:50 (Angenor de Oliveira (Cartola))
13 - Silêncio de um cipreste     2:45 (Angenor de Oliveira (Cartola) - Carlos Cachaça)
14 - Bem feito      2:27 (Angenor de Oliveira (Cartola))

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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