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映画 「ガールフレンド・エクスペリエンス」   監督:スティーヴン・ソダーバーグ

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 話の舞台は、ニューヨーク、マンハッタン。
 二十歳そこそこの若い女性チェルシーは、マンハッタンで一二を争う最高級のデリヘル嬢。
 電話で依頼主の自宅や宿泊先ホテルへ呼び出されて売春に応じる出張ヘルス。

 何が最高級かと言えば、1時間2,000ドル。(20万~22万円くらい)
 レストランやバーで、あたかも彼女と、のようにデートする時間や、そのあとの一晩、朝までの時間、その合計が8時間とすれば、16,000ドル、ざっと160~180万円くらい。現金決済。封筒の中には、いつも分厚い札束。
 客層は、当然、ウォール街のビジネスエリートや、個人でなにやら金儲けしている連中。映画では30~40代くらいの男が多い。
 自宅に呼ばれる場合、その自宅とはマンハッタンの高級マンション、客は一人住まいだ。

 チェルシーは、客の居る場所へ運転手つきの高級車で出かける。
 売春斡旋組織に属さず、フリーでやっている。ウェブ上に自身のサイトを公開し、宣伝に抜かりはない。彼女はビジネスをしている。
 空いた時間は、高級ブティックで服や靴や下着を買う。隙のないファッションに身を包む。 
 そんなチェルシーが気を許せる相手は、一緒に暮らして2年足らずの彼氏クリスと、一人の女友達。

 この映画、チェルシーとその行動に注目しがちだが、実はもうひとつの側面も描いている。
 それは、マンハッタンのビジネスエリートな男たちの、ありのままの生態だ。チェルシーという鏡に映しだされる男たち。
 なかには疲れた風の男がいる、仕事の話を一方的に語る男がいる。そんな彼らはチェルシーと会って精神的な安定を得る。映画は、彼らに対して、少々、憐れみや愚かさを感じている。

 本作の語り口はドキュメンタリーっぽい。物語性はあまりない。5日間のチェルシーの行動を追うかたち。
 あるシーンの途中に他のシーンが挿入される、交互にシーンが入れ替わる、そんなシーン操作(インターカット)も多い。だから、余計にお話に入り込めないかもしれない。だが、監督は意識的にそうしている。ただし、実験映画じゃない。そこんところが本作の見どころです。
 お話、つまり、いかにもの「作り話」に付き合うのに飽いた観客にとっては、さらりとしたいい映画。
 例えだが、スルメは舐めたくらいじゃ味はしないが、噛んでるうちに美味を感じる。本作も、観たあとに、ジワーッとクールな味を感じ得はじめたなら、しめたもの。

 時は、リーマン・ショック直後、大統領選でオバマ氏が一般投票勝利の頃。あの時代を描写した映画でもあります。

オリジナルタイトル:The Girlfriend Experience
監督:スティーヴン・ソダーバーグ|アメリカ|2009年|77分|
脚本 ブライアン・コペルマン 、 デイヴィッド・レヴィーン|撮影 スティーヴン・ソダーバーグ|
出演:チェルシー (サーシャ・グレイ)|クリス(クリス・サントス)|インタビュアー(マーク・ジェイコブソン)|エロティック鑑定家(グレン・ケニー)|ティム(ティモシー・デイヴィス)|デヴィッド (デイヴィッド・レヴィーン)|フィリップ(フィリップ・アイタン)|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
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