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一夜一話の “今日は日本のポップスだよ” 細野晴臣

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 今日の一枚は、細野晴臣のファーストソロアルバム「HOSONO HOUSE」(1973年)だよ。
 
 細野が加わっていた「はっぴいえんど」というロックバンドの解散後に出されたこのアルバムは、彼がそれまでに温めていた着想がぎっしり詰まっている。
 今、聴いても聴きごたえが十分あるエバーグリーンな素晴らしいアルバムだ。

 サウンドについて言う前に言うことは、歌詞がいい。
 青年・細野個人が日々感じたことが紡がれて、詩になっている。
 この歌詞と相まって、このアルバムのサウンドは、歌謡界やフォークソングシンガー達からは生まれ得ない、日本の新しいポップスのひとつの方向を定めたかに当時見えた。(下記)

 まずは、全曲通して、細野のひょうひょうとしたボーカルに味がある。
 そして、バンドサウンドを支える林達夫のセンスあるドラムが、このアルバムの肝である。
 加えて、「はっぴいえんど」からの朋友・鈴木茂のエレクトリックギターがいぶし銀。
 駒沢裕城のペダル・スティール・ギターも、無くてはならない存在だ。
 まずは聴いてほしい。ビルボードジャパンのサイトで試聴できる。
 http://www.billboard-japan.com/goods/detail/561504

 どれもこれも好きな曲ばかり。
 1曲目「ろっかばいまいべいびい」は、細野の愛するアメリカンオールドタイミーなラブソング。ガットギター弾き語りに自身のベースを重ねているセルフレコーディング。
 2曲目「僕はちょっと」はスローなカントリーロック風。歌詞にある「僕はちょっと黙るつもりです」というフレーズが心に残る。
 3曲目「CHOO CHOO ガタゴト」はなかなか凝ってる曲。鈴木茂のギターフレーズが効いている。歌詞にある「楽隊稼業はこりごり」はたぶん、はっぴーえんどのバンド遠征旅行のことだろう。
 4曲目「終りの季節」は素直な青年細野の詩。自身が吹くメロディオンのわびし気な音が歌詞に沿う。
 5曲目「冬越え」は、ブラスが入ってのノリのいい曲。
 6曲目「パーティー」も凝ってる曲、味わい深いが、どこかコミカル。
 7曲目「福は内 鬼は外」も細野ならではの曲。ほかの誰にも作れない。のちのトロピカル路線を暗示する。
 8曲目「住所不定無職低収入」、これまたノリがいい曲。ブラスがいきる。
 9曲目「恋は桃色」はリリカルな歌詞を乗せての曲。駒沢裕城のペダル・スティール・ギターもリリカル。
 10曲目「薔薇と野獣」、これ、アルバム中、一番の異色。アンニュイな旋律に緩い16ビート。
 11曲目「相合傘」はおまけ。細野がアメリカンポップス大好きと言いたいがため?

 この一枚のアルバムと共有した時間の蓄積を大切にしたいし、得るものがまだあるしこれからも活かしたいな。
 
 上で、日本の新しいポップスのひとつの方向を定めたかに当時見えた、と言ったが、私は中山うりがこれを受け継いでいると思う。

細野晴臣:作詞作曲※、ボーカル、ベース、ギター、フラットマンドリン、メロディオン、カリンバ、ピアノ
松任谷正隆:ピアノ、フェンダーローズ、アコーディオン
鈴木茂:エレクトリックギター
林達夫:ドラム、パーカッション
駒沢裕城:ペダル・スティール・ギター
※但し、次の2曲の歌詞は、「パーティー」by YASUSHI NAKAYAMA,RYOKO SUZUKI、「終わりの季節」by宇野もんど

「HOSONO HOUSE」(1973年)
01.ろっかばいまいべいびい
02.僕は一寸(僕はちょっと)
03.CHOO CHOO ガタゴト
04.終りの季節
05.冬越え
06.パーティー
07.福は内 鬼は外
08.住所不定無職低収入
09.恋は桃色
10.薔薇と野獣
11.相合傘 (インストゥルメンタル)

これまでに掲載したポピュラー音楽の記事は、こちらから
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やまなか
Posted byやまなか

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