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中国映画「相愛相親」,「天使は白をまとう」,「氷の下」 ~第18回東京フィルメックス上映作品

これら3作品の中では、「相愛相親」がいい出来です。

『相愛相親』   Love Education|相愛相親|【特別招待作品】
中国、台湾|2017|120分|監督・主演:シルヴィア・チャン(Sylvia CHANG)|
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 女性監督(兼主演)によるホームドラマ、女性目線の映画です。
 喜劇的な場面があり、女性観客の間から時折クスクス笑いが聞こえました。
 また、シーンの切り返しに独特のリズムがあって、これが心地良い印象を与えています。 

 中年の主人公が母親の遺骨を、父親が眠る故郷の墓に埋葬しようとするが、故郷に住む父親の先妻に断固反対される話です。

 父親はその昔、先妻を故郷に残し出稼ぎに出た切り、故郷へ帰らず、都会で知り合った女性と結婚。この女性が主人公の母親でした。
 この間永い間、先妻は夫が帰って来るのを辛抱強く待ちました。そして遺骨となって帰って来てからは墓守をして来たわけです。だから故郷の村人たちは先妻の肩を持ちます。

 こんな筋書きを飾るエピソードが三つ。
 ひとつが、埋葬騒動を番組ネタにしようとするテレビ局。
 ふたつめは、主人公の娘。娘は当初、この内輪もめを客観視していましたが、そのうちに、孤独に生きる先妻に興味を持ち始め彼女に近づいていきます。
 もうひとつは、主人公の夫。尻に敷かれても、おっとりした夫。この俳優、いい味を出していますが俳優ではない。
 (本業は映画監督で名はティエン・チュアンチュアン。「青い凧」「ジャスミンの花開く」「ルアンの歌」「五月の恋」などで知られる人物)
 もちろん主人公を演ずる監督のシルヴィア・チャンもいいですね。

 ちなみに映画に出てくるシーンですが。
 TSUTAYAがやっている書店を中心にした生活提案型の店舗のような店、あちらの新幹線、モダンなマンションの部屋などなど、どれも日本と変わらない。いわゆる中国っぽいと思えるシーンは、先妻の住む古風な家屋くらいでしょうか。
 映画は、現代の中国の都会に住む家族の様子がよくわかります。
写真
娘は彼氏と家出し先妻の家へ。
彼氏はミュージシャン。
写真
その昔は夫が好きだった。
そんなことさえ忘れていた妻。

『天使は白をまとう』   Angels Wear White|嘉年華|【特別招待作品】
中国|2017|107分|監督:ヴィヴィアン・チュウ(Vivian QU)|
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 ふたりの少女が主人公のお話です。
 家出をし各地を転々としたのち、この海辺のリゾート地へ流れ着いた16歳の少女(左写真)。
 彼女は小さな(ラブ)ホテルで住み込みの従業員をしている。

 もうひとりは、私立名門校の小学生の女の子。母親と二人住まいだが、母は娘の面倒を見ない女。
 この子は同級生と一緒に、地元の名士に誘われホテルで一泊し援助交際をしたが、16歳の従業員が従業員としてこのことを目撃する。

 のちにこれが発覚し事件となり、地元警察が動き出して、小学生の少女二人は親同伴で病院にて検査を受けることになる。
 名士関係者やホテルのオーナーはもみ消しを図るが、噂は広がる。
 名士は少女の親に金で働きかける。今後の教育費の面倒をみると。
 ついに警察も名士の味方をする。事件は無かったことになってしまう。そして少女たちは・・。

 脚本が練れていない。物語を巧く物語れていないのだ。
 また、二人の少女の心の様子が描き切れていない。俳優のだんまりだけでは伝わらない。ただし、小学生役の少女の目つきは、多部未華子のように鋭い。
 根底にある社会批判がぬるいのは、致し方ないか。 
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『氷の下』   The Conformist|氷之下|【コンペティション対象作品】
中国|2017|126分|監督:ツァイ・シャンジュン(CAI Shangjun)|
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 う~ん辛い。

 コワモテ風を狙っているようだが、脚本が空中分解している。
 それを知ってか、126分間、客を飽きさせないようにと、あるいは驚かそうと、次から次へと肩に力が入った映像が出てくる。
 カメラは頑張っていたが、私は映画の終わるのが待ち遠しかった。









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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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