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映画「国際市場で逢いましょう」(2014年) 監督:ユン・ジェギュン

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 朝鮮半島に住む人々の親子親戚の強い絆と、生き抜くエネルギーを描く、結末はハッピーエンドなドラマ。
 コミカルなシーンもたくさんある娯楽映画ですが同時に、朝鮮民族が背負った苦難の歴史を通史として見せてくれます。

01-_20180112134526771.jpg 話は、南北の軍事境界線で半島が分断されることになる朝鮮戦争(1950-53)で、北側に住んでいた親子6人の一家が住む場所を追われ、無数の難民の波に飲まれるところから始まる。
 世界を二分する冷戦が朝鮮半島におよぼしたこの戦争は、たまたま北や南に住む庶民にとっては、外国が絡む、降ってわいたような内戦だったのかもしれません。

 とにかく、米軍の軍艦(難民引き揚げ救助船)に、間際で乗船できなかった父親と末の妹とに生き別れとなってしまった母親と子供3人は、釜山に住む父方の叔母の家に落ち着いた。(ここが国際市場と呼ばれる商店街)
02-.png そのころ、釜山の街は米軍兵士がたくさんいて、ちょうど日本の戦後直後の進駐軍によるギブミーチョコレートの様相そのものであった。そして、北から避難した人々は釜山の人々から「アカ」と呼ばれ始める。

 主人公となる、一家の幼い長男・ドクス(ファン・ジョンミン)は、生き別れとなる間際に、父親から「私にかわってお前が家長になるんだ。家長はどんな時でも自分よりも家族のことが優先だ」と、家族の団結と幸せを任されたのであった。

 青年となったドクスはお金を稼ぐため、政府の試験に合格し、西ドイツの炭鉱に炭鉱労働者として2年間派遣される。
 その稼ぎは、家族の生活費はもちろんだが、次男のソウル大学の学費のためでもあった。
 たしかに稼ぎは良かったけれども、ドクスが落盤事故に会うといった危険な仕事でもあった。
 しかし西ドイツの地でドクスにとって見返りもあった。それは、看護師として派遣されていた、のちに妻となる韓国人女性・ヨンジャ(キム・ユンジン)と出会えたことであった。

 (このあたりの史実は下記のKBS WORLD Radio のサイトに掲載の「コリア70年 西ドイツへ向かった韓国の青年たち」に詳しいようです)
 http://world.kbs.co.kr/japanese/program/program_kpanorama_detail.htm?No=10037233

 帰国後ドクスはヨンジャと結婚したが、国際市場で商いをする叔母の店を手伝うも、ドクス一家を養う金は生まれない。
 ドクスはベトナム戦争最中のベトナムへ兵隊としてではなく出稼ぎに行く。(韓国軍のベトナム派兵は1964-72)
 がしかし、現地でドクスは片足を負傷し義足となった。

3-1_201801121349260c0.png それからまた時が経ち、弟妹も結婚し孫達も生まれ一家は大人数となった。
 そんなころ、南北分断の結果、離散してしまった家族との再会の場として、テレビ番組が放送されていた。
 これに出演したドクスは、父親には会えなかったものの、幸運にも末の妹と再会できた。
 妹はアメリカ人の養子となってアメリカにいたのであった。

 余生を生きる今、ドクスは回想する。 父親から「私にかわってお前が家長になるんだ。家長はどんな時でも自分よりも家族のことが優先だ」と、家族の団結と幸せを任されたことが、なんとか成し遂げられたと・・。


下

オリジナルタイトル:국제시장
監督・脚本:ユン・ジェギュン|韓国|2014年|127分|
撮影:チェ・ヨンファン|
出演:ドクス(ファン・ジョンミン)|その妻ヨンジャ(キム・ユンジン)|ドクスの親友で西ドイツ、ベトナムにも一緒に行ったダルグ(オ・ダルス)|ドクスの父親(チョン・ジニョン)|ドクスの母親(チャン・ヨンナム)|ドクスの叔母(ラ・ミラン)|ドクスの上の妹クッスン(キム・スルギ)|ほか

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

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