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映画「エスケイプ・フロム・トゥモロー」  監督:ランディ・ムーア

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 妻子を連れてディズニーランドに来た男ジムの不幸な顛末。

5-0_20180505144113878.png 家族四人、前日に、ディズニーランドを目の前にしたホテルに一泊しての、次の朝。
 さあ、これからディズニーランドへ!という時に、ジムの携帯が鳴った。(休暇中に会社から電話が来るのは嫌なものだ)

 この電話で、働き盛りのジムは、勤め先の友人から(会社の決定だと前置きされて)突然の解雇を言い渡された。
 だが、家族でこれから楽しい時を過ごそうという、この日、ジムはクビになったことを妻に言いそびれる。

4-0_20180505144520ab4.jpg 映画は、理由が思いつかない突然の解雇によって、幸せな日常から暗い非日常へ、一気に転落したジムの、苦しい心境を、同時にプレッシャーからの逃避を表現する。(ジムは幻影を見始める)
 加えて映画は、こんな時にも、妻子に対し「良きパパ」を演じようとするジムの(現実逃避との)格闘を表していく。
 
 次いで、この不幸をトリガーにして、「良きパパ」の限界線にいるジムの目線を借りて、映画はディズニーランドという、「楽しい虚構」を実態ある世界に作り上げた、その仕組まれた作りごとを突く。(とても嫌なことがあると、目の前の楽しいことに対し、一気に批判的になるものだ)

 さらに映画は、一度嫌なことに会うと嫌なことが続きがち、というよくある「いら立ちの連鎖」を、シーン各所にうまく織り込みながら、一方で、プレッシャーからの逃避から来る、見知らぬ若い女性へのチョッカイや酒の暴飲といった、「良きパパ」ジムの、いけない誘惑との葛藤を可笑しくしてみせる。

 以上のようなことを踏まえ、話は、始めは、ディズニーランドでありがちな家族の行動/感情を示しながら、話の進行につれてジムの心に「いら立ちの連鎖」が鬱積し、後半ついに、ジムはSFの世界に迷い込み、悪夢に取り込まれて精神が爆発する。
 ちょっと、映画「未来世紀ブラジル」のラストシーンが心をかすめた。

オリジナルタイトル:Escape from Tomorrow
監督・脚本:ランディ・ムーア|アメリカ|2013年|90分|
撮影:ルーカス・リー・グラハム|
出演:ジム(ロイ・アブラムソン)|エミリー(エレナ・シューバー)|サラ(ケイトリン・ロドリゲス)|ソフィー(ダニエル・サファディ)|イザベル(アネット・マヘンドリュ)|科学者(スタッス・クラッセン)|看護師(エイミー・ルーカス)|

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めて8年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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