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映画「ボッカチオ'70」 監督:マリオ・モニチェリ、フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカ

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 イタリア喜劇映画です。
 4人の監督による4作品オムニバス。それぞれに主役の女優を立てて、その女性の奔放さを語ります。
 タイトル名「ボッカチオ'70」の「'70」は、本作製作年の8年後はこうなるかも、と語り、笑いを誘おうとしているのでしょうか。

 第1話「レンツォとルチアーナ」と第4話「くじ引き」は、イタリアの庶民層が主人公で、第2話「アントニオ博士の誘惑」は上流階級、第3話「仕事中」は貴族のお話。

1-0_20180310162557725.jpg いま観かえすと、第1話「レンツォとルチアーナ」が一番にいい出来だ。
 若い男女のレンツォとルチアーナのすなおさが清々しいし、1962年当時のイタリアのつつましい都市生活が垣間見れる。
 妊娠したと思い込んでの急ぐ結婚、親戚や職場に内緒で、会社帰りに立ち寄るようにして挙げるスピード略式結婚式と、この式を挙げる教会の要領いい対応。(ちなみに結婚行進曲は教会内にあるジュークボックスから流れる)

 式を挙げたその日から、新郎レンツォはルチアーナの狭い実家(アパートで5人家族)の一員となり、新婚を味わえないと嘆くレンツォ。結局、共稼ぎの2人が越した先は当時としては、未来をちょっと感じさせる新築高層のアパート。

 ふたりが勤務するビスケット工場、嫌な上司、退職金、転職、会計士資格試験準備、ローン返済計画、新婚旅行計画などのエピソードは、今も観る者の共感を呼ぶことでしょう。
 ふたりは引っ越し、転職し、レンツォは給料は少し上がったが夜勤の仕事。朝帰りの夫を待ってルチアーナは朝、出勤していきます。


20_20180310162707a53.jpg 第4話の「くじ引き」の主役はソフィア・ローレン。一般的にはこの第4話がお気に入りになるかもしれない。
 ソフィア・ローレン演ずるゾーエは、射的場の女。
 田舎のこの町で売られる闇くじで、これに当選するとゾーエとベッドを共にすることができる。だから町中の男たちはワクワク。
 今回のラッキー男は教会の童貞中年男、そしてゾーエの心を射抜いた男も現れる。イタリアの田舎の粗野を味わいましょう。

 第2話の「アントニオ博士の誘惑」は、初めて観ると意表を突いた話で、それなりに面白いかもしれないが、改めて観ると、社会的な道徳的な既成概念を単純化先鋭化していて(それで笑いを取ろうとしているが面白くない)、なかには偏見や差別につながる表現もあり、フェリーニ作だが駄作。
  
 第3話の「仕事中」は、ヴィスコンティの出自である貴族の「結婚」をテーマにした室内劇仕立ての話。
 まだ新婚の域なのに早や倦怠期中の夫婦、資金力ある貴族の親の庇護から抜け独立し、仕事をすると言い出した主人公プーペ夫人(ロミー・シュナイダー)のお嬢様的思いつき、娼婦と遊びそれが新聞ネタになった夫はプーペの親の金にすがる。
 そんな夫婦の駆け引きを描きます。
製作年:1962年|上映時間:165分|製作国:イタリア、フランス|
第1話レンツォとルチアーナ」 Renzo e Luciana
監督・脚本:マリオ・モニチェリ、共同脚本:ジョヴァンニ・アルピーノ、イタロ・カルヴィーノ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、撮影:アルマンド・ナンヌッツィ、主演:マリサ・ソリナス、ジェルマーノ・ジリオーリ
第2話アントニオ博士の誘惑」 Le tentazioni del dottor Antonio
監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ、共同脚本:エンニオ・フライアーノ、ゴッフレード・パリーゼ、トゥリオ・ピネリ、ブルネロ・ロンディ、撮影:オテッロ・マルテッリ、主演:ペッピーノ・デ・フィリッポ、アニタ・エクバーグ
第3話仕事中」 Il lavoro
監督・脚本:ルキノ・ヴィスコンティ、共同脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ、撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ、主演:ロミー・シュナイダー、トーマス・ミリアン、パオロ・ストッパ
第4話くじ引き」 La riffa
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ、脚本:チェーザレ・ザヴァッティーニ、撮影:オテッロ・マルテッリ、主演:ソフィア・ローレン

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やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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