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映画「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」  監督:石井裕也

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1-0_201805201409348ae.jpg 慎二(池松壮亮)と美香(石橋静河)の、とても純なラブストーリー。
 それは繊細な男女の物語。恋することを怖がる美香の話でもある。

 とは言え、映画は今を生きるシンドさを、時間をとって描いている。
 特に慎二の周辺の登場人物は底辺であえぐ人が多い。心に重荷を抱いて、それでもなんとか今日一日分の、心のバランスを保とうとしている。
 
 舞台は東京。
 慎二と美香が出会う渋谷新宿の、作られた眩さと、人気のない街はずれの夜の暗さ。
 そして日雇い労働のビル建設現場と、死んでゆく患者を見送るに慣れた総合病院の廊下。
 そんな舞台を背景に、明日を見通せぬ日常の、鉛のような海に浮かんだ、慎二と美香の危なっかしい小さな恋。
 それで二人は、やっと明日を考えられる気がして、少し安堵するに至ったようだ。

2-0_20180520141205f57.jpg 慎二は生まれつき片目の視力がないことで屈折して生きてきた。
 高校の時、それなりに勉強ができ友達にも囲まれていたようだが、それは装いの日々であった。
 今は日雇いで生活している。慎二はこの生活に不満は無いようだ。今までに無くすなおに生きれる。
 日雇いの先輩は智之(松田龍平)という男で面倒をみてくれる。
 慎二が住むアパートの隣室のじいさんと仲がいい。本をたくさん持っていて、貸してくれていたが、ある日じいさんが孤独死。
 智之も、建設現場で突然死してしまう。

3-0_20180520141440c75.jpg 美香は東京に出て来て看護師をしている。
 毎日ではないが、患者が死んで病室を出ていくを見送るのが辛い。
 夜のバイトもしているのは、実家の父親に仕送りするためだ。
 美香が幼いころ母親は他界。自殺だったのか父親は口を閉ざしてきた。
 別れた彼氏から今でも愛しているというメッセージを受け取るが。

 物語は、登場人物に割り当てられたエピソードのパッチワークといってもいい。
 その一つひとつは、陳腐とは言わないが、よくある話。
 しかし、監督の素晴らしい演出力という魔法が、話をわざとらしくなく、リアルにして最後までしっかり観せる。

4-0_20180520141845ad9.jpg

監督・脚本:石井裕也|2017年|108分|
原作:最果タヒ(詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」)|
出演:美香(石橋静河)|慎二(池松壮亮)|智之(松田龍平)|美香の母(市川実日子)|岩下(田中哲司)|玲(佐藤玲)|牧田(三浦貴大)|フィリピン人の実習生アンドレス(ポール・マグサリン)|慎二の隣人の老人(大西力)|ストリートミュージシャン(野嵜好美)|ほか

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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

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 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

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