FC2ブログ

Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画「リフ・ラフ」   監督:ケン・ローチ

映画「リフ・ラフ」   監督:ケン・ローチ

上
スーザンとスティーヴ


1-0_20180810110304e21.jpg 題名の「リフ・ラフ」とは、「くずのようなヤツ」「ろくでなし」という意味で、底辺生活者を見くだし、さげすむ言葉。
 話は、工事現場でわずかな稼ぎを得る男と、歌の下手な歌手希望の女との、リフ・ラフな愛の物語。

 舞台はロンドン。
 主たるシーンのひとつは、古風な病院ビルを、超高級マンションに再生しようとする工事現場。(マンションのモデルルーム訪問客は運転手付きリムジンで乗りつけたアラブの富豪。工事現場の人間たちとはあまりに済む世界が違う)

 リフ・ラフな連中の仕事は、窓枠の取り外し、配管など病院設備の撤去という単純な力作業だ。
 彼らは、実にリフ・ラフでいい加減な働きだが、陽気。アフリカからの出稼ぎもいる。
 その中で、スティーヴという男は寡黙で真面目。これが主人公。以前、刑務所に入っていたらしい。ゆくゆくは店を持ちたい。
 スティーヴはこの現場で女物のバッグを見つけ、これが縁で持ち主のスーザンと出会うことになる。

 映画は恋愛話を進める一方で、この工事現場のシーンに重きを置く。リフ・ラフな労働者の墜落事故死を含め、結構ドキュメンタリー的な意味合いが強い。
 その様子は、工事下請け会社は現場の安全や雇用を配慮しないし、現場監督は終始彼らを見下し、その作業指示は誠にいい加減。

2-0_20180810110306314.jpg さて、二つ目の主たるシーンは、スティーヴが住む、といっても、不法に立ち入って勝手に住むアパートの空き室。家具など無い。
 スティーヴはここにスーザンを呼んでふたりの生活が始まる。
 スーザンはそれまで殺風景だった部屋をきれいに飾った。それは貧しいながらも幸せな毎日であった。
 ところが、スーザンは歌手への道が開けず精神的に追い詰められ、アパートにたむろする連中からヤクを買う。
 これを知ったスティーヴはスーザンに改心させようとするが受け入れられず別れる。スティーヴはかつて兄がヤクで人生と健康をふいにしたことを知っていた。

 話の顛末とラストシーンは観てのお楽しみですが、起承転結の結が尻切れトンボに感じるかも知れないが、これは手法。小説や漫画の物語や、音楽にもある表現方法。
 それと、英語が苦手な私には、下記のETC英会話の『映画「リフ・ラフ」でイギリス英語』の記述が気に入りました。
 http://aoki.com/etc/recommend/post_11953.html
 これによると、主人公スティーヴの話す英語はスコットランド英語やリバプール英語、そしてロンドン下町英語らしい。(映画はその違いを物語のメッセージとして送って来るのですが、字幕じゃ分からない)
 また当時のイギリスの事情も分かるんで、物語の理解に厚みができるかもしれない。

下
オリジナルタイトル:Riff Raff
監督:ケン・ローチ|イギリス|1991年|94分|
脚本:ビル・ジェシー|撮影:バリー・アクロイド|
出演:スティーヴ(ロバート・カーライル)|スーザン(エマー・マッコート)|コジョ(リチャード・ベルグレイヴ)|ラリー(リッキー・トムリンソン)|ジェイク(ピーター・マラン)|ほか

【 一夜一話の 歩き方 】

最新の記事はこちら

直近の記事100 リストは、こちらから (All Archives)

邦画評だけ見る (直近掲載の50作品)      洋画評だけ見る (直近掲載の50作品)  

TOPページ (映画記事の人気ランキング、映画の特集)

邦画の題名リスト    ◆洋画の題名リスト

邦画の監督名リストから記事を探す     洋画の国別リストから記事を探す

一話 (京都、旅行、美味など)  書評  美術

ポピュラー音楽!!  クラシック音楽

関連記事
スポンサーサイト

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://odakyuensen.blog.fc2.com/tb.php/1781-00c6ef9d
Listed below are links to weblogs that reference
映画「リフ・ラフ」   監督:ケン・ローチ from 一夜一話

Home > 洋画評だけ見る 直近50作 > 映画「リフ・ラフ」   監督:ケン・ローチ

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
 日ごろのアクセス、本当にありがとうございます。気づけば、ブログを始めてはや9年目に入りました。一夜一話に掲載したい映画、まだまだあります。気の向くまま、その時の気分でやってます。遊び半分じゃなく、「全部遊び」です。

<一話一夜の方針かな>
 1)古今東西の映画を分け隔てなく並べて、気に入った映画を選びます。
     
 2)以前に観た映画でも、もう一度あらためて観てます。むかし感じた印象と大きく異なることも多いからです。

 3)「素」な気持ちで、「映画作品そのもの」に向き合うことが、私の遊びです。
 作品自体が語りかけてくること以外の額縁情報、つまり宣伝文句、その受け売り文章、受賞実績、監督発言、出演俳優がどうしたとか、そして映画評論本やらは、はなから無視して、自分の眼で観るようにしています。

 4)観て気に入らない映画、つまんない映画は、基本掲載しません。
 だから、観たけど掲載しない映画は多いです。巨匠の名作と言われる映画も、気に入らなければ掲載しません。また、名物にうまいモノなし、ということも実感します。

 ただし、まだ観てない映画は、たくさんあります。こんな一夜一話ですが、今後も、見に来てください。   
 美術や音楽、書籍や温泉の記事も増やしたいと思っています。よろしく。  

RSSリンクの表示
Tree-CATEGORY

Return to page top