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映画「あらくれ」(1957) 主演:高峰秀子 監督:成瀬巳喜男

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 明治に生まれ、大正の時代を生きる女、お島(高峰秀子)の話。

1-0_20171112165819fbe.jpg お島は「あらくれ」な女、世間・風習に逆らって荒々しく振る舞い生きる女だと映画は言う。
 夫に盾突き、取っ組み合いの夫婦喧嘩をしたり、夫の浮気相手の女と組んずほぐれつの格闘をする。そして大抵、お島は勝つ。
 たしかに時として、お島は乱暴を働く女だが、果たして「あらくれ」な女だろうか。
  
 お島は、養女として育てられた。
 年ごろになった頃、養子先の家が一方的に決めた縁談を嫌い、祝言当日にお島はその家を飛び出した。
 そののち東京に出て、病で妻を亡くした缶詰屋の鶴さん(上原謙)と結婚。だが鶴さんの浮気が続き、夫婦仲は破綻、ついに離婚。

 離婚したはいいが、世間にお島の居場所はない。
 実家を出たきりの実兄を頼って、お島は見知らぬその地へ行くが、そこの旅館の女将に金を借りた兄が行方不明になる。お島は、仕方なく、その旅館の女中として働き始めた。

 旅館の若旦那、浜屋(森雅之)の妻は病弱で、静養のため実家にいた。そんなことで若旦那はお島に恋してしまう。
 やがて妻の身体が回復し実家から妻が帰って来る。板挟みになった若旦那は、お島を妾にして関係を続けようとするが、お島はこれを嫌い、再び東京へ出た。

2-0 縫製の店で働き始めたお島は、職場の男、小野田(加東大介)と所帯を持ち、洋服仕立て屋を始める。
 しかし、一緒になってお島は小野田に商才が無いことに気付き始める。そのうえ小野田は、女(三浦光子)とねんごろになり、家まで持たせる始末。
 業を煮やしたお島は、店の若い職人(仲代達矢)と小僧を連れて温泉地へ出かけた。それは、3人で新しく店を開こうという相談のためであった。

 
 たしかに、お島は男勝りで才覚がある。
 一方、登場する男たちは皆、器が小さく、お島が抵抗しようとすると、世間体を持ち出し、女を見くだす態度をとる。
 映画は、そんな男尊女卑がまかり通る時代に生きる女の自活を描こうとしている。

 がしかし、観終わってみれば、高峰秀子の演技は印象に残るが、男たちの人物像がどれも紋切り型で、結果、相対するお島の人物像も平板になってみえる。よって作品としてはいささか凡庸な印象だ。
 本作は原作と趣が少々違うかも知れない。

監督:成瀬巳喜男|1957年|121分|
原作:徳田秋声『あらくれ』1915年(大正4年)|脚色:水木洋子|撮影:玉井正夫|
出演:お島(高峰秀子)|缶詰屋の主・鶴さん(上原謙)|田舎の旅館の若旦那・浜屋(森雅之)|洋服の仕立て職人・小野田(加東大介)|お島の実父(東野英治郎)|お島の実母(岸輝子)|お島の兄・壮太郎(宮口精二)|お島の姉・おすず(中北千枝子)|お島の養父・喜助(坂本武)|お島の養母・おとら(本間文子)|作太郎(谷晃)|植源の隠居(林幹)|植源の隠居の息子・房吉(田中春男)|鶴さんの幼なじみで小野田の女になった女・おゆう(三浦光子)|浜屋の妻・お君(千石規子)|精米所の主人(志村喬)|お島の伯母(沢村貞子)|お島の店の職人・木村(仲代達矢)|ほか

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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