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映画「軽蔑」(1963) 監督:ジャン=リュック・ゴダール

上
イタリアの南、カプリ島にあるプロコシュの別荘にて。
左から、米国人映画プロデューサーのプロコシュ(ジャック・パランス)、通訳兼秘書嬢、カミーユ(ブリジット・バルドー)、その夫・劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)、名映画監督フリッツ・ラング(本人役で出演)。

             

1-0_20180623104949979.jpg ある日突然に妻から軽蔑され始めた夫の話。
 夫は劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)、妻のカミーユ(ブリジット・バルドー)は元タイピスト。

 ポールが劇作家として売れない頃に、ポールはカミーユと出会ったのだろう、貧しいながらも楽しい生活であった。(と思われる)
 その後、劇作家として飯が食えるようになる。何部屋もある高級マンションを買った。
 カミーユ曰く、「ホテル住まいより、ずっと豪華なマンション」に移り住むことができた。
 しかし、マンション購入にあたって一部の支払いは済ませたものの、残り全額支払うためには、荒稼ぎが必要だった。

 そこへ舞い込んだ美味しい話にポールは乗った。
 それは、アメリカ人の映画プロデューサー、プロコシュ(ジャック・パランス)が手掛ける映画「オデュッセイア」の脚本を、一般受けするように手直しする案件。監督フリッツ・ラング(本人役)が書いた脚本が硬く、プロコシュは気に入らない。撮影は一部すでに始まっているにもかかわらず、だ。
 プロコシュに呼び出されて、ポールはカミーユを連れて撮影所へ出向いた。
 そしてポールは撮影所の試写室に入り、テスト撮影を観る。監督が書いた脚本も渡される。
 映画の脚本は初めてだし、プロコシュのワンマン振りもいかがなものかと思ったが、ポールはやると返事した。プロコシュはその場でポールにギャラの小切手を切った。

02-_2018062310510525b.jpg そう、この日から、カミーユのポールに対する態度が一変する。
 そういえば、撮影所でのミーティングが終わってのち、プロコシュが自宅にポール夫妻を誘ったとき、プロコシュは赤いスポーツカーにカミーユだけ乗せようとした。あの時、カミーユは、これでいいの?という視線をポールへ送ったが、ポールはプロコシュに、どうぞ、自分はタクシーで行くと行った。あれがカミーユの気に障ったか・・とポールはそう軽く思っていた。

 そんなことだから、妻から軽蔑され始めたという事にポールはまったく気づかない。
 その後何日経っても、ポールはカミーユの態度が一変したわけがわからない。ポールには、さしたる心当たりがない。カミーユの心模様を探ろうと、カミーユに何度もわけを聞いたが何も言わない、話を逸らす。夫婦の、男と女の、ボタンの掛け違いの果てしない無限ループが続く。

 そして夫婦のそんな事情は、映画プロデューサーのプロコシュの別荘に持ち込まれる。
 結局、ポールはプロコシュからの誘いを辞退し、別荘をひとりあとにする。
 一方、この先タイピストとして働くと言うカミーユは、プロコシュの車に同乗し・・。
 そして結果的に、映画監督フリッツ・ラングは自作の脚本で映画を撮り続ける。


 たぶん、カミーユには、ポールに対する思いに、以前から徐々に変化があったに違いない。
 その身近な変容に気付かなかったポール。妻へのいとおしみ、観察力が何か欠けていたポール。

 映画は、製作当時の西欧映画業界の斜陽と、資金力あるハリウッドとの対比を物語に埋め込んでいる。
 また、男の思う成功と、女の思う幸せも対比してみせているように思う。

オリジナルタイトル:Le mepris
監督:ジャン=リュック・ゴダール|フランス・イタリア|1963年|102分|
原作:アルベルト・モラビア|脚本:ジャン=リュック・ゴダール|撮影:ラウール・クタール|
出演:カミーユ(ブリジット・バルドー)|ポール(ミシェル・ピコリ)|映画プロデューサーのジェレミー・プロコシュ(ジャック・パランス)|通訳のフランチェスカ・ヴァニーニ(ジョルジア・モル)|映画監督、本人役(フリッツ・ラング)|撮影監督(ラウール・クタール)|ラングの助監督(ジャン=リュック・ゴダール)|

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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
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