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映画 「君と歩こう」  監督:石井裕也

上
田舎を出るノリオと明美先生。2人の明るい駆け落ちが始まった。

 田舎に住む、34歳の独身女性教師と高校生男子との駆け落ち喜劇話。

 映画は、よくある話の人物設定を否定してみせる。
 つまり、34歳男性教師が若い女子高校生と駆け落ちするのではなく、だ。
 また、その愛は極端に淡い。
 キスさえなく男子は童貞のまま、よくある男女の愛には程遠く、とりあえず切羽つまった駆け落ちでもない。

 そして話の筋は、基本、喜劇だが、奇妙で突飛で写実的じゃない。
 しかし一方で、どうしようもなく現実的でもあり、このふたつの要素がまだらに入り混じるところが、監督の喜劇なんだろう。

 大きく欠けてしまった心を抱く者同士、ノリオと明美。ふたりは自身のそれを言わない。
 だからこそ、優しい。 これは愛?

1-0 教師の明美(目黒真希)は、高校生のノリオ(森岡龍)に対し、自分は駆け落ちのプロだという。
 その日、ノリオは明美にせかされ、住み慣れた田舎を後に、ふたりは東京へ出た。

 まずは、ふたりはそれぞれの携帯電話を渋谷川に捨てる。
 そして、日当たりのいい部屋を借りた。明美はノリオに言う。
 「私はお金持ちなの。前々から言ってるとおり、ノリオは勉強して弁護士になるの。勉強しなさい。」 「はい先生」
 
 明美:「How are you?」 明美はいつもノリオに、こう問いかけるが、
 ノリオ:「ア、アム、アム・・・」
 明美:「I'm fine thank you. and you? でしょう」
 ノリオは覚えが悪い。

 話が進むうちにわかること。
 ノリオの両親はそろって自殺した。
 ノリオと明美の出会いは、両親の自殺のその直後、後追い自殺しようと、ノリオが首つりしている、「その最中」に、明美先生が家庭訪問に訪れたのだった。
 その後、ノリオはひとりで自宅に住み続けるが、家はゴミ屋敷になっていた。

 さて、明美とノリオの話に、サブストーリーが3つ絡んで、明美とノリオの東京生活が明らかになって行く。
 サブの話のひとつは、高校生同士(吉谷彩子、前野朋哉)の恋愛で女子が妊娠。この女子がカラオケ屋でバイトをしていて、この店で明美先生もノリオに内緒でバイトを始めるが、ノリオの前では要領がいい先生は意外にも、役立たず・・。さらには、そんな様子をノリオが見てしまう。
 一方、この女子高生を気遣うノリオを遠目に目撃した明美先生は、ノリオが浮気していると嫉妬する。
 結局、駆け落ちのプロ・明美先生は、このカップルを駆け落ちさせようと奮闘することに。
 次ぎのサブストーリーは、ノリオが偶然出会った謎の女性・康代(勝俣幸子)に、ノリオは公園の多目的トイレで童貞を奪われる。
 三つ目は、両親がいない野球ファン少年・安太郎(渡部駿太)がノリオに出会う話。

 そして、こんな何やかにやがあった、3年後。
 田舎を出たはずのノリオは、田舎の自宅に戻っていた。
 そしてある日、ノリオは畑の中のバス停で、バスを降りたばかりの、明美先生を発見する。
 明美はノリオに、笑顔を返すのであった。

下2監督・脚本:石井裕也|2009年|90分|
撮影:高木風太|
出演:田中明美(目黒真希)|佐伯ノリオ(森岡龍)|女子高生・一瀬メグミ(吉谷彩子)|男子高生・竹友(前野朋哉)|野球好きな安太郎(渡部駿太)|謎な女・康代(勝俣幸子)|ノリオの同級生のひとり・康隆(中村無何有)|ほか

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