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映画「ふきげんな過去」  主演:二階堂ふみ、小泉今日子   監督:前田司郎

写真
左手前が果子、右の窓辺が未来子、奥が小学生のカナ  
店の二階の、果子の部屋にて











写真
高校生の果子

 青春期真っただ中にありがちな、ここ以外のどこかに憧れる、普通に不機嫌な女子高生、果子(二階堂ふみ)。
 映画は、この果子の家族を中心に、とりわけ「女達」について語ります。

0-1-0.jpg その語り口は、彼女たちの日々繰り返しの日常を縦糸に、またその日常の裏に隠し持つ、過去の非日常を横糸にして、まるでタペストリーを織りなす感じです。
 そして、そこから浮かび上がる模様、つまり、乾いた悲しみとでも言うべき宿命と、その不思議を映画は語ります。ですが、物語の根っこは喜劇と言っていいでしょう。

 果子のうちは、東京都品川区の端、運河や海近くの古い街にあって、向こうの先には再開発のオシャレな街、天王洲アイルの高層ビルが見える。
 家の稼業は「蓮月庵」という元蕎麦屋。店の名と店の造りそのままに、今はエジプト風の豆料理を売りにする呑み屋をしている。(レストランとは言えぬ古風な店内)
 店は、果子の祖母サチ(梅沢昌代)が女将で、果子の母親サトエ(兵藤公美)が手伝い、野村サンという外国人のおじさんが厨房を任されている。
 果子の父親タイチ(板尾創路)は毎日何もせず、夜は店の客に交じって飲んでいる。
 小学生女子のカナは、まるで果子の妹の様に、いつも果子のうちにいる。預かっているのだ。母親は近所の運河沿いのビルでスナックバーをやっている。

 ところで、この街には、運河にワニがいるという都市伝説がある。
 現に、運河に係留する船上で、銛(もり、漁具)を持ち、ワニの出現を待ち構える女の姿が見える。
 果子も、運河の岸にぼんやり立ち、この都市伝説を確認しようとしている。エレキギターを背負う男友達はそれを冷やかす。

0-2-0.jpg そんなこんなのある日突然、ひとりの女が店に現れた。
 それは、死んだはずだよの、果子の伯母の未来子(小泉今日子)、母親サトエの姉だった。
 祖母のサチもサトエも、びっくり!あんた、生きてたの! しかし果子は初対面。
 そしてその日から、未来子は家族同然に果子の部屋に居座ることになった。(その部屋は元は未来子の部屋だった)

 なぜ、死んだはずの未来子なのか。
 今からさかのぼること10数年前、未来子は北海道で爆破事件を起こし死亡が確認される、警察沙汰であった、のだ。
 その後、未来子はどうも、各地にて潜伏し今に至ったらしい。(政治運動の過激派じゃなく、何か謎の組織の一員らしいが映画は説明しません)

 未来子について、果子が知った事々。
 近所に住む義足のおじさんから聞いた話はこうだ。昔、未来子は地元のやくざの事務所を爆破しようとしたらしい、と。
 さらには、その事件のあと、当時の若き父親は未来子を追って北海道へ行ったとか・・。(近所の年配者らはみな知っている噂)
 そんなことを聞いた後、果子は、両親の寝室に父親と未来子がいるのを見てしまう。
 また、果子がよく行く喫茶店にいつもいる若い男(高良健吾)が、未来子と謎の行動を共にしているらしい。これは果子が男に会い、突き止めた事実。男はある組織の人間だと言う。

0-3-0.jpg こんな風に、果子は未来子の出現後、未来子についての切れ端を集めつなぎ合わせようとする。そして思う、未来子って何者?
 なぜか気になるが、果子は未来子とそりが合わない。同じ部屋にいること自体も嫌。
 ついに部屋で、果子と未来子は取っ組み合いの喧嘩になる。
 そして未来子が言った。「あんたはお父さんとアタシの子だよ」。そして果子がつぶやく。「そんな気がしてた・・」
 (映画はこの母子を、未来子と果子(かこ)と名付け、観客に話の解釈を投げてよこしているのです)

 さて、話のその先は観てのお楽しみですが・・、
 果子の母サトエは姉の未来子に「アタシの勝ちよ」と言い放ち、未来子は「そうよね」と言い返す。
 かたや、果子の祖母サチは煙草をふかしながら、娘の未来子に「出て行っておくれよ」と言い、そう言われて祖母の背に寄りかかり甘える未来子に、「アンタは昔から甘えるのが上手だね」。
 
 そうそう、運河にワニがいるという都市伝説は?、これも観てのお楽しみ。

監督・脚本:前田司郎|2016年|120分|
撮影:佐々木靖之|
出演:果子(二階堂ふみ)|果子の実母の未来子(小泉今日子)|果子の父親タイチ(板尾創路)|タイチの妻で、未来子の妹、かつ果子の養母のサトエ(兵藤公美)|未来子・サトエの母のサチ(梅沢昌代)|カナの母親レイ(黒川芽以)|レイの娘カナ(山田望叶)|謎の組織の男・康則(高良健吾)|野村さんと呼ばれる料理人(AHMAD ALI)|ほか
下
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 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

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 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
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 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
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