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映画 「変魚路」   監督:高嶺剛

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ミサイラーと、白髪の山の神と、イフェ―パタイジョーのオブジェ(守り神?)


 唐の世が大和の世になって、大和の世がアメリカ世に、アメリカ世が大和の世に・・・
 という歌が、三線一本で歌われて映画が始まります。

 高嶺剛監督の映画は、これまでに、「パラダイスビュー」(1985)と「ウンタマギルー」(1989)を取りあげてきました。(下線部をクリックして過去記事をお読みください)
 どちらの映画も、沖縄の地と文化にしっかりと根差す映画で、沖縄のいにしえをモチーフに取り入れ、かつウチナーグチのセリフでした。
 この「変魚路」も、その路線は変わりありません。しかし、お話の様相は変わった風に思えます。
 ひとつは、現在未来よりも、しきりに過去を振り返るようなシーンがあります。それは、沖縄の良きいにしえを今も継承すると言う風じゃなく、主人公たちの少年時代の古い写真(敗戦直後の頃か)が何度も映し出されます。回顧の念でしょうか。
 もうひとつは、登場人物の多くが年配者たち(出演者たちが老いました)で、若い人の愛といったことは出てきません。
 一方、そうした事と釣り合いを取ろうとするかのように、映画表現は過激になっています。
 沖縄芝居(大衆演劇)や沖縄の民話のイメージを背景にしながらも、突拍子もない調子はずれなシーンが前後の脈略なく現れ、かつ、それらをコラージュした表現が多く出てきます。もちろん可笑しなユルいシーンもあります。


3_201701311231263fc.jpg 監督(1948- )が老いたのでしょうか? 総じて映画の角が丸くなりました。怒りが遠のいた。もっとはっきり言えば、何やら、世に対する「あきらめ」とでもいうようなものが感じ取れます。
 映画表現はハチャメチャではありますが、穏やかなお話でした。
 「パラダイスビュー」や「ウンタマギルー」が良かったと思う方は、「変魚路」を難解な映画と思わず観てください。


監督・脚本:高嶺剛|2016年|82分|
撮影:高木駿一、平田守|
音楽:坂田明|ヨハン・バットリング|ポール・ニルセン・ラブ|大城美佐子|大工哲弘|嘉手苅林昌|CONDITION GREEN|北村三郎|
出演:平良進(タルガニ)|北村三郎(パパジョー)|大城美佐子(カメ)|川満勝弘(ミサイラー)|ほか


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